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佐古賢一氏、シーホース三河の取締役に就任|“ミスター・バスケットボール”の新たな挑戦

株主総会で新体制を承認、レジェンドが経営陣入り

Bリーグ・B1に所属するシーホース三河は、2025年6月26日に実施された定時株主総会において、クラブのチームディレクターを務める佐古賢一氏が取締役に就任したことを正式発表した。フロントオフィスの中心人物として、新たに経営層へと加わる形となったこの人事は、日本バスケットボール界にとっても象徴的な出来事だ。

なお、佐古氏はこれまでどおりチームディレクターとしての職務も継続する。トップチームおよび育成部門を含むアカデミー全体の統括責任者として、引き続きクラブの競技力向上に直接関与していくことになる。

“ミスター・バスケットボール”と呼ばれた選手時代

佐古賢一氏は1969年生まれ。現役時代には日本の男子バスケットボール界を牽引する司令塔として知られ、1990年代から2000年代にかけて、日本代表の正ポイントガードとして活躍した。国内リーグではいすゞ自動車ギガキャッツ、そしてアイシンシーホース(現・シーホース三河)に所属。常に勝利を求める姿勢、卓越したゲームメイク、試合を読む力により、ファン・関係者から「ミスター・バスケットボール」と称された。

彼の偉業を象徴する出来事のひとつが、2020年にアジア人として極めて稀なFIBA殿堂入りを果たしたことだ。日本のバスケットボールが国際的に評価される契機となり、指導者としてのキャリアにも大きな期待が寄せられるようになった。

指導者としての10年──現場で磨かれた哲学

引退後、佐古氏は2014年にBリーグの前身であるNBLの広島ドラゴンフライズでヘッドコーチとして指導者人生をスタート。その後、日本代表のアシスタントコーチ、さらにはレバンガ北海道でのヘッドコーチ就任など、様々な立場で現場を支えてきた。

戦術理解の深さに加え、人材育成への情熱、クラブ文化の浸透を重視するスタイルは多くの選手に影響を与えてきた。また、ただ勝利を目指すだけではなく、地域密着・人間形成・次世代強化といったクラブの社会的使命を理解している指導者でもある。

2023年にシニアプロデューサーとして三河に復帰

2023年、古巣・シーホース三河に戻った佐古氏は、まずは「シニアプロデューサー」という役職に就任。人材発掘、トレーニング環境の整備、地域PR施策、スポンサー連携など、競技外の分野にも深く関わるようになった。クラブのビジョン設計や運営の仕組みづくりにも携わることで、経営側の視点を養ったといえる。

2024年にはチームディレクターへ移行、トップ強化を指揮

翌年2024年には、チームディレクターとしての職務に移行し、トップチームとアカデミーの強化を本格的に統括。選手の育成やスカウティングだけでなく、コーチ陣の育成支援やチームカルチャーの構築にも取り組んでいる。現場での経験値と、クラブ全体を見るマクロ視点の両方を持つ希有な存在として、シーホース三河の未来を託されている。

経営陣としての期待──クラブの持続可能性を見据えて

今回の取締役就任により、佐古氏は単なる現場責任者ではなく、クラブの経営戦略にも深く関与する立場となった。日本のプロスポーツクラブにおいて、元選手が経営に携わるケースは増えつつあるが、競技面・育成・経営のすべてに携わる人材は極めて貴重だ。

今後は、クラブの財務健全化、地域社会との共創、ファンベースの拡大、スポンサーシップ戦略の再設計といったテーマにも取り組むことが期待されている。現場と経営の「翻訳者」としての役割が求められる中で、佐古氏の存在は三河の持続的発展の鍵を握ることになるだろう。

ファン・地域・未来の選手に向けての責任

「選手を育てるだけではなく、その選手が輝けるクラブ環境を整えるのも、私の仕事です」と、佐古氏はかつて語っていた。まさに今、その言葉を具現化するフェーズに入ったといえる。プレーヤーとして多くの称賛を集め、指導者として経験を重ね、今度は経営者としての挑戦が始まる。

トップチームの勝利も大切だが、それだけではない。アカデミーから世界へ羽ばたく選手を育てること、バスケットボールを通じて地域に活力を与えること、そしてスポーツの持つ社会的意義をより広く伝えていくこと。佐古賢一という人材が、そのすべてを担う時代が始まった。

テイタムが盟友ホリデーとポルジンギスへ感謝の言葉|セルティックス再編の裏側とは

2024−25シーズン、セルティックスの挑戦は終焉を迎える

ボストン・セルティックスは、2025年のNBAプレーオフ イースタン・カンファレンス・セミファイナルでニューヨーク・ニックスに2勝4敗で敗戦。2連覇を目指して戦ったシーズンだったが、惜しくも夢は潰え、2024−25シーズンはここで幕を閉じた。昨年王者としてのプレッシャー、激戦区イーストでの連戦、そしてアクシデントが重なった中での敗退だった。

主将テイタムの離脱が決定打に

このシリーズ中盤、セルティックスに大きな痛手が訪れる。チームのエースであり、リーダーでもあるジェイソン・テイタムが第4戦でアキレス腱断裂の大怪我を負ったのだ。この負傷により、セルティックスはシリーズ後半をテイタム不在で戦うことになり、得点源を欠いたまま終戦を迎えた。

年俸整理と戦力再構築に向けた動き

シーズン終了後、フロント陣はすぐに動いた。エース不在で迎える新シーズンに備えるため、球団はロスターの再編成と年俸バランスの調整に着手。中心選手を含む大型トレードが続けざまに発表された。6月24日(現地時間)、守備の要であるドリュー・ホリデーをポートランド・トレイルブレイザーズへトレードし、代わりにスコアラーのアンファニー・サイモンズとドラフト2巡目指名権2本を獲得。翌25日には、3チーム間トレードによりクリスタプス・ポルジンギスをアトランタ・ホークスへ放出し、ジョージ・ニアンと指名権を手に入れた。

