【7月8日Bリーグ契約情報まとめ】元NBA選手ブロドリック・トーマスがFE名古屋に加入!レバンガ北海道はハーラー獲得でインサイドを強化

FE名古屋がNBA出身スウィングマン、ブロドリック・トーマスと契約を締結

2025年7月8日、B1所属のファイティングイーグルス名古屋(FE名古屋)は、新戦力としてブロドリック・トーマスとの契約合意を発表した。196cm・95kgのスモールフォワードで、NBA通算44試合の出場経験を持つ29歳のアメリカ人選手だ。

トーマスはヒューストン・ロケッツやクリーブランド・キャバリアーズ、ボストン・セルティックスといったNBAチームで活躍した後、近年はトルコなどヨーロッパリーグでプレーしていた。NBAではシーズン平均3.3得点1.6リバウンドを記録しており、身体能力とスピード、スイッチディフェンスでの適応力が特徴のオールラウンダーだ。

今回のFE名古屋加入は、攻守両面での即戦力補強を目的としたもの。近年、Bリーグの中でも安定した成績を残しつつある同チームにとって、彼の加入はウイングの層を一段と厚くする補強となるだろう。

北海道がB2静岡からジョン・ハーラーを獲得し、インサイドの強化を推進

同日、B1レバンガ北海道も重要な補強を発表。B2のベルテックス静岡からジョン・ハーラーを迎え入れることを正式に発表した。205cm・109kgのパワーフォワード兼センターで、昨シーズンはB2全60試合に出場。1試合平均14.1得点、11.2リバウンド、2.1アシストと堂々たるスタッツを記録しており、B1昇格を狙う静岡の主力として活躍した。

2023-24シーズンに来日したハーラーは、ペンシルベニア州立大学出身。大学卒業後はスペインリーグで経験を積んだ後、Bリーグへと活躍の場を移した。B1ではインサイドの層の厚さが勝敗に直結する中、レバンガ北海道はすでに前日にジャリル・オカフォーの加入を発表しており、ハーラーとの2枚看板でペイントエリアを支配できる陣容となった。

本人はクラブを通じて、「素晴らしい街である札幌でプレーできることに感謝しています。チームの目標を達成するためにハードワークを続けたい」とコメント。昨季B1で苦戦を強いられた北海道が、強固なインサイドの再構築で巻き返しを図る構えだ。

その他の注目契約:東京Z、名古屋D、アースフレンズ東京の動き

この日、その他にも複数のクラブから契約情報が発表された。

  • アディリ・クエルバン:B3徳島からB3品川(しながわシティ)へ移籍。
  • 向後アディソンジェスモンド:アースフレンズ東京Zと再契約。5月26日に一度契約満了となったが、再びチームの一員として来季を戦う。
  • 名古屋D(ダイヤモンドドルフィンズ):コーチ陣の継続契約を発表。浜中謙(TAC)、川原侑大(AC)、山下恵次(AC兼PDC)の3名が来季もベンチに残留する。
  • 東京Z:廣瀬慶介アシスタントコーチの契約継続が発表された。

オカフォーに続く補強に見るBリーグの多様化と国際化

前日にレバンガ北海道が発表した「元NBAドラフト3位指名」ジャリル・オカフォーの加入も記憶に新しい。2015年にフィラデルフィア・セブンティシクサーズから指名され、オールルーキーファーストチームに選出されたビッグマンが日本で新たなキャリアを築くこととなり、国内外で注目を集めている。

その直後にジョン・ハーラーの獲得が続いたことで、レバンガ北海道はペイントエリアを大幅に強化。高さとフィジカルに加え、実績ある外国籍選手の加入で来季の上位進出を目指す姿勢が鮮明になった。

また、今回のブロドリック・トーマスのようなNBA経験者の加入は、Bリーグ全体のグローバル化を象徴するトピックでもある。かつては「キャリアの終盤でのプレー地」としての側面が強かった日本リーグだが、現在では「キャリアの継続・再起・飛躍の場」として機能し始めている。

Bリーグの契約制度とサラリーキャップの導入による選手獲得の戦略化

2026-27シーズンから導入が予定されている「B.PREMIER(Bプレミア)」におけるサラリーキャップ制度も、各クラブの補強戦略に大きな影響を与え始めている。島田慎二チェアマンが「ルールに違反した場合には厳正な対応を取る」と明言しているように、今後はより制度的な制約の中での補強合戦が加速するだろう。

また、外国籍選手の報酬に影響する為替基準も「1ドル=149.65円」と定められており、クラブの経営手腕がますます問われる局面に入ってきている。

今後の注目点:プレシーズンから見える戦力の化学反応

今回の契約発表により、複数クラブのチーム構成が明確化し始めた。特にFE名古屋のトーマス、北海道のオカフォー&ハーラーといった大型補強は、開幕前から注目の的となるだろう。

今後はプレシーズンマッチやトレーニングキャンプを通じて、新戦力がどのようにフィットし、既存戦力と化学反応を起こすかが問われる。補強の「量」だけでなく、「質」や「役割分担の最適化」も重要な鍵を握る。

来季2025−26シーズンのBリーグは、国内選手の成長に加え、国際色豊かな補強の成果にも注目が集まりそうだ。