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湘南ユナイテッドBCとは?B3参入からの成長と地域密着型クラブの全貌

湘南からB3へ、志高きクラブの誕生


湘南ユナイテッドBCは、2020年に神奈川県藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町を拠点に誕生したプロバスケットボールチームだ。地域密着型クラブとして発足し、2022-23シーズンからB3リーグに正式参入。地元企業や自治体と密接に連携しながら、バスケットボールを通じた地域活性化を掲げて活動している。

運営を担うのは株式会社湘南ユナイテッド藤沢。藤沢商工会議所メンバーと地元クラブチーム「湘南STATE」が母体となり、クラブ運営に乗り出した。創設からわずか2年でB3入りを果たすスピード感は、他の新興クラブと比較しても特筆すべき点だ。

本拠地とアリーナ:神奈川全体をホームとする多拠点戦略


ホームアリーナは藤沢市の秋葉台文化体育館を中心としつつ、秩父宮記念体育館(藤沢市)、茅ヶ崎市総合体育館、シンコースポーツ寒川アリーナ、平塚・海老名・綾瀬・厚木・大和の各市体育館でも試合を開催。2024-25シーズンは26試合のホーム戦を6つの異なる会場で実施予定で、広範囲な地域展開を実現している。

このマルチアリーナ戦略は、県内のファン層拡大を意識したものであり、特に「湘南エリア」を越えて「神奈川全域のクラブ」としての認知を高める布石となっている。

成績の軌跡:参入当初から成長続けるクラブ

湘南ユナイテッドBCは、参入初年度の2022-23シーズンでは15勝37敗と苦戦し、勝率.288でリーグ13位に終わった。しかし翌シーズンの2023-24では27勝25敗(勝率.519)まで成績を改善し、2024-25シーズンも勝率こそ.442に下がったが、リーグ11位と着実にステップアップを続けている。

特筆すべきは、チームの「ホーム戦」における安定感である。2024-25シーズンではアウェイ成績が9勝17敗に対し、ホームでは14勝12敗と勝ち越しており、地元ファンの声援が確かな支えになっていることがわかる。

組織体制と人物像:堀田HC体制の継続と変化


ヘッドコーチは創設当初から堀田剛司が務めており、B3参入から一貫したリーダーシップを発揮。2023-24シーズンには球団代表やGMが交代するも、現場のコーチング体制は継続され、チームの方向性にブレはなかった。

アシスタントコーチには鈴木友貴、分析担当として蔵楽建斗(アナライジングコーチ)がサポートに入り、戦術・データ両面での強化が図られている。

選手構成:経験豊富な外国籍選手と若手の融合

2024-25シーズンのロスターには、元B1・B2経験者を含む実力派が並ぶ。注目の外国籍選手としては、マイケル・ヒューズ(2.03m/デュケイン大出身)、ジャスティン・キーナン(36歳/フェリス州立大)などが在籍し、インサイドの支柱となっている。

さらに、キャプテンを務める内田旦人(東海大出身)や、地元出身のPG佐々木拓哉など、日本人選手の顔ぶれも充実。U22世代やアジア特別枠選手(ジョン・ヒヒョン)など多様性ある構成も、B3クラブとしては先進的な編成だ。

スポンサーとユニフォーム戦略:地域との結びつき強化

2024-25シーズンのユニフォームスポンサーは、前面中央に木下グループ、背面には日産工機・元旦ビューティ工業、パンツ部分に藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町のロゴを配している。

また、ユニフォームサプライヤーはスポルディングが担当。地元企業・自治体とクラブとの密接な関係性が視覚的にも強調されており、バスケットボールを「まちづくり」に活かすビジョンが表れている。

クラブとしての未来:B2昇格と地域戦略の行方

現在B3に所属する湘南ユナイテッドBCだが、今後の展望としてはB2昇格が大きな目標である。2023-24シーズンに勝率5割を突破したことは、その土台づくりが着実に進んでいる証拠でもある。

Bリーグ全体でも、「地域密着型クラブによる持続可能な運営モデル」が重視される中、湘南ユナイテッドのような事例は非常に注目される存在だ。特に、湘南というブランドイメージと融合させた「Local Pride」の継続は、地域に愛されるクラブづくりに不可欠な要素となるだろう。

ファンとメディアの反応:ポジティブな評価と期待

湘南ユナイテッドBCに対するファンの声は「若手が多くて成長が楽しみ」「アリーナでの演出がB3とは思えない」など、好意的な意見が目立つ。特に、Bリーグで話題となる“熱狂的ホームゲーム演出”は湘南でも実践されており、イベント要素も充実している。

また、公式SNSやYouTubeでの発信力も強く、X(旧Twitter)やInstagramではローカルファンとの双方向コミュニケーションが活発。これもクラブの成長戦略において欠かせない要素となっている。

GL3x3との親和性:地域とバスケの融合による可能性

湘南ユナイテッドBCの「地域密着×若手育成×バスケ普及」というコンセプトは、GL3x3が掲げる価値観とも通じる。今後、湘南ユナイテッド出身選手が3×3にも参戦する可能性もあり、ストリートとプロ、地域と全国をつなぐ架け橋となる存在が期待される。

湘南という“海とカルチャー”の街を背負ったクラブが、Bリーグのみならず3×3シーンでも存在感を発揮する日が来るかもしれない。

まとめ:湘南ユナイテッドBCが描く未来のバスケ像

湘南ユナイテッドBCは、ただの新興クラブではない。湘南という地域の情熱と文化、そして未来への挑戦を背負った、真の「ユナイテッド=結束」クラブである。

これからのB3リーグ、そして日本のバスケットボール界において、同クラブが果たす役割はますます大きくなるだろう。

未来へつなぐ湘南Local Pride――その合言葉とともに、次なるステージを目指す湘南ユナイテッドBCに注目が集まる。

Bリーグ初の通算1万得点男・ダバンテ・ガードナー、三河と再契約で在籍7年目へ

Bリーグを代表するビッグマン、ダバンテ・ガードナーが三河と再契約


2025年7月22日、B1リーグのシーホース三河が発表したのは、ファン待望のニュースだった。昨シーズン終了後、自由交渉選手リストに掲載されていたダバンテ・ガードナーが、クラブと2025–26シーズンの選手契約に合意したのだ。これにより、彼は7年連続で三河のユニフォームを着ることになる。

この再契約は、単なる主力選手の残留という枠にとどまらない。2024年11月、ガードナーはBリーグ史上初の「通算1万得点」を達成した、まさに“生きる伝説”である。

203cm・132kg——Bリーグ最重量級のスコアリングマシン


ダバンテ・ガードナーはアメリカ出身の33歳。203cmの高さに加え、132kgという圧倒的な体格を武器にペイントエリアで圧倒的な存在感を放つビッグマンだ。彼のキャリアはマルケット大学卒業後、韓国、フランス、イスラエルなどを経て、2014年に来日したことから始まる。

初めて日本の地を踏んだのは、旧NBL時代の西宮ストークス(現・神戸ストークス)。その後、新潟アルビレックスBBで得点王に輝き、2019–20シーズンから三河に移籍。以降、6シーズンにわたってチームの中心選手としてプレーし続けている。