スターター2人の放出、その意味するもの

ホリデーとポルジンギスは、いずれもセルティックスにとって不可欠な存在だった。ホリデーは守備の司令塔としてチームのディフェンス力を支え、経験と冷静さでクラッチタイムを引き締めた。ポルジンギスは218センチという高さと外角シュート力を兼ね備えたモダンビッグマンとして、攻守に貢献。2023年に加入し、在籍2シーズンながら、2024年のリーグ制覇に大きな役割を果たした2人である。

その2人を立て続けに手放すという選択は、フロントにとっても決して軽い決断ではなかった。しかし、獲得した選手はいずれも来季終了で契約が切れる見通しで、将来的なキャップスペースの柔軟性を残す意図がある。また、追加で獲得した指名権により、ドラフトでの選択肢も広がる。すなわち今回のトレードは、単なる戦力整理ではなく、「テイタム復帰後の本格再始動」に向けた準備でもある。

テイタムがInstagramで綴った別れの言葉

盟友2人の移籍が正式発表された直後、ジェイソン・テイタムは自身のInstagramストーリーズを更新。ホリデーとポルジンギスに対して、それぞれ心からのメッセージを投稿した。ホリデーには、「2つの金メダル、そしてチャンピオンシップ。君と共にプレーできたことを一生感謝する。選手としても人としても、本当に尊敬している。これからもずっと友達だ」と綴った。

さらに、ポルジンギスに対しては「この街、そしてこのチームで君が果たした貢献は誰もが知っている。君の存在に心から感謝している。ずっと忘れない、チャンプ!」とコメント。SNS上には多くのファンが「涙が出た」「最高のバスケ仲間」と反応し、別れを惜しむ声が相次いだ。

別れの先にある未来、再び同じコートで

ホリデーとポルジンギスは、それぞれ新天地で新たなキャリアをスタートさせることになる。しかし、彼らがセルティックスにもたらした影響は色褪せることはない。2024年のリーグ制覇を支えたメンバーであり、その事実は永遠に変わらない。

今後、彼らが敵としてセルティックスの前に立ちはだかる場面が訪れるだろう。だが、試合終了後に交わされる笑顔や握手、抱擁の中には、かつての戦友としての絆が生き続けていることを多くのファンは感じるはずだ。

セルティックスの次なる一歩へ

今回の大型トレードは、「今を捨てて未来を取る」戦略と捉えることもできる。主力を放出し、キャップの柔軟性を得て、指名権を確保。これは再建期というよりも、テイタムを中心とした“第2章”の始まりだ。指名権を活用したルーキーの育成、新戦力の台頭、そしてテイタムの完全復帰。新シーズン、セルティックスは大きく姿を変えながらも、再び頂点を目指す戦いに挑む。

福大大濠、NBA高校国際大会で準決勝進出|圧倒的守備と全員バスケで65点差勝利

NBA主催の新国際大会、舞台はシンガポール

2025年6月26日、シンガポールで開催されている『NBAライジングスターズ・インビテーショナル』男子予選グループにて、日本代表として出場している福岡大学附属大濠高校がその実力を見せつけた。グループステージ第2戦でマレーシア代表のヒンファ高校と対戦し、90−25という驚異的なスコアで勝利。大会無傷の2連勝で準決勝進出を決め、世界に向けて大濠バスケの存在感を大きく示す形となった。

立ち上がりから主導権を掌握、完封ディフェンス

この日、福大大濠は初戦と同様、榎木璃旺、栗原咲太郎、村上敬之丞、サントスマノエルハジメ、廣田翼の5人を先発に送り出した。ゲーム開始直後、榎木が放ったジャンプショットがネットを揺らし、チームの攻撃に火を点ける。その後はリバウンドでも主導権を握り、セカンドチャンスから確実に加点。特筆すべきはディフェンスで、第1クォーターの開始5分以降、相手をわずか3得点に抑える完封守備を展開。23−3と一気に点差を広げ、試合の流れを完全に掌握した。

攻守に揺るぎなし、第2Qでも突き放す

第2クォーターも集中力は途切れず、的確なパスカットやスティールが光った。榎木と栗原を起点にしたトランジションオフェンスが冴え、さらに28−9とリードを拡大。相手のドリブルへのプレッシャー、ゾーンの読みの鋭さ、インサイドでの身体の張り方など、どの局面でも大濠が一枚上手だった。ゲームの支配権を完全に掌握した状態でハーフタイムを迎えた。

後半も手を緩めず、最大65点差でフィニッシュ

後半に入っても、福大大濠は一切の油断を見せなかった。特に第3クォーターは圧巻の33得点を記録し、相手をわずか4点に抑えるというワンサイドゲームを演出。第4クォーターではベンチメンバーの出場時間も増えたことでシュート精度がやや落ちたが、それでも守備の強度は維持され、最終スコアは90−25。今大会最大の得点差となる65点差をつけて圧勝した。

9選手全員がスタッツを記録、バランスの取れた勝利

試合後に発表された個人スタッツによると、栗原咲太郎と榎木璃旺がともに15得点でチームを牽引。サントスマノエルハジメと廣田翼が14得点ずつを挙げ、村上敬之丞が11得点と続いた。さらに、途中出場の山元珠來も10得点を記録するなど、9人全員がスコアに絡む結果となった。加えて、リバウンド、スティール、アシストの面でも全員が数字を残しており、「全員バスケ」の真骨頂を示す試合内容だった。

ゲームキャプテン・榎木の冷静な視点と決意

試合後、キャプテンとしてチームをけん引した榎木璃旺は「次の準決勝は確実に今よりも厳しい試合になる。だからこそ、チーム全体で気を引き締めて、細かいプレーにこだわりたい」とコメント。勝利の余韻に浸ることなく、すでに次の戦いに意識を向けている様子からも、大会に懸ける思いの強さがうかがえる。

NBAライジングスターズ・インビテーショナルの意義とは?

