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東京ユナイテッドが笹山陸と契約合意|元横浜BCの若手ガードがB3で再始動へ

東京ユナイテッド、元横浜BCの笹山陸を獲得

2025年6月25日、B3リーグ所属の東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(以下:東京U)は、横浜ビー・コルセアーズから自由交渉選手リストに公示されていた笹山陸との契約合意を正式発表しました。契約は2025-26シーズンを対象とした新規選手契約となります。

東京を拠点とする同クラブにとって、即戦力となりうる若手ガードの加入は、戦力層の厚みを増す重要な補強となりそうです。

186cmのコンボガード|笹山陸のこれまでのキャリア

笹山陸(ささやま・りく)は三重県出身で現在23歳。身長186cm、体重85kgの体格を活かしたプレースタイルが持ち味で、ポイントガード(PG)とシューティングガード(SG)を兼任できるコンボガードタイプの選手です。

名門・洛南高校では兄である笹山貴哉(現ファイティングイーグルス名古屋)と同じバスケットボールの名門路線を歩み、卒業後は筑波大学へ進学。高校・大学ともに国内トップクラスの育成環境で競技に打ち込みました。

学生時代にはU16日本代表にも選出された経験があり、早くから将来を嘱望された逸材です。

特別指定からB3、そしてB1挑戦へ

大学在学中の2020-21シーズンには、名古屋ダイヤモンドドルフィンズで特別指定選手としてB1デビューも果たしました(1試合出場)。
その後、島根スサノオマジックで練習生を務めたのち、2023-24シーズンよりB3の三重バイオレットアイリスと正式契約を締結しました。

今季開幕からは三重で6試合に出場し、平均4.3得点、2.2リバウンド、2.0アシストを記録。攻守両面で存在感を示していた中、第4節終了後に急遽、B1の横浜ビー・コルセアーズへ移籍。名古屋D時代以来となるB1再挑戦のチャンスを手にしました。

B1で32試合出場|実力を証明した半年間

横浜BCでは2023-24シーズンの後半戦にあたる期間中に32試合へ出場。スタッツは平均1.3得点にとどまりましたが、若手ながらも要所でのディフェンスやボールハンドリングで貴重な戦力として起用されました。

短期間ながらB1レベルの試合強度を経験したことで、笹山のプレーには確実に磨きがかかっており、その実績を持って今回のB3・東京U入りとなります。

新天地・東京ユナイテッドでの抱負

契約発表に際し、笹山は東京Uのクラブ公式コメントとして以下のように意気込みを語っています。

このような機会を与えてくださったクラブ関係者、そして宮田GM、橋爪ヘッドコーチに感謝申し上げます。クラブの勝利のために自分自身の力を最大限発揮して頑張ります!BLUE RABBITSの皆様の前でプレーできる日を楽しみにしています。よろしくお願いします。

「BLUE RABBITS」は東京Uのファンネーム。ホームタウンである東京を盛り上げる存在として、自身のプレーで観客を魅了したいという意欲が感じられます。

横浜BCへの感謝|ファンとの絆を胸に

また、前所属チームである横浜ビー・コルセアーズの公式サイトでは、笹山がファン・ブースターに向けた感謝の言葉を綴っています。

移籍して間もない僕へのファン・ブースターの皆さまからの応援やメッセージは、いつも背中を押してくれる大きな力でした。新天地でも横浜ビー・コルセアーズで培ったものを全力で発揮できるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています!ありがとうございました。

突然の移籍にも関わらず、温かく迎え入れてくれた横浜のサポーターへの感謝と、プロ選手としての成長への意欲がにじむコメントです。

今後の展望|東京Uでの役割と期待される飛躍

東京ユナイテッドは、B3の中でも上位争いを視野に入れるクラブであり、若手主体の育成と即戦力のバランスを重視したロスター構成が特徴です。

笹山はその中でバックコートの中心選手として起用されることが想定され、ゲームメイクやディフェンスでの貢献が期待されます。また、B1での経験を還元し、若手選手のメンターとしての役割も求められるでしょう。

まとめ:B1経験者の加入で東京Uに追い風

B3クラブながらも確実にステップアップを続ける東京ユナイテッドにとって、笹山陸の加入は貴重な戦力強化。若手ながらB1経験を持つコンボガードの加入は、攻守にわたる幅広い選択肢をもたらすことでしょう。

再び頂点を目指すシーズンへ――。東京の地で再起を誓う笹山の活躍から目が離せません。

アービング、マブスと3年171億円の延長契約へ|ACL断裂からの復帰と代役PG補強が焦点に

カイリー・アービング、マブスと大型延長契約で合意へ

2025年6月25日(現地時間24日)、『ESPN』はダラス・マーベリックスのカイリー・アービングが、2025-26シーズンのプレーヤーオプション(約4296万ドル=約61億8600万円)を破棄し、チームとの間で新たに3年1億1900万ドル(約171億3600万円)の延長契約を結ぶ意向であると報じました。

この契約により、アービングは少なくとも2026-27シーズン終了までマブスに所属することが決まり、契約最終年(2027-28シーズン)にはプレーヤーオプションが付帯。マブスは長期的にエースPGの地位を確保した格好です。

ACL断裂の影響で2025-26序盤は欠場、復帰は2026年1月か

とはいえ、アービングは2025年3月に左ヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂しており、来シーズンの開幕には間に合わない見込み。順調にリハビリが進んでも復帰時期は2026年1月前後とされ、マブスはアービングの穴を埋める即戦力PGの補強が急務となっています。

現時点で来季のロスターに残るPGはブランドン・ウィリアムズのみ。2025年4月に2ウェイ契約から本契約へ昇格した25歳ですが、先発クラスとしては未知数です。さらにスペンサー・ディンウィディーとダンテ・エクサムは制限なしFAとなり、バックコートの選手層は極めて不安定な状況です。

