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背番号0の悲劇──NBAプレーオフで相次いだアキレス腱断裂とその偶然の一致

熾烈なファイナル第7戦で主力離脱、サンダーが悲願の初優勝

2025年6月22日(現地時間)、NBAファイナル第7戦が行われ、オクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズを下し、移転後初のリーグ制覇を成し遂げた。ペイサーズはイースタン・カンファレンス第4シードから快進撃を見せ、強敵クリーブランド・キャバリアーズやニューヨーク・ニックスを撃破してのファイナル進出。最後まで接戦を演じたが、惜しくも頂点には届かなかった。

ハリバートン、勝負の第7戦で無念のアクシデント


ペイサーズの司令塔タイリース・ハリバートンは、第6戦で右ふくらはぎを痛めながらも強行出場。決戦の第7戦では開始早々からスリーポイントを連続で沈め、チームの士気を高めた。しかし、第1クォーター残り5分というタイミングで、アキレス腱を断裂。担架で運び出され、以後コートに戻ることはなかった。
翌日、検査結果が正式に発表され、長期離脱が避けられないことが明らかとなった。2025-26シーズンの復帰は絶望視されている。

リラードとテイタムも同様の負傷、偶然とは思えない“連鎖”


実は、このポストシーズンでアキレス腱断裂に見舞われたのはハリバートンだけではない。
まずミルウォーキー・バックスのデイミアン・リラードが、プレーオフ第1ラウンド第4戦でのルーズボール争い中に倒れ、アキレス腱を損傷。続いて、ボストン・セルティックスのジェイソン・テイタムも、カンファレンス準決勝第4戦で同様のシチュエーションから負傷退場となった。

背番号「0」が3人を繋ぐ“偶然の一致”

この衝撃の負傷連鎖には、いくつかの共通点が存在する。
ひとつは、3選手全員がイースタン・カンファレンス所属であること。もうひとつは、いずれも背番号「0」を着けていた点である。この共通性は、現地メディア『ClutchPoints』を中心にSNSでも話題となり、「ゼロ番の呪い」として拡散された。

トロフィー獲得の直後に訪れた悲劇

さらに、3人の所属チームはいずれも過去1年以内にタイトルを手にしていた。
セルティックスは2024年のNBAチャンピオン。バックスは同シーズン中に開催された「NBAカップ」を制覇。そしてペイサーズは、今季イースタン・カンファレンスを制して優勝トロフィーを掲げた直後にハリバートンが負傷した。
これらの偶然が重なったことも、今回の出来事をより印象的な「偶発的連鎖」として広める要因となった。

過酷な日程とスター選手の負担

NBAは82試合に及ぶレギュラーシーズンに加え、プレーイン・トーナメント、そしてハードなプレーオフが続く長丁場のリーグだ。
特にオールスタークラスの選手に課されるプレッシャーと負担は計り知れず、連戦に次ぐ連戦が肉体的・精神的ダメージとして蓄積されていく。今回のアキレス腱断裂という重大なケガの連鎖は、リーグの日程や選手管理体制に一石を投じるかもしれない。

“背番号0”を巡るジンクスは続くのか?

2025年のNBAチャンピオンに輝いたサンダーには、背番号「0」を背負う選手は在籍していない。このため、来季以降に向けてこのジンクスが継続するかどうかは定かではない。
ただし、スター選手がシーズン終盤やプレーオフで長期離脱を余儀なくされる事態が続けば、NBAの競技日程やロスター運用に対してリーグ全体での再考を迫られることも十分に考えられる。

負傷した3選手の復帰時期と今後の展望


ハリバートン、テイタム、リラードという各チームの中核を担うスターの離脱は、それぞれのチーム戦略にも大きな影響を与えるだろう。
特にハリバートンは、チームのプレーメーカーとして不可欠な存在であり、その欠場期間中にペイサ

ジョン・コリンズがジャズに残留決断!プレーヤーオプション行使で38億円契約を選択

ジョン・コリンズがユタ・ジャズに残留へ、38億円のプレーヤーオプションを行使


2025年6月25日(現地時間)、NBAのユタ・ジャズに所属するジョン・コリンズが、自身の契約に含まれていたプレーヤーオプションを行使し、2025-26シーズンも同チームでプレーする意向を固めたと『ESPN』が報じた。

この契約により、来季のサラリーは2658万ドル(日本円で約38億2750万円)に達する。FA市場への参戦を見送る形となったコリンズは、ジャズ在籍3年目のシーズンに突入する。

フィジカルと器用さを兼ね備えたパワーフォワード


現在26歳のコリンズは、身長206cm・体重106kgのパワーフォワード。高い跳躍力とアウトサイドシュートのスキルを兼ね備え、現代型ビッグマンとして多くのチームから注目されてきた。

アトランタ・ホークスでプロキャリアをスタートさせた彼は、2023年夏にトレードでユタ・ジャズへ移籍。以降、フロントコートの中心選手としてローテーションの核を担っている。

2024-25シーズンのパフォーマンスと課題

今季は40試合に出場し、平均30.5分のプレータイムで19.0得点、8.2リバウンド、2.0アシスト、1.0スティール、1.0ブロックを記録。フィールドゴール成功率は52.7%、3ポイントシュート成功率は39.9%、フリースロー成功率は84.8%と、効率の良いシューティングを維持している。