この大会は、2025年に新設されたNBA主催の国際高校バスケットボール大会で、将来のスター候補たちを早期から発掘・育成することを目的としている。アジア太平洋地域から11の国と地域の選抜校が集結し、男女それぞれのカテゴリーで競い合う。参加国にはオーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、韓国、台湾などが含まれており、国際的な競争力を養う貴重な機会となっている。

日本からは、男子の福岡大学附属大濠高校(福岡県)、女子の京都精華学園高校(京都府)が選出され、国内でも高い注目を集めている。特に男子代表の大濠は、長年全国大会の常連校であり、育成・戦術・組織力いずれも国内トップクラスのプログラムを誇る。

準決勝の相手と今後の展望

大濠の準決勝は、6月28日に行われる予定。対戦相手は別グループで勝ち上がってきたアジア有数の強豪校となる見込みだ。スピード、フィジカル、サイズ、どれを取っても一筋縄ではいかないチームが相手となるだろう。それでも、大濠は今大会ここまでの2試合で、戦術遂行力・選手層の厚さ・守備意識の高さを証明しており、優勝候補としての地位を確立している。

勝てば決勝進出、そしてNBA主催の国際大会初代王者という称号が見えてくる。日本バスケ界の未来を担う世代が、この大舞台でどこまで上り詰められるか、注目が集まる。

クーパー・フラッグがNBAドラフト全体1位指名!マブス入りで「レブロン以来の最年少」記録も樹立

NBAドラフト2025でクーパー・フラッグが全体1位指名を獲得


2025年6月26日(現地時間25日)、ニューヨーク・ブルックリンのバークレイズ・センターで「NBAドラフト2025」1巡目の指名が行われ、デューク大学出身のフォワード、クーパー・フラッグがダラス・マーベリックスから全体1位で指名されました。

この結果により、フラッグは2025−26シーズンからNBAの舞台に立つことが決定。数多くの逸材が揃った今ドラフトの中でも、フラッグはそのポテンシャルと即戦力性を兼ね備えた「今最も完成されたプロスペクト」として注目を集めていました。

206cmの万能フォワード、デューク大で記録的なスタッツ


クーパー・フラッグは身長206cm、体重92kgのフォワード。シュート力、ハンドリング、パス、ディフェンスすべてにおいて高い能力を持ち、ポジションレスな現代バスケに完全にフィットする選手とされています。

2024−25シーズン、デューク大学では1年生ながら主力として37試合に出場。平均19.2得点・7.5リバウンド・4.2アシスト・1.4スティール・1.4ブロックという多彩なスタッツを記録し、チームの中心選手として活躍しました。フィールドゴール成功率は48.1%、3ポイント成功率は38.5%(1試合平均1.4本成功)、フリースロー成功率も84.0%と非常にバランスの取れたスキルセットを披露。

スカウト陣からは「プレーメイクもできる大型フォワード」「ディフェンスのIQが異常に高い」と高く評価されており、単なるスコアラーではなく、チーム全体のレベルを引き上げられる選手として注目されています。

レブロンに次ぐ「最年少1位指名」記録を更新

米メディア『ESPN』によると、クーパー・フラッグは2003年にクリーブランド・キャバリアーズから全体1位指名を受けたレブロン・ジェームズに次ぎ、NBA史上2番目に若い年齢での全体1位指名となりました。

2006年12月生まれで現在18歳のフラッグは、2025年6月の時点でドラフトエントリー資格を満たしたばかり。大学バスケットボールで1年のみのプレー経験ながら、若さを感じさせない落ち着きと勝負強さで注目を集めていました。

この若さでNBAのトップ指名を勝ち取ることは、それだけで歴史的快挙であり、今後のキャリアに対する期待値の高さを示しています。

マーベリックスでの役割は?即戦力として期待高まる


指名元となったダラス・マーベリックスは、今季NBAファイナル出場を果たすなど、既に優勝を狙える戦力を有する強豪チーム。ロスターにはカイリー・アービング、アンソニー・デイビス、クレイ・トンプソンといった経験豊富なベテラン陣が揃っており、フラッグはこの中で「即戦力」としての役割を期待されています。

特にスモールフォワードのポジションでの先発起用が有力視されており、シーズン開幕前の7月11日〜21日にかけて開催される「ラスベガス・サマーリーグ」での実戦デビューが予告されています。ここでのパフォーマンス次第では、開幕ロスター入りと先発定着も十分に現実的といえるでしょう。

“新時代の象徴”として、フラッグが背負うもの

クーパー・フラッグは、アメリカの高校時代から「ネクスト・レブロン」「ネクストKD(ケビン・デュラント)」などと形容される存在でした。スキルセットに加え、バスケットボールIQ、リーダーシップ、競争心といった要素も非常に高く、単なる“身体能力のある若者”とは一線を画す評価を得ています。

一方で、NBAの舞台で成功するには身体のフィジカル強度、試合のペース、連戦による対応力など、大学とはまったく異なる適応力が求められます。マーベリックスの環境下でどれだけ早く順応できるかが、今後の成長曲線を大きく左右することになります。