B1全60試合に先発、そして“1万点”の大台へ

2024–25シーズン、ガードナーは全60試合で先発出場を果たし、1試合平均15.7得点、5.8リバウンド、3.4アシストという安定感ある成績を記録した。そして、2024年11月6日の秋田ノーザンハピネッツ戦で、**Bリーグ史上初の通算1万得点**を達成。これは単なるスタッツではなく、日本バスケ界の歴史に名を刻む大偉業だ。

これまでの累計スタッツ(2024–25終了時点):

– 通算得点:10,214点(Bリーグ最多)
– 通算出場試合:381試合
– キャリア平均:26.8得点(新潟時代含む)

“戦術の中心”であり“文化の担い手”でもある


ガードナーが三河にもたらしているのは得点力だけではない。ハイポストからの展開力、スクリーンの質、ディフェンスでの位置取り、さらにはコート外でのリーダーシップまで、チームの“軸”そのものである。

特に注目されているのが、彼の**ハイロー展開におけるパスセンス**。パワーとスキルの融合が、現代バスケットの中でより重要視される“センターのプレーメイク力”を象徴している。

また、地域活動やファンイベントでも常に笑顔を絶やさず、日本語で挨拶するなど親しみやすさを見せる存在。Bリーグの“外国籍スター”として、文化的側面でも大きな貢献を果たしている。

三河にとっての「象徴的存在」——継続の意味

シーホース三河は、長年にわたり日本代表クラスのガード陣を抱えてきたチームだが、フロントコートの軸として、ガードナーの存在は代替のきかないものである。チームは2025–26シーズンに向けて若手の底上げを進めつつ、彼のような経験豊富なベテランがいることで、**育成と勝利のバランス**を保てる体制となる。

今回の再契約発表に際して、クラブ公式コメントではガードナーの“多面的な貢献”が改めて評価された。単なる外国籍スコアラーではなく、“クラブの顔”として、三河の存在感を支える大黒柱といえる。

GL3x3文脈で考える:外国籍選手のロールモデル

GL3x3や他の新興リーグでも、今後の運営において重要なのは「長期的にチームに貢献する外国籍選手」の存在だ。ガードナーのように:

– 組織戦術に深く関与する知性
– 日本文化やファン文化への適応力
– 短期的な成績よりも信頼と継続

これらを体現する選手は、3×3の世界でも重宝されるだろう。特に、攻守での起点となれるビッグマンは3×3においても圧倒的な価値を持つため、今後のGL3x3編成においても彼のようなモデルが必要とされてくる。

本人コメント「楽しんで、頂点をめざす」

ガードナーは再契約発表に際して、クラブ公式を通じて次のようにコメントしている:

> 「今シーズンの開幕を楽しみにしています。楽しんで頂点をめざして戦いましょう」

この言葉から読み取れるのは、チームへの愛着と、勝利への執念、そしてバスケを楽しむ心。そのすべてを持ち合わせた彼だからこそ、長年にわたり三河で愛され続けてきたのだ。

ファンの反応とSNSの盛り上がり

再契約の報道後、X(旧Twitter)やInstagramでは三河ファンを中心に喜びの声があふれた。

– 「ガードナーがいなきゃ始まらない!」
– 「またあのポストプレーが見られるのが嬉しい」
– 「歴史的プレイヤーを目の前で応援できる喜び」

また、他チームファンからも「一度は対戦してみたい」「彼のプレーにはリスペクトしかない」といった声も多数。ガードナーの人気は、所属クラブを超えてBリーグ全体に波及している。

まとめ:ガードナーとともに、Bリーグの新たな歴史を刻む

ダバンテ・ガードナーは、数字、技術、人間性のすべてにおいて“レジェンド”の称号にふさわしい存在だ。今回の三河との再契約は、Bリーグが誇るトッププレイヤーの物語がまだ終わっていないことを示している。

そしてGL3x3を含めた日本のバスケ界にとっても、彼のようなロールモデルの存在は大きな資産となる。長く、日本で戦い続ける外国籍選手がいる——それこそが、日本バスケの強みであり、多様性の証でもある。

2025–26シーズン、再び三河のペイントエリアに君臨する“ガードナー帝国”の戦いが始まる。

コーリーJAPANが見せた再生の光──女子アジアカップ2025準優勝と“世界への再挑戦”の全貌

コーリーJAPAN始動——わずか2カ月でアジア準優勝


2025年7月、バスケットボール女子日本代表はFIBA女子アジアカップ2025で7大会連続の決勝進出を果たし、準優勝という結果を残した。オーストラリアに惜敗したものの、コーリー・ゲインズ新ヘッドコーチのもとで新体制となってわずか2カ月のチームとは思えない成長を見せた今大会。

7月22日に都内で行われた記者会見では、ゲインズHCが30分以上にわたってチームの現状と未来について語り尽くした。その内容からは、単なる結果以上に、未来を見据えた確かな「手応え」と「覚悟」が読み取れた。

「育成は目標達成」田中こころと薮未奈海が急成長


今大会、ゲインズHCが掲げた目標は2つ——「育成」と「優勝」。そのうち育成に関しては「完全に達成できた」と明言した。

とくに評価されたのが田中こころと薮未奈海の2人。田中はクラブチームではシューティングガード(2番)を務めていたが、代表ではポイントガード(1番)にコンバートされ、短期間で新しい役割を習得。ゲインズHCは「タフ・ラブ(厳しい愛情)」を注ぎ、田中もその期待に応えた。

薮は、攻守両面でのプレースタイル変革を求められた。スピード、判断、体の使い方まで一新する指導の中、彼女は自らの殻を破って飛躍。「まだ成長の余地はあるが、彼女たちはこの短期間で素晴らしい変化を遂げた」と評価した。

このような若手の台頭は、GL3x3においても選手育成やポジション転換のヒントとなるだろう。

ゲインズ式「戦術コード」とディフェンス革命


ゲインズHCがもたらした変革の一つが、言語の壁を乗り越えるための**「ハンドシグナル式戦術指示」**だ。日本語を話せない彼は、70種類以上のハンドジェスチャーを駆使し、試合中も瞬時に戦術変更を伝える。

– 腕時計をタップ→ディレイ(セットプレー)
– 足を鳴らす→ステップアップ(スクリーン)

この戦術コードはWNBAでも1年かけて浸透させたが、日本代表はわずか2週間半でマスター。ゲインズHCも「選手たちの理解力と集中力は驚異的だった」と絶賛した。

また、ディフェンスでは1−3−1ゾーン→3−2ゾーン→マンツーマンへの「チェンジングディフェンス」を導入。味の素NTC合宿で課題とされていたこの守備戦術は、大会後半で日本の大きな武器となった。

中国戦は“準備の勝利”、決勝・豪州戦は“悔しさの糧”

準決勝での中国戦は、今大会屈指のハイライトだ。事前の中国遠征は、単なる練習試合ではなく“偵察任務”だったとゲインズHCは語る。

「中国のスタイルや選手の癖を徹底的に分析し、それに応じた練習を合宿初日から行っていた」。結果、日本は高さで劣る中国に対し、組織力とスピードで完全に上回った。

一方、決勝のオーストラリア戦は、予選で一度敗れていた相手。ゲインズHCは「予選でのミスは私の責任」と断言。決勝では修正を試み、第4Qには同点に追いつくも、あと一歩届かず。