特に3ポイントを平均1.5本決めており、ストレッチ4としての役割も果たしている。リムプロテクターとしての貢献もあり、攻守両面で安定した働きを見せた。

ジャズの苦戦とコリンズの存在意義

しかしながら、チーム成績としては芳しくなかった。ジャズは2024-25シーズンを17勝65敗で終え、リーグ全体で下位に沈む結果に。この成績はフランチャイズ史上最悪の記録であり、過去3シーズン連続でプレーオフ進出を逃している。

ラウリ・マルカネン、キヤンテ・ジョージ、ウォーカー・ケスラー、ジョーダン・クラークソン、コリン・セクストンといった個々の才能は揃っていたものの、チーム全体の完成度やケミストリーに課題があった。

なぜ残留を選んだのか?コリンズの選択背景

コリンズにとってプレーヤーオプションを行使するという決断は、複数の観点から理解される。第一に、2658万ドルという大型契約を来季に保証される点は、FA市場において自身の価値がやや読みにくい中での堅実な選択といえる。

さらに、ジャズは若手を中心とした再建フェーズにあるが、コリンズはその中でリーダーシップを発揮するポジションにあり、出場機会や役割の明確さを優先した可能性もある。

ジャズの再建戦略とコリンズの立ち位置


ユタ・ジャズは現在、ドラフト戦略と若手育成を柱とした再構築期にある。近年の上位指名や海外選手の育成プロジェクトにも注力しており、コリンズのような中堅選手は“橋渡し役”としての重要性が増している。

特に若手選手へのメンタリングや、ハーフコートオフェンスの安定化において、彼のプレゼンスは不可欠だ。数値に現れにくいインパクトも含めて、ジャズはチームの柱としてコリンズを信頼している。

来季に向けた展望と期待される役割

2025-26シーズン、コリンズはチームの主軸としてさらなる飛躍が期待される。新たな指導体制やロスター変動が予想される中、チームの再生を支えるキープレイヤーのひとりとしてプレッシャーは増す。

もしもジャズがフロントラインでの強化を図るのであれば、コリンズは4番ポジションから5番にも対応可能な柔軟性を活かし、システム内で多様な役割を担うことになるだろう。

まとめ:ジョン・コリンズとジャズの未来をつなぐ契約延長

ジョン・コリンズの残留は、ジャズにとって即戦力の確保と、再建の軸を据える意味でも重要な意味を持つ。大型契約の裏には、成績だけでは測れない信頼と期待がある。

長く続いたプレーオフ不在のトンネルを抜けるには、コリンズの存在が必要不可欠だ。ユタの地で再び輝きを取り戻すべく、2025-26シーズンは彼にとっても、チームにとっても、真価が問われる1年になる。

エンビード復活へ――シクサーズが挑む再建の青写真と2025年ドラフト戦略

NBA再建へ踏み出すシクサーズ、未来を担う即戦力を指名

2025年6月25日、ブルックリンのバークレイズ・センターで行われた「NBAドラフト2025」の初日で、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは将来を見据えた重要な一手を打った。全体3位でベイラー大学のフレッシュマン、VJ・エッジコムを指名。ガードとして高い完成度を誇る彼は、身長194cm・体重88kgのフィジカルに加え、平均15.0得点、5.6リバウンド、3.2アシスト、2.1スティールという充実したスタッツを残しており、新シーズンのローテーション入りが有力視されている。

エッジコムは、タイリース・マクシー、ポール・ジョージ、そして看板選手ジョエル・エンビードとともにコアメンバーとして活躍が期待される。チームが再び頂点を目指すためには、彼の成長が欠かせない。

2024-25シーズンの苦い現実、プレーオフ連続出場に終止符

シクサーズにとって2024-25シーズンは試練の連続だった。主力の負傷が相次ぎ、戦績は24勝58敗に低迷。カンファレンス13位という結果に終わり、7年続いたプレーオフ出場記録が途絶えた。チーム全体に漂う閉塞感を打破するため、フロントは積極的な再構築へと舵を切っている。

オフシーズンの焦点はロスターの再編と健康管理

今オフ、シクサーズは複数の選手の契約に注目が集まっている。ケリー・ウーブレイJr.、アンドレ・ドラモンド、エリック・ゴードンはプレイヤーオプションを保持しており、去就が不透明だ。

また、クエンティン・グライムズは制限付きフリーエージェント(RFA)となり、他球団からオファーがあった場合でもマッチする権利を持つ。一方、カイル・ラウリーとガーション・ヤブセレは無制限フリーエージェント(UFA)として市場に出ている。

チームの再浮上には選手の健康状態が最重要課題となる。中でも、膝の故障によりわずか19試合の出場に終わったジョエル・エンビードの回復状況が、来季の成績を左右する最大のカギとなる。

復活に向けて――エンビードの最新リハビリ状況

バスケットボール運営部代表のダリル・モーリーは、ドラフト直前にエンビードと面談したことを明かしている。モーリーは次のように語った。

「彼はリハビリに全力で取り組んでいる。復帰に向けて着実にステップを踏んでいるし、医師とのミーティングも定期的にこなしている。現時点ではすべてが順調だ」

エンビードは2025年4月に左膝の関節鏡手術を受けたばかりだが、医療スタッフと密に連携しながら回復に努めており、チームとしても今後の進展に手応えを感じている様子だ。

数字が示すエンビードの重要性、健康であればリーグ屈指

2023-24シーズンまで、3年連続で平均30点以上を記録していたエンビードは、昨季は平均23.8得点、8.2リバウンド、4.5アシストにとどまった。出場試合数は19と限られたが、それでも彼の影響力の大きさは健在だ。