「レブロン以来の逸材」がNBAの景色を変えるか

2025年のドラフトは、レブロン・ジェームズの全体1位指名から22年を経て、再び“特別な存在”の登場を世界に印象づけました。レブロン以来の最年少で全体1位に選ばれたフラッグには、プレッシャーも注目度も集中しますが、それに応えるだけの才能とメンタリティを備えていることは、すでに大学時代に証明済みです。

ルーキーイヤーからどこまで通用するのか、どのようにチームと融合していくのか——2025−26シーズンのNBAは、クーパー・フラッグを中心に大きな注目を集めることになるでしょう。

NBAファイナル2025終了直後に大型移籍連発!レブロンは「あと2年現役」と発言、去就に注目集まる

サンダーがファイナル制覇、NBA2024-25シーズンが閉幕

2025年6月23日(現地時間22日)、ついに「NBAファイナル2025」の最終戦が行われ、オクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズを下してフランチャイズ史上初の優勝を果たしました。これはシアトル・スーパーソニックスから移転した2008年以降で初のリーグ制覇となり、記念すべき快挙となりました。

今季サンダーは、リーグトップの勝率でレギュラーシーズンを終え、プレーオフでも強豪を撃破しながら順調に勝ち進みました。第7戦まで粘ったペイサーズとの激戦を制し、若きタレント軍団がついに王者へと上り詰めたのです。

シーズン終了直後から移籍市場が活発化

シーズンが終了したばかりにもかかわらず、すでに来季に向けた大型トレードや移籍の報道が相次いでいます。なかでも最初に注目されたのは、デズモンド・ベインのオーランド・マジック移籍報道でした。続いて、ケビン・デュラントがヒューストン・ロケッツへ加入するニュースや、ドリュー・ホリデーがポートランド・トレイルブレイザーズに移籍するという驚きの動きも明らかになっています。

このように、2025−26シーズンに向けて各チームの再編が早くも始まり、ファンの視線はすでに新たなシーズンへと向けられています。

ベテラン選手の去就にも注目が集まる

今オフの移籍市場では、若手の台頭とともに「ベテラン勢の動向」にも注目が集まっています。特に話題となっているのが、ケビン・デュラント(36歳)、ステフィン・カリー(37歳)、そして現役最年長のスーパースターであるレブロン・ジェームズ(40歳)の去就です。

彼らはいずれも2000年代からリーグを牽引してきた象徴的存在であり、そのキャリアが終盤に差し掛かっていることから、今後の動向には世界中のバスケットボールファンが注目しています。

「あと2年はプレーする」レブロンが現役続行に言及

6月22日、イベント『Fanatics Fest』にてレブロン・ジェームズが現役続行に関する発言を行い、大きな話題を呼びました。同イベントでは、サンアントニオ・スパーズの若きスター、ビクター・ウェンバンヤマやNFLの伝説的QBトム・ブレイディらとともに登壇し、トークセッションを展開。

その中で、親友でありビジネスパートナーでもあるマーベリック・カーターから「あと何年プレーを続けるのか?」と問われたレブロンは、ウェンバンヤマを指差しながら次のように答えました。

「彼(ウェンバンヤマ)が俺のシュートをブロックして、スタンドにぶち込む限りはやめないよ。彼が俺の引退のタイミングを決めるんだ」

このコメントに対し、ウェンバンヤマは「彼の引退は僕より後になるね」と笑顔で返答。会場は笑いに包まれました。

レブロン「確実にあと2年はやる」発言に現実味

その後、改めて「あと何年プレーするつもりか?」と聞かれたレブロンは、真剣な表情で以下のようにコメント。

「レブロンにはまだ余力があると思ってる。あと2シーズンは確実だよ。賭けてもいい」

これは、自身のキャリアについて公式に言及した数少ない発言のひとつであり、ファンやメディアの間では「レブロンのラストイヤーが近づいている」という見方と、「まだ記録を塗り替える可能性がある」という両方の期待が高まっています。

ウェンバンヤマは「レブロンがデビューした年にまだ生まれていなかった」


この場で共演したウェンバンヤマは、2004年1月生まれの21歳。レブロンがNBAデビューを果たした2003年には、まだこの世に誕生していなかったという事実が、いかにレブロンが長年トップレベルを維持してきたかを物語っています。

自身の半分以下の年齢の選手たちと同じ舞台で競い合い、なおもリーグで通用するスキルとフィジカルを保ち続ける“キング”の姿は、多くの選手たちにとって目標であり、バスケット界の生きるレジェンドそのものです。

来季以降も続く“世代交代と共存”の構図

2025−26シーズンのNBAは、ウェンバンヤマやチェット・ホルムグレン、スコット・ヘンダーソンといった新時代の若手と、レブロンやカリーといったレジェンド世代が同時にリーグを彩る貴重なシーズンとなりそうです。

どのタイミングでレブロンがユニフォームを脱ぐのかは現時点では不明ですが、本人が「あと2年」と語ったことで、少なくとも2026−27シーズンまでは彼の雄姿を目にすることができそうです。

今後のドラフトやフリーエージェント市場にも影響を与える可能性があり、レブロンの発言はリーグ全体の展望にとっても大きな意味を持ちます。

レブロンの“最後の舞台”はどこになるのか?

現在もレイカーズとの契約が継続しているレブロンですが、2025年以降の動向にはさまざまな憶測が飛び交っています。息子ブロニー・ジェームズとの共演を望んでいるという噂も根強く、どのチームで“最後の戦い”を迎えるのかにも大きな注目が集まっています。

ファンとしては、ただ「あと2年」の発言を喜ぶだけではなく、彼が最高の形でキャリアを終えるための環境を整えてほしいと願うばかりです。

オクラホマシティ・サンダーがNBA初優勝!ファイナル第7戦でペイサーズを撃破、”背番号0″に起きた悲劇とは?