「言い訳はしない。選手たちは疲れていたが、それもバスケの一部。だが、次に戦えばまったく違う試合になるはずだ」と力強く述べた。

“世界からのリスペクト”を取り戻すという自負

会見の最後、ゲインズHCはこう語った。

>「この大会で、我々は再び世界から注目され始めたと感じている」

日本女子代表はここ数年、強豪国との差を指摘されていたが、今回の戦いでその評価を覆しつつある。現地には10名以上の日本人ファンが応援に駆けつけており、その存在にも感謝の意を述べた。

「どうか、辛抱強く見守っていてほしい。次にお見せする代表は、さらに強くなって戻ってくる」

この言葉には、単なる結果以上の“チームとしての進化”が詰まっている。

GL3x3の視点:変革と文化の融合が未来を切り拓く

今回のゲインズHCの取り組みは、3×3界にとっても極めて示唆的だ。

– **言語の壁を越える戦術設計**
– **若手の大胆なポジション転換**
– **ディフェンスの柔軟性と切り替え力**

これらはすべて、スピードと戦術理解が求められる3×3にもそのまま応用できる要素だ。特に、短期間でチームを再構築するプロセスは、シーズン制ではないGL3x3のチームビルディングにもヒントを与える。

また、「世界からのリスペクトを再び得る」というミッションは、3×3でも同様に重要なテーマとなる。日本のバスケ文化が世界で通用することを示した今、次はGL3x3がその証明者となる番だ。

まとめ:ゲインズJAPANの船出が照らすバスケ日本の未来

準優勝という結果以上に、女子日本代表が世界に示した「進化と結束の姿勢」は、新時代のバスケットボールを象徴するものであった。

「育成」と「勝利」の両立、そして戦術・組織・文化の融合——コーリー・ゲインズHCが築こうとしているのは、単なる“強いチーム”ではなく、“未来に繋がるチーム”である。

2026年のFIBA女子ワールドカップに向けて、コーリーJAPANはすでに歩みを進めている。そしてその歩みは、GL3x3をはじめとした次世代バスケットボールの道しるべにもなっていくだろう。

「俺はカーメロが新人王だと思ってた」──マグレディが語る2004年の真実と再評価される“メロの衝撃”

マグレディが語った“もう一つの新人王”──カーメロへの称賛

2025年7月19日、元NBAスターのトレイシー・マグレディが、カーメロ・アンソニーのポッドキャスト番組「7PM in Brooklyn」に出演し、2003-04シーズンの新人王について持論を展開した。マグレディは、レブロン・ジェームズが受賞したその年の新人王レースについて「俺はカーメロが勝ち獲るべきだと思っていた」と明言。約20年の時を超えて語られたこの言葉が、NBAファンの間で再び議論を呼んでいる。

カーメロ・アンソニーとレブロン・ジェームズ──伝説的ルーキーイヤーの比較

2003年のNBAドラフトは“黄金世代”と称される歴史的な年。1位指名のレブロン・ジェームズ、3位指名のカーメロ・アンソニー、5位指名のドウェイン・ウェイドなど、後の殿堂入り選手たちが一堂に会した。その中でも、新人王レースはレブロンとカーメロの一騎打ちとなった。

レブロンはルーキーながら平均20.9得点、5.5リバウンド、5.9アシスト、1.6スティールというオールラウンドな成績を残し、1位票78を含む508ポイントで新人王に輝いた。一方のカーメロは平均21.0得点、6.1リバウンド、2.8アシスト、1.2スティールをマークし、1位票40、計430ポイントで惜しくも2位に。

数字以上の価値──“プレーオフ進出”という偉業

レブロンの個人成績は素晴らしかったが、マグレディが指摘したのはチームへの影響力だった。実際、レブロン率いるクリーブランド・キャバリアーズは35勝47敗でプレーオフ圏外のイースタン9位に終わったのに対し、カーメロが所属したデンバー・ナゲッツは43勝39敗でウェスタン8位として見事プレーオフ進出を果たしている。

前シーズン(2002-03)において、両チームはともに17勝65敗でリーグ最下位という暗黒期にいた。それをわずか1年でプレーオフへ導いたという点において、カーメロの功績はより大きな意味を持つ。

マグレディの真意とNBAの“評価基準”に対する疑問

「俺はメロが新人王に選ばれるべきだったと思ってた。彼はチームをプレーオフに導いたんだ。ルーキーにとってこれは信じられないほどの功績だ。スポットライトの中でそれを成し遂げたのに、十分に評価されなかった」。マグレディは番組でこのように語り、チームの勝利への貢献が軽視されたことを悔やんだ。

この発言は、「新人王は個人スタッツ優先で評価されるべきか、それともチーム成績も加味すべきか」という、NBAで長年議論されてきたテーマに一石を投じるものだ。事実、これ以降もチーム成績よりも個人数字が優先される傾向は続いており、例えば2020-21のラメロ・ボールや2022-23のパオロ・バンケロもチーム成績ではなく個人成績で評価されている。

20年の時を経て再評価される“メロの衝撃”

カーメロ・アンソニーは2025年にバスケットボール殿堂入りを果たす予定で、9月6日と7日に式典が行われる。キャリア19シーズンで2万8289得点を記録し、歴代スコアリングランキング10位に名を刻んだ彼は、NBA史に残るレジェンドだ。

特に2012-13シーズン、ニューヨーク・ニックスで平均28.7得点を挙げて得点王に輝いた姿は、今もファンの記憶に強く残っているだろう。しかしその栄光の陰には、「新人王になれなかった」ルーキー時代の悔しさが確かにあった。

ファン・メディアの反応とSNSの熱狂

マグレディの発言は瞬く間にSNSで拡散され、「#MeloWasRobbed(メロは奪われた)」というハッシュタグまで登場した。YouTubeやX(旧Twitter)では、当時のハイライトやスタッツ比較をもとに「もし今だったらメロが取ってた」という声も続出。

一部の米メディアは、「マグレディの指摘は妥当」「当時の投票方式は再検討すべきだった」と取り上げるなど、単なるトークを超えた影響をもたらしている。中には「今こそリビジョンMVP・ROY制度を導入すべき」という意見も。

比較されるその後のキャリア──レブロンとの“交差”

結果的にレブロン・ジェームズは現在も現役としてキャリアを続け、殿堂入りはまだ先となるが、彼の功績もまた疑いようがない。一方で、カーメロは一足早く殿堂入りが決定。レブロンが優等生的に歩んだのに対し、カーメロは型破りでありながらも人々の記憶に残るスターとしての道を歩んできた。

新人王はレブロンだったが、「カーメロもまた勝者だった」と言える。勝敗やトロフィーだけでは測れない、インパクトという名の価値を彼は証明し続けている。

まとめ:賞の価値を再定義する時代へ

今回のマグレディの発言は、カーメロ・アンソニーの新人王レース再評価にとどまらず、NBAにおける“評価基準”そのものを問い直す契機となった。個人成績だけでなく、チームへの影響力や勝利への導き方、精神的リーダーシップなど、より多面的な視点で選手を評価する動きが今後加速するかもしれない。

