女子日本代表がフィリピン撃破でアジア杯2連勝!髙田真希&薮未奈海の3Pショーで豪州戦へ前進

FIBA女子アジアカップ2025|日本代表がフィリピンを下しグループ2連勝

2025年7月14日、中国・深圳で開催されている「FIBA女子アジアカップ2025」予選ラウンド第2戦にて、女子日本代表(FIBAランキング9位)が女子フィリピン代表(同44位)を85−82で下し、開幕から2連勝を飾った。

この試合で躍動したのは、キャプテン・髙田真希とデンソーアイリス所属の薮未奈海。ともに5本の3ポイントシュートを沈め、攻守においてチームを牽引。髙田が20得点、薮が15得点を記録するなど、“外角からの爆発力”で勝利を手繰り寄せた。

スタートから得点ラッシュ|主導権を握った日本代表の爆発力

試合は序盤から一進一退の点の取り合いに。先発は田中こころ(ENEOS)、今野紀花(デンソー)、馬瓜ステファニー(スペイン・サラゴサ)、髙田真希(デンソー)、渡嘉敷来夢(アイシン)という経験豊富な布陣。

第1クォーターから全員が得点に絡むバランスの良さを見せ、終盤には13−0のランで一気に突き放す。10分終了時点で31−20と11点のリードを奪い、流れを完全に掌握した。

ベンチから出場した宮澤夕貴(富士通)、薮未奈海(デンソー)、星杏璃(ENEOS)、東藤なな子(トヨタ紡織)らも躍動し、層の厚さを証明した。

髙田真希のベテランらしい安定感と薮未奈海の連続3P

第2クォーターはリードを保ちながら髙田の“4本目”となる3ポイントで一気に19点差に。ターンオーバーからの連続失点でリズムが崩れかけたが、ここで薮未奈海が2本連続の3ポイントを沈めて再び主導権を取り戻す。

前半終了間際にはオコエ桃仁花(ENEOS)が得点を決め、57−41と16点リードでハーフタイムに突入。主力と若手が融合した理想的な展開となった。

渡嘉敷や栗林も加点|全選手得点の理想的ローテーション

後半に入ると渡嘉敷の3Pや川井麻衣(デンソー)、宮澤のジャンパーなど得点の幅がさらに拡大。残り1分7秒からは薮が再び2本連続でロングレンジを決め、リードを20点差に広げる場面も。

第4クォーター開始2分41秒には栗林未和(東京羽田)がジャンプシュートを沈め、ベンチメンバー含めた全選手がスコアに貢献。ローテーションの完成度も光った。

最終盤はフィリピンの猛反撃を受け、点差は詰められたものの85−82でリードを守りきり、貴重なグループ2連勝を飾った。

3Pシュートで流れを変えた髙田と薮|勝負を決めた“外の力”

この試合のMVP級の活躍を見せたのが、髙田真希と薮未奈海。ともに3P5本成功というスタッツは、近年の女子日本代表が志向する「ペース&スペース」バスケの象徴とも言える。

髙田は内外両方で得点が取れる万能型であり、3ポイントを確実に沈めることで相手ビッグマンを外に引き出し、インサイドのスペースを作る役割も果たした。

一方の薮は“第2の火力”として終盤の流れを完全に日本へ引き寄せる役割を果たした。得点以外にもディフェンスやボールムーブへの意識も高く、ホーバスHCからの信頼も厚い。

若手とベテランの融合が進む日本|戦術理解度の高さも鍵

日本代表はここまでの2試合でレバノン、フィリピンを下し2勝0敗。いずれもスタートダッシュでリズムを作り、終盤の粘りで逃げ切る展開となっている。

特徴は「1人に依存せず、複数選手が得点できるバランスの良さ」にある。髙田や渡嘉敷、宮澤らベテランが要所で安定感を見せつつ、田中こころや東藤なな子といった若手が要所で起点となる場面も増加。試合ごとに成長の兆しが見える。

また、全体の戦術理解度が高く、トランジション、スペーシング、ヘルプディフェンスにおいて連動が取れている点も、世界と戦う上での大きな強みだ。

次戦は最大の山場、オーストラリアとの直接対決へ

日本代表の次なる対戦相手は、FIBAランキング3位の強豪・オーストラリア。7月15日に行われるこのグループ最終戦は、準決勝進出を左右する重要な一戦となる。

勝利すればストレートでの準決勝進出。敗れた場合は他グループ2位とのプレーイン(決定戦)に回るため、できる限りストレート進出を狙いたいところだ。

鍵となるのは、「サイズで勝る相手にどれだけ外角で崩せるか」。髙田・薮の3P、田中・今野のウィング展開、渡嘉敷のミドルなど、あらゆるパターンでのスコアリングが求められる。

まとめ|着実に進化を遂げる“ホーバスジャパン”、真価は次戦にあり

FIBA女子アジアカップ2025、ここまで2戦2勝。日本代表はベテランと若手の融合、そしてトム・ホーバスHCの戦術の浸透により、明らかに完成度を高めてきている。

3Pシュート成功数、全選手得点、ローテーションの多彩さ──どれをとっても「世界に通用するチーム」への進化が見て取れる。

次戦オーストラリアとの一戦は、その真価が問われる試金石だ。アジアカップ制覇、そしてパリ五輪、さらにはその先のW杯に向けて──
今大会は“現在地”と“未来”を測る最高の舞台となる。