オクラホマシティ・サンダーが悲願のNBA制覇、歴史に残る初優勝を達成

2025年6月23日(現地時間22日)、ついに「NBAファイナル2025」の頂上決戦が幕を閉じた。第7戦までもつれ込んだ激闘の末、オクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズを破り、フランチャイズ移転後初となるNBAチャンピオンの座に輝いた。

サンダーにとってこの優勝は、旧シアトル・スーパーソニックス時代を含めても実に長い歴史の中で、移転後初の栄光。今季レギュラーシーズンではリーグトップの勝率を誇り、プレーオフでも安定した戦いぶりで頂点にたどり着いた。

ペイサーズも奮闘、下剋上でファイナルへ

敗れたインディアナ・ペイサーズも、東カンファレンス第4シードから快進撃を見せたチームのひとつだった。カンファレンスセミファイナルではクリーブランド・キャバリアーズ、カンファレンスファイナルではニューヨーク・ニックスという強豪を撃破。特にニックス戦での劇的な勝利は多くのファンの心を打ち、ファイナルでも最終第7戦まで持ち込む粘りを見せた。

インサイド、アウトサイドともにバランスの取れたチーム構成で、今季の快進撃は一過性ではない実力の証明となった。

第7戦で起きた悲劇…ハリバートンがアキレス腱断裂

インディアナの司令塔であり、今季大ブレイクを果たしたタイリース・ハリバートンに悲劇が訪れたのは、第7戦の序盤だった。第6戦で右ふくらはぎを負傷しながらも先発出場したハリバートンは、第1クォーターに3本の3ポイントを沈めるなど気迫のプレーを見せていた。

しかし、第1Q残り5分でプレー中に転倒し、後にアキレス腱断裂と診断される大怪我を負ってしまう。試合後にクラブが発表した内容によれば、回復には長期を要し、来シーズンの大半を欠場する可能性が高いとされている。

続くアキレス腱の負傷、スター選手に何が起きているのか

今回のポストシーズンでアキレス腱を断裂したのは、ハリバートンだけではない。デイミアン・リラード(ミルウォーキー・バックス)は1回戦で、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)は準決勝で、それぞれルーズボールを追う中でアキレス腱を負傷。いずれもシーズンを終える致命的な怪我となった。

この3選手に共通するのは、いずれも東カンファレンス所属であること、そして背番号が「0」であること。さらに、所属チームが直近1年間で何らかのトロフィーを手にしていたという点も興味深い。

  • ハリバートン:ペイサーズでカンファレンス制覇
  • リラード:NBAカップ2024(レギュラーシーズン中大会)優勝
  • テイタム:NBAファイナル2024 優勝(セルティックス)

SNSで話題に「背番号0の呪い」

アメリカのバスケットボールメディア『ClutchPoints』は、これらの共通点に注目。「背番号0を背負うスター選手にアキレス腱断裂が集中している」との投稿がSNSで拡散され、“ゼロのジンクス”として話題を呼んでいる。特に、3選手すべてが今季注目のプレーヤーであったこともあり、ファンの間では偶然では済まされないとの声も出ている。

なお、今回優勝したオクラホマシティ・サンダーには背番号「0」をつける選手はいなかったことから、少なくともこのジンクスが続くことはなさそうだ。

82試合+ポストシーズンの過密スケジュールが引き金か

NBAは通常のレギュラーシーズンだけでも82試合という長丁場。それに加えて、ポストシーズン、そして昨今では「インシーズン・トーナメント(NBAカップ)」といった新大会も導入され、選手の身体的負荷は年々増している。

特にオールスター級の選手においては、出場時間も長く、シーズン中の稼働率は非常に高い。プレーイン・トーナメントを含めた過密日程は、確実に選手の怪我リスクを増大させており、今回のアキレス腱断裂続出はリーグ運営にとっても見過ごせない事象となっている。

NBAの今後に問われる「選手保護とリーグ興行」の両立

今シーズンのファイナルは歴史的な試合として語り継がれる一方で、スター選手の負傷が象徴する「過密日程の代償」という暗い影も残した。NBAとしては、ファン獲得や視聴率のための大会拡張・興行面強化と、選手の安全や健康維持をいかに両立させていくかが今後の大きなテーマとなりそうだ。

アキレス腱断裂という重傷から復帰するのは簡単ではない。しかし、ハリバートン、リラード、テイタムの3人が再びコートに戻り、輝きを放つその日まで、リーグとファンの双方が選手たちの健闘と回復を支えていく必要がある。

平良彰吾が琉球と完全移籍合意!期限付き移籍からつかんだB1定着の道

琉球ゴールデンキングスが平良彰吾の完全移籍を発表

B1リーグの強豪・琉球ゴールデンキングスは2025年6月26日、B3の横浜エクセレンスから期限付き移籍中だった平良彰吾と2025−26シーズンの新規契約を結び、正式に完全移籍となることを発表しました。昨年10月に緊急加入した平良は、持ち味であるディフェンスとエナジー溢れるプレーでローテーションに定着し、ついにB1の舞台で本格的なキャリアをスタートさせることになります。

世代別日本代表にも選出された技巧派PGの歩み

千葉県出身の平良彰吾は、現在28歳。170cm・72kgとB1では小柄な部類に入るものの、その分スピードとクイックネスを活かしたプレーで存在感を放ちます。市立船橋高校時代には八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)とともに世代別日本代表に名を連ね、注目を集めました。