補強候補に名を連ねるベテランPGたち

『ESPN』によると、マブスは570万ドル(約8億2000万円)の「タックスペイヤー・ミッドレベル・エクセプション」を活用し、経験豊富なベテランPGの獲得を模索中。候補には以下の選手が挙げられています。

  • デニス・シュルーダー(31歳/デトロイト・ピストンズ)
  • ディアンジェロ・ラッセル(29歳/ブルックリン・ネッツ)
  • クリス・ポール(40歳/サンアントニオ・スパーズ)
  • マルコム・ブログドン(32歳/ワシントン・ウィザーズ)

いずれも制限なしFAとして市場に出ており、即戦力かつプレーメイク能力を兼ね備えた選手たち。マブスのシステムにフィットするか否かが獲得のカギとなります。

ベテランPGの今季成績をチェック

各選手の2024-25シーズンの主なスタッツは以下の通りです。

  • シュルーダー:75試合出場、平均13.1得点、5.4アシスト、2.6リバウンド
  • ラッセル:58試合出場、平均12.6得点、5.1アシスト、2.8リバウンド
  • ポール:82試合出場(全試合)、平均8.8得点、7.4アシスト、3.6リバウンド、1.3スティール
  • ブログドン:24試合出場、平均12.7得点、4.1アシスト、3.8リバウンド

ポールは今季40歳ながらフル出場を果たし、依然として高水準のプレーメイク力を発揮。シュルーダーとブログドンも攻守のバランスに優れた選手で、控えPGとして心強い存在となり得ます。

マブス、主力陣との再契約も順調に進行

アービングの延長契約に加え、マブスはダニエル・ギャフォードとも3年5400万ドル(約77億7600万円)の延長契約を結ぶ方向で合意。ビッグマンの安定的確保に成功しています。その他にも、PJ・ワシントン、クレイ・トンプソン、ナジ・マーシャル、ケイレブ・マーティン、デレック・ライブリー2世らが来季も契約下にあり、戦力の骨格は維持されています。

特にクレイ・トンプソンの加入は外角からの得点力を強化し、ドンチッチ不在後のシュートオプション拡充につながる可能性があります。

注目のNBAドラフト2025、1位指名はクーパー・フラッグへ

6月26日に開催予定の「NBAドラフト2025」において、マブスは全体1位指名権を保有。下馬評では、デューク大学の逸材フォワード、クーパー・フラッグの指名が確実視されています。

フラッグは全米でも屈指の万能型ウィングとして評価され、即戦力としてローテーション入りが期待されている存在。アービング不在の間に攻撃の一角を担う可能性もあり、彼の起用法も今後の注目点です。

ルカ・ドンチッチ放出のインパクトと今後の布陣

マブスはこのオフ、看板スターだったルカ・ドンチッチをロサンゼルス・レイカーズへトレードで放出。代わりにアンソニー・デイビスとマックス・クリスティを獲得し、チームの再編に大きく舵を切りました。

ドンチッチ放出は一大決断でしたが、ADの加入により守備力とインサイドの安定感は格段に向上。また、クレイやマーティンといったスイングマンの層も厚く、現代バスケットボールのトレンドに即した布陣に生まれ変わりつつあります。

まとめ:アービング復帰までの戦略が鍵を握る

アービングの長期契約延長はマブスにとってポジティブな一手ですが、彼のACLからの復帰までは代役PGの確保が急務。補強候補は豊富にいるものの、サラリーキャップやチーム戦術への適応も考慮する必要があります。

NBAドラフト、FA戦線、そしてアービングの復帰時期と、今後の数か月でマブスの未来は大きく変わる可能性を秘めています。カイリー中心の再構築がどのような結果をもたらすのか、ファンの期待が高まる中で、その戦略の成否が問われる2025-26シーズンとなるでしょう。

ウルブズ&リンクス、ついに売却完了|ロア&ロドリゲスが共同オーナーに就任、今後の課題とは?

NBAが正式発表、ティンバーウルブズとリンクスの売却が完了

2024年6月25日(現地時間24日)、NBAは理事会が満場一致で承認したことを発表し、ミネソタ・ティンバーウルブズ(NBA)とミネソタ・リンクス(WNBA)の売却が正式に決着。新オーナーは、実業家のマーク・ロア氏と元MLBスターのアレックス・ロドリゲス氏で、売却価格は15億ドル(約2170億円)に上りました。

この売却は、プロスポーツ史でも稀に見る長期化した交渉として注目されてきました。2021年に基本合意を結んだにもかかわらず、支払い遅延や資金調達の難航、さらには買収に絡んだプライベート・エクイティ企業の介入など、さまざまな障壁が交渉の進行を妨げていました。

長期抗争を経て、新時代のスタートへ

元オーナーのグレン・テイラー氏は、約30年にわたり球団の所有者を務めてきましたが、今回の決定により正式にオーナー職を退任。ロア氏とロドリゲス氏がフランチャイズの過半数株式を取得し、ウルブズとリンクスは新たな経営体制でのスタートを切ることになります。

両氏はNBA公式サイトを通じて、フランチャイズに対する熱意とビジョンを次のように語っています。

「我々はこの伝統あるフランチャイズを、世界的に評価され、地域社会に根付いた新時代の象徴へと導いていきます。ウルブズとリンクスが持つ可能性を最大限に引き出していく覚悟です」(ロア氏)

「スポーツは人々を結びつけ、社会を活性化させる力がある。私はチャンピオンシップの重みを知っています。ウルブズに勝利の文化を築く準備はできています」(ロドリゲス氏)

