女子高校バスケの注目校、京都精華学園が国際大会で鮮烈な開幕勝利
2025年6月26日、シンガポールで開催中の国際高校バスケットボール大会「NBA Rising Stars Invitational」において、京都精華学園高校(京都府)が圧巻のスタートを切った。初戦でシンガポール代表のファチョン・インスティテューションと対戦し、78-36の大差で快勝。国際舞台でもその実力を証明した。
この大会はNBAが新たに創設した高校生向けの国際大会であり、アジア太平洋地域11カ国から選抜された男女チームが競い合う。日本からは男子の福岡大学附属大濠高校、女子の京都精華学園高校が招待を受けて出場している。
序盤は接戦も、中盤以降に圧倒的なゲーム展開
京都精華学園は、吉田ひかり、金谷悠加、ンガルラムクナリヤ、石渡セリーナ、坂口美果の5人をスターティングメンバーに起用。立ち上がりは互いに探り合う形でスローペースとなったが、試合が動いたのは第1クォーター残り5分。
満生小珀のスティールを契機に、試合の流れが完全に京都精華に傾いた。その後は一度もリードを許すことなく、リズムの良いオフェンスと鋭いディフェンスで終始主導権を握った。
得点は外より中、リバウンド差が勝敗を決定づける
チーム全体で3ポイントシュートは17本中2本と成功率は振るわなかったものの、2ポイントで着実に加点。加えてリバウンド面では56対20という圧倒的な数字を記録。サイズとフィジカルを活かした京都精華のプレースタイルが、アジアの舞台でも通用することを証明した。
速攻やトランジションの場面でも走力が光り、前後半を通じて相手に流れを渡さずに試合を終えた。
リヤが21得点19リバウンドのダブルダブルでMVP級の活躍
この試合のヒーローは間違いなくンガルラムクナ・リヤだった。21得点19リバウンドという圧巻のダブルダブルを達成し、特にインサイドの支配力が際立った。
得点面では、ゴール下でのポジショニングとフィニッシュの正確さが際立ち、ディフェンスではセカンドチャンスを許さないリバウンド力を見せた。アジアの大型選手たちを相手にしても一切引かない姿勢は、今後のトーナメントでも鍵となるだろう。
満生が攻守に貢献、吉田・谷もスコアで存在感
試合最長の31分間コートに立った満生小珀は、7得点5リバウンド4アシスト2スティールと多面的に貢献。試合のリズムを作るうえで欠かせない存在となった。
吉田ひかりは12得点と安定したアウトサイドシュートを披露し、ベンチから出場した谷彩南も10得点と高い得点効率を見せ、控え選手の層の厚さも証明された。
日本の高校バスケが国際ステージへ進出
今回のNBA Rising Stars Invitationalは、NBA主導のもと、次世代の才能を発掘・育成することを目的に企画された大会。京都精華学園にとっては、国内トップレベルの競技力を持つことの証明だけでなく、アジア各国のスタイルと対峙する貴重な経験の場でもある。
すでに男子の福岡大学附属大濠高校が予選2連勝で準決勝進出を決めており、日本勢としての注目度も高まっている。
試合スコア詳細|京都精華 vs ファチョン・インスティテューション
チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
京都精華学園高校(日本) | 22 | 29 | 14 | 13 | 78 |
ファチョン・インスティテューション(シンガポール) | 8 | 7 | 9 | 12 | 36 |
今後の戦いにも注目、アジアの頂点へ向けて
京都精華学園は、この初戦の勝利によってグループ内で優位なポジションを確保。今後の対戦相手は格上の国も控えるが、初戦で見せた圧倒的なチーム力とインテンシティがあれば、上位進出は十分に期待できる。
国内ではすでに頂点クラスの実力を誇る同校が、アジアという広い舞台でどのような爪痕を残すのか。そのパフォーマンスは今後の国際大会出場選手の選考や育成モデルにも影響を与える可能性がある。
まとめ:京都精華が見せた「日本女子バスケの未来」
78-36というスコア以上に、内容で圧倒した京都精華学園。リヤを中心にしたインサイドの強さ、チーム全体の統率力、個々の対応力など、まさに「完成度の高いバスケ」を体現した試合だった。
今回の勝利は単なる1勝ではなく、日本の女子バスケットボールの可能性を世界に示すものでもある。次戦以降もその躍動から目が離せない。