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東京八王子ビートレインズとは?B3リーグで戦い続ける情熱のクラブ、その歴史と今を徹底解説

東京八王子ビートレインズとは?地域密着型のバスケットボールクラブ

東京八王子ビートレインズ(Tokyo Hachioji Bee Trains)は、東京都八王子市を拠点とするプロバスケットボールクラブであり、現在はB.LEAGUEのB3リーグに所属している。2012年の創設以来、「地域とのつながり」と「情熱的なプレー」をキーワードに、数々のチャレンジと困難を乗り越えながら、地域密着型クラブとして確かな存在感を放ってきた。

クラブ設立の背景と名前の由来

創設者の川井明氏は、八王子市がバスケットボールが盛んな地域であること、そして2011年に新体育館が建設されたことに着目し、プロクラブ設立を構想。2012年には「東京八王子トレインズ」として活動をスタートさせた。クラブ名の「トレインズ(Trains)」は、八王子が交通の要所であり、電車のイメージと「人々の連携」を象徴する名前として命名された。

その後、2018年にはチーム名を「東京八王子ビートレインズ」に改称。「BEE」は“Basketball”のB、八王子の“はち=蜂”、そして“Be=存在”の意味を掛け合わせ、進化するチーム像を表現している。

リーグ遍歴:NBDLからB.LEAGUEへ、昇格と降格の軌跡

2015-16シーズンにはNBDL(ナショナル・バスケットボール・ディベロップメント・リーグ)に加盟。NBDL解散後、2016年よりB.LEAGUE創設と共にB3リーグへ参加。2017-18シーズンにはB3で優勝を果たし、昇格戦を制してB2昇格を決めた。しかし、2018-19シーズンは成績が振るわず1年でB3に降格。

特筆すべきは、どのカテゴリにいても変わらぬ地域貢献姿勢と、八王子市を拠点とした一貫したチームビジョンである。昇降格を経験するなかでも、若手育成やユース世代への普及活動を積極的に行い、地域バスケットボール文化の土壌を支えてきた。

過去の名場面:B3制覇からB2昇格まで

2017-18シーズンは、ファーストステージ・レギュラーシーズン・ファイナルステージを完全制覇し、年間王者に輝いた。B2・B3入れ替え戦では、岩手ビッグブルズに83-55で快勝。圧倒的な攻守で昇格を果たしたこの試合は、今もファンの記憶に深く残っている。

経営再建と現在の体制:準加盟復活への道

2019年以降、経営面での課題が露呈。2020年にはB.LEAGUE準加盟資格を一時失い、財政健全化が大きなテーマとなった。新たにキャリアコンサルティング社長の室舘勲氏が運営代表に就任し、再建が始動。2022年には準加盟クラブに復帰し、翌年にはB2クラブライセンスも取得したものの、2024年には債務超過を理由にB2申請を取り下げるなど、再建は依然として道半ばだ。

注目選手と今季(2025-26)ロスター

2025-26シーズンの注目選手には、キャプテンであるPG大城侑朔(30歳)、Cクベマ・ジョセフ・スティーブ(23歳)、アメリカ出身のSFタレン・サリバンなどが挙げられる。経験豊富なベテランと、海外経験を持つ若手が融合し、新たなチームカラーを打ち出している。ヘッドコーチには2025年に就任した亀崎光博氏が再登場し、新体制での戦いに注目が集まっている。

エスフォルタアリーナ八王子:クラブのホームグラウンド

ホームアリーナは「エスフォルタアリーナ八王子」。メインアリーナは2,000人収容可能で、B3リーグの開催基準を満たす施設。試合以外にもバスケットボールクリニックや地域交流イベントなどが行われており、クラブと市民の繋がりを体感できる場となっている。

ファン・地域との関係とGL3x3との親和性

東京八王子ビートレインズは、地元ミニバスや学校訪問を重視し、ジュニア世代の育成やバスケ文化の裾野を広げてきた。GL3x3が掲げる「地域密着型3人制プロバスケ」の理念とも親和性が高く、将来的な3×3参入や連携の可能性も期待される。特に、U15チームの運営は、育成年代でのGL3x3参画に向けた布石とも捉えられる。

今後の展望:再びB2の舞台へ、そして3×3への挑戦も?

直近3シーズンの戦績は決して芳しくはないが、若手中心の構成に切り替え、チーム再編が進行中。新ヘッドコーチのもと、攻守のバランスを整え、再びB2昇格を目指す。その一方で、3×3を通じた新たな露出や、クラブの価値を再構築する動きにも注目が集まる。GL3x3とのコラボレーションや、地域3×3イベントの開催も視野に入れることで、より多角的な展開が期待される。

まとめ:挑戦を続ける「八王子発」プロバスケクラブ

創設から10年以上、東京八王子ビートレインズは幾多の困難に直面しながらも、地域に根差した活動とバスケットボールへの情熱を絶やすことなく歩んできた。再びB2の舞台へ戻る日を目指し、そして3×3という新領域にも一歩を踏み出す可能性を秘めた今、クラブの進化に注目が集まっている。八王子市民と共に成長してきたその歩みは、これからの日本バスケット界にとっても重要な存在である。

B3リーグの新星・立川ダイスとは?3×3から始まった挑戦と地域密着の成長戦略

立川からバスケ文化を発信──立川ダイスとは何者か

東京都立川市を拠点に活動するプロバスケットボールクラブ「立川ダイス」は、5人制(B3リーグ)と3人制(3×3.EXE PREMIER)の両リーグに参戦する、日本でも稀有なハイブリッド型クラブです。2021年に創設された5人制チームは、2022-23シーズンからB3リーグに正式参入し、3×3チームは2016年から日本トップレベルの大会で結果を残しています。

本記事では、立川ダイスの成り立ち、特徴、戦略、選手構成、そして将来的なビジョンまでを包括的に解説。地域密着型でありながら、全国区の注目を集める理由に迫ります。

運営母体は「多摩スポーツクラブ」──地域密着型クラブの本質

立川ダイスの運営を担うのは、一般社団法人多摩スポーツクラブ。地元の商工会議所や観光協会、青年会議所などが設立母体に名を連ね、まさに「立川発・市民発」のクラブとして活動を展開しています。

特筆すべきは、単なるトップチームの運営にとどまらず、3×3ユースリーグ、バスケットボールスクール、チアスクール「FairyDICE」など、次世代育成にも注力している点です。