ロア&ロドリゲス、異色の経歴が結集

新オーナーのマーク・ロア氏は、フードテック企業「Wonder」の創業者であり、過去には「Diapers.com」や「Jet.com」をそれぞれAmazonとWalmartに売却した敏腕起業家。現在は未来都市「Telosa」の構想を推進するなど、テクノロジーと都市開発を融合した新しい価値創造にも注力しています。

一方のアレックス・ロドリゲス氏は、MLBのスーパースターとして14度のオールスター選出、ワールドシリーズ制覇を成し遂げたレジェンド。現役時代からビジネスにも注力し、不動産・投資会社「A-Rod Corp」を設立、数々の成功事例を築いてきました。スポーツとビジネス、両世界で結果を出した異色のコンビによるタッグが今後の運営に大きな期待を寄せられています。

経営体制の詳細とリーグ評価

新体制のもと、ウルブズではロア氏がガバナー、ロドリゲス氏がオルタネイト・ガバナーを務め、リンクスではその役割が逆転します。リーグ側も「リミテッドパートナーとしての長年のビジョンと情熱に敬意を表する」と公式声明で高く評価しており、両者のリーダーシップによって、より魅力的なフランチャイズ形成が期待されています。

2人は特に人材への投資、ビジネスモデルの革新、選手育成、そしてファン体験の向上に重点を置いており、ミネソタ地域への貢献姿勢も明言しています。

喫緊の課題はアリーナと財政再建

売却成立の祝賀ムードの裏側で、現実的な課題も山積しています。ターゲット・センターは1989年に開業し、2017年には約1億4500万ドルの大規模改修が行われましたが、老朽化は進んでおり、NBA全体で2番目に古いアリーナとされています。観客席の構造も収益性に課題を抱えており、新アリーナ建設も現実的な議題として浮上しています。

ロア氏は「このプロジェクトは簡単なものではない。創造性と長期的な計画が求められる」としつつも、新施設の重要性を認識していると発言しました。

キャップスペース問題と戦力維持のジレンマ

ウルブズは直近2年連続でカンファレンスファイナル進出を果たすなど好成績を残していますが、現在はセカンドエプロン(NBAの高額サラリー制限ライン)を大きく超過中。このままでは、贅沢税の支払いだけでなく、ドラフト指名権の凍結やミッドレベル例外の制限といった厳しいペナルティが課される可能性があります。

選手放出の選択肢も浮上しており、中堅クラスの契約選手をどう処遇するかがチーム編成の焦点となります。特にエドワーズ、ゴベア、タウンズら主力の年俸がチームの大部分を占めており、将来性と資金バランスの両立が求められます。

WNBAリンクスも再編が焦点、コリアーの残留交渉へ

一方、WNBAのリンクスも大きな局面を迎えています。リーグ屈指のスコアラーであるナフィーサ・コリアーは、2025年シーズン終了後にフリーエージェントとなる見込み。彼女の残留はチームの命運を握る重要案件とされており、契約更新交渉の行方に注目が集まっています。

ロドリゲス氏は「現場のバスケットボール判断には干渉せず、基盤作りと人材採用に注力する」とし、チーム運営の透明性と自主性を強調。クラブとしてのアイデンティティ確立に取り組む構えです。

“ツインシティーズ”に根ざした経営とビジョン

新オーナーたちは、フランチャイズの地元ミネソタ州に根ざした経営を強く打ち出しています。たとえアリーナ改修が難航しようとも、「移転は一切考えていない」と繰り返し明言し、地域コミュニティとの絆を重視する姿勢を崩していません。

これまでWNBA4回、NBAはプレーオフ進出こそ果たすものの頂点には届かなかった両チームが、次なるステージへ歩みを進めようとしています。ロア&ロドリゲス体制のもとで、ウルブズとリンクスは果たしてどのような進化を遂げるのか。注目すべき新章が始まろうとしています。

ペイサーズ、悲願の初優勝逃すも再起へ|ハリバートンの大ケガとターナーFAで揺れる再建計画

インディアナ・ペイサーズ、24年ぶりのNBAファイナル進出

2024-25シーズンのインディアナ・ペイサーズは、「NBAプレーオフ2025」で数々の劇的な逆転劇を見せ、2000年以来24年ぶりのNBAファイナル進出を果たしました。タイリース・ハリバートンを筆頭に、パスカル・シアカム、アンドリュー・ネムハード、アーロン・ニスミスらが奮闘し、イースタン・カンファレンスを制覇。ファイナルではウェスタン王者のオクラホマシティ・サンダーと対戦し、最終第7戦までもつれる激戦を展開しました。

NBAファイナル第7戦、激闘の末に夢潰える

6月23日(現地時間22日)に敵地ペイコム・センターで行われたシリーズ最終第7戦、ペイサーズは惜しくも敗戦。フランチャイズ初の優勝はまたしてもお預けとなりました。今シリーズでは、各試合とも接戦が続き、ファイナルMVPに輝いたシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(サンダー)の活躍もあり、ペイサーズはあと一歩届きませんでした。

ハリバートンがアキレス腱断裂、長期離脱の見込み

さらに追い打ちをかけるように、ペイサーズの司令塔タイリース・ハリバートンが第7戦で右足のアキレス腱を断裂。途中退場を余儀なくされました。『ESPN』の記者シャムズ・シャラニア氏によると、6月下旬に負ったこの重傷により、ハリバートンは2025-26シーズンの開幕から長期離脱を強いられる見通しです。

ハリバートンは今季を通して攻守両面でチームを牽引し、プレーオフでは特にクラッチタイムでの支配力を発揮してきただけに、この離脱はチームにとって極めて大きな痛手となります。