拓殖大学を経て、2020年にはライジングゼファー福岡の特別指定選手としてBリーグデビュー。その後はしながわシティバスケットボールクラブや湘南ユナイテッドBCでプレーし、2023年にはB3の横浜エクセレンスへ加入。着実にキャリアを重ねてきた選手です。

期限付き加入から一転、琉球での完全移籍が実現

2024−25シーズンが開幕した直後の10月、琉球は主力ガード・伊藤達哉の負傷離脱に伴い、ガードポジションの補強を急務としていました。そこで白羽の矢が立ったのが、横浜EXに所属していた平良彰吾。1カ月限定の契約で琉球に加わると、そのハードなディフェンスやチームプレーで指揮官の信頼をつかみ、即座にローテーション入り。

当初の契約は延長され、最終的にシーズン終了までの在籍に。B1リーグでは計30試合に出場し、平均1.8得点、0.3リバウンド、1.0アシストを記録。数字以上に、チームに活力をもたらすプレーで存在感を発揮しました。

「両親の夢」が叶った沖縄でのプレー

今回の完全移籍発表にあたり、横浜エクセレンスの石田剛規GMは、平良の背景にあった“家族の想い”を明かしました。都内で偶然出会った平良の両親が語っていた「いつか息子が沖縄でプレーする姿を見たい」という願いを受けて、当時石田GMは「必ずカテゴリーを上げて、沖縄に遠征できるようにします」と答えたといいます。

結果的にカテゴリーを超えての完全移籍という形で、その願いは想像以上に早く叶うこととなり、石田GMは「夢が現実になった」と感慨深くコメントしました。

琉球が語る平良の価値と今後の期待

琉球ゴールデンキングスは、平良の持つ特徴について「スピードを活かしたドライブ、正確なシュート力、そして闘志溢れる守備」を挙げ、チームへの高い適応性を評価。さらに、「天皇杯やチャンピオンシップといった大舞台でも堂々としたプレーを見せ、常に全力で成長を追い求める姿勢がチームに刺激を与えている」と賞賛しました。

完全移籍を機に、来季以降さらに大きな飛躍が期待されており、琉球ファンの間でも今後の活躍に大きな注目が集まっています。

横浜EXへの感謝と琉球への決意

平良自身も、横浜エクセレンスへの感謝をクラブを通じて表明。「期限付き移籍という形でB1の舞台に挑戦させていただき、その後も延長を快諾してもらえたことに心から感謝しています」と語り、快く送り出してくれたクラブ関係者や仲間に対して感謝の思いを綴りました。

また、琉球への思いについても「自分にとって縁のある沖縄でプレーできることを本当にうれしく思っています。キングスファンの皆さんの声援は大きな力になります。来シーズンもチームにエナジーを注ぎ込めるように精進します!」と力強いメッセージを送りました。

B1定着へ、平良彰吾が見据えるその先のキャリア

高校時代から「小さな司令塔」として注目されていた平良ですが、フィジカルサイズの壁やカテゴリーの違いなど、乗り越えなければならないハードルは決して低くありませんでした。2024−25シーズン、B1での挑戦の中で証明したのは、「努力し続ければ、チャンスはつかめる」という事実でした。

来季以降、琉球の正ガード陣と競争しながら、自身の持ち味をより強く打ち出す必要がありますが、すでにローテーション入りの実績を積んでいる平良ならば、さらにステップアップを果たす可能性は十分。スピードと判断力を武器に、B1の舞台でさらなる飛躍を遂げる準備は整っています。

グラント・ヒルが『NBC Sports』でNBAアナリスト就任へ|殿堂入りレジェンドが再び放送界に復帰

グラント・ヒル、2025-26シーズンから『NBC Sports』でNBAアナリストとして復帰

2025年6月25日(現地時間24日)、NBA界のレジェンドであり、バスケットボール殿堂入り選手のグラント・ヒルが、2025-26シーズンから『NBC Sports』のNBA中継にてゲームアナリストを務めることが明らかとなりました。『NBC Sports』は今シーズンからNBA放映に復帰する注目の放送局で、放送陣の一新が話題となっています。

NBAキャリア18年のグラント・ヒルとは

グラント・ヒルは1994年のNBAドラフトでデトロイト・ピストンズに全体3位で指名され、華々しくプロキャリアをスタート。ポジションはスモールフォワードながら、高いバスケットIQとプレーメイキング力、得点力、リバウンド、守備力を兼ね備えたオールラウンドプレーヤーとして名を馳せました。

ピストンズ在籍時には7度のNBAオールスター出場、オールNBAチーム選出、ルーキー・オブ・ザ・イヤーなど数々の栄誉を受賞。マイケル・ジョーダンの引退直後に「NBAの顔」としてリーグを牽引した存在でした。

キャリア後半の逆境と挑戦

しかし、ピストンズ時代の終盤に足首の大ケガを負い、その後移籍したオーランド・マジックでは長期離脱を余儀なくされます。度重なる手術とリハビリに苦しみながらも、不屈の精神でNBA復帰を果たし、フェニックス・サンズ、ロサンゼルス・クリッパーズと移籍を重ねながらキャリアを継続。

キャリア晩年には主にディフェンスとリーダーシップで貢献するロールプレーヤーへと役割を変え、18シーズンにわたってNBAで戦い抜きました。2018年にはその功績が称えられ、正式にバスケットボール殿堂入りを果たしています。

放送業界への再挑戦|複数の顔を持つヒル

引退後のヒルは、解説者としても高い評価を受け、10年以上にわたりテレビ放送に携わってきました。特に『TNT Sports』におけるNCAAトーナメントのアナリストとしての活動は広く知られており、穏やかで知的な語り口と、選手時代の経験を踏まえた分析力でファンに愛されています。