3×3での躍進と全国制覇

立川ダイスのバスケットボール界での認知度を一気に高めたのが、3×3分野での実績。2018年には、男子チームが「3×3.EXE PREMIER」と「3×3日本選手権」でダブル優勝を果たし、全国タイトルを獲得しました。2016年創設という短期間での快挙は、関係者の想像を超えるものでした。

その後も3×3チームは好成績を残し続けており、2021年にはKANTOカンファレンス1位に輝き、トップ4入りを達成しています。

5人制チームの挑戦──B3リーグへの参入と戦績

2022-23シーズンからスタートした5人制チームのB3リーグ挑戦は、立川ダイスにとって大きなターニングポイントとなりました。

  • 2022-23:14勝38敗で14位
  • 2023-24:27勝25敗で勝率.519と躍進(9位)
  • 2024-25:17勝35敗で再び低迷(14位)

特に2023-24シーズンは、ホームでの勝率.654を記録し、地元ファンとの連携が功を奏した好例となりました。リーダーである間橋健生ヘッドコーチの手腕と、チームの結束力が反映された結果といえます。

主力選手と注目のロースター

2024-25シーズンの立川ダイスは、国内外からバランス良く編成されたロースターを揃えています。

  • ドンテ・ジョーダン・ブルーナー(PF/2.08m):アラバマ大学出身の大型外国人
  • 森黄州(SG/キャプテン):創設期から在籍する立川の象徴的存在
  • 福田晃平、町井丈太、森本泰雅:継続的に成長を続ける中堅層
  • アンドリュー・フィッツジェラルド(PF):オクラホマ大学出身のベテラン

いずれも3×3経験や他カテゴリでの実績を持ち、立川ダイスの多面的なチーム戦略を象徴しています。

3×3の未来と地域戦略

立川ダイスは、3×3と5人制の融合を図る数少ないクラブの一つ。独自大会「ダイスカップ」の開催や、ユースリーグ運営などを通じて、地元とのつながりをさらに強化しています。女子3×3チームも2018年に設立されましたが、現在は休止中。今後の再始動が期待されています。

2020年には法人再編を実施し、運営の一体化と体制強化を図っており、地域密着と競技力強化の両輪をバランスよく推進しています。

マスコット「たっちー」とファンとの絆

立川の豊かな自然の中で育った鎌鼬(かまいたち)の男の子「たっちー」は、明るく元気なマスコットとしてファンに親しまれています。特技は「つむじ風をおこすこと」と「誰とでも友達になれること」。

地域イベントやSNSでも活躍中で、子どもたちから大人まで幅広い層に愛される存在です。

スポンサー企業と地域連携

2024-25シーズンには、立飛ホールディングス、ミート・コンパニオン、コトブキヤ、多摩信用金庫など、多くの地元企業が立川ダイスを支援しています。

パンツスポンサーに至っては10社以上が並び、企業からの厚い支援と信頼を背景に、クラブの地元定着が伺えます。

立川ダイスの今後──B3昇格と3×3強化の両立へ

立川ダイスの強みは、単なる競技力ではなく「地域に根ざした一体感」。今後はB3上位進出を目指すと同時に、3×3でも再び全国タイトルを狙える布陣を整える必要があります。

また、ジュニア世代からトップチームまでの明確なキャリアパスを整備することで、バスケットボールの街・立川という新しいブランドを築きつつあります。

まとめ:立川ダイスは「未来のバスケ」を体現するクラブ

3×3と5人制を両輪に、育成から地域貢献まで多角的に展開する立川ダイス。クラブの挑戦は、東京・多摩地域から全国へと波及しつつあります。

バスケファンはもちろん、地域活性やジュニア育成に関心がある方にとっても注目の存在。今後の動向から目が離せません。

【Bリーグ契約情報】三遠がB1王者のビッグマンを補強!B2にはレバノン代表経験者も参戦|7月14日発表まとめ

7月14日のBリーグ契約発表まとめ──注目は三遠への“優勝ビッグマン”加入

2025年7月14日、Bリーグ各クラブは2025–26シーズンに向けた最新の契約情報を発表した。この日はB1・B2・B3すべてのカテゴリーで動きがあり、Bリーグ全体の陣容が着々と整いつつある。

中でも注目されたのが、B1・三遠ネオフェニックスによるビッグマン獲得。Bリーグ優勝経験者である河田チリジが広島から加入し、チームのインサイド陣に厚みを加える存在として期待が高まっている。

三遠が元広島の“優勝請負人”河田チリジを補強

まず最大の話題は、三遠ネオフェニックスによる河田チリジの獲得だ。

河田は208cm、122kgのフィジカルを持つビッグマンで、広島ドラゴンフライズではB1初優勝に貢献。強靭な身体を活かしたリバウンドとインサイドプレーに定評があり、ペイントエリアの守備強度向上に寄与してきた。

昨シーズンはケガの影響により出場機会が減少したが、コンディション次第ではリーグでもトップクラスのリムプロテクターとして存在感を取り戻す可能性を秘めている。三遠は既存戦力の再編とともに、河田の加入によってゴール下の主導権を握る戦略を強化する構えだ。

GL3x3においても、高さとフィジカルの重要性は近年増しており、河田のような“高さで試合を変える”タイプの選手は、3×3スタイルにおいても守備と速攻起点の中心的存在になりうる。

喜志永修斗が地元・山口に凱旋!恩師と再タッグ

富山グラウジーズとの契約満了により退団していた喜志永修斗は、B3の山口パッツファイブへ移籍。地元である山口県への凱旋となる今回の移籍は、キャリアにとって新たな節目となる。

高校時代の恩師がチームのヘッドコーチを務めており、再びタッグを組む形となる点も注目のポイントだ。地元密着型クラブでの挑戦は、プレーヤーとしてだけでなく、地域のバスケ文化に貢献する側面も期待される。

GL3x3における地域密着チームでも、こうした「地元×再生型キャリア」は重要なモデルケースとなっている。

B2鹿児島に元レバノン代表が加入──国際経験が戦力の鍵に

B2・鹿児島レブナイズは、レバノン代表経験を持つビッグマン、ナイム・ラバイを獲得。アジアの強豪国を代表してプレーしてきた同選手は、豊富な国際経験を武器にBリーグの舞台へ挑む。

鹿児島はサイズ不足が課題とされてきたが、ラバイの加入によりインサイドの課題解消が進む見込みだ。国際的なプレッシャーへの対応力や高いリバウンド力は、チームにとって大きなアドバンテージとなる。