そして、賞を逃しても語り継がれる選手の偉大さは、数字では測れない価値そのもの。カーメロ・アンソニーという男のルーキーイヤーが、いま再び、光を浴びている。

三河が元NBAスタッフを迎え強化体制を刷新!アダム・ペトウェイ氏が“選手の健康と成長”を担う新ディレクターに就任

三河がパフォーマンス分野の大刷新へ!元NBAスタッフのアダム・ペトウェイ氏が新ディレクターに就任

B1リーグ・シーホース三河が、2025-26シーズンに向けてチーム強化の布石として、世界最高峰NBAでの経験を持つアダム・ペトウェイ氏をチームスタッフに迎えた。7月18日に発表された契約により、ペトウェイ氏は「プレイヤーヘルス&パフォーマンス・エグゼクティブ・ディレクター」という新たな役職でチームの屋台骨を支える。

選手のパフォーマンス最大化やケガ予防、コンディショニング強化など、近年バスケットボール界で重要視される分野において、NBAの知見を持つ人材がBリーグに加わるのは極めて意義深い。この記事では、ペトウェイ氏の経歴やリッチマンHCとの関係性、三河にとっての影響、そして今後の展望までを詳しく紐解いていく。

アダム・ペトウェイ氏のプロフィールとキャリアの歩み

アメリカ出身で現在38歳のアダム・ペトウェイ氏は、ストレングス&コンディショニング分野の専門家として知られ、選手の健康・パフォーマンス・リカバリーの科学的アプローチを重視する現代的なスポーツスタッフである。

キャリアのスタートは2010年。カトリック大学(Catholic University of America)男子バスケットボール部にて、ストレングス&コンディショニング部門の責任者を務め、同時にアシスタントコーチとして選手育成にも携わっていた。その後、NCAAの名門アーカンソー大学でも同様の分野で活躍。ここでの経験を経て、2018年にはNBAのフィラデルフィア・セブンティシクサーズに採用され、リード・バイオメカニストおよびS&Cコーチとして最先端のスポーツサイエンス業務に従事する。

注目すべきは、2020-21シーズンにワシントン・ウィザーズでライアン・リッチマン(現・三河ヘッドコーチ)とともにチームスタッフとして活動していた点である。ペトウェイ氏の知識と現場対応力は、NBAでも高い評価を受けていた。

NBA仕込みのパフォーマンスモデルとは何か?科学×個別ケアの融合

ペトウェイ氏が打ち出すプレイヤーパフォーマンスモデルは、科学、テクノロジー、個別最適化されたアスリートケアを核としている。彼の哲学は、単なる筋力トレーニングやリハビリテーションにとどまらない。

– **データ活用と個別プログラムの設計**
– **ケガの予兆を早期に検出するモニタリングシステム**
– **選手のメンタル・モチベーション面のサポート**
– **栄養や睡眠管理も含めた包括的アプローチ**

これらを融合させることで、短期的な勝利だけでなく、選手の長期的なキャリア維持を支えることを目指している。NBAで培われたこのノウハウは、国内バスケットボール界にとって非常に貴重だ。

リッチマンHCとの再タッグが意味するもの

2020-21シーズンにワシントン・ウィザーズでともに職務に就いていたライアン・リッチマンHCとペトウェイ氏の再タッグには、戦術面以上の意味がある。リッチマンHCは、NBAでアシスタントからヘッドコーチまでを経験してきた理論派指導者であり、ペトウェイ氏とは「選手を中心に考える」という哲学を共有している。

彼らの連携は単にX&O(戦術)にとどまらず、選手のフィジカル・メンタル・モチベーション管理までを包括的にサポートする体制を構築する可能性を秘めている。こうした“チーム強化の根幹”に人材を配置する姿勢は、三河が真にトップレベルを目指している証といえるだろう。

ペトウェイ氏のコメントに見る三河への期待と覚悟

発表に際してペトウェイ氏は、次のようにコメントしている。

> 「日本で最も尊敬されるクラブの一つに参加できることを光栄に思います。プロフェッショナリズムと革新に根ざした文化、選手中心のケアを優先する環境に携われることに感謝しています」

このように、三河のクラブとしての品格や方向性に共感していることがうかがえる。また、

> 「科学とテクノロジー、個別ケアを組み合わせ、選手の成長と持続可能なパフォーマンス向上を目指す」

と語っており、単なる短期的成果ではなく、“選手のキャリア全体”を見据えた姿勢が強調されている。

また、地域への感謝として「三河の文化とコミュニティに家族とともに触れられることに感激している」と述べており、単なる外部招聘ではない、地域密着型の貢献を志していることも印象的である。

BリーグとNBAの橋渡し:ペトウェイ招聘がもたらす波及効果

近年、BリーグではNBA出身の選手やコーチの参入が増加している。だが、S&Cやパフォーマンス分野における“中枢スタッフ”の招聘はまだ限られており、ペトウェイ氏の加入は先進的な事例だ。

こうした動きは、以下のような波及効果をもたらす可能性がある:

– **リーグ全体のプロフェッショナリズム向上**
– **若手選手への教育的フィードバックの充実**
– **メディカル・トレーニング部門の人材育成**
– **日本国内のスポーツ医科学・バイオメカニクス発展への寄与**

NBAの最前線で活躍してきた知見が、日本のバスケットボール界に直接注入されることで、リーグの成長速度は加速するだろう。

今後の展望:三河が目指す“選手第一主義”のクラブ作り

ペトウェイ氏の就任は、三河が「選手第一主義」を掲げるクラブとして、新たな次元に進化するための第一歩ともいえる。今後は以下のような変革が期待される:

– **年間を通じたパフォーマンス管理体制の構築**
– **負傷者復帰プロセスの科学的強化**
– **試合だけでなく練習、遠征、リカバリーの最適化**
– **個別トレーニングの導入による“強みの伸長”**

これにより、三河は単なる“強いチーム”ではなく、“選手が最も成長できるチーム”という新たな価値を提示していく可能性がある。

まとめ:世界基準の人材がBリーグを変えるきっかけに

アダム・ペトウェイ氏の加入は、BリーグとNBAの間にある“距離”を一気に縮める象徴的な出来事だ。パフォーマンス科学の第一線で活躍してきた人物が、日本のクラブで長期的視野のもと選手育成とケガ予防に取り組むという事実は、リーグ全体の信頼性と価値を高める。

三河にとっても、単なる“勝つチーム”から“育て、支え、守るチーム”への進化を促す契機となるだろう。これからのBリーグのスタンダードを引き上げる存在として、ペトウェイ氏の手腕に期待が高まっている。

NBA王者ディアンドレ・ジョーダンが日本満喫!寿司・浅草・いちご大福…“親日家センター”の魅力全開

“親日家”NBAプレイヤーが再来日!ディアンドレ・ジョーダンの日本旅行が話題に


世界最高峰のバスケットボールリーグ「NBA」で長年活躍し、2023年には悲願の優勝を果たしたディアンドレ・ジョーダン(DeAndre Jordan)が、今夏のオフシーズンを日本で過ごしている。SNSで投稿された旅の記録には、寿司を握る姿やいちご大福を頬張る様子、浅草や高野山といった日本の文化的名所を巡る光景が映し出され、国内外のファンから注目が集まった。

2008年にNBAデビューを飾って以降、15年以上にわたりリーグで存在感を示してきたジョーダン。そんな彼がなぜ今、日本を訪れているのか。そこには“親日家”としての一面と、文化への敬意があった。