今回の『NBC Sports』での就任により、ヒルはプロとアマチュア両方のバスケットボールにおいて、解説者として新たなフェーズへと進むことになります。さらに、彼は現在『USA Basketball(アメリカ代表)』のマネージング・ディレクターも務めており、競技運営面でも大きな役割を担っています。

『NBC Sports』の放送陣には豪華メンバーが集結

『NBC Sports』は今季からNBA中継に再参入するにあたり、豪華な放送陣を揃えています。かつてのNBAスターであるレジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)、カーメロ・アンソニー(元ニューヨーク・ニックス他)、さらには“バスケットボールの神様”マイケル・ジョーダンも「スペシャル・コントリビューター」として番組制作に関わると報じられています。

グラント・ヒルの加入は、このドリームチーム的な放送陣の一角を形成するもので、往年のNBAファンにとってはたまらない顔ぶれとなっています。往年のスターたちがどのような視点で現代のNBAを語るのか、新シーズンの放送が大きな期待を集めています。

NBAと放送の未来をつなぐ“語り手”として

ヒルのような“両サイドの経験者”――すなわち、選手として頂点を経験し、メディアでも長く活躍してきた人物――は、NBAというコンテンツをより深く、そして親しみやすくファンに届ける存在です。彼の知見と視点は、今後のNBA放送の価値をより高めてくれることでしょう。

『NBC Sports』はかつて1990年代にNBA中継で一世を風靡した歴史あるメディア。そんな往年の舞台に、グラント・ヒルが再び立つ――それはまさに“レジェンドの帰還”といえる出来事です。

まとめ|殿堂入りレジェンドが放送席で示す新たな価値

グラント・ヒルが新たに『NBC Sports』でNBAアナリストとして再スタートを切ることで、彼の第3のキャリアが本格化します。選手、リーダー、そして語り手として、時代を超えてバスケットボール界に影響を与え続ける存在となっているヒル。

かつて“ネクスト・ジョーダン”と称された彼が、今度はマイケル・ジョーダンと同じ放送チームで新時代のNBAを伝える姿に、多くのファンが注目することは間違いありません。

ディップ社がB3「さいたまブロンコス」のオーナーに就任|2030年Bプレミア参入を目指す戦略とは

ディップ株式会社、さいたまブロンコスの経営権を取得

2025年6月25日、埼玉県さいたま市にてディップ株式会社が記者会見を行い、B3リーグ所属「さいたまブロンコス」を運営する株式会社ブロンコス20の子会社化、ならびに同クラブの新オーナーに就任することを正式に発表しました。

これにより、ディップ株式会社はBリーグのクラブ運営に本格参入。人材業界で躍進を遂げてきた同社が、今後はプロバスケットボールチームをどのように育成・発展させていくのか、注目が集まります。

ディップ社とは?スポーツ界との結びつきも強い注目企業

ディップ株式会社は、「バイトル」「はたらこねっと」「ナースではたらこ」など多様な求人・転職支援サービスを展開する人材サービスのリーディングカンパニー。特に近年は、スポーツマーケティング分野にも力を入れており、大谷翔平選手をブランドアンバサダーとして起用しているほか、ダンスプロリーグ「D.LEAGUE」では「dip BATTLES」のオーナーとして活動中。また、2026年に開催される野球の国際大会「World Baseball Classic Tokyo Pool」ではメインスポンサーも務めます。

ディップ代表・冨田英揮氏「BプレミアでNo.1に」


会見には、ディップ株式会社代表取締役社長 兼 CEOの冨田英揮氏と、株式会社ブロンコス20代表の小竹克幸氏が出席。冨田氏は開口一番、「Bリーグクラブのオーナーになることは長年の夢だった」と述べ、次のように意気込みを語りました。

情熱をもって、さいたまブロンコスを強くする。B.LEAGUE PREMIERに参入し、最終的にはBリーグ全55クラブの中でNo.1になるという夢を持って参入しました。我々が関与するからには、良い選手を獲るための資金を惜しみなく投入します。

また、「埼玉県内に7万5000件の求人情報があることからも、地域の顧客や従業員を巻き込んでファンを増やし、最も愛されるチームにしていきたい」と、企業としての戦略と地域密着の方針を強調しました。

さいたまを選んだ理由とB3クラブへの思い

なぜ「さいたまブロンコス」だったのか。その問いに対して冨田氏は、「さいたま市は大きなマーケットであり、関東圏で社員も観戦しやすい立地。自身も試合観戦がしやすいのが大きな決め手」と説明。ビジネスとファン目線の双方から、クラブ運営への想いを語りました。

さらに、現在B3リーグに所属していることについては「非常に魅力的」と評価。「我々も人材業界に参入した頃は業界の下位に位置していましたが、そこから成長してトップに立った。その経験をスポーツクラブ運営にも生かしたい」と、挑戦者としての視点を示しました。

B1経験者を中心に積極補強を実施


さいたまブロンコスは、この夏の移籍市場において積極的な補強を展開しています。レバンガ北海道から松下裕汰、仙台89ERSから多嶋朝飛、京都ハンナリーズから小西聖也、横浜BCに在籍していたデビン・オリバー、さらに新潟アルビレックスBBの大矢孝太朗といった、B1経験を持つ選手が次々に加入。

これについて、ブロンコス代表の小竹克幸氏は、「ディップさんの資金支援が補強を後押ししてくれた」とコメントし、「今季がB3最終年となるため、有終の美を飾りたい」と語気を強めました。

2030-31シーズンのBプレミア参入を明言

Bリーグは2026-27シーズンから新たに「Bプレミア」という最上位リーグを設置予定で、入会基準として財務状況やアリーナ要件、観客動員など厳格な条件が課されています。