来季契約下の主力選手たち|継続性は維持

ペイサーズは、ファイナル全試合に出場したシアカム、ネムハード、ニスミス、マサリン、TJ・マッコネル、オビ・トッピン、ベン・シェパードらが引き続き契約下にあります。これにより、ハリバートン復帰後を見据えたチームの土台は確保されています。

一方で、来季に向けた最大の課題が浮き彫りとなっているのがインサイドの補強です。

マイルズ・ターナーがFAに|再契約が最優先事項

長年にわたってペイサーズの守備の要を担ってきたセンター、マイルズ・ターナーは、今オフに制限なしフリーエージェント(FA)となります。ファイナルでは平均10.6得点・4.4リバウンド・1.4ブロックと一定の存在感を見せたものの、シュート成功率は低調(FG37.7%、3P21.4%)に終わりました。

しかし、レギュラーシーズンでは平均15.6得点・6.5リバウンド・2.0ブロックを記録。3ポイント成功率39.6%、平均成功数2.2本はキャリアハイと、ストレッチ5としての進化を証明しています。

6月25日、ラジオ番組『107.5 The Fan』に出演したリック・カーライルHCも「我々の最優先事項」と語り、ターナーとの再契約に強い意欲を示しました。彼の存在は、ペイサーズのディフェンススキームやフロアスペーシングにおいて欠かせないピースです。

インサイド陣の去就も焦点|補強の必要性増す

ターナーに加え、今季のバックアップセンターを務めたトーマス・ブライアントも制限なしFA。また、シーズン序盤にアキレス腱を負傷したアイザイア・ジャクソンは制限付きFAとなっており、契約オプションが残るトニー・ブラッドリーの動向も含め、チームはインサイド陣の再構築を迫られています。

ターナーを残留させた上で、ハリバートン不在期間を補う司令塔の一時的な補填、インサイドの即戦力補強が今夏のフロントの最重要課題となるでしょう。

ハリバートンの回復次第で優勝戦線復帰の可能性も

ペイサーズは、ハリバートンがシーズン途中に復帰できれば再びイースト上位争いに加わるポテンシャルを有しています。特に今季躍進したネムハードやマッコネルの成長、トッピンやマサリンといった若手選手たちの継続的な活躍が重要です。

また、パスカル・シアカムとの契約は来季までとなっているため、彼の去就もチームの長期構想に影響を与える可能性があります。

2025-26シーズン、ファイナル再進出なるか

2024-25シーズンの快進撃により、ペイサーズは一気にリーグ内での評価を高めました。しかし、ハリバートンの長期離脱とターナーの去就不透明という大きな懸念材料を抱える現状では、来季の再浮上には多くのピースが必要とされます。

FA市場での補強戦略、ドラフト指名、そして既存戦力のさらなる成長——これらがかみ合えば、再びNBAファイナルの舞台に戻る可能性は十分にあります。球団にとっては、“初優勝”を掴み取るための正念場のオフシーズンとなりそうです。

熊本ヴォルターズ、磯野寛晃とモッチラミンの契約を発表|2025-26シーズンのロスター確定へ

磯野寛晃、ケガを乗り越え2季連続フル出場で契約継続へ

B2リーグ・熊本ヴォルターズは2025年6月25日、ガード兼フォワードの磯野寛晃との契約継続を発表しました。磯野は2023年に重傷を負いシーズン全休を余儀なくされましたが、2024-25シーズンでは全60試合に出場し、完全復活を遂げました。

福岡県出身で27歳の磯野は、186cm・84kgの体格を活かしたディフェンス力と外角シュートが持ち味。日本体育大学在学中に越谷アルファーズでBリーグデビューを果たし、2020年から熊本に正式加入。2022-23シーズンにはキャリア最多となる58試合に出場しています。

ケガ明けとなった昨シーズンは、平均3.8得点・2.1リバウンド・1.4アシストをマーク。地道なリハビリとトレーニングを経て、チームの主力の一角として再び信頼を勝ち取りました。

モッチラミン、新天地・熊本で飛躍を誓う

同日、熊本は202センチ108キロのビッグマン、モッチラミンとの新規契約締結も発表しました。セネガル出身で28歳のモッチは、桜丘高校在学中から頭角を現し、大東文化大学ではインカレ優秀選手賞を受賞。卒業後は社会人チームのJR東日本秋田を経て、2024年に日本国籍を取得しています。

プロキャリアではB1の三河に加入後、2024年夏に契約解除。再起をかけて佐賀バルーナーズに移籍し、B1で27試合に出場。平均5.4得点・4.5リバウンドを記録しました。特にペイント内での粘り強さとフィジカルの強さが評価されており、熊本のインサイド強化において大きな役割が期待されます。

磯野とモッチ、クラブ公式で熱いメッセージ

契約発表に際して、両選手はクラブ公式サイトを通じて意気込みを語りました。

磯野寛晃:
「熊本でのプレー継続を決断するにあたり、プレーオフで昇格を逃した責任と悔しさに向き合いながら、時間をかけて考えました。クラブの皆さんに感謝し、最後のB2シーズンでチャンピオンを目指します」

モッチラミン:
「熊本で才能を最大限に発揮できると信じています。成長のチャンスを与えてくれたチーム関係者の皆さんに感謝し、ブースターの皆さんの前でプレーする日が待ちきれません」

熊本、ロスターは12名に確定|若手と実力者が融合

これで熊本の来季ロスターは計12選手となり、編成がひとまず完了。既に契約を継続しているのは、田中力・山本翔太・保坂晃毅・長島蓮・澤邉圭太・山田安斗夢・ミッチェル・ライトフット・グレゴリー・エチェニケの8名。さらに今オフには石川海斗とネマンヤ・ジュリシッチと新規契約を結んでいます。