完全復活となれば、イースタン・カンファレンスのパワーバランスにも変化を与えることは確実。31歳のビッグマンが全盛期のパフォーマンスを取り戻せば、シクサーズは一気に優勝争いに食い込む可能性を秘めている。

2025-26シーズン開幕スケジュールとアブダビ遠征

NBAの新シーズンは、2025年10月22日に開幕が予定されている。フィラデルフィアは、これに先立ち10月3日と5日にプレシーズンマッチとして「NBAアブダビゲームズ2025」に参加し、ニューヨーク・ニックスとの2連戦を戦う。

この遠征に向けたトレーニングキャンプは9月に開始される予定で、フロントはエンビードがこの合宿に間に合う可能性を高く見積もっている。

フェニックス・サンズが未来の中核を確保、マーク・ウィリアムズとカマン・マルアチを獲得

フェニックス・サンズ、2人の有望センターを獲得してロスター強化

2025年6月25日(現地時間)に開催されたNBAドラフト初日において、フェニックス・サンズが将来を担う2人のセンターを加える重要な補強を実行した。今季ウェスタン・カンファレンスで11位に終わったサンズは、ロスターの再編成を急務としていた。

大型トレードで主力選手を放出、新たな核を指名

サンズは今オフ、ヒューストン・ロケッツとのビッグトレードでスーパースター、ケビン・デュラントを放出し、見返りとしてジェイレン・グリーン、ディロン・ブルックス、複数のドラフト指名権を獲得。このトレードにより生まれた全体10位指名権を使い、デューク大学の逸材センター、カマン・マルアチを指名した。

カマン・マルアチ:高さと効率性を兼ね備えた次世代センター

マルアチは215cm・115kgの体格を誇り、デューク大学での1年目から印象的なパフォーマンスを披露。2024-25シーズンに出場した39試合では、平均21.2分間の出場で8.6得点、6.6リバウンド、1.3ブロックを記録。フィールドゴール成功率は驚異の71.2%を誇り、インサイドでの高い得点効率と守備力を証明した。

シャーロット・ホーネッツとの交渉でマーク・ウィリアムズを獲得

さらにサンズは、シャーロット・ホーネッツとのトレードで、元デューク大出身のセンター、マーク・ウィリアムズの獲得にも成功。取引には、2025年の29位指名権であるリアム・マクニーリー、将来の1巡目指名権(2029年)、ヴァシリェ・ミチッチが含まれた。

マーク・ウィリアムズ:即戦力として期待されるリムプロテクター

ウィリアムズは213cm・109kgのサイズを活かし、NBA3年目のシーズンで44試合に出場。平均15.3得点、10.2リバウンド、2.5アシスト、1.2ブロックと存在感を発揮。フィールドゴール成功率60.4%、フリースロー成功率80.4%と、ビッグマンとしての完成度も高く、攻守両面で貴重な戦力になる。

過去のトレード未遂からの再起

ウィリアムズは今年2月、ロサンゼルス・レイカーズへの移籍が合意に至ったと報じられていたが、身体検査で複数の懸念が発見され、破談に。だが今回は無事にトレードが成立し、サンズの中核を担う存在として正式に加わった。

3人のセンター体制でロスターの安定性を確保

サンズは、すでにロスターに在籍しているニック・リチャーズに加えて、マルアチとウィリアムズという2人の7フッターを揃えることに成功。インサイドの厚みを持つことで、フィジカルに優れたチーム構成へと進化しつつある。

ウィング陣とのバランスで再建が加速

センター補強によりロスターの骨格を固めたサンズには、既存戦力としてエースのデビン・ブッカーに加え、ジェイレン・グリーン、ディロン・ブルックス、ブラッドリー・ビール、グレイソン・アレン、ロイス・オニール、コディ・マーティン、ライアン・ダンなどの選手が名を連ねる。

新シーズンに向けた展望と課題

長年の課題だったインサイドの弱さを克服すべく、ドラフトとトレードを巧みに活用したサンズ。特にマルアチとウィリアムズという2人の長身センターの存在は、ディフェンスリバウンドやペイントエリアの支配力向上に直結するだろう。一方で、ボールムーブメントの改善や若手の育成には継続的なフォーカスが必要とされる。

まとめ:サンズが描く再建の青写真

今回のドラフトとトレードによる2人のセンター補強は、サンズの再建にとって大きな一歩となった。再びプレー

テイタムが盟友ホリデーとポルジンギスへ感謝の言葉|セルティックス再編の裏側とは

2024−25シーズン、セルティックスの挑戦は終焉を迎える

ボストン・セルティックスは、2025年のNBAプレーオフ イースタン・カンファレンス・セミファイナルでニューヨーク・ニックスに2勝4敗で敗戦。2連覇を目指して戦ったシーズンだったが、惜しくも夢は潰え、2024−25シーズンはここで幕を閉じた。昨年王者としてのプレッシャー、激戦区イーストでの連戦、そしてアクシデントが重なった中での敗退だった。

主将テイタムの離脱が決定打に

このシリーズ中盤、セルティックスに大きな痛手が訪れる。チームのエースであり、リーダーでもあるジェイソン・テイタムが第4戦でアキレス腱断裂の大怪我を負ったのだ。この負傷により、セルティックスはシリーズ後半をテイタム不在で戦うことになり、得点源を欠いたまま終戦を迎えた。