ディアンドレ・ジョーダンとは何者か?体格と実績に裏付けられたキャリア


ディアンドレ・ジョーダンは1988年7月21日生まれ、アメリカ・テキサス州ヒューストン出身。身長211cm、体重約120kgの恵まれた体格を持ち、ポジションはセンター。高校時代から注目を集め、テキサスA&M大学を経て、2008年のNBAドラフトでロサンゼルス・クリッパーズに2巡目35位で指名されてプロ入りした。

プロキャリアの大半をクリッパーズで過ごし、ブレイク・グリフィンやクリス・ポールとの“ロブシティ”時代の主軸として活躍。その後、ダラス・マーベリックス、ブルックリン・ネッツ、ロサンゼルス・レイカーズなどを経て、2022-23シーズンからはデンバー・ナゲッツに所属。ベテランとしてチームを支え、2023年には自身初のNBAチャンピオンに輝いた。

リバウンドやブロック、インサイドでのフィジカルなプレーを得意とする守備型センターであり、キャリアを通して3度のオールNBA選出、NBAオールディフェンシブチームにも2度選ばれている。

なぜ日本へ?きっかけは日本語学習と文化への関心

ディアンドレ・ジョーダンは2023年秋から日本語の学習を始めたとされており、自身のSNSでは日本語を交えた投稿も見受けられるようになっていた。NBAプレーヤーの中でも日本への興味を公言する選手は増えてきているが、ジョーダンのように実際に語学を学び、文化的交流を実践する例は珍しい。

今回の来日について彼は、「ずっと来たかった」と語っており、SNS上では「日本、ありがとう」と日の丸の絵文字を添えて、寿司を握る動画や寺社仏閣を巡る写真を投稿。まさに“念願の日本旅行”を叶えた瞬間だった。

近年、八村塁(現ロサンゼルス・レイカーズ)など日本人選手のNBA進出や、日本国内でのバスケット人気の高まりを背景に、NBAと日本との結びつきは年々強まっている。その流れの中で、ジョーダンのようなベテランスターが日本を訪れる意義は大きい。

文化体験にどっぷり浸かる:浅草寺、高野山、グルメレビューも話題


ジョーダンの日本滞在は、いわゆる“観光”という枠を超えた、深い文化体験を伴うものだった。

7月8日には浅草寺を訪れ、仲見世通りでのショッピングや本堂での参拝を行う様子を公開。また、寿司店では自身が握り手となり、本格的な寿司づくりに挑戦する動画も掲載した。

さらに、7月17日には和歌山県の高野山・恵光院に宿泊。宿坊での滞在を通じて、禅の精神や精進料理といった伝統文化にも触れた。畳の間で正座しながら食事をとる姿や、静寂の中で過ごす様子は、多くのフォロワーにとって新鮮かつ感動的だった。

注目を集めたのは、7月18日に投稿された“グルメ採点動画”。東京・築地で食べた「いちご大福」には8点、アサヒスーパードライには9点、寿司には満点の10点をつける一方、味噌汁には6点という評価。ユニークかつ率直なリアクションに、コメント欄では「本音で語ってくれて好感」「いちご大福を頬張る姿が可愛い」といった声があふれた。

NBA選手と日本文化:広がる“親日家”アスリートの輪

ディアンドレ・ジョーダンのように日本を訪れ、日本文化に親しむNBAプレーヤーは増えてきている。近年ではステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)が東京でイベントを開催したり、八村塁の存在がきっかけで他選手が日本食に興味を持ったという話も少なくない。

また、かつてはコービー・ブライアントがプライベートで日本を訪れたり、デニス・ロッドマンが相撲観戦を楽しむなど、日本とNBAの間には継続的な交流の歴史がある。

特にSNS時代になってからは、選手自身が旅の様子を発信することで、その影響はより広がりを見せている。ジョーダンのように“文化体験を共有する”姿勢は、ファンの共感を呼び、NBA全体のイメージ向上にも繋がっている。

今後の展望:日本とNBAの距離をさらに近づける存在に

今回の来日を通して、ディアンドレ・ジョーダンはただの観光客以上の存在として、日本のファンに強い印象を残した。彼のようなスター選手が日本文化に敬意を持ち、実際に足を運んで体験することは、バスケットボールを通じた国際交流の新たな可能性を感じさせる。

今後、ジョーダンが日本語の発信を続けたり、日本のバスケイベントに関わることがあれば、それは国内バスケットボール界にとっても大きな追い風になるだろう。NBAとBリーグの協力や、次世代の日本人選手の育成支援など、彼の影響力を活かした新たなプロジェクトも期待される。

また、2025年には世界規模のスポーツイベントも控えており、今後のプロモーションやアンバサダー的な役割にジョーダンが関与する可能性もある。

まとめ:バスケ界の“橋渡し役”としてのディアンドレ・ジョーダン

ディアンドレ・ジョーダンは、NBAのトッププレイヤーであると同時に、文化交流の担い手としても注目を集めている。日本を深く知り、伝えようとするその姿勢は、単なる「旅行者」ではない“親日家アスリート”の象徴的存在といえるだろう。

今回の来日が、彼自身にとっても、そして日本のファンにとっても忘れがたいオフシーズンの思い出となったことは間違いない。そしてこの出来事は、今後もNBAと日本との絆をより強く、深く結びつけていく原動力となるに違いない。

河村勇輝が導くブルズ若手の進化——NBAサマーリーグで光る国際感覚とリーダーシップ

異なる競技の2チーム運営に挑む理由とは?


NBAサマーリーグ2025がラスベガスで開催されるなか、シカゴ・ブルズの若手選手たちが着実に成長の軌跡を描いている。中でも、注目を集めているのが日本の司令塔・河村勇輝だ。ブルズに参加しているノア・エセンゲ(ドイツ出身)、ラクラン・オルブリッチ(オーストラリア出身)とともに、国際色豊かなロスターの中で、河村のリーダーシップが鮮やかに輝いている。

NBAの登竜門ともいえるサマーリーグは、若手選手が自身の実力を試す絶好の舞台だ。短期間で構築されたチームにおいて、どれだけ適応し、連携し、成果を出せるかが問われる。今回は、ブルズが公式YouTubeで公開したクロストークを通じて、3人の若手が語った“リアル”に迫りながら、チームの変化、個人の成長、そして河村勇輝という存在の意義にスポットを当てる。

限られた準備期間で見せた進化と連携力


サマーリーグは、NBA本戦とは異なり、即席で結成されたチームが短期間で戦術を構築しなければならない特殊な環境だ。そんな中でもブルズの若手たちは、試合を重ねるごとに明確な成長を見せている。

ノア・エセンゲは「トレーニングキャンプはほんの数日しかなかった。それでも、試合ごとにプレースタイルに順応し、連携が取れるようになってきている」と語る。初戦では戸惑いも見られたチームディフェンスだが、数試合を経て統一感のある守備が見られるようになり、チームとしての一体感が徐々に形をなしてきた。

オルブリッチも「最初は正直、バラバラだった。でも、今は皆が役割を理解し、自然にコミュニケーションが取れている」と述べ、日々の成長を実感しているという。限られた準備期間にもかかわらず、彼らは個々の適応力と柔軟性を発揮し、成果を生み出している。