インサイドとアウトサイドのバランスが取れた編成により、2025-26シーズンのB2制覇、さらにはB1昇格に向けて本格的な戦力が整いつつあります。

昇格を逃した2024-25、再起を誓うシーズンへ

熊本ヴォルターズは2024-25シーズン、昇格を目指して奮闘しましたが、シーズン序盤に苦しみ、最終的にプレーオフには進出したものの昇格には至りませんでした。磯野の言葉からも分かる通り、チームとしてその結果に対して強い悔しさを抱えています。

2025-26シーズンはB1昇格のラストチャンスと位置づけられるB2最終年。新たに加わったモッチと共に、既存メンバーとの結束を高め、シーズンを通じて安定した戦いを目指すことになります。

今後の熊本ヴォルターズに注目

Bリーグ再編を控える中、熊本ヴォルターズは明確な目標を掲げ、着実にロスターを固めています。フロント、コーチ陣、選手全員が一丸となって挑む2025-26シーズンにおいて、磯野寛晃とモッチラミンという重要なピースがどう機能するか、今後の活躍に大きな期待がかかります。

Bリーグ契約更新まとめ|ケーレブ・ターズースキー退団、谷口光貴がB1復帰など6月25日発表分

群馬の主力ビッグマン、ケーレブ・ターズースキーが退団

2025年6月25日、Bリーグ各クラブが来季2025-26シーズンに向けた選手契約の最新情報を発表しました。その中でも注目を集めたのが、B1東地区・群馬クレインサンダーズ所属のケーレブ・ターズースキー選手の退団です。

206センチ超のインサイドプレーヤーとしてチームのリバウンドやペイント内での守備を支えてきたターズースキーは、群馬で3シーズンを戦い抜き、今オフに自由交渉選手リスト入り。今回の正式発表により、来季は新天地でのプレーが決定的となりました。

アメリカ出身のターズースキーは、長身とフィジカルを生かしたディフェンスでチームを支え、ファンからの信頼も厚かった選手。移籍先の動向にも注目が集まります。

谷口光貴が5年ぶりB1復帰!横浜BCが新戦力を獲得

B2のライジングゼファー福岡に所属していた谷口光貴選手が、B1の横浜ビー・コルセアーズと契約を締結。190センチのシューティングガードとして知られる谷口は、B1の舞台に戻るのは実に5年ぶりとなります。

谷口はシュート力とディフェンスで評価されている選手で、B2では主力として活躍。今回の移籍により、横浜BCのバックコートに新たな厚みが加わることになりました。

横浜BCから笹山陸が東京ユナイテッドへ移籍

一方、横浜BCからはコンボガードの笹山陸が東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(東京U)へ移籍することが決定。笹山は世代別日本代表としても経験を積んできた有望株で、これまで培ってきたスキルを新天地での飛躍に活かす構えです。

攻守両面で安定したプレーを持ち味とする笹山は、東京Uのガード陣において重要な役割を担う可能性が高く、シーズン開幕前から注目の選手となりそうです。

注目の継続契約:クベマ・ジョセフら若手の奮闘続く

この日発表された継続契約では、スティーブ・クベマ・ジョセフ(八王子ビートレインズ)の残留が明らかに。福岡第一高校時代には河村勇輝らと同期として全国区で活躍し、今後のさらなる飛躍が期待されます。

また、熊本ヴォルターズでは磯野寛晃、三重エリアでは佐脇考哉、新潟アルビレックスBBではムトンボ・ジャン・ピエールがそれぞれ継続契約に合意。若手選手が主力として台頭する傾向が強まる中、今季の戦いぶりに注目です。

モッチラミンが熊本へ加入、帰化選手の役割に期待

今シーズン、佐賀バルーナーズに在籍していたモッチラミンが熊本ヴォルターズに加入。桜丘高校出身で帰化選手として日本のバスケットに根ざしてきたモッチラミンは、インサイドでの強さと走力を兼ね備える存在として、熊本の新たなキーマンになる可能性があります。

B2・B3の移籍情報も続々、高橋幸大が岐阜へ

そのほか、金沢から岐阜スゥープスへの移籍が決定した高橋幸大や、東京Uへの移籍を果たした笹山陸など、下部リーグでも活発な動きが見られています。

これらの選手の加入により、それぞれのクラブの戦力バランスがどう変化するのか、シーズン前から戦力分析が加速しています。

鹿児島が新アシスタントコーチと契約、マティアス・カミノ・ロペスが加入

また、指導体制の強化を図るクラブも登場。鹿児島レブナイズは新たにマティアス・カミノ・ロペス氏とアシスタントコーチ契約を結びました。戦術面での変化や若手育成への取り組みも含めて、今後のベンチワークに注目です。

6月25日時点のBリーグ契約情報一覧

■契約継続
磯野寛晃(熊本)
ムトンボ・ジャン・ピエール(新潟)
スティーブ・クベマ・ジョセフ(八王子)
佐脇考哉(三重)

■移籍
谷口光貴(福岡⇒横浜BC)
笹山陸(横浜BC⇒東京U)
モッチラミン(佐賀⇒熊本)
高橋幸大(金沢⇒岐阜)

■退団
ケーレブ・ターズースキー(群馬)

■コーチ契約
マティアス・カミノ・ロペス(鹿児島/AC新規契約)

これらの契約情報は、来シーズンのBリーグの戦力バランスやクラブ方針を占ううえで非常に重要な指標となります。今後も随時発表される移籍・契約情報に注目していきましょう。

レブロン・ジェームズが絶賛!ドラフト1位有力クーパー・フラッグの才能とNBA入りの利点とは

“Mind the Game”最新回でレブロンがクーパー・フラッグを高評価

2025年6月24日(現地時間23日)、ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズと元NBAスターのスティーブ・ナッシュが共同で配信するポッドキャスト「Mind the Game」の最新エピソードが公開されました。この回では、26日に控えた「NBAドラフト2025」にて全体1位指名が有力視されるクーパー・フラッグについて、レブロンが熱く語るシーンが大きな注目を集めました。