なお、レバノン代表といえば、FIBAアジアカップでも常に上位を争う存在。そんな環境でプレーしてきたラバイのような選手がB2に参戦することは、リーグ全体のレベルアップにもつながる。

湘南ユナイテッドBCが伊集貴也を獲得──福島から新天地へ

福島ファイヤーボンズを退団した伊集貴也は、B3の湘南ユナイテッドBCへ移籍することが決定。シューティング力と機動力を兼ね備えたガードとして、福島時代から一定の評価を得ていた伊集は、新天地での飛躍を目指す。

湘南ユナイテッドBCは攻撃的スタイルを志向するクラブであり、伊集のオフボールムーブやペースアップにおける貢献度が期待されている。

ラトビア出身PFクラチョフスキーがB3三重へ加入

B3のヴィアティン三重は、ラトビア共和国出身のパワーフォワード、マティス・クラチョフスキーと契約を締結。ヨーロッパのリーグ経験を持つ同選手は、外角シュートとフィジカルを併せ持ち、ストレッチ4として起用される見込みだ。

ラトビアはFIBAランキングでも常に上位に位置し、3×3バスケットボールでも強豪国として知られている。クラチョフスキーのプレースタイルも、GL3x3に通じる“外を起点にゲームを作る”タイプであり、日本の3×3チームにも影響を与える可能性がある。

7月14日発表の移籍情報一覧

– 河田チリジ(広島ドラゴンフライズ ⇒ 三遠ネオフェニックス)
– ナイム・ラバイ(レバノン代表 ⇒ 鹿児島レブナイズ)
– 喜志永修斗(富山グラウジーズ ⇒ 山口パッツファイブ)
– 伊集貴也(福島ファイヤーボンズ ⇒ 湘南ユナイテッドBC)
– マティス・クラチョフスキー(ルーマニアリーグ ⇒ ヴィアティン三重)

まとめ:GL3x3に通じる“個の再起”と“国際化”の波

今回の契約発表は、B1でのタイトル経験者から国際経験豊富な外国人選手、そして地元クラブに帰還する選手まで、多様性に富んだ人材が揃った。

GL3x3にとっても、こうした選手たちのキャリアは他人事ではない。個の再起、地域とのつながり、そして国際経験の取り込み──すべてが次世代の3×3チームづくりのヒントとなる。

今後もこうしたBリーグの動向に注視しつつ、GL3x3としてもリーグの厚みと選手層の充実に向けて歩みを進めていきたい。

篠山竜青×辻直人が語る日本代表の推し選手と課題|アジアカップ直前インタビューで見えた未来の鍵

ABEMA解説者・篠山竜青×辻直人が語る「代表の現在地と未来」

2025年8月に開幕を控える「FIBAアジアカップ2025」。日本代表の選考と強化が着実に進む中、新しい視点から注目を集めているのが「元日本代表コンビ」によるABEMA解説だ。

篠山竜青と辻直人。かつての日本代表の司令塔とシューターコンビが、解説席でも抜群のケミストリーを披露しながら、新生日本代表を鋭く、時にユーモラスに語る。このコンビが日本生命カップ2025・日本代表vsオランダ代表の直前に行ったインタビューでは、解説者としての視点から「日本代表の推し選手」「呼んでほしい未招集選手」「今必要な人材」まで、濃密な見解が飛び出した。

不安と期待が交差した初コンビ解説

篠山と辻が揃って解説に挑んだのは今回が初めて。オファー当初の心境について、辻は「大丈夫かな…と不安の方が大きかった」と振り返り、篠山も「自分たちへのハードルが勝手に上がっていた」と苦笑いしたという。

だが、互いの解説スタイルについてはお互いに称賛。辻は篠山について「聞いていて“そうそう”と納得できる分かりやすさ」、篠山は辻について「IQが高く、ふざけてるように見えて的確」と語り、信頼感がにじみ出る。

両者ともに「選手目線で寄り添う」「現役感覚を伝える」ことを意識しており、彼らならではの立場が、新しい解説スタイルを築いている。

アジアカップ日本代表への期待|“勢い”と“サイズ”が鍵

新生日本代表の選考について、両者は「若返り」「海外組の増加」「勢いのあるBリーガーの抜擢」といったキーワードを挙げる。特に注目されたのは、テーブス海の弟であるテーブス流河や、かつて明成高校で話題を集めた山﨑一渉などの新顔だ。

辻は「“こんな選手いたのか”と驚くほどバリエーション豊か」と称賛。篠山も「B2の中村太地選手のように、カテゴリー関係なく“勢い”で選ばれているのが面白い」と語った。

また、近年は日本代表の課題とされてきた「サイズ不足」についても改善が見られ、トム・ホーバスHCのバスケットを遂行できるメンバーが揃ってきていると評価する。

“未招集の逸材”たち|2人の解説者が本気で推す候補選手とは

──もし、今の代表に“呼んでほしい”と思う未招集選手は?
この質問に対し、両者からは以下の名前が挙がった。

  • 米須玲音(川崎)…「パスセンスは抜群。司令塔としての成長が楽しみ」(篠山)
  • 山内ジャヘル琉人(川崎)…「身体能力と1on1のディフェンス力が高く、外国籍選手にも対応できる」(篠山)
  • 脇真大(琉球)…「Bリーグファイナルでの爆発力。外角精度が高まれば代表向き」(辻)
  • 小川敦也(宇都宮)…「ドライブでペイントタッチを作れるクリエイター。国際舞台で見たい逸材」(辻)

なかでも小川は、篠山・辻の両者が「絶対に代表で試してほしい」と意見が一致。高さ、ドライブ力、プレーメイク能力のバランスにおいて、「日本代表に新しい風を吹かせる存在」として高評価を得ている。

今の代表に“必要な人材”とは?ハンドラー&ビッグマンが急務

ポジション的な課題について問われた際、両者の見解は一致した。「必要なのはハンドラーとビッグマン」ときっぱり。

篠山は「河村勇輝がメインハンドラーとして定着しつつあるが、逆サイドにももう1人起点を作れる選手が必要」と説明。また、ジョシュ・ホーキンソンが38分以上出場している現状を危惧し、「日本人ビッグマンの台頭が急務」と語る。

辻も同意しつつ、新たに代表に加わった狩野富成(長崎)のフィジカルに驚きを示す。「金髪にしたら川真田選手と間違えるくらい体格が似てる(笑)。そんな選手がいたことにもびっくり」と語り、今後の台頭に期待を寄せた。