異なるバスケ文化への適応と進化

エセンゲはドイツ・バスケットボールリーグでプレーしてきたが、NBAスタイルとの違いに驚きを隠せなかった。「ドイツでは時間的な余裕がある。一方で、ここではテンポが非常に速く、アスレティシズムが求められる」と語る。プレータイムの短さ、ショットクロックの意識、フィジカルの強度など、すべてが異次元のレベルで進行する環境で、彼は自らの可能性を広げつつある。

これは河村にも共通する課題だ。日本のBリーグで培ってきた戦術眼とスピードを武器に、彼は日々フィジカル面での差を埋めようと奮闘している。

河村勇輝の「見える視野」とクレイジーなアシスト

クロストークの中で、特に話題となったのが河村のプレーメイク能力だ。エセンゲは「ユウキのパスはすべてが見えているようだ。クレイジーなアシストを連発する」と驚きを交えながら語る。

オルブリッチも「サマーリーグで彼ほどスムーズにパスを回す選手は少ない。彼のプレーは見ていてとにかく楽しいし、チームに流れを生む」と高評価を寄せた。

5フィート8インチ(約173cm)というNBAでは小柄な体格ながらも、河村はそのハンディキャップを“予測力”と“判断力”で補っている。身体能力で劣っても、常に先を読み、最適なタイミングでアシストを供給するスタイルは、まさに司令塔の真骨頂だ。

英語力の壁を越えていく“コミュニケーションの工夫”

異文化環境の中で最も課題となるのが言語だ。河村は「英語は得意ではない」と率直に語りつつも、「チームメートやコーチが助けてくれる」と感謝を示す。語学面の不安を感じさせないほど、彼のコミュニケーションはスムーズだ。

試合中は身振り手振りも交え、時にはボディランゲージで意思を伝える姿も見られる。「言葉が通じなくても、気持ちは伝わる」。その精神は、どの国の選手にとっても共通のものだ。

“日本の希望”に寄せられる声援と注目度

ラスベガスのコートサイドには、日本から駆けつけたファンの姿も多く見られる。河村の名前が書かれたボード、日の丸の旗、熱い声援——その光景に、チームメートたちも驚きを隠せない。

オルブリッチは「彼の人気は、かつてフィリピンのカイ・ソットや韓国のイ・ヒョンジュンと同じくらい熱狂的だ」と評し、アジア出身選手の存在感がグローバルに増していることを感じさせる。

エセンゲも「河村は声援に値するプレーをしている。彼の努力がファンを引き寄せている」と述べた。

チーム内で発揮される“静かなリーダーシップ”

河村の特徴は、決して声高に指示を出すタイプではなく、プレーで引っ張る“静かなリーダーシップ”だ。オルブリッチは「彼は的確なアドバイスをくれるし、必要な時に場を和ませてくれる。若いけれど信頼できる」と語り、チームメートとしての厚い信頼を寄せる。

エセンゲも「ユウキはプレーの中だけでなく、ロッカールームでもリーダーシップを発揮している。話す言葉以上に行動で示してくれる存在だ」と述べた。

河村自身も「期待に応えたい。そのために今できるすべてをやるだけ」と語っており、その姿勢は周囲にポジティブな影響を与えている。

バスケそのものを楽しむことの価値

クロストークの最後には、「恋しいもの」について3人が語る場面もあった。母国の料理や家族、涼しい気候などを挙げつつも、3人は口を揃えて「一番楽しんでいるのは、やっぱりバスケットボール」と語った。

炎天下のラスベガスで、過酷なトレーニングと試合に臨みながらも、彼らはバスケを通じて世界とつながり、可能性を広げている。河村勇輝という日本人ガードが、その真ん中でチームをつなぎ、リーダーとしての価値を証明していることは、今後の日本バスケにとっても大きな意味を持つだろう。

日本代表とNBAの“架け橋”としての存在意義


河村勇輝は、今夏のサマーリーグを単なるキャリアのステップとせず、日本バスケットボール界全体に希望をもたらす存在となっている。アジア人選手としての評価、コミュニケーション能力、リーダーシップ——そのすべてが融合し、次世代のモデルケースとなりつつある。

サマーリーグ終了後、彼がどのような道を歩むかは未定だ。しかし、ラスベガスで見せた姿は、確実に世界のバスケファンに印象を残している。そして、日本国内でも「海外で通用するガード」という新たなロールモデルとして、若い世代に勇気を与えている。

今後、ブルズ本隊への昇格や、別チームとの契約といったキャリアの選択肢も見えてくるだろう。その過程において、今回の経験は大きな資産となるに違いない。

NBA最長級ネームを持つ新人誕生:クリッパーズのヤニック・コナン・ニーダーハウザー、SGAと並びユニフォーム文字数最多タイ

クリッパーズ期待の新星、ヤニック・コナン・ニーダーハウザーがNBA最長級のユニフォームネームを持つ選手として話題に


2025年7月17日(米国時間7月16日)、ネバダ州ラスベガスで開催中のNBAサマーリーグの会場、UNLV(ネバダ大学ラスベガス校)にて、各チームのルーキー選手たちが恒例のフォトセッションを行った。その中で、ロサンゼルス・クリッパーズからドラフト1巡目30位で指名されたヤニック・コナン・ニーダーハウザー(Yanic Konan-Niederhauser)が、意外な形で注目を集めている。

注目の的となったのは、彼のユニフォームの背面に刺繍される名前の長さだ。彼のフルネームは「Yanic Konan-Niederhauser」。実際にクリッパーズのユニフォームには、ミドルネームとファミリーネームにあたる「Konan-Niederhauser」が入る。この“Konan-Niederhauser”という名前は、アルファベット18文字で構成されており、現役NBA選手の中では、オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(Shai Gilgeous-Alexander)と並ぶ最多タイの文字数となる。

ヤニック・コナン・ニーダーハウザーとはどんな選手か?

スイス出身の22歳、211センチ110キロという体格を誇るセンターであるヤニックは、2025年NBAドラフトでロサンゼルス・クリッパーズに指名された期待のルーキー。サマーリーグでは既に3試合に出場しており、1試合平均24.1分の出場で、4.3得点、5.0リバウンド、2.0スティール、1.7ブロックというスタッツを記録している。特に守備面での貢献が評価されており、クリッパーズ関係者からも「リムプロテクターとして将来性がある」と高い期待を寄せられている。

ヨーロッパ出身選手としては異例の長い名前を持つ彼だが、スイスでは珍しい複合姓(ハイフネーム)であり、これは彼の家族背景に由来する。父親はコートジボワール出身、母親はスイス人という多文化背景を持っている点も、彼の個性を際立たせている。

NBAで長い名前を持つ選手たち:過去と現在


NBAではこれまでも、名前が長いことで知られる選手たちが存在してきた。例えば、18シーズンにわたって活躍したディケンベ・ムトンボ(元アトランタ・ホークスほか)のフルネームは「Dikembe Mutombo Mpolondo Mukamba Jean-Jacques Wamutombo」。アルファベットにして49文字にも及ぶが、公式表記は“Dikembe Mutombo”にとどまっている。

また、現役ではオクラホマシティ・サンダーのスター選手、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(SGA)もフルネーム18文字で知られている。SGAは2023–24シーズンにおいて平均30得点超えを記録し、NBAオールスターにも選出されるなど、リーグ屈指のスコアラーとして名を馳せている。その彼と並ぶ形で、ヤニック・コナン・ニーダーハウザーがユニフォームネーム最長記録保持者として注目されるのは、バスケットボールファンにとって興味深い事象と言えるだろう。

ユニフォーム製作の裏側:長い名前ならではの工夫とは?