フラッグは、デューク大学で鮮烈な1年目を送り、ドラフト前から「ネクスト・レブロン」とも評されるほどの才能を発揮。その活躍にレブロンも賛辞を惜しみませんでした。

クーパー・フラッグの圧巻スタッツと評価

デューク大学に所属するクーパー・フラッグは、2024-25シーズンに37試合へ出場。全試合でチームを牽引する平均19.2得点、7.5リバウンド、4.2アシスト、1.4スティール、1.4ブロックというオールラウンドな数字を残しました。

フィールドゴール成功率は48.1%、3ポイント成功率は38.5%(平均1.4本成功)、フリースロー成功率は84.0%と高い水準をキープ。得点能力だけでなく、守備でも存在感を見せ、NCAAトーナメントではチームをファイナル4に導きました。

レブロンが語るフラッグの「偉大になりたい意志」

ポッドキャスト内でレブロンは、「彼は“偉大な選手”になりたいという意志を持っている。それがプレーの節々から伝わってくる」と語りました。

さらにフラッグの能力について、「彼はフロア上で多様なスキルを発揮できる。ボールを持ったときの創造性、オフボール時の動き、そしてジャンプシュートの精度もこれからさらに伸びる。運動能力も抜群だ」と、未来のスター候補として太鼓判を押しました。

レブロンとフラッグが歩む“異なる道”

2003年にクリーブランド・キャバリアーズから全体1位指名を受けてNBAデビューを果たしたレブロン・ジェームズ。彼がリーグに入った当時、キャバリアーズはリーグ最下位の17勝65敗で、チーム再建の真っただ中にありました。レブロン自身もルーキーイヤーには平均20.9得点、5.5リバウンド、5.9アシスト、1.6スティールを記録し、新人王に輝いたものの、プレーオフ初出場を果たしたのは3年目のことでした。

対して、フラッグが加入する可能性が高いダラス・マーベリックスは、2024−25シーズンを39勝43敗、ウェスタン・カンファレンス10位で終了。プレーオフ進出にはわずか1勝足りなかったものの、戦力の充実度は高く、今後の成長が期待されるチームです。

レブロンが語る「恵まれた環境」

レブロンは、「彼(フラッグ)は自分の時とは違って、すでに殿堂入りクラスの選手たちが揃った環境に入る。クレイ・トンプソン、アンソニー・デイビス、カイリー・アービングといった実力者がいて、指導するのはジェイソン・キッドという名将。これは大きな利点だ」とコメント。自らの苦難と比較しながら、フラッグのスタート地点がいかに有利であるかを強調しました。

NBA史上2番目の若さでドラフト全体1位指名を受ける見込みのフラッグにとって、その環境の差は今後の成長を大きく後押しする要因となるでしょう。

歴代最長キャリアを更新するレブロンとフラッグの交差点

2025-26シーズンに突入すれば、レブロン・ジェームズはNBAでのキャリア23年目を迎えます。これはリーグ史上最長キャリアであり、現役続行を続ける彼がフラッグと実際にコート上で対戦する日も現実的となっています。

フラッグは2006年生まれ。レブロンがNBA入りした2003年にはまだ生まれていなかった世代です。レジェンドと新星が直接対決を果たす瞬間が実現すれば、まさに時代の橋渡しを象徴する試合となるでしょう。

ドラフト当日はバークレイズ・センターに世界中の注目が集まる

NBAドラフト2025の初日は、6月26日にニューヨークのバークレイズ・センターで開催されます。クーパー・フラッグはすでにニューヨーク入りし、メディア対応などのイベントに参加中。ドラフト本番では全世界から注目を浴びる舞台に立つことになります。

レブロンが称賛する新星が、歴史あるNBAの舞台でどのようなキャリアを歩み出すのか。ファンにとっても期待が高まる瞬間となることは間違いありません。

福大大濠が82–41で快勝!NBAライジングスターズ招待大会初戦でシンガポール代表を圧倒

福大大濠がNBAライジングスターズ・インビテーショナル初戦で白星発進

2025年6月25日、シンガポールで開催中の「NBAライジングスターズ・インビテーショナル」男子グループC予選の初戦で、福岡大学附属大濠高校(日本代表校)がアングロチャイニーズ・ジュニアカレッジ(シンガポール代表校)と対戦。最終スコア82−41のダブルスコアで勝利し、初戦を好スタートで飾りました。

この大会は、アジア太平洋地域の高校年代チームが一堂に会する新設国際大会で、日本からは福岡大学附属大濠高校(男子)と京都精華学園高校(女子)がそれぞれ代表校として出場しています。

立ち上がりは接戦も、福大大濠が第2Qから試合を支配

試合序盤は一進一退の展開に。第1クォーターは20−16と福大大濠がわずかにリードするも、アングロチャイニーズJCも地元開催の気迫あるプレーで粘りを見せました。

しかし第2クォーターに入ると、福大大濠が得意の守備から試合の主導権を奪取。廣田翼の連続得点を皮切りに、栗原咲太郎と村上敬之丞が連続で3ポイントを沈め、一気に点差を広げました。このクォーター以降、シンガポール側の得点を1桁台に抑える盤石の展開に持ち込み、終始優位に試合を運びました。

ベンチメンバーも奮起、攻守にバランスの取れた完勝

この日は体調不良で主力の本田蕗以が欠場。さらにU16日本代表にも選出されている櫻井照大と白谷柱誠ジャックもプレー時間が限られる中、榎木璃旺、栗原咲太郎、村上敬之丞、サントスマノエルハジメ、廣田翼の先発陣が試合をしっかりとリード。