年俸整理と戦力再構築に向けた動き

シーズン終了後、フロント陣はすぐに動いた。エース不在で迎える新シーズンに備えるため、球団はロスターの再編成と年俸バランスの調整に着手。中心選手を含む大型トレードが続けざまに発表された。6月24日(現地時間)、守備の要であるドリュー・ホリデーをポートランド・トレイルブレイザーズへトレードし、代わりにスコアラーのアンファニー・サイモンズとドラフト2巡目指名権2本を獲得。翌25日には、3チーム間トレードによりクリスタプス・ポルジンギスをアトランタ・ホークスへ放出し、ジョージ・ニアンと指名権を手に入れた。

スターター2人の放出、その意味するもの

ホリデーとポルジンギスは、いずれもセルティックスにとって不可欠な存在だった。ホリデーは守備の司令塔としてチームのディフェンス力を支え、経験と冷静さでクラッチタイムを引き締めた。ポルジンギスは218センチという高さと外角シュート力を兼ね備えたモダンビッグマンとして、攻守に貢献。2023年に加入し、在籍2シーズンながら、2024年のリーグ制覇に大きな役割を果たした2人である。

その2人を立て続けに手放すという選択は、フロントにとっても決して軽い決断ではなかった。しかし、獲得した選手はいずれも来季終了で契約が切れる見通しで、将来的なキャップスペースの柔軟性を残す意図がある。また、追加で獲得した指名権により、ドラフトでの選択肢も広がる。すなわち今回のトレードは、単なる戦力整理ではなく、「テイタム復帰後の本格再始動」に向けた準備でもある。

テイタムがInstagramで綴った別れの言葉

盟友2人の移籍が正式発表された直後、ジェイソン・テイタムは自身のInstagramストーリーズを更新。ホリデーとポルジンギスに対して、それぞれ心からのメッセージを投稿した。ホリデーには、「2つの金メダル、そしてチャンピオンシップ。君と共にプレーできたことを一生感謝する。選手としても人としても、本当に尊敬している。これからもずっと友達だ」と綴った。

さらに、ポルジンギスに対しては「この街、そしてこのチームで君が果たした貢献は誰もが知っている。君の存在に心から感謝している。ずっと忘れない、チャンプ!」とコメント。SNS上には多くのファンが「涙が出た」「最高のバスケ仲間」と反応し、別れを惜しむ声が相次いだ。

別れの先にある未来、再び同じコートで

ホリデーとポルジンギスは、それぞれ新天地で新たなキャリアをスタートさせることになる。しかし、彼らがセルティックスにもたらした影響は色褪せることはない。2024年のリーグ制覇を支えたメンバーであり、その事実は永遠に変わらない。

今後、彼らが敵としてセルティックスの前に立ちはだかる場面が訪れるだろう。だが、試合終了後に交わされる笑顔や握手、抱擁の中には、かつての戦友としての絆が生き続けていることを多くのファンは感じるはずだ。

セルティックスの次なる一歩へ

今回の大型トレードは、「今を捨てて未来を取る」戦略と捉えることもできる。主力を放出し、キャップの柔軟性を得て、指名権を確保。これは再建期というよりも、テイタムを中心とした“第2章”の始まりだ。指名権を活用したルーキーの育成、新戦力の台頭、そしてテイタムの完全復帰。新シーズン、セルティックスは大きく姿を変えながらも、再び頂点を目指す戦いに挑む。

クーパー・フラッグがNBAドラフト全体1位指名!マブス入りで「レブロン以来の最年少」記録も樹立

NBAドラフト2025でクーパー・フラッグが全体1位指名を獲得


2025年6月26日(現地時間25日)、ニューヨーク・ブルックリンのバークレイズ・センターで「NBAドラフト2025」1巡目の指名が行われ、デューク大学出身のフォワード、クーパー・フラッグがダラス・マーベリックスから全体1位で指名されました。

この結果により、フラッグは2025−26シーズンからNBAの舞台に立つことが決定。数多くの逸材が揃った今ドラフトの中でも、フラッグはそのポテンシャルと即戦力性を兼ね備えた「今最も完成されたプロスペクト」として注目を集めていました。

206cmの万能フォワード、デューク大で記録的なスタッツ


クーパー・フラッグは身長206cm、体重92kgのフォワード。シュート力、ハンドリング、パス、ディフェンスすべてにおいて高い能力を持ち、ポジションレスな現代バスケに完全にフィットする選手とされています。

2024−25シーズン、デューク大学では1年生ながら主力として37試合に出場。平均19.2得点・7.5リバウンド・4.2アシスト・1.4スティール・1.4ブロックという多彩なスタッツを記録し、チームの中心選手として活躍しました。フィールドゴール成功率は48.1%、3ポイント成功率は38.5%(1試合平均1.4本成功)、フリースロー成功率も84.0%と非常にバランスの取れたスキルセットを披露。

スカウト陣からは「プレーメイクもできる大型フォワード」「ディフェンスのIQが異常に高い」と高く評価されており、単なるスコアラーではなく、チーム全体のレベルを引き上げられる選手として注目されています。

レブロンに次ぐ「最年少1位指名」記録を更新

米メディア『ESPN』によると、クーパー・フラッグは2003年にクリーブランド・キャバリアーズから全体1位指名を受けたレブロン・ジェームズに次ぎ、NBA史上2番目に若い年齢での全体1位指名となりました。