アジアカップを“強化の場”と捉える2人のリアルな視点

アジアカップは、日本代表にとって「結果を求められる大会」であると同時に、「新戦力発掘の場」でもある。この点について、2人はともに「今後に向けた“トライアウト”的意味合いが強い」と分析する。

篠山は「代表入りを目指す若手たちが公式戦で経験を積む機会は大きい」とし、結果よりも成長と経験値を重視するスタンスを示した。辻も「新戦力の“試験的起用”の場として非常に貴重」とコメントし、結果と育成のバランスを重要視している。

まとめ|元代表だからこそ語れる、現代表へのリアルな“愛”と“希望”

今回のインタビューは、元代表選手という立場から、現日本代表の未来を真剣に見つめる“バスケ愛”にあふれた内容となった。篠山竜青と辻直人がABEMA解説者として担う役割は、単なるマイク越しの仕事ではなく、次世代への「継承」とも言えるだろう。

推し選手の紹介だけでなく、「なぜ今このタイプが必要なのか?」「この選手はどこでフィットするのか?」といった視点は、現役プレイヤー/OBだからこそ語れる貴重な知見だ。

アジアカップ2025、そしてその先のFIBAワールドカップやオリンピックに向けて──
「バスケ解説」が“バスケ文化”を育てる時代が、いま始まっている。

Bリーグが描く“地域共創”の未来──『バスケACTION』が示した社会貢献の新フェーズとは

バスケで地域を動かす──Bリーグの新たな挑戦『バスケACTION』とは

2024年7月14日、Bリーグが主催するナレッジ共有会が都内で開催された。テーマは『B.LEAGUE Hope × 日本生命 地域を元気に!バスケACTION』。この社会的責任活動は2021年よりスタートし、2024-25シーズンからは“サステナビリティパートナー”として日本生命が全面協力する形で再始動した。

単なるCSRの枠を超え、36クラブが主体となって地域と向き合うこの取り組みは、“コートの外”でバスケットボールが果たすべき役割を再定義するものだ。

地域課題をスポーツで解決する──各クラブの実践事例

共有会では、各クラブが自らの地域で取り組んできた事例を発表。それぞれが地元特有の課題に対し、バスケットボールという共通言語を活かした斬新なアプローチを披露した。

■ベルテックス静岡:人口減少に“絆”で対抗

静岡市は、人口減少率が全国ワースト2位という重大な局面を迎えている。ベルテックス静岡はこの課題に正面から取り組んだ。観戦招待を通じ、転入者など市外出身者との接点を創出。

単なる“チケット配布”にとどまらず、「50点目を決める選手を当てるクイズ」やスマホを使ったフリースローチャレンジなど、家族連れやライトファンにも楽しめる工夫を施した。さらに、日本生命の営業職員との連携により、招待客へのフォローアップを実施。

この丁寧なアプローチにより、単発の招待から継続的な来場者を生み出す“地域好循環”を形成した。

■茨城ロボッツ:心のバリアフリーを広げる“ハブ”に

茨城ロボッツは、特別支援学校の校長からの要望を起点に、「子どもたちが活躍できる場」を提供するプロジェクトを始動。従来の「訪問型の支援」から、「共創型の社会貢献」へと舵を切った。

彼らの取り組みは、水戸市内での『まちなかバリアフリーマップの作成』と『車いすバスケ体験会』。医療法人や大学、NPOなど10以上の団体を巻き込んだイベントは、まさに“誰もが主役”の場となった。

当日は車いすユーザーと健常者が自然に交わる姿が見られ、「大変さを伝えるのではなく、楽しさを共に体験する場だった」という専門家の評価も得た。

DE&I(多様性・公平性・包摂性)の理念を現場で体現したこの試みは、今後の社会貢献モデルとして他クラブにも波及が期待される。

■宇都宮ブレックス:清掃活動をエンタメに変える発想

「バスケ以外の分野でも地域貢献をしたい」──その想いから始まった宇都宮ブレックスの清掃活動は、単なるゴミ拾いではなかった。

実施地は宇都宮駅周辺。定員を大幅に上回る200名超の応募があり、マスコットやチアリーダーも参加することで“お祭り感”を演出。さらに、環境配慮素材で作られたボールペンやタンブラーを参加賞にすることで、“ブレックスらしい”価値提供を実現した。

この活動は宇都宮市との官民連携によって運営がスムーズに行われ、「自分の街がきれいになるのがうれしい」という声が多数寄せられた。

支援される立場から、共に創る仲間へ──Bリーグの哲学

ナレッジ共有会でBリーグの島田慎二チェアマンは、「バスケACTIONはリーグ理念実現の“核”である」と語った。

「この取り組みはすぐに成果が見えるものではありません。けれど、動かなければ何も始まらない。クラブが主体となり、地域と共に歩むことこそがスポーツの力なのです」

その言葉どおり、今回発表された事例の多くが、“クラブが与える”のではなく、“地域と一緒に生み出す”スタイルに進化していた。

社会と交わるバスケットボール──3×3にも通じるビジョン

今回の『バスケACTION』の各事例は、3×3バスケットボールが掲げる「誰もがプレーできる場」「街と一体になるスポーツ」のビジョンとも強く共鳴している。

特に茨城ロボッツの“共創型”イベントは、3×3大会が開催される公共空間やストリート文化との親和性が高く、今後はBリーグクラブと3×3リーグとの連携も期待される。

また、宇都宮ブレックスのように「イベント化」された清掃活動は、3×3の大会運営でも活かせる知見であり、ボランティアを巻き込んだサステナブルな運営モデルの参考になる。

まとめ:バスケットボールの価値は、コートの外に広がっている

2024-25シーズン、Bリーグが進めた『バスケACTION』は、バスケットボールが単なるスポーツを超え、地域社会にポジティブな波紋を広げる“社会装置”として機能し得ることを証明した。

人口減少、共生社会、環境保全──そのどれもが、バスケットボールと組み合わさることで、行動を喚起する現実的なムーブメントとなりうる。

コートの内外で価値を発揮し、スポーツの本質を問い直すこの活動は、今後のスポーツ界全体にとっても大きな指針となるだろう。

今、問われているのは「何を勝ち取るか」だけでなく、「誰と共に歩むか」だ。

バスケットボールの未来は、ゴールの向こう側にある地域との絆の中にこそある。

【2025–26最新版】B1リーグ全ロスター解剖|3×3で飛躍が期待される注目選手5選

2025–26シーズン開幕直前!B1全26クラブのロスターが出揃う


B.LEAGUE(B1)の2025–26シーズンに向け、各クラブが続々と新戦力を加えた最新ロスターが発表された。今シーズンは、移籍市場も例年以上に活発で、3×3バスケットボールに通じるスキルを持つ選手たちの台頭も目立つ。
本記事では、B1の全ロスターの概観に加え、3×3とのシナジーが期待される注目選手を5人ピックアップ。3×3ファン・プレイヤーの視点で、今後の動向を読み解いていく。

B1リーグ×3×3の可能性とは?

