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WUBS2025は高麗大学が初優勝!日本勢は日本体育大学が3位獲得、国際大学バスケの未来を示した3日間

WUBS2025が閉幕!韓国の高麗大学が初優勝、日本体育大学が銅メダル獲得

2025年8月9日〜11日の3日間、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された「World University Basketball Series 2025」(以下、WUBS2025)。世界各国から強豪大学男子バスケットボールチームが一堂に会した本大会は、韓国の高麗大学が優勝を飾り、アジア大学バスケの頂点に立ちました。

この大会は、一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟(JUBF)が主催する、単独大学による国際トーナメントで、アジアを中心とした大学スポーツの交流と競技力向上を目的としています。2022年にスタートした本シリーズは今年で第4回を迎え、年々注目度とレベルが上昇。今回は、日本を含む8チームが出場し、トーナメント方式でしのぎを削りました。

出場大学と国際色豊かなラインナップ

WUBS2025には、以下の8大学が出場しました。

  • 高麗大学(韓国)
  • デ・ラサール大学(フィリピン)
  • フィリピン大学(フィリピン)
  • 国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ)
  • 香港大学(香港)
  • シドニー大学(オーストラリア)
  • 日本体育大学(日本)
  • 日本学生選抜(日本)

アジアの大学のみならず、オセアニアからも強豪校が参戦し、国際バスケットボールの縮図のような大会となりました。特に、日本からは大学代表の常連である日体大と、選抜メンバーで構成された「日本学生選抜」が参戦し、国内外からの注目を集めました。

初日から波乱と感動の連続、日本勢は好スタート

8月9日に行われた初戦では、日本学生選抜が香港大学を98-31と圧倒し、日体大もシドニー大学との1点差の接戦を65-64で制して勝利。両チームとも白星スタートを切り、日本の地元ファンの期待を高めました。

一方、高麗大学はフィリピン大学を75-71で退け、デ・ラサール大学は国立政治大学に89-84と競り勝ち、順当にベスト4へ進出。

準決勝は高麗大学とデ・ラサール大学が圧倒、日本勢は敗退

大会2日目となる8月10日の準決勝、日本学生選抜はデ・ラサール大学に75-88、日本体育大学は高麗大学に54-68と敗戦。日本勢は惜しくも決勝進出を逃しました。

準決勝の高麗大学は、試合開始直後から堅い守備と素早いトランジションで日本体育大学を圧倒。ムン・ユヒョンを筆頭に、リズムのあるオフェンスで終始試合をリードしました。

3位決定戦は日本対決!日体大が意地を見せ銅メダル獲得

大会最終日、3位決定戦で日本勢同士の対戦が実現。日本学生選抜を相手に、日本体育大学は序盤にリードを許すも第3クォーターで逆転。そのまま主導権を握り続け、最終スコア86-72で勝利を収め、銅メダルを獲得しました。

この試合では日体大のベンチワークと対応力が光り、最後まで足を止めない運動量で選抜チームを圧倒しました。これにより、日本勢として唯一の表彰台入りを果たしました。

決勝戦:高麗大学が宿敵・デ・ラサール大学にリベンジ

決勝戦は、昨年と同じ顔合わせとなった高麗大学とデ・ラサール大学の一騎打ち。前回はデ・ラサールが勝利を収めていましたが、今年は高麗大学が開始から主導権を握り、前半で大量リードを奪取。デ・ラサールも最終Qに猛追を見せましたが、高麗が95-85で逃げ切り、見事な雪辱を果たしました。

大会MVPは高麗大学3年のムン・ユヒョンが受賞。以下のような活躍を見せ、文句なしの評価を得ました。

  • 初戦:23得点3スティール
  • 準決勝:19得点4スティール
  • 決勝戦:21得点3アシスト

彼の献身的な守備と得点力は、まさにチームの中心として輝いていました。

日本体育大学の石川響太郎が3Pコンテスト優勝!

大会最終日には、エンターテイメント要素の一環として「3ポイントシュートコンテスト」も開催。日本体育大学の石川響太郎が見事な精度を見せ、国際舞台でのタイトルを手にしました。

3×3の要素でもある“スピードと正確性”が求められるこの競技での優勝は、石川のシュート力の高さを国際的に証明する結果となりました。

試合結果まとめ(WUBS2025)

以下に、3日間にわたる全試合結果を簡潔にまとめます。

8月9日(1日目)

  • 国立政治大学 84-89 デ・ラサール大学
  • 香港大学 31-98 日本学生選抜
  • シドニー大学 64-65 日本体育大学
  • フィリピン大学 71-75 高麗大学

8月10日(2日目)

  • 国立政治大学 102-48 香港大学
  • シドニー大学 96-77 フィリピン大学
  • デ・ラサール大学 88-75 日本学生選抜
  • 日本体育大学 54-68 高麗大学

8月11日(3日目)

  • 5位決定戦:国立政治大学 77-67 シドニー大学
  • 3位決定戦:日本学生選抜 72-86 日本体育大学
  • 決勝戦:デ・ラサール大学 85-95 高麗大学

まとめ:WUBS2025はアジア大学バスケの進化を象徴

WUBS2025は、単なる大会に留まらず、大学バスケットボールの国際的な進化と新しい交流のあり方を示したイベントでした。韓国・高麗大学の躍進、日本体育大学の粘り強い戦い、個人技術の進化など、多くの示唆に富んだ3日間となりました。

GL3x3視点から見ても、こうした「単独大学チームによる国際大会」は、選手育成・スカウティング・イベント展開において大きな可能性を秘めています。今後の日本大学バスケ、そして3×3シーンにおいても、WUBSの存在は無視できないものとなるでしょう。