NBA公式ユニフォーム製作を担当するナイキやチームのマーケティング部門は、選手名の長さに応じたカスタマイズを行う必要がある。通常のNBAユニフォームでは、選手名は背番号の上部に刺繍されるが、名前が長すぎる場合、文字サイズを縮小したり、フォント間隔を調整するなどの工夫が求められる。

ヤニックのユニフォームの場合も、ラスベガスで撮影された公式フォトでは、通常よりも細めのフォントで文字が配置されており、バランスよく収まるようデザインされていた。過去には、ミルウォーキー・バックスのジャネン・アデトクンボ(Giannis Antetokounmpo)も、名前の長さから特注フォントが使われたことがあるという。

クリッパーズにおけるヤニックの役割と今後の展望

クリッパーズは現在、カワイ・レナードやポール・ジョージといった主力選手を抱える一方で、フロントコートの若返りを図る必要に迫られている。ヤニック・コナン・ニーダーハウザーはその重要なピースの一人として位置づけられており、将来的にはローテーション入りやスタメン定着も期待されている。

また、3×3バスケットボールが正式種目として採用されたオリンピックなど、国際舞台での活躍も視野に入る。スイス代表としての活動歴もあるヤニックは、3×3形式でも通用するフィジカルとスキルを兼ね備えており、今後GL3x3リーグでの露出機会も増える可能性が高い。

ファンやメディアの反応:SNSでの盛り上がり


ヤニックの長い名前は、SNS上でも話題沸騰中だ。Twitter(現X)では、「ユニフォームに全部入るなんてすごい」「SGA以来の長ネーム選手!」といったコメントが相次ぎ、バスケットボールファンの間でちょっとしたトレンドとなっている。

NBA関連メディアもこぞってこの話題を取り上げ、特に海外スポーツ専門サイト『Bleacher Report』や『The Athletic』でも特集記事が組まれている。これにより、ヤニックの名前とともに、彼のプレースタイルやキャリアにも関心が高まっている状況だ。

データで見る:歴代NBAユニフォームネーム最長ランキング

以下は、これまで確認されているNBA選手の中でユニフォームネームが最長だった選手たちのランキングである。

1位:Shai Gilgeous-Alexander(18文字)
1位:Yanic Konan-Niederhauser(18文字)
3位:Giannis Antetokounmpo(15文字)
4位:Thanasis Antetokounmpo(15文字)
5位:Dikembe Mutombo(14文字)

※ディケンベ・ムトンボはフルネームでは49文字だが、ユニフォーム表記基準で14文字扱い

まとめ:長い名前の持ち主が新たなスター候補に

ヤニック・コナン・ニーダーハウザーという新たなビッグマンは、その名前の長さだけでなく、バスケットボール選手としても確かなポテンシャルを持っている。クリッパーズにおける新世代のセンター候補として、またユニークな個性を持つルーキーとして、今後も注目される存在であることは間違いない。

ファンとしては、単なるネームの話題にとどまらず、彼の活躍を実際の試合で目にする機会を楽しみにしたいところだ。

Wizが挑むスポーツ経営の未来──バスケとバレー2競技のオーナー戦略とは

異なる競技の2チーム運営に挑む理由とは?


「チームを地域のセンターピンにしたい」──株式会社Wizの代表・山﨑俊氏は、そう語る。2024年6月、女子プロバレーボールチーム・アルテミス北海道(Vリーグ)を傘下に迎えたWizは、すでに男子プロバスケットボール・鹿児島レブナイズ(B2)を保有しており、2競技のクラブオーナー企業となった。

「地域におけるプロスポーツチームの存在はとても大きい」と山﨑氏。「鹿児島ならレブナイズだね」というように、地域の象徴=“センターピン”になれるコンテンツだと考えているという。特に屋内競技は天候や季節に左右されず、会場までのアクセスも良い。だからこそ、老若男女が集える空間づくりには適していると語った。

アルテミス北海道が担う“女性活躍の象徴”という役割


「北海道の女子プロスポーツをけん引する存在になってほしい」。Wizがアルテミス北海道に託すビジョンだ。男子プロチームが多く存在する北海道において、女子チームの存在は希少であり、地域の中で「女子ならアルテミス」という空気を作りたいという。

Wiz社内も女性比率が高く、従業員の54%が女性、管理職も46%が女性という構成。「今のWizがあるのは女性の皆さんのおかげ。女性の活躍を後押しする象徴として、アルテミスを地域に根付かせていきたい」と山﨑氏は力を込めた。

SVリーグ昇格より大切な“熱量”の創出

「まずは会場を満員にすること。それが第一歩」。北ガスアリーナ札幌46(2500人収容)を主戦場に、1年目は無料招待も活用しながら満員を目指す。競合はBリーグ、Jリーグ、プロ野球と多いが、その中でも「選ばれるエンタメ」となることが求められる。

SVリーグ昇格に関しては、今すぐではなく「どこかの時間軸で目指すべき」と言及。「地域に熱を生み出すことが優先。順位や昇格だけを追うのではなく、盛り上げるためにどんなポジションでいるべきか」を重視している。

「みんなに担いでもらえるアルテミス」に

「地域のシンボルではなく、女性活躍のセンターピンに」。北海道全体の象徴になるのはおこがましいという謙虚な姿勢を持ちつつ、「担がれる存在になることが地域活性化につながる」と語る山﨑氏。

「スポーツチームは神輿のような存在で、地域のみんなで担ぎ上げていける。その象徴にアルテミスがなっていけたら」と展望を語った。

鹿児島レブナイズが教えてくれた“チームの力”


Wizが最初にオーナーとなったのは鹿児島レブナイズ。元々スポンサーをしていたレバンガ北海道からの縁で、鹿児島のクラブを紹介されたという。

「B1昇格条件のひとつでもある1試合平均2400人の集客」を2年連続でクリア。特に「KAGOSHIMA SHOWTIME」をスローガンに掲げた昨季は、観客に“観てもらえればファンになる”という確かな実感を得たという。

チームの挑戦=地域の活性化

「優勝を目指す意味は、地域を盛り上げるため」と山﨑氏は断言する。アルテミスもレブナイズも、単なる勝利のために戦うのではなく、あくまで地域の熱量を高めるための手段として「勝利」を追求している。

「勝てなかったとしても、それは挑戦した結果。それを地域のエンタメに昇華できていれば成功だ」と語る。

スポーツチーム経営は“地域活性化ビジネス”

「私はスポーツビジネスをしているのではなく、地域活性化ビジネスをしている感覚に近い」。スポーツチームは、企業が“応援したくなる存在”を持つことで、会社の成長や社員のやりがいにも直結すると山﨑氏は捉えている。

バスケットもバレーも、チームという存在を通して「信じる力」「挑戦する意味」を体現し、会社全体にポジティブな空気をもたらす。「2チームの運営を通じて、地域と会社の両方が挑戦し続ける存在でありたい」と語った。

クラブ運営が人材育成の場にもなる

「スポーツチームの現場は、若手の成長機会でもある」と山﨑氏。Wizではレブナイズやアルテミスに若手社員が関わることも多く、広報やスポンサー対応、イベント運営など、リアルな現場で“実戦経験”を積む機会が得られているという。