3×3は、FIBAが正式競技として推進する急成長ジャンルであり、Bリーグや日本代表選手の中にも3×3出場経験者が増えている。少人数制・スピーディーな展開・1on1の技術が求められる3×3において、B1選手の身体能力やシュート力が新たな武器として注目されるようになってきた。
特に近年は、「B1から3×3へ」「3×3で実績を積んでBリーグへ」といった選手キャリアのクロスオーバーも現実のものとなっている。

注目選手① 富永啓生(北海道/SG)

2025年夏にGリーグから北海道へ移籍した富永啓生は、3×3向きのプレーヤープロファイルを持つ最右翼だ。188センチのサイズと驚異的なアウトサイドシュート精度は、1ポゼッションの重みが大きい3×3でこそ真価を発揮する可能性がある。
大学時代にNCAAで見せた「catch & shoot」スキルはFIBAルールとの相性も良く、今後の国際3×3大会での活躍も期待される存在だ。

注目選手② キーファー・ラベナ(横浜BC/PG)

フィリピン代表として3×3経験も豊富なキーファー・ラベナは、今季も横浜BCの主軸として君臨。183センチながら抜群のボールハンドリングとゲームコントロールで、クイックトランジションが鍵を握る3×3においても存在感は大きい。
特に2024年に行われたフィリピン国内3×3リーグでの実績は、今後の起用の幅を広げる要素となるだろう。

注目選手③ 脇真大(琉球/SG)

2025年ジョーンズカップでの日本代表デビューを果たした脇真大は、3×3日本代表候補としても今後名前が挙がる逸材。193センチと3×3で理想的なサイズを持ちつつ、アウトサイドシュートやリバウンドにも長ける万能型。
3×3での「ディフェンスからの速攻」にも適応できるバランス型ガードとして注目だ。

注目選手④ 安藤誓哉(横浜BC/PG)

東京オリンピック代表経験を持つ安藤誓哉は、3×3への適応力も高く、ピック&ロールやアイソレーション能力に長ける。181センチながら高い得点力と判断力を備えており、試合の終盤に1点を取りに行くシーンで重宝されるプレースタイルだ。
横浜BCでのプレーに加え、国際大会でのキャリアも長く、3×3日本代表候補としても常にその名が挙がっている。

注目選手⑤ 吉井裕鷹(三遠/SF)

B1優勝チーム・三遠ネオフェニックスの主力である吉井裕鷹は、196センチのサイズとフィジカルを活かした3×3向きプレーヤー。ディフェンスから流れを変える能力に加え、1on1のフィニッシュ精度が向上しており、2025年のFIBA 3×3ワールドツアーでも台頭が期待される。
三遠としても、今季から河田チリジを加えたことでインサイドの強度が増し、吉井のアウトサイドやミスマッチ活用に一層注目が集まるだろう。

注目選手⑥ ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(SR渋谷/PG)


今季から本格的にB1ローテーション入りが期待されるハーパーJrは、3×3で求められる瞬発力と決断力を兼ね備えたコンボガード。181センチというサイズは3×3においても機動性を高め、相手の守備を切り裂くドライブ力は特筆に値する。高校・大学時代からボールに対する嗅覚とディフェンスへの意識が高く、2ウェイプレイヤーとしてのポテンシャルも評価されている。特に渋谷のアップテンポなスタイルは、3×3でも十分活かせる要素となっており、今後の代表候補選出にも期待がかかる。

3×3と5人制、それぞれのスキルの違いと融合

3×3と5on5は一見すると別競技のように感じられるが、両者に共通するコアスキルが存在する。1on1の打開力、スペーシングの理解、ディフェンスの個人能力、そして短時間での判断力などは、どちらのフォーマットでも不可欠だ。B1の舞台でこれらのスキルを磨いた選手が、3×3というスピード感と強度の高いステージでどう適応するかは、今後の代表選考や国際大会の成績にも直結する。

育成・スカウティングにも広がる視点

近年ではユースや大学世代でも、3×3での実績が評価されてBリーグ入りを果たすケースも増加。逆に、Bリーガーがシーズンオフに3×3に挑戦することで、自らのプレーの幅を広げるといった“越境型キャリア”も定着しつつある。B1の26クラブでも、練習環境やサマーキャンプで3×3要素を導入するチームが増えており、将来的には「二刀流」を前提とした選手育成の流れが加速することも予想される。

まとめ:B1から3×3へ、日本バスケの未来図を読む

B1リーグの2025–26シーズンは、単なる移籍の応酬にとどまらず、日本バスケ全体の潮流を映す鏡でもある。特に3×3との人材シェアやシステム的融合は、今後さらに加速する可能性が高い。
GL3x3としても、こうした選手の動向を追うことで、日本バスケの未来を先読みする記事を今後も提供していく。あなたの推し選手が次に向かうフィールドは「3×3」かもしれない――そう思わせてくれるシーズンが、いよいよ幕を開ける。

河田チリジが三遠ネオフェニックスと契約!B1優勝経験を持つベテランがCS出場に向け新たな挑戦

三遠ネオフェニックスが河田チリジと契約!B1優勝経験を持つ帰化ビッグマンが加入

Bリーグの三遠ネオフェニックスが、広島ドラゴンフライズから自由交渉選手リストに公示されていた帰化選手・河田チリジと2025-26シーズンの新契約を結んだと、7月14日に発表した。この補強は、チームが継続的に掲げてきた「チャンピオンシップ(CS)出場」を現実のものとするための大きな一手となるだろう。

河田チリジのキャリアと実績

1989年生まれの河田チリジは、コンゴ共和国出身で、身長208センチ、体重122キロという恵まれた体格を持つインサイドプレイヤー。日本では2015年に熊本ヴォルターズでプロキャリアをスタートし、その後仙台89ERS、バンビシャス奈良、福島ファイヤーボンズなどを経て、2020年にB1昇格を目指していた広島ドラゴンフライズに加入した。