試合が進むにつれ、平良孔龍、山元珠來らベンチメンバーも積極的に得点に絡み、チーム全体で15本のスティールを記録するなど、守備の強度とトランジションの速さが際立つ内容となりました。

注目選手が躍動、サントスがゲームハイ23得点

試合後の速報によると、チーム最多得点を挙げたのはサントスマノエルハジメで、ゲームハイとなる23得点をマーク。ゴール下でのフィジカルを活かしたインサイドアタックが光り、得点源として機能しました。

村上敬之丞は17得点に加え、4アシスト・6スティールと攻守にわたるオールラウンドな活躍を披露。栗原咲太郎も5本の3ポイントを沈め、合計15得点とシューターとしての存在感を見せつけました。

大会初開催の『NBAライジングスターズ』、アジア太平洋から11カ国が参加

『NBAライジングスターズ・インビテーショナル』は、今年から新設されたアジア太平洋地域を対象とする高校年代の国際大会。11の国と地域から男女の代表校が招待され、将来のスター候補たちが国境を越えて競い合う貴重な機会となっています。

日本からは、男子は福岡県の強豪・福岡大学附属大濠高校、女子は京都府の京都精華学園高校が出場。国際舞台での経験を積むことが、次世代の日本代表育成にも直結すると期待されています。

大会2日目は福大大濠の2戦目&京都精華の初陣

大会2日目となる6月26日には、福大大濠がグループCの2戦目に臨む予定。また女子の京都精華学園高校が初戦を迎える注目の一日となります。

日本勢として連勝スタートを切ることができるのか、引き続き両チームの戦いぶりに注目が集まります。

試合スコア詳細

  • 福岡大学附属大濠高校:20|16|24|22|=82
  • アングロチャイニーズ・ジュニアカレッジ:16|8|8|9|=41

トータルスコア:福大大濠 82 – 41 アングロチャイニーズJC

ヤオ・ミンがNBAライジングスターズ招待大会に来星!若手選手へ「楽しむ心」と「競争の意義」を語る

元NBAスター・ヤオ・ミン氏がシンガポール入り、若手大会の開幕式に登場

2025年6月、アジアの若き才能が集う「NBAライジングスターズ・インビテーショナル」の開幕に合わせ、元NBAオールスターであり中国バスケットボール協会の元会長でもあるヤオ・ミン氏がスペシャルゲストとしてシンガポールを訪問しました。

開会式直後に行われた記者会見には、地元シンガポールのメディアだけでなく、多くの中国系報道陣も詰めかけ、英語と中国語が飛び交う活気ある空間に。ヤオ氏は、「僕はどっちで答えたらいいんだい?」と笑いを誘いながらも、アジアバスケの課題や若手育成への想いを丁寧に語り、大きな注目を集めました。

「バスケを楽しむ心を忘れずに」ヤオ・ミンの原点回帰メッセージ

冒頭、若い選手たちに向けたメッセージとして、ヤオ氏は「まずは楽しむことがすべての出発点」と強調しました。

「僕自身も、30年以上前にアジア各地を巡ってバスケットをしていた。知らない街で、初めて会う選手と一緒にプレーする経験は、人生そのものを豊かにしてくれた。今の若い世代にも、そんな“旅するようなバスケ”を味わってほしい」

この大会に集まる選手たちは、将来のプロキャリアを見据えた大事なステージに立つ者ばかり。しかしヤオ氏は「競技の結果よりも、人と出会い、異文化と触れる経験のほうが成長につながる」と話し、競技の原点に立ち返るような温かいメッセージを送りました。

「きっかけが未来を作る」NBAとの出会いを振り返る

会見の中で、ヤオ氏は自身のキャリアにも触れました。1980年代にNBAが初めて中国へ紹介された当時を振り返り、「その時点でNBA選手は中国に一人もいなかった」と語ります。

「だから今、NBA選手がいない国があったとしても、気にする必要はない。大切なのは“きっかけ”を与えることなんだ」

これは、バスケットボールの普及や国際化を担ってきた彼ならではの視点であり、プレーヤーを育てる環境づくりの重要性を強く示唆しています。

アジアバスケの課題:「より多くの競争」が成長を生む

アジア全体の競技力向上について質問が及ぶと、ヤオ氏は即座に「課題は明確。もっと“競争”が必要だ」と答えました。

選手が自身の課題を知り、試合の中で修正を重ねていくことで個々の成長につながる。その“繰り返しの中にしか本当の強化はない”という信念が、彼の答えからはにじみ出ていました。

中国代表と育成の壁:「学業と練習の両立が最大の障壁」

中国代表の現状や若手育成の課題に関する質問には、「学業と競技をどう両立させるかが最大のチャレンジ」と述べ、教育制度とバスケット文化の橋渡しの必要性に言及しました。

「若い選手たちが勉強をおろそかにせず、かつ高いレベルで競技に打ち込めるようにするには、コーチ育成や施設、教育の柔軟性など、全体的なインフラが問われる」

ヤオ氏はこのように語り、技術面の強化以上に「社会全体でのサポート体制」が不可欠であることを訴えました。

デュラントのロケッツ移籍に笑顔でコメント

会見ではバスケ界の最新ニュースについても質問が飛びました。その中で、ケビン・デュラントのヒューストン・ロケッツ移籍に関する感想を聞かれたヤオ氏は、笑顔で次のように回答。