こうした経験は、WizのコアビジネスであるIT・営業分野でも応用可能で、「人との関わり」「信頼を得る力」「現場対応力」を鍛える場にもなっている。

地域の教育・行政とも連携し、“まちづくり”へ

「クラブ運営は地域全体を巻き込む“まちづくり”の一部」。山﨑氏は、クラブを通じて地域の学校や行政、地元企業とも連携し、未来の担い手づくりにも注力していきたいと語る。

実際、鹿児島では地元の小中学校と連携した「夢授業」や「キッズ観戦プロジェクト」も展開。アルテミスでも同様の教育連携を計画しており、スポーツの価値を広げる仕組みを構築中だという。

Wizが描く“地域と人が育つ”スポーツ経営の未来

「地域が育ち、人が育ち、企業も育つ」──Wizが描くスポーツ経営は、その三者の循環を前提としている。チームの勝敗だけに依存せず、地域と連携しながら、長期的に価値を生み出す体制づくりが進んでいる。

「スポーツは感情を動かす力がある。だからこそ、応援される存在になる必要があるし、応援されることで地域に根付く。その循環を作っていきたい」と山﨑氏は語った。

ウォリアーズがホーフォード獲得を検討も…元選手が警鐘「課題解決には不十分」

ウォリアーズが狙うホーフォード獲得案に疑問の声|ベテラン加入でチームは変わるか?

2025年7月、NBAのフリーエージェント市場も佳境を迎えつつある中、ゴールデンステイト・ウォリアーズの補強戦略に注目が集まっている。すでにケボン・ルーニーがニューオーリンズ・ペリカンズへ移籍したことで、フロントコートに大きな空白が生まれたウォリアーズは、ベテランセンターのアル・ホーフォード獲得を検討していると報じられている。

しかし、この補強案に対しては賛否が分かれており、とりわけ元マイアミ・ヒートのユドニス・ハズレムは、「ホーフォードがウォリアーズの課題を解決することはできない」と指摘した。

ルーニー退団と静かなオフ|ウォリアーズの動きは控えめ

ウォリアーズの2025年オフは、例年に比べて静かなものとなっている。ケボン・ルーニーがペリカンズへ移籍した以外は、目立ったフリーエージェントの補強はなく、現在のところはドラフト絡みのトレードが主な動きだ。

チームにはステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、そして昨シーズン途中から加入したジミー・バトラーの3本柱が健在。また、バディ・ヒールド、モーゼス・ムーディー、ブランディン・ポジェムスキー、トレイス・ジャクソン・デイビス、クインテン・ポストなど、ローテーション候補も揃っている。

それでも、昨季プレーオフではミネソタ・ティンバーウルブズに1勝4敗で敗れた苦い経験がある。カリーのケガによる離脱も響いたが、フィジカルで圧倒されたフロントラインの不安は今も解消されていない。

ベテランビッグマン・ホーフォードの実績と現在地

ウォリアーズが補強候補として検討しているアル・ホーフォードは、NBAキャリア18年を誇る経験豊富なベテランビッグマン。ボストン・セルティックスでの昨季は60試合に出場し、平均27.7分のプレータイムで9.0得点、6.2リバウンド、2.1アシストを記録。さらに、3ポイント成功率は36.3%(平均1.9本成功)と、ストレッチビッグとしても存在感を示した。

206cm・108kgのサイズと高いバスケットIQに加え、フロアスペーシング能力を備えたホーフォードは、ローテーションの要として複数のチームから関心を集めている。ただし、6月に39歳を迎えたベテランがウォリアーズの“今”の課題を解決できるかどうかは疑問視されている。

ハズレムが警告「ホーフォードではフィジカル不足は解消できない」

2025年7月16日、元ヒートのベテランで20年間NBAを戦ったユドニス・ハズレムが『ESPN』の番組「NBA Today」に出演し、ウォリアーズのホーフォード獲得の可能性について語った。

「アル(ホーフォード)は素晴らしい選手だ。人格者であり、チームにポジティブな影響を与えられる。しかし、ウォリアーズが本当に必要としている“長さ”や“運動能力”という点では、彼の加入だけでは課題の本質を解決することはできない」

ハズレムはさらに続けて、「彼がステフ(カリー)とともにキャリアを終えること自体は良い話だし、フロアのスペースを広げ、スリーを決めてくれるだろう。でも、それがこのチームの必要としていることと合致しているとは言えない」と語り、冷静に懸念を示した。

ティンバーウルブズ戦で露呈した「フィジカルの壁」

ウォリアーズが直近で直面した課題のひとつが、フロントラインでのフィジカル差だった。2025年プレーオフで対戦したミネソタ・ティンバーウルブズは、ルディ・ゴベア、ジュリアス・ランドル、ナズ・リードという屈強なフロントコート陣を擁しており、リバウンドやペイント内の攻防で圧倒された。

このシリーズでは、ドレイモンド・グリーンや若手のジャクソン・デイビス、ポジェムスキーらが奮闘したものの、サイズとパワーの面で大きく劣勢に立たされた。特にルーニーの不在が大きく、フィジカルの穴埋めは急務となっている。

そのため、たとえホーフォードを獲得できたとしても、彼の年齢や機動力ではゴベア級のビッグマンとのマッチアップにおいて大きな成果を期待するのは難しいという見方が強まっている。

今後の補強戦略はどうなる?|他のビッグマン候補と市場動向

ウォリアーズが今後狙うべきは、サイズだけでなくスピードやアスレティシズムも兼ね備えたインサイドプレイヤーだとされる。現在フリーエージェント市場には、元アリゾナ大のクリスチャン・コロコや、2024年ドラフト外の若手ビッグマンなどが契約を模索しており、ウォリアーズとしても将来性のあるプレイヤーに目を向ける動きが必要になるだろう。

加えて、バトラーがトレーニングキャンプから合流する今季は、優勝争いへの再挑戦を狙うシーズンでもある。カリーの年齢を考慮すれば、「今勝てるチーム」を編成する必要があり、補強の的確さがそのまま成績に直結する。

SNSとファンの反応|「ホーフォードより若手を」との声も

ホーフォード獲得報道に対して、SNSではファンの間でも議論が巻き起こっている。

「ホーフォードは好きだが、今のウォリアーズには若くてアスレチックなビッグマンが必要」「彼がフロアにいる時間、相手チームにとって脅威になるかは疑問」「ステフにとっては安心材料かもしれないが、課題解決にはならない」というようなコメントが多く見られる。

一方で、「バスケットIQの高いホーフォードが入れば、バトラーやカリーとの連携でチームは引き締まるはず」「若手にとって良いメンターになる」という前向きな意見もある。

結論|ウォリアーズの“次の一手”が問われる夏

39歳のベテラン、アル・ホーフォードがウォリアーズにとって有益な存在となりうることは間違いない。だが、彼が“問題の核心”であるインサイドのフィジカル不足や機動力の欠如を補えるかとなると、懐疑的な声が出るのも無理はない。

ステフィン・カリーを中心に再び優勝戦線を目指すゴールデンステイトにとって、今夏の補強戦略は極めて重要だ。ホーフォードの獲得が実現するにせよ、しないにせよ、彼をどう活用し、どう補完するか。チームの方向性を大きく左右するこの“1ピース”に、全NBAの視線が集まっている。