2022年に練習生として広島に復帰すると、2023年には日本国籍を取得。帰化選手としてチームの一員に登録され、2023-24シーズンにはB1リーグで悲願の初優勝を果たした広島のインサイドを支える存在となった。フィジカルを活かしたスクリーン、リムプロテクション、ハッスルリバウンドなどでチームに貢献し、献身的なプレーでファンの信頼も厚かった。

コンディション不良のシーズンを経て、新たな挑戦

とはいえ、2024-25シーズンは決して順風満帆ではなかった。負傷によって長期離脱を強いられ、インジュアリーリスト入り。B1のリーグ戦ではわずか22試合の出場にとどまり、平均出場時間も限られる中で3.1得点、3.3リバウンドという成績に終わった。チームとしての役割も縮小傾向にあった中、三遠が提示した新たな役割と環境が、河田にとって再起のチャンスとなる。

三遠ネオフェニックスが期待する役割とチーム方針

三遠ネオフェニックスは昨季B1中地区で好成績を残し、CS出場争いを繰り広げた。特にハードなディフェンスとトランジションバスケットを軸とするチームスタイルを持ち、近年は外国籍選手や帰化選手の起用を含め、戦力の多様化を図ってきた。

ゼネラルマネージャーの北郷謙二郎氏は「常にアグレッシブであることを意識し、インサイドで身体を張るプレーが彼の持ち味。彼の加入によって、ゴール下の守備力が大きく底上げされると信じている」とコメント。ベテランとしての経験値に加え、若手へのリーダーシップ的役割も期待されている。

河田チリジのコメントと今後の展望

河田はクラブ公式を通じて次のように意気込みを語っている。

「この素晴らしいチームの一員になれることをとても誇りに思います。三遠は近年、着実に力をつけてきましたし、その中で自分がCS出場のために全力を尽くせることに感謝しています。コートの中でも外でも、ファンの皆さんと強い絆を築いていけると信じています」

このコメントに表れているように、河田の目線はすでに次のステージに向いている。B1の舞台で再び輝きを放ち、三遠を上位へと導くキープレーヤーになることは間違いない。

類似の補強例とリーグ全体の動向

帰化選手による戦力補強はBリーグにおいて近年ますます注目を集めている。2023-24シーズンでは、広島のニック・メイヨ(元サンロッカーズ渋谷)、宇都宮のジョシュ・スコット(元東京)など、複数のチームが帰化選手の起用によってインサイドの補強に成功し、成績を伸ばしている。

三遠にとっても、今回の河田獲得は同様の文脈で捉えることができ、リーグ全体における競争力強化と戦略性が高まる一手となった。

ファンやメディアの反応

SNS上では、「チャンピオン経験ある選手が来てくれるのは大きい」「インサイドの厚みが一気に増した」など、歓迎ムードが高まっている。また、地元・浜松や豊橋のメディアもこの移籍を大きく取り上げ、地元経済や観客動員への影響も注目されている。

一方で、「昨季のような怪我が再発しないか心配」という声もあり、コンディション面の管理がチームとしての重要課題となりそうだ。

今後の鍵は“健康”と“連携”

河田チリジが真価を発揮するための鍵は、やはり健康状態の維持とチームとの連携構築にある。特に三遠では若手選手が多く、ベテランの河田が練習や試合を通じてどのようにチームに溶け込んでいくかが注目される。

彼がゴール下で安定した存在感を発揮すれば、三遠のCS進出は大いに現実味を帯びてくるだろう。

まとめ:三遠の未来を支える経験と情熱

河田チリジの三遠加入は、単なるベテラン選手の補強ではない。Bリーグを長く経験し、優勝という結果も味わってきた彼が、チームにどのような“化学反応”をもたらすかが今後の注目ポイントとなる。CS進出、さらには頂点を見据える三遠にとって、彼の存在は大きな支えとなるに違いない。

今季の三遠ネオフェニックスは「経験×成長」の融合によって、B1の勢力図に新たな変化をもたらす可能性を秘めている。河田チリジがその中心人物となる日は、そう遠くない。

キーファー・ラベナがジョーンズカップ2025フィリピン代表入り!横浜BCの司令塔が日本代表と激突へ

横浜ビー・コルセアーズのキーファー・ラベナ、ジョーンズカップ2025のフィリピン代表に選出


2025年7月13日、B1リーグの横浜ビー・コルセアーズは、所属するキーファー・ラベナが「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」に出場するフィリピン代表メンバーに選出されたことを正式に発表した。この発表は、フィリピンと日本、そしてアジア全体のバスケットボールファンにとって大きな注目を集めている。

キーファー・ラベナは、フィリピン国内では“最も知名度のあるガード”の一人として知られ、同国バスケット界の象徴的存在である。現在31歳となったラベナは、183cm・82kgのサイズながら、冷静な判断力と正確なシュート技術、そして試合を読む洞察力で国際舞台でも存在感を放ち続けている。

フィリピン代表の中核としての復帰──ワールドカップ経験者の重み

キーファー・ラベナの代表キャリアは長く、2009年のU16アジア選手権にて初めてフィリピン代表のユニフォームに袖を通した。その後、U18、U23、シニア代表へと順当にステップアップを果たし、近年では2023年に開催されたFIBAバスケットボールワールドカップでも代表メンバーとしてプレー。日本を含む強豪国を相手にタフな戦いを経験してきた。

ラベナのプレースタイルは、決して派手さを前面に出すものではないが、試合を通じて安定感のあるボール運びと高精度なパスを提供する“ゲームマネージャー”として重宝されている。ジョーンズカップ2025においても、若手主体のロスターを支えるベテランとして、フィリピン代表の屋台骨を支えることになるだろう。

Bリーグでの実績──日本で磨かれたラベナの進化


2021−22シーズンからBリーグに参戦したキーファー・ラベナは、滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)でキャリアをスタート。日本独自のスピードと戦術的なバスケットボールに順応し、1年目から平均二桁得点を記録するなど順調なスタートを切った。

2023−24シーズンには横浜ビー・コルセアーズへ移籍し、B1リーグ戦では53試合に出場。平均9.8得点、1.9リバウンド、3.8アシストという数字を記録し、チームのプレーオフ進出争いに貢献。特にクラッチタイムでの冷静な判断やフリースロー成功率の高さなど、チームに安定感をもたらす存在としてファンの信頼を集めた。

Bリーグでの3年間を通じて、ラベナは日本のバスケットボール文化を学び、それを自らの武器として昇華してきた。日本人選手との連携能力や、フィジカルを生かした1on1の強さなど、母国時代には見られなかった“日本仕様のPG”としての成長が見て取れる。