2006年12月生まれで現在18歳のフラッグは、2025年6月の時点でドラフトエントリー資格を満たしたばかり。大学バスケットボールで1年のみのプレー経験ながら、若さを感じさせない落ち着きと勝負強さで注目を集めていました。

この若さでNBAのトップ指名を勝ち取ることは、それだけで歴史的快挙であり、今後のキャリアに対する期待値の高さを示しています。

マーベリックスでの役割は?即戦力として期待高まる


指名元となったダラス・マーベリックスは、今季NBAファイナル出場を果たすなど、既に優勝を狙える戦力を有する強豪チーム。ロスターにはカイリー・アービング、アンソニー・デイビス、クレイ・トンプソンといった経験豊富なベテラン陣が揃っており、フラッグはこの中で「即戦力」としての役割を期待されています。

特にスモールフォワードのポジションでの先発起用が有力視されており、シーズン開幕前の7月11日〜21日にかけて開催される「ラスベガス・サマーリーグ」での実戦デビューが予告されています。ここでのパフォーマンス次第では、開幕ロスター入りと先発定着も十分に現実的といえるでしょう。

“新時代の象徴”として、フラッグが背負うもの

クーパー・フラッグは、アメリカの高校時代から「ネクスト・レブロン」「ネクストKD(ケビン・デュラント)」などと形容される存在でした。スキルセットに加え、バスケットボールIQ、リーダーシップ、競争心といった要素も非常に高く、単なる“身体能力のある若者”とは一線を画す評価を得ています。

一方で、NBAの舞台で成功するには身体のフィジカル強度、試合のペース、連戦による対応力など、大学とはまったく異なる適応力が求められます。マーベリックスの環境下でどれだけ早く順応できるかが、今後の成長曲線を大きく左右することになります。

「レブロン以来の逸材」がNBAの景色を変えるか

2025年のドラフトは、レブロン・ジェームズの全体1位指名から22年を経て、再び“特別な存在”の登場を世界に印象づけました。レブロン以来の最年少で全体1位に選ばれたフラッグには、プレッシャーも注目度も集中しますが、それに応えるだけの才能とメンタリティを備えていることは、すでに大学時代に証明済みです。

ルーキーイヤーからどこまで通用するのか、どのようにチームと融合していくのか——2025−26シーズンのNBAは、クーパー・フラッグを中心に大きな注目を集めることになるでしょう。

NBAファイナル2025終了直後に大型移籍連発!レブロンは「あと2年現役」と発言、去就に注目集まる

サンダーがファイナル制覇、NBA2024-25シーズンが閉幕

2025年6月23日(現地時間22日)、ついに「NBAファイナル2025」の最終戦が行われ、オクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズを下してフランチャイズ史上初の優勝を果たしました。これはシアトル・スーパーソニックスから移転した2008年以降で初のリーグ制覇となり、記念すべき快挙となりました。

今季サンダーは、リーグトップの勝率でレギュラーシーズンを終え、プレーオフでも強豪を撃破しながら順調に勝ち進みました。第7戦まで粘ったペイサーズとの激戦を制し、若きタレント軍団がついに王者へと上り詰めたのです。

シーズン終了直後から移籍市場が活発化

シーズンが終了したばかりにもかかわらず、すでに来季に向けた大型トレードや移籍の報道が相次いでいます。なかでも最初に注目されたのは、デズモンド・ベインのオーランド・マジック移籍報道でした。続いて、ケビン・デュラントがヒューストン・ロケッツへ加入するニュースや、ドリュー・ホリデーがポートランド・トレイルブレイザーズに移籍するという驚きの動きも明らかになっています。

このように、2025−26シーズンに向けて各チームの再編が早くも始まり、ファンの視線はすでに新たなシーズンへと向けられています。

ベテラン選手の去就にも注目が集まる

今オフの移籍市場では、若手の台頭とともに「ベテラン勢の動向」にも注目が集まっています。特に話題となっているのが、ケビン・デュラント(36歳)、ステフィン・カリー(37歳)、そして現役最年長のスーパースターであるレブロン・ジェームズ(40歳)の去就です。

彼らはいずれも2000年代からリーグを牽引してきた象徴的存在であり、そのキャリアが終盤に差し掛かっていることから、今後の動向には世界中のバスケットボールファンが注目しています。

「あと2年はプレーする」レブロンが現役続行に言及

6月22日、イベント『Fanatics Fest』にてレブロン・ジェームズが現役続行に関する発言を行い、大きな話題を呼びました。同イベントでは、サンアントニオ・スパーズの若きスター、ビクター・ウェンバンヤマやNFLの伝説的QBトム・ブレイディらとともに登壇し、トークセッションを展開。

その中で、親友でありビジネスパートナーでもあるマーベリック・カーターから「あと何年プレーを続けるのか?」と問われたレブロンは、ウェンバンヤマを指差しながら次のように答えました。

「彼(ウェンバンヤマ)が俺のシュートをブロックして、スタンドにぶち込む限りはやめないよ。彼が俺の引退のタイミングを決めるんだ」

このコメントに対し、ウェンバンヤマは「彼の引退は僕より後になるね」と笑顔で返答。会場は笑いに包まれました。

レブロン「確実にあと2年はやる」発言に現実味

その後、改めて「あと何年プレーするつもりか?」と聞かれたレブロンは、真剣な表情で以下のようにコメント。

「レブロンにはまだ余力があると思ってる。あと2シーズンは確実だよ。賭けてもいい」

これは、自身のキャリアについて公式に言及した数少ない発言のひとつであり、ファンやメディアの間では「レブロンのラストイヤーが近づいている」という見方と、「まだ記録を塗り替える可能性がある」という両方の期待が高まっています。