冨田氏はこの点にも触れ、「我々は2030-31シーズンまでにBプレミア参入を果たすことを目標にしている」と明言。長期的な育成方針を打ち出し、戦力・組織・施設すべてにおいてリーグ基準を満たす構想を進めていると説明しました。

新オーナー就任で変わる未来のビジョン

ディップ社のオーナー就任によって、さいたまブロンコスはこれまで以上に資金力と事業展開の幅を広げられる体制となります。人材業界での成長実績と、マーケティング・ブランディングの知見を活かし、Bリーグ内での存在感を強めていくことが予想されます。

また、冨田氏は「バスケットボールが単なる競技にとどまらず、地域経済やコミュニティの活性化につながるものにしたい」と語っており、今後はスポーツビジネスとしての側面にも力を入れていく方針です。

まとめ|B3から始まる「下剋上」の挑戦

さいたまブロンコスは、ディップ株式会社という強力なパートナーを迎え、新たなステージへと踏み出しました。2030年のBプレミア参入、そして将来的なリーグ制覇を目標に掲げるクラブの今後は、まさに「下剋上」の物語そのものです。

ファンを巻き込み、地域とともに成長していくその歩みが、Bリーグにどのような新風を巻き起こすのか――注目は尽きません。

ケーレブ・ターズースキーが群馬クレインサンダーズを退団|3年間の貢献と別れの言葉

ケーレブ・ターズースキー、群馬を退団へ

2025年6月25日、B1リーグの群馬クレインサンダーズは、自由交渉選手リストに公示されていたケーレブ・ターズースキーとの契約が2024-25シーズンをもって満了となり、退団することを正式発表しました。これにより、チームのインサイドを支えてきたベテランセンターが3シーズンの在籍を経てチームを離れることとなります。

アリゾナ大から欧州・日本へ渡った実力派ビッグマン

ターズースキーはアメリカ・サウスダコタ州出身で現在32歳。212cm、112kgという恵まれた体格を持つセンタープレーヤーで、アリゾナ大学では4年間にわたり先発センターを務め、全米屈指のインサイドプレーヤーとして高い評価を受けました。

大学卒業後はNBA入りは果たさなかったものの、Gリーグ(オクラホマシティ・ブルー)でのプレーを経て、ヨーロッパの強豪オリンピア・ミラノ(イタリア)へ加入。ここでの経験を糧に、2022-23シーズンからは日本のB1リーグ・群馬クレインサンダーズに加わりました。

群馬での3年間|攻守の軸として存在感を発揮

ターズースキーは群馬に加入して以降、安定したパフォーマンスでチームの中核を担いました。2024-25シーズンにはB1リーグ戦全60試合に先発出場。1試合平均10.8得点、7.3リバウンド、2.4アシストと、インサイドの主力として攻守にわたって多大な貢献を果たしました。

特にディフェンス面での存在感は際立っており、リムプロテクターとしてチームの守備に安定感を与えたほか、ピック&ロールの展開時にはスクリーンとロールでの役割も的確に遂行。ベテランらしいクレバーなプレーで若手選手の成長も支えました。

このシーズン、群馬はクラブ史上初となるB1チャンピオンシップ進出を達成。ターズースキーの献身的なプレーが大きな推進力となったことは間違いありません。

ファンへの感謝を込めた退団コメント

退団発表に伴い、ターズースキーはクラブを通じて次のようなコメントを発表しました。

サンダーズファンの皆さん、群馬を離れるのはとてもさびしいですが、素晴らしいファン、コーチ陣、チームメートと過ごした時間は本当に楽しいものでした。ここでとても多くの素晴らしい人たちに出会い、群馬での3年間は決して忘れられないものになりました。皆さんの応援に心から感謝しています。またどこかでお会いできることを願っています。

温かい言葉の数々からは、群馬での時間が彼にとってどれだけ特別だったかがうかがえます。チームメート、スタッフ、そしてファンに対する深い感謝の思いが込められており、その誠実な姿勢はプロ選手としての矜持を感じさせます。

群馬クレインサンダーズにとっての意義と今後の課題

ターズースキーの退団は、群馬クレインサンダーズにとって大きな戦力的損失であると同時に、新たなチーム構成を検討する転機でもあります。3シーズンにわたりセンターとして君臨してきた存在を欠くことで、フロントコートの再構築が急務となるのは間違いありません。

今後は、国内外のビッグマン補強が焦点となり、ターズースキーに代わるリムプロテクターかつスコアリング能力を持つ選手の獲得がチーム編成のカギとなるでしょう。

新天地はどこへ?今後の去就に注目集まる

ターズースキーはまだ32歳という年齢からも、現役続行の可能性が高く、今後の新天地が注目されています。日本国内の他クラブへの移籍か、それとも再び海外リーグへの挑戦か――。長年にわたり多国籍リーグで経験を積んできたターズースキーだけに、複数の選択肢が想定されます。

B1での実績と信頼感のあるプレースタイルを武器に、今後もいずれかの舞台でその存在感を発揮することが期待されています。

まとめ|「ありがとうターズースキー」群馬ファンが送る感謝

3シーズンにわたり群馬のインサイドを支え続けたケーレブ・ターズースキー。彼の獲得が群馬にもたらしたのは、単なる戦力だけでなく、経験とプロフェッショナリズムに裏打ちされた勝利へのメンタリティでした。

クラブ初のチャンピオンシップ進出という歴史的成果の裏には、確実に彼の存在があったと言えるでしょう。別れは惜しまれますが、ターズースキーの次なるステージでの活躍と、群馬のさらなる飛躍を心から願いたいところです。