ジョーンズカップで日本代表と激突──注目の一戦が間近に

キーファー・ラベナが出場するフィリピン代表は、7月13日にチャイニーズ・タイペイ代表との初戦を戦い、続く14日に日本代表と対戦する。フィリピンと日本は、ここ数年でライバル関係を強めており、各年代の国際大会でも頻繁に接戦を演じてきた。

ラベナ自身も、Bリーグでの経験から日本代表の戦術や主力選手の特徴を熟知しており、試合の中ではその知見を最大限に活かしてくるだろう。一方、日本代表側もBリーグでラベナと対戦してきた選手が多く、互いに「手の内を知る者同士」の戦いとなる。

この一戦は、ジョーンズカップという大会の枠を超えて、“アジアバスケの未来を占う試金石”ともいえる。勝敗はもちろんのこと、どのような戦術が繰り出され、誰が主導権を握るか。ラベナの存在は試合の鍵を握るキーファクターとなる。

3×3視点から見たラベナの価値──スキルフルな“戦術型ガード”の可能性

キーファー・ラベナのような、オールラウンドに試合をコントロールできるガードは、3×3の舞台でも高い価値を持つ。3×3では、限られたスペースと時間の中でいかに効率的に点を取るかが重要となる。その点、ラベナの“プレッシャー下での判断力”と“状況把握能力”は、3×3でもそのまま通用するスキルだ。

さらに、ラベナは1on1にも強く、ピック&ロールの精度も高いため、3×3特有の“即興性”のある攻撃でも持ち味を発揮できるだろう。年齢的にも円熟期に差しかかっており、将来的にはフィリピン3×3代表としての選出も視野に入る可能性がある。

まとめ:日比の架け橋となるキーファー・ラベナ、さらなる挑戦へ


Bリーグとフィリピン代表、二つの舞台を行き来しながらキャリアを重ねてきたキーファー・ラベナ。彼の存在は、単なるプレーヤーにとどまらず、日比バスケットボール界を結ぶ架け橋としての価値を持っている。

ジョーンズカップ2025での活躍次第では、アジアカップやOQT(五輪最終予選)といった大舞台への再選出も見えてくる。31歳を迎えても衰えを見せないその姿勢は、多くの若手選手にとってのロールモデルであり、3×3を含めた日本国内バスケットボールにも好影響を与える存在である。

GL3x3としても、キーファー・ラベナという“アジアの司令塔”が、日本とフィリピンのバスケをつなぐキーマンとして、これからどのように輝きを放つのか、今後も注視していきたい。

しながわシティバスケットボールクラブの軌跡:B3リーグでの挑戦と未来展望を徹底解説

しながわシティとは何者か:東京発、B3リーグから羽ばたくプロクラブ


東京都品川区を拠点とする「しながわシティ バスケットボールクラブ」は、B3リーグに所属するプロバスケットボールクラブであり、2025年からは3×3バスケチーム「SHINAGAWA CITY.EXE」も始動。首都・東京の一角で着実に地歩を築いてきたこのチームの歩みは、単なる地方クラブの成長にとどまらず、日本バスケット界の多様性を象徴する存在となっている。

旧称「東京サンレーヴス」として2012年に誕生して以来、10年以上にわたる波瀾の歴史を経て、地域密着型の総合型スポーツクラブへと変貌を遂げた。Bリーグ再編を経て、しながわシティとして再出発したのは2021年。この転機がクラブにもたらした変化と、3×3参入の背景には、単なる競技転向以上の意図が込められている。

創設からの道のり:bjリーグ参戦と低迷期の克服

しながわシティのルーツである「東京サンレーヴス」は、2012年にbjリーグへ新規参入した。当時のチームスローガンは「五つの夢」。地域貢献、青少年育成、産業振興、地域活性化、エンターテインメントの5本柱で活動を展開した。

しかし成績は芳しくなく、bjリーグ時代は通算勝率.197と低迷。2016年にはbjリーグ解散に伴いB3リーグへ移籍したが、成績は依然として厳しいものだった。財政難から一時リーグ退会を余儀なくされた2020年には、クラブ存続そのものが危ぶまれる事態となった。

復活とリブランディング:しながわシティ誕生の背景

2021年、フットサルチームとの統合を図る形でチーム名を「しながわシティ バスケットボールクラブ」へ変更。新社長・大栗崇司のもと、経営体制とクラブビジョンを刷新した。スローガンには「CIVIC PRIDE(市民の誇り)」が掲げられ、品川区を中心とした地域密着型クラブとしての歩みが強化された。

ホームアリーナは固定されていないが、品川区立戸越体育館を中心に東京23区各所で開催。2023年以降は代々木第二体育館やコナミ本店など、大型施設での開催も増え、地元ファンの注目を集めている。

チームの構成と注目選手:ブロック王と日本代表経験者が在籍


2024-25シーズンのロースターには、注目の選手が揃う。センターのハイデン・コヴァルはB3リーグで2年連続ブロック王(2023-24:3.10本/2024-25:3.33本)に輝いた長身ビッグマンで、歴代最高記録保持者だ。

またキャプテンを務める伊藤良太は、32歳のベテランPGでありながら、2023-24シーズンのスティール王(2.21本)と3P成功率2位(39.59%)を記録。さらに、元3×3日本代表である落合知也も2024-25シーズンから加入し、チームの経験値を大きく底上げした。

3×3チーム「SHINAGAWA CITY.EXE」始動:バスケ新時代への布石

2025年、クラブは新たに3×3チーム「SHINAGAWA CITY.EXE」を設立。FIBA公認の「3×3.EXE PREMIER」リーグへの正式参入を発表した。これは、都市型・即興型スポーツとして人気が高まる3×3バスケにおいて、品川ブランドを浸透させる狙いがある。

選手の中には5人制と兼任する者もおり、特に俊敏性やフィジカルの強さを生かしたプレースタイルが3×3にマッチする選手が揃う。しながわシティの3×3部門は、GL3x3とも連携する形で今後さらなる飛躍が期待されている。

B3での成績推移:着実な成長を続けるクラブ

2021-22シーズンはわずか6勝に終わったものの、2024-25シーズンには23勝29敗と、B3リーグ17チーム中10位にまで浮上。年々勝率を上げ、成績も着実に向上している。

特に2024年1月の天皇杯ではB1の滋賀レイクスに78-73で勝利し、今大会唯一B1に勝ったB3クラブとして全国的に注目を浴びた。また、2025年1月の横浜エクセレンス戦では、リーグ18連勝中の強豪を撃破し、大金星を挙げた。