ウェンバンヤマは「レブロンがデビューした年にまだ生まれていなかった」


この場で共演したウェンバンヤマは、2004年1月生まれの21歳。レブロンがNBAデビューを果たした2003年には、まだこの世に誕生していなかったという事実が、いかにレブロンが長年トップレベルを維持してきたかを物語っています。

自身の半分以下の年齢の選手たちと同じ舞台で競い合い、なおもリーグで通用するスキルとフィジカルを保ち続ける“キング”の姿は、多くの選手たちにとって目標であり、バスケット界の生きるレジェンドそのものです。

来季以降も続く“世代交代と共存”の構図

2025−26シーズンのNBAは、ウェンバンヤマやチェット・ホルムグレン、スコット・ヘンダーソンといった新時代の若手と、レブロンやカリーといったレジェンド世代が同時にリーグを彩る貴重なシーズンとなりそうです。

どのタイミングでレブロンがユニフォームを脱ぐのかは現時点では不明ですが、本人が「あと2年」と語ったことで、少なくとも2026−27シーズンまでは彼の雄姿を目にすることができそうです。

今後のドラフトやフリーエージェント市場にも影響を与える可能性があり、レブロンの発言はリーグ全体の展望にとっても大きな意味を持ちます。

レブロンの“最後の舞台”はどこになるのか?

現在もレイカーズとの契約が継続しているレブロンですが、2025年以降の動向にはさまざまな憶測が飛び交っています。息子ブロニー・ジェームズとの共演を望んでいるという噂も根強く、どのチームで“最後の戦い”を迎えるのかにも大きな注目が集まっています。

ファンとしては、ただ「あと2年」の発言を喜ぶだけではなく、彼が最高の形でキャリアを終えるための環境を整えてほしいと願うばかりです。

オクラホマシティ・サンダーがNBA初優勝!ファイナル第7戦でペイサーズを撃破、”背番号0″に起きた悲劇とは?

オクラホマシティ・サンダーが悲願のNBA制覇、歴史に残る初優勝を達成

2025年6月23日(現地時間22日)、ついに「NBAファイナル2025」の頂上決戦が幕を閉じた。第7戦までもつれ込んだ激闘の末、オクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズを破り、フランチャイズ移転後初となるNBAチャンピオンの座に輝いた。

サンダーにとってこの優勝は、旧シアトル・スーパーソニックス時代を含めても実に長い歴史の中で、移転後初の栄光。今季レギュラーシーズンではリーグトップの勝率を誇り、プレーオフでも安定した戦いぶりで頂点にたどり着いた。

ペイサーズも奮闘、下剋上でファイナルへ

敗れたインディアナ・ペイサーズも、東カンファレンス第4シードから快進撃を見せたチームのひとつだった。カンファレンスセミファイナルではクリーブランド・キャバリアーズ、カンファレンスファイナルではニューヨーク・ニックスという強豪を撃破。特にニックス戦での劇的な勝利は多くのファンの心を打ち、ファイナルでも最終第7戦まで持ち込む粘りを見せた。

インサイド、アウトサイドともにバランスの取れたチーム構成で、今季の快進撃は一過性ではない実力の証明となった。

第7戦で起きた悲劇…ハリバートンがアキレス腱断裂

インディアナの司令塔であり、今季大ブレイクを果たしたタイリース・ハリバートンに悲劇が訪れたのは、第7戦の序盤だった。第6戦で右ふくらはぎを負傷しながらも先発出場したハリバートンは、第1クォーターに3本の3ポイントを沈めるなど気迫のプレーを見せていた。

しかし、第1Q残り5分でプレー中に転倒し、後にアキレス腱断裂と診断される大怪我を負ってしまう。試合後にクラブが発表した内容によれば、回復には長期を要し、来シーズンの大半を欠場する可能性が高いとされている。

続くアキレス腱の負傷、スター選手に何が起きているのか

今回のポストシーズンでアキレス腱を断裂したのは、ハリバートンだけではない。デイミアン・リラード(ミルウォーキー・バックス)は1回戦で、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)は準決勝で、それぞれルーズボールを追う中でアキレス腱を負傷。いずれもシーズンを終える致命的な怪我となった。

この3選手に共通するのは、いずれも東カンファレンス所属であること、そして背番号が「0」であること。さらに、所属チームが直近1年間で何らかのトロフィーを手にしていたという点も興味深い。

  • ハリバートン:ペイサーズでカンファレンス制覇
  • リラード:NBAカップ2024(レギュラーシーズン中大会)優勝
  • テイタム:NBAファイナル2024 優勝(セルティックス)

SNSで話題に「背番号0の呪い」

アメリカのバスケットボールメディア『ClutchPoints』は、これらの共通点に注目。「背番号0を背負うスター選手にアキレス腱断裂が集中している」との投稿がSNSで拡散され、“ゼロのジンクス”として話題を呼んでいる。特に、3選手すべてが今季注目のプレーヤーであったこともあり、ファンの間では偶然では済まされないとの声も出ている。