「彼は真のゲームチェンジャー。ヒューストンが再びリーグトップに返り咲くチャンスだと思うよ」

元ヒューストン・ロケッツのエースでもあるヤオ氏にとって、この移籍は特別な意味を持つようで、ロケッツの未来に明るい期待を寄せている様子がうかがえました。

草の根レベルでのスポーツ普及に強い期待

最後に「アジアにおけるスポーツ文化の広がり」について問われたヤオ氏は、シンプルながらも力強いメッセージを残しました。

「人々がスポーツを“好き”でいる限り、そこには常に色があり、情熱がある。その自然な流れの中で、素晴らしいことは必ず起きる」

競技を盛り上げるのは選手だけではない。観客、指導者、地域のサポート体制、すべてが連動することで文化は根づく。そんな「草の根からの強化」に期待を寄せた言葉でした。

アジアの若者たちへ贈る“レジェンドの声”

現役時代にはNBAの頂点を経験し、引退後は中国バスケットボール界の改革にも尽力してきたヤオ・ミン氏。彼が持つ視野の広さと人間的魅力は、若い世代にとって大きな道標となるはずです。

競技力だけでなく、“楽しむ心”と“出会いの価値”を語る彼の言葉は、アジアにおけるバスケットボール文化の深化と、次世代選手たちの未来に大きな影響を与えていくことでしょう。

3×3女子日本代表、W杯初戦で格上オランダを撃破|高橋芙由子がゲーム最多12得点

モンゴルで幕を開けた世界大会、初戦はランキング1位との対戦

2025年6月24日、モンゴルの首都ウランバートルにてFIBA 3×3ワールドカップ2025が開幕した。この国際大会は3人制バスケットボールの世界最高峰の舞台として知られ、各国のトップ選手たちがスピーディーで技巧的なプレーを競い合う。女子日本代表は予選プールBに配置され、初戦でいきなり世界ランキング1位のオランダ代表との対戦が組まれた。

代表メンバーにはWリーグの実力派が集結

今回の日本代表には、国内外で経験を積んだ選手たちが揃った。アジアカップで銀メダルを獲得し、FLOWLISH GUNMAでも活躍を見せる高橋芙由子を筆頭に、トヨタ紡織サンシャインラビッツ/ZOOS所属の桂葵、アイシンウィングスの高橋未来、そして富士通レッドウェーブで安定したパフォーマンスを続ける宮下希保が名を連ねている。

FIBAランキングでは16位の日本だが、国内リーグで日々高いレベルのプレーを経験しているメンバーの構成は、大会でも十分に戦える力を有していることを示していた。

試合は日本の鋭い立ち上がりでスタート

試合開始から主導権を握ったのは日本だった。桂葵がロングレンジから2ポイントを沈め、勢いをもたらすと、高橋芙由子と高橋未来の2人の“ダブル高橋”が得点を積み上げて7−2と先行。スピードと判断力を活かした日本のオフェンスがオランダの守備を切り裂き、序盤からリズムをつかんだ。

しかし、世界ランキング1位の実力を持つオランダもすぐに応戦。得点を返され、試合は一時逆転を許す展開へと変わった。長身選手を活かしたインサイドのプレッシャーと、フィジカルでの押し込みで日本を苦しめるが、それでも日本は冷静さを保った。

勝負どころでの集中力、ファウル誘発とフリースロー成功

接戦のまま終盤に突入したが、日本は重要な場面でしっかりとファウルを誘い、得点に繋げた。特に高橋芙由子は4本のフリースローを獲得し、すべてを成功させる冷静なシュート力を発揮。スコアを20−16とした場面で、勝利をグッと引き寄せる要因となった。

最後のワンプレーでは、宮下希保がトップから左ドライブで鋭く切り込み、ディフェンスをかわしてレイアップを沈めた。試合終了のブザーと同時に21点目が決まり、日本代表が21−16で大金星を収めた瞬間だった。

高橋芙由子がゲーム最多12得点、攻守で存在感

この試合で日本代表の勝利に最も大きく貢献したのは、やはり高橋芙由子だった。全体の約半数にあたる12得点をマークし、フリースロー成功率の高さ、積極的なペネトレイト、守備でも相手のエースを封じる動きなど、まさに攻守において“軸”となるプレーを披露した。

3×3においては、限られたプレー時間と選手数の中で、個々のパフォーマンスが試合結果を大きく左右する。その意味で高橋の安定したパフォーマンスは、今後の戦いにも直結する極めて重要な要素となる。

オランダ代表の実績と背景

今回対戦したオランダ代表は、2023年大会ではアメリカとの決勝で敗れたものの、堂々の準優勝を果たした実力国である。長身選手を中心としたインサイド支配と、フィジカルに優れた選手層は世界でもトップクラス。今回の敗戦は彼女たちにとって予想外だったかもしれないが、日本の粘り強い守備と正確な攻撃がその上をいった。

女子3×3日本代表の可能性と今後の注目ポイント

今回の勝利によって、女子日本代表はグループ突破に向けて大きな弾みをつけた。次戦以降の相手も油断できないチームばかりだが、オランダという“世界一”の肩書きを持つチームに勝利したことで、他国からのマークもより一層強くなるだろう。

今後の課題は、ペースを乱された際の対応やフィジカル勝負での押し返し、そして選手間のローテーションの安定化などが挙げられる。それでも、戦術遂行力と個々の技術力の高さは折り紙付きであり、上位進出は十分に現実的な目標だ。

次戦はいつ?日本代表の戦いはまだ始まったばかり

次戦は予選プールBの他国との対戦が控えており、試合日時はFIBA公式スケジュールで順次発表される予定。グループステージは総当たり形式で進行し、上位チームが決勝トーナメントへと進出する。

高橋芙由子を中心に、桂、高橋未来、宮下の4人がどれだけ安定してパフォーマンスを発揮できるかが鍵になる。戦術面ではドライブ&キックの精度や、オフボールの動きの質向上が求められる中で、どのような成長を見せるのか注目が集まる。