クラブカルチャーとファンとのつながり

しながわシティは地域と深く結びつくクラブ運営を志向しており、マスコットキャラクター「Sheena(シーナ)」や、チアダンスチーム「SEAGULLS」、ベテランMCの佐山裕亮など、エンタメ性にも力を入れている。

また、2024年の能登半島地震復興支援チャリティマッチや地域清掃活動など、社会貢献活動にも積極的に取り組み、地域住民との絆を深めている。

しながわシティの未来展望:B2昇格と3×3制覇へ

クラブの短期的な目標は、B2リーグ昇格と3×3.EXE PREMIERでの頂点獲得。長期的には品川区を拠点とした「総合型スポーツクラブ」としての完成を目指し、ジュニアユース育成や女子チームの創設も視野に入れている。

ベテランと若手の融合、5人制と3人制の両輪運用といった多層的な運営戦略は、他クラブにとってもモデルケースとなり得る。

まとめ:地域から世界へ、しながわシティの挑戦は続く

多くの困難を乗り越えてきたしながわシティ バスケットボールクラブ。その歩みは、「諦めない挑戦」の連続だった。今、B3で着実に存在感を高め、3×3の舞台でもその名を知られる存在となりつつある。

これからの日本バスケを牽引するであろう「しながわシティ」の今後に、GL3x3としても注目し続けていきたい。

富山グラウジーズの歴史と挑戦|B2降格からの復活劇と未来への展望

富山グラウジーズとは何者か?地域に根ざすクラブの軌跡

富山グラウジーズは、北陸地方・富山県富山市を本拠地とするプロバスケットボールクラブであり、B.LEAGUE(Bリーグ)に属する日本有数の伝統的チームの一つです。2005年の創設以来、bjリーグ時代から着実に歩みを続け、北陸3県で初めてのプロスポーツクラブとして注目を集めてきました。その名は、県鳥である「ライチョウ(grouse)」に由来しており、地域密着と自然との調和を象徴する存在でもあります。

運営法人は株式会社富山グラウジーズであり、本社は富山市金泉寺に位置。ホームアリーナは「富山市総合体育館」で、最大4,650人の観客を収容可能です。

bjリーグ時代の苦難と躍進(2006〜2016)

富山グラウジーズは、bjリーグ参戦初年度から困難の連続でした。経営母体の撤退、連敗続き、主力スポンサーの降板など、幾度となく経営・戦績ともに危機的状況に陥りました。しかし、選手たち自らがスポンサー活動に取り組むなど、地元とともに苦境を乗り越えていきました。

2013-14シーズンには東地区1位を記録し、ファイナルズ3位という成績を収め、悲願のプレーオフ進出を果たしました。さらに、2015-16シーズンにはbjリーグ準優勝を成し遂げ、B.LEAGUE創設元年への参加を決定づけました。

Bリーグ参入後の戦績と浮き沈み(2016〜2024)

Bリーグにおいても、富山グラウジーズの挑戦は続きます。初年度の2016-17シーズンは残留プレーオフに回るなど、再び厳しい戦いを強いられましたが、宇都直輝やジュリアン・マブンガらを中心とした改革により、2020-21シーズンにはチャンピオンシップ進出を達成。リーグ平均得点で1位(89.2点)を記録し、攻撃型バスケの象徴として名を馳せました。

しかし、翌シーズン以降は主力の退団や外国籍選手の不祥事、長期離脱、そしてチーム成績の低迷が続き、2023-24シーズンには32連敗というリーグワースト記録を更新。最終的にはB1最下位に沈み、クラブ史上初のB2降格となりました。

2024-25:B2優勝とB1昇格の奇跡

しかし、グラウジーズはそこからわずか1シーズンで復活を果たします。新たなヘッドコーチとして前滋賀HCのダビー・ゴメスを迎え、ロスターも大幅刷新。元代表経験を持つトーマス・ケネディ、経験豊富なミッチェル・ワット、若きエース藤永佳昭らが攻守にわたって活躍。

結果、38勝22敗という安定した戦績を残し、B2東地区2位、全体3位という成績でB2優勝を成し遂げ、2025-26シーズンからのB1復帰を決定させました。

注目のキープレイヤーたち

  • 宇都直輝:専修大出身。B1通算300試合出場を達成した司令塔。
  • 水戸健史:クラブの象徴的存在であり、長年にわたり富山の得点源として活躍。
  • 藤永佳昭:東海大学出身のPG。高い視野とディフェンス力で頭角を現す。
  • トーマス・ケネディ:帰化選手として攻守に万能なパフォーマンスを見せる。
  • ユージーン・フェルプス:インサイドでのフィジカルと得点力が武器。

3×3への接続点と将来の展望

近年では、富山グラウジーズも3×3バスケットボールとの親和性を高めています。スピードとフィジカルを重視したスタイルは3×3との相性も良く、若手選手を中心に3×3への参画や連携の可能性も広がっています。

将来的には、地域ユースチームとの連携強化、アリーナのスマート化、ブランディング戦略の刷新によって、Bリーグのプレミアステージ入りも視野に入れています。

ユース育成と地域連携の強化

富山グラウジーズは、トップチームの活動にとどまらず、ユース育成にも積極的です。U-12、U-15、U-18といった下部組織が整備され、地元小中高生への指導やバスケットボール教室を定期的に開催しています。これにより、地域の子どもたちにとって憧れの存在となり、地元愛とバスケット文化の醸成に大きく貢献しています。

また、グラウジーズが主催する「グラウジーズリーグ」では、小学生同士の交流試合も実施されており、未来のスター選手がこの場から羽ばたく日も近いかもしれません。

地域密着とメディアの反応

2024年の降格劇は、北日本新聞やバスケットカウントなど主要メディアにも大きく取り上げられ、ファンの間にも危機感が広がりました。しかし、B2優勝を決めた2025年春には、SNSで「#グラウジーズ復活」などのタグがトレンド入り。チーム公式YouTubeではマスコット「グラッキー」がMVP級の人気を誇るなど、PR戦略の成果も見え始めています。

まとめ:再起のチームが魅せる未来

富山グラウジーズは、単なる勝敗の記録を超えた、ドラマティックなクラブです。B1昇格という成果は、チーム、地域、そしてファンが一丸となって掴み取った「勝利の象徴」。今後も北陸から全国へ、そして世界へ。新たな物語が始まろうとしています。

次なる注目は、3×3への本格参戦とB.LEAGUE PREMIERへの道。グラウジーズの進化に、今後も目が離せません。