なお、今回優勝したオクラホマシティ・サンダーには背番号「0」をつける選手はいなかったことから、少なくともこのジンクスが続くことはなさそうだ。

82試合+ポストシーズンの過密スケジュールが引き金か

NBAは通常のレギュラーシーズンだけでも82試合という長丁場。それに加えて、ポストシーズン、そして昨今では「インシーズン・トーナメント(NBAカップ)」といった新大会も導入され、選手の身体的負荷は年々増している。

特にオールスター級の選手においては、出場時間も長く、シーズン中の稼働率は非常に高い。プレーイン・トーナメントを含めた過密日程は、確実に選手の怪我リスクを増大させており、今回のアキレス腱断裂続出はリーグ運営にとっても見過ごせない事象となっている。

NBAの今後に問われる「選手保護とリーグ興行」の両立

今シーズンのファイナルは歴史的な試合として語り継がれる一方で、スター選手の負傷が象徴する「過密日程の代償」という暗い影も残した。NBAとしては、ファン獲得や視聴率のための大会拡張・興行面強化と、選手の安全や健康維持をいかに両立させていくかが今後の大きなテーマとなりそうだ。

アキレス腱断裂という重傷から復帰するのは簡単ではない。しかし、ハリバートン、リラード、テイタムの3人が再びコートに戻り、輝きを放つその日まで、リーグとファンの双方が選手たちの健闘と回復を支えていく必要がある。

グラント・ヒルが『NBC Sports』でNBAアナリスト就任へ|殿堂入りレジェンドが再び放送界に復帰

グラント・ヒル、2025-26シーズンから『NBC Sports』でNBAアナリストとして復帰

2025年6月25日(現地時間24日)、NBA界のレジェンドであり、バスケットボール殿堂入り選手のグラント・ヒルが、2025-26シーズンから『NBC Sports』のNBA中継にてゲームアナリストを務めることが明らかとなりました。『NBC Sports』は今シーズンからNBA放映に復帰する注目の放送局で、放送陣の一新が話題となっています。

NBAキャリア18年のグラント・ヒルとは

グラント・ヒルは1994年のNBAドラフトでデトロイト・ピストンズに全体3位で指名され、華々しくプロキャリアをスタート。ポジションはスモールフォワードながら、高いバスケットIQとプレーメイキング力、得点力、リバウンド、守備力を兼ね備えたオールラウンドプレーヤーとして名を馳せました。

ピストンズ在籍時には7度のNBAオールスター出場、オールNBAチーム選出、ルーキー・オブ・ザ・イヤーなど数々の栄誉を受賞。マイケル・ジョーダンの引退直後に「NBAの顔」としてリーグを牽引した存在でした。

キャリア後半の逆境と挑戦

しかし、ピストンズ時代の終盤に足首の大ケガを負い、その後移籍したオーランド・マジックでは長期離脱を余儀なくされます。度重なる手術とリハビリに苦しみながらも、不屈の精神でNBA復帰を果たし、フェニックス・サンズ、ロサンゼルス・クリッパーズと移籍を重ねながらキャリアを継続。

キャリア晩年には主にディフェンスとリーダーシップで貢献するロールプレーヤーへと役割を変え、18シーズンにわたってNBAで戦い抜きました。2018年にはその功績が称えられ、正式にバスケットボール殿堂入りを果たしています。

放送業界への再挑戦|複数の顔を持つヒル

引退後のヒルは、解説者としても高い評価を受け、10年以上にわたりテレビ放送に携わってきました。特に『TNT Sports』におけるNCAAトーナメントのアナリストとしての活動は広く知られており、穏やかで知的な語り口と、選手時代の経験を踏まえた分析力でファンに愛されています。

今回の『NBC Sports』での就任により、ヒルはプロとアマチュア両方のバスケットボールにおいて、解説者として新たなフェーズへと進むことになります。さらに、彼は現在『USA Basketball(アメリカ代表)』のマネージング・ディレクターも務めており、競技運営面でも大きな役割を担っています。

『NBC Sports』の放送陣には豪華メンバーが集結

『NBC Sports』は今季からNBA中継に再参入するにあたり、豪華な放送陣を揃えています。かつてのNBAスターであるレジー・ミラー(元インディアナ・ペイサーズ)、カーメロ・アンソニー(元ニューヨーク・ニックス他)、さらには“バスケットボールの神様”マイケル・ジョーダンも「スペシャル・コントリビューター」として番組制作に関わると報じられています。

グラント・ヒルの加入は、このドリームチーム的な放送陣の一角を形成するもので、往年のNBAファンにとってはたまらない顔ぶれとなっています。往年のスターたちがどのような視点で現代のNBAを語るのか、新シーズンの放送が大きな期待を集めています。

NBAと放送の未来をつなぐ“語り手”として

ヒルのような“両サイドの経験者”――すなわち、選手として頂点を経験し、メディアでも長く活躍してきた人物――は、NBAというコンテンツをより深く、そして親しみやすくファンに届ける存在です。彼の知見と視点は、今後のNBA放送の価値をより高めてくれることでしょう。

『NBC Sports』はかつて1990年代にNBA中継で一世を風靡した歴史あるメディア。そんな往年の舞台に、グラント・ヒルが再び立つ――それはまさに“レジェンドの帰還”といえる出来事です。

まとめ|殿堂入りレジェンドが放送席で示す新たな価値

グラント・ヒルが新たに『NBC Sports』でNBAアナリストとして再スタートを切ることで、彼の第3のキャリアが本格化します。選手、リーダー、そして語り手として、時代を超えてバスケットボール界に影響を与え続ける存在となっているヒル。