インカレ男子決勝|日本大が15年ぶり13度目の戴冠・東海大との頂上決戦を制す

日本大学が久しぶりに戴冠、インカレを制覇

12月15日、群馬・オープンハウスアリーナ太田にて開催された『第76回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)』男子決勝で、日本大学(関東4位)が東海大学(関東3位)に対し70‑63で勝利し、見事15年ぶり・13回目の優勝を飾った。

前半の猛攻で19点差、終始リードを堅持

試合序盤から日本大がペースを握り、圧巻の攻撃を披露。第1Qで27‑14のリードを奪うと、第2Qでも19‑13と拡張。前半のスコアは46‑27となり、東海大に19点差のビハインドを負わせた。日本大の攻撃のリズムと固い守備が高い完成度を見せた前半だった。

一戸啓吾が第3Qで連続3P、決定的流れを奪う

後半に入ると競った展開となるが、第3Qの終盤で日本大は一戸啓吾が連続してスリーを沈め、流れを奪い返す。10点台後半のリードを維持し、4Qに入っても東海大の反撃に翻弄されず、試合を優位に進めた。

最終Qは猛追を受けるもディフェンスで流れを固めて勝利

第4Qに東海大は猛然と攻勢。追い上げムードが高まる中、日本大もディフェンスを厳守。チーム全体の統率力が光り、最後は粘りの守備で突き放し、70‑63で試合終了を迎えた。

日本大の勝因:コンゴロー デイビッドらキーマンの活躍

日本大の勝利を支えたのは複数選手の活躍。特にコンゴロー・デイビッドは21得点10リバウンドでダブルダブルを達成し、安定したインサイドの要。泉登翔も13得点をマークし、一戸のスリー11得点が試合を決定づけた。特に一戸の第3Qの連続スリーが流れを傾けた重要なポイントだった。

東海大も善戦、個人主導の攻撃が光る

敗れた東海大陣営も見せ場を作った。ハーパー・ジャン・ローレンスJr.と西田陽成がともに15得点を挙げ、轟琉維も14得点と奮闘する。しかし日本大のディフェンスを崩し切れず、あと一歩及ばなかった。

試合展開を写真で振り返る

写真=兼子愼一郎撮影の一枚。白熱の決勝戦において、日本大の選手たちがゴール下で激しく争う熱戦が印象的なシーンを収めている。

スコア推移とクォーターごとの動き

第1Q 第2Q 第3Q 第4Q
日本大 27 19 13 11 70
東海大 14 13 17 19 63

歴代13度目の優勝、日本大の再興ストーリー

日本大学は、2008年以来15年ぶりの優勝。今年は関東4位ながら、決勝では関東3位の東海大を破る番狂わせ。13度目の戴冠は、名門復活の好材料となる。今後の大学リーグにおける影響も大きく、強豪校として再び注目されることだろう。

一戸啓吾とデイビッド、今後への期待

高い得点力と流れを変えるスリーを見せた一戸啓吾、国内外から注目されるインサイドで支配力を発揮したデイビッドは、プロリーグや代表での今後の進化が期待される。大学界にとどまらず、将来の日本バスケットボールを牽引する存在となる可能性もある。

東海大の収穫と課題、連覇逃すも可能性は十分

惜しくも敗れた東海大も、この大会で存在感を示した。規律あるプレーと強力な個人技が光り、特に西田と轟は来季以降の中核候補。悔しさをバネにさらなる飛躍を目指して再出発するだろう。

大学バスケ界に与えたインパクトと今後の注目大会

インカレは日本大学の優勝により栄冠が揺らいだ結果となったが、連覇狙いの東海大を撃破する逆転劇は、リーグ全体の勢力図にも影響を与えた。来年の新人加入や戦力再編により、さらなる競争激化が予想される。

今後の展望:プロ進出や大学リーグでの再戦注目

今後は、この決勝で輝いた選手たちがプロ入りや海外挑戦に向かう動きも見込まれる。また、来季の大学リーグでは両校の再戦が実現すれば、注目度はさらに高まる。大学バスケ界の次なる世代を担う戦いに期待が集まる。

勝利を支えたベンチワークと指揮官の采配

今回の優勝劇の裏には、ベンチワークの充実と指揮官の的確な采配も大きな要因として挙げられる。日本大学のベンチメンバーは、出場時間が短くても流れを変えるようなディフェンスやリバウンドで貢献し、スタメンの負担を軽減。試合中のタイムアウトや選手交代のタイミングも絶妙で、指揮を執ったヘッドコーチの判断力が光った。試合後の会見では「信じることが全て」と語り、選手との信頼関係が結実した形だ。

育成と成果の好循環が生んだ快挙

日本大学は近年、リクルート戦略と育成システムの強化に注力してきた。特にユース年代からの継続的なトレーニングや個別強化プログラムによって、選手たちは着実にスキルを向上させてきた。今回の大会で主力として活躍した面々の多くも、入学時から成長曲線を描いており、今回の優勝は育成の成果が花開いた象徴的な出来事といえる。

大学バスケ界の新たなライバル構図

この決勝戦により、大学バスケ界には新たなライバル構図が生まれつつある。これまで東海大学、筑波大学、青山学院大学といった常連校が中心となっていた中で、日本大学が久々に頂点に立ったことで、勢力図は再編されつつある。来季以降も、群雄割拠の様相が強まり、インカレ本戦の行方はますます予測困難になるだろう。