かつて“ネクスト・ジョーダン”と称された彼が、今度はマイケル・ジョーダンと同じ放送チームで新時代のNBAを伝える姿に、多くのファンが注目することは間違いありません。

アービング、マブスと3年171億円の延長契約へ|ACL断裂からの復帰と代役PG補強が焦点に

カイリー・アービング、マブスと大型延長契約で合意へ

2025年6月25日(現地時間24日)、『ESPN』はダラス・マーベリックスのカイリー・アービングが、2025-26シーズンのプレーヤーオプション(約4296万ドル=約61億8600万円)を破棄し、チームとの間で新たに3年1億1900万ドル(約171億3600万円)の延長契約を結ぶ意向であると報じました。

この契約により、アービングは少なくとも2026-27シーズン終了までマブスに所属することが決まり、契約最終年(2027-28シーズン)にはプレーヤーオプションが付帯。マブスは長期的にエースPGの地位を確保した格好です。

ACL断裂の影響で2025-26序盤は欠場、復帰は2026年1月か

とはいえ、アービングは2025年3月に左ヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂しており、来シーズンの開幕には間に合わない見込み。順調にリハビリが進んでも復帰時期は2026年1月前後とされ、マブスはアービングの穴を埋める即戦力PGの補強が急務となっています。

現時点で来季のロスターに残るPGはブランドン・ウィリアムズのみ。2025年4月に2ウェイ契約から本契約へ昇格した25歳ですが、先発クラスとしては未知数です。さらにスペンサー・ディンウィディーとダンテ・エクサムは制限なしFAとなり、バックコートの選手層は極めて不安定な状況です。

補強候補に名を連ねるベテランPGたち

『ESPN』によると、マブスは570万ドル(約8億2000万円)の「タックスペイヤー・ミッドレベル・エクセプション」を活用し、経験豊富なベテランPGの獲得を模索中。候補には以下の選手が挙げられています。

  • デニス・シュルーダー(31歳/デトロイト・ピストンズ)
  • ディアンジェロ・ラッセル(29歳/ブルックリン・ネッツ)
  • クリス・ポール(40歳/サンアントニオ・スパーズ)
  • マルコム・ブログドン(32歳/ワシントン・ウィザーズ)

いずれも制限なしFAとして市場に出ており、即戦力かつプレーメイク能力を兼ね備えた選手たち。マブスのシステムにフィットするか否かが獲得のカギとなります。

ベテランPGの今季成績をチェック

各選手の2024-25シーズンの主なスタッツは以下の通りです。

  • シュルーダー:75試合出場、平均13.1得点、5.4アシスト、2.6リバウンド
  • ラッセル:58試合出場、平均12.6得点、5.1アシスト、2.8リバウンド
  • ポール:82試合出場(全試合)、平均8.8得点、7.4アシスト、3.6リバウンド、1.3スティール
  • ブログドン:24試合出場、平均12.7得点、4.1アシスト、3.8リバウンド

ポールは今季40歳ながらフル出場を果たし、依然として高水準のプレーメイク力を発揮。シュルーダーとブログドンも攻守のバランスに優れた選手で、控えPGとして心強い存在となり得ます。

マブス、主力陣との再契約も順調に進行

アービングの延長契約に加え、マブスはダニエル・ギャフォードとも3年5400万ドル(約77億7600万円)の延長契約を結ぶ方向で合意。ビッグマンの安定的確保に成功しています。その他にも、PJ・ワシントン、クレイ・トンプソン、ナジ・マーシャル、ケイレブ・マーティン、デレック・ライブリー2世らが来季も契約下にあり、戦力の骨格は維持されています。

特にクレイ・トンプソンの加入は外角からの得点力を強化し、ドンチッチ不在後のシュートオプション拡充につながる可能性があります。

注目のNBAドラフト2025、1位指名はクーパー・フラッグへ

6月26日に開催予定の「NBAドラフト2025」において、マブスは全体1位指名権を保有。下馬評では、デューク大学の逸材フォワード、クーパー・フラッグの指名が確実視されています。

フラッグは全米でも屈指の万能型ウィングとして評価され、即戦力としてローテーション入りが期待されている存在。アービング不在の間に攻撃の一角を担う可能性もあり、彼の起用法も今後の注目点です。

ルカ・ドンチッチ放出のインパクトと今後の布陣

マブスはこのオフ、看板スターだったルカ・ドンチッチをロサンゼルス・レイカーズへトレードで放出。代わりにアンソニー・デイビスとマックス・クリスティを獲得し、チームの再編に大きく舵を切りました。

ドンチッチ放出は一大決断でしたが、ADの加入により守備力とインサイドの安定感は格段に向上。また、クレイやマーティンといったスイングマンの層も厚く、現代バスケットボールのトレンドに即した布陣に生まれ変わりつつあります。

まとめ:アービング復帰までの戦略が鍵を握る

アービングの長期契約延長はマブスにとってポジティブな一手ですが、彼のACLからの復帰までは代役PGの確保が急務。補強候補は豊富にいるものの、サラリーキャップやチーム戦術への適応も考慮する必要があります。

NBAドラフト、FA戦線、そしてアービングの復帰時期と、今後の数か月でマブスの未来は大きく変わる可能性を秘めています。カイリー中心の再構築がどのような結果をもたらすのか、ファンの期待が高まる中で、その戦略の成否が問われる2025-26シーズンとなるでしょう。