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【MINAKAMI TOWN.EXE】群馬から世界へ挑む3×3バスケクラブの歴史・成績・地域活動

はじめに:過疎地域から世界を目指すチーム


群馬県みなかみ町を拠点とする「MINAKAMI TOWN.EXE」は、3人制バスケットボールのプロチームとして2018年に誕生した。チームのスローガンは「みなかみから世界へ」。人口2万人以下という過疎指定地域から、国内トップリーグ「3×3.EXE PREMIER」や「3x3UNITED」に参戦し、さらに国際舞台へ挑戦する姿は、スポーツを通じた地域創生の象徴的存在となっている。

本記事では、MINAKAMI TOWN.EXEの歩みを「成績」「選手・スタッフ」「地域活動」「国際挑戦」「将来展望」の切り口から徹底解説する。

チーム概要と理念

– **創設**:2018年2月
– **本拠地**:群馬県みなかみ町
– **チームカラー**:緑
– **スローガン**:「みなかみから世界へ」
– **運営母体**:特定非営利法人 MINAKAMI TOWN スポーツクラブ
– **参戦リーグ**:3×3.EXE PREMIER、3x3UNITED

みなかみ町は観光と農業の町である一方、少子高齢化と人口減少が進む過疎指定地域。チームは3×3という新興スポーツを活かし、地域の魅力を発信するとともに、町の活性化を担うことを目的に活動している。ロゴは名峰・谷川岳をモチーフにデザインされ、地域性を前面に押し出している。

選手・スタッフ陣容

2025シーズンの選手は以下の通り。

– 森田蓮(#0/173cm/群馬県みどり市出身)
– 日下謙人(#5/190cm/群馬県渋川市出身)
– クベマ・ジョセフ・スティーブ(#13/204cm/コンゴ民主共和国出身)
– 柄澤日向(#24/181cm/群馬県高崎市出身)
– 大塚俊(#1/190cm/みなかみ町出身・代表)
– 加藤英寿(#8/197cm/東京都出身)
– 野平雄太(#45/177cm/群馬県太田市出身)
– 横山順司(#2/174cm/埼玉県出身)
– 渡邉陸(#10/182cm/埼玉県出身)
– 坂東秀梧(#18/180cm/群馬県安中市出身)

スタッフには小野寺恵介ヘッドコーチ、大久保賀章ら複数のトレーナー、広報担当の笹口真希が名を連ね、充実したサポート体制を整えている。群馬県出身選手が多く、地元に根ざした人材構成が特徴だ。

リーグ成績の歩み

MINAKAMI TOWN.EXEは、毎シーズン着実に勝率を高めてきた。

– 2018年:11勝13敗(勝率45.8%)
– 2019年:13勝11敗(勝率54.1%)
– 2020年:6勝4敗(勝率60%)
– 2021年:12勝3敗(勝率80%)
– 2022年:23勝7敗(勝率76.6%)
– 2023年:15勝9敗(勝率62.5%)
– 2024年:16勝9敗(勝率64%)
– 2025年:22勝5敗(勝率81.5%、ランキング4位)

特に2025年シーズンはラウンドごとに安定した戦績を残し、平均得点19.5点、KO率81.8%という圧倒的な数字を叩き出している。

ハイライト:開幕ラウンド優勝とMVP坂東秀梧

2025年5月18日、ワテラス会場で行われたシーズン開幕ラウンドにおいて、MINAKAMI TOWN.EXEは見事に優勝を果たした。MVPには#18坂東秀梧が選出され、準決勝TOKYO VERDY.EXE戦でのゲームウィナーを含め、勝負強さを発揮。#10渡邉陸とのコンボガードコンビ、さらに新加入の外国籍選手の活躍が噛み合ったことが勝因となった。

国際挑戦の歴史

MINAKAMI TOWN.EXEは早くから海外に目を向けてきた。2019年にはクラウドファンディングを活用し、日本チームとして初めてオーストラリアのプロ3×3リーグ「3×3 PRO HUSTLE」に参戦。当時から「世界基準の舞台で戦う」という理念を明確に示していた。

2024年には3×3.EXE PREMIERプレーオフでベトナムや多国籍チームと対戦し、国際経験を積んだ。そして2025年には「SAIGONECT MINAKAMI.EXE」としてベトナム進出を実現し、地域発のクラブが国際展開を果たす稀有な存在となっている。

地域活動と社会的役割

MINAKAMI TOWN.EXEは「プロチーム」でありながら「地域クラブ」としての顔も持つ。

– **アカデミー事業**:新島学園や高崎市でスクールを運営し、小中学生に指導機会を提供。初回体験や低価格設定で間口を広くしている。
– **地域リノベーション**:2018年に水上温泉街に拠点を構え、空き店舗対策や商店街活性化に関わる。代表の大塚俊は「スポーツを通じて温泉街を盛り上げる」ことを掲げ、リノベ事業と連動。
– **ボランティア活動**:介護施設でのサポートなど、選手による地域貢献を継続的に実施。

これらの取り組みは、チームが単に勝敗を追うだけでなく、地域社会に根ざした存在であることを示している。

3x3UNITEDホームラウンドでの戦い

2024年10月には「3x3UNITED EAST AREA MINAKAMI ROUND」をホーム開催。MINAKAMI TOWN.EXEとセカンドチーム「MINAKAMI FROM AQUA」が出場し、決勝では信州松本ダイナブラックスに1点差で惜敗し準優勝。地域を挙げた一大イベントとして盛況となり、YouTubeチャンネル「ミナタウチャンネル」で試合が配信された。

ファンエンゲージメントと発信力

– **公式SNS**:Instagramフォロワーは3,400人以上。
– **公式アプリ**:試合情報や順位表をチェック可能。
– **YouTube「ミナタウチャンネル」**:選手の挑戦企画や試合配信を発信。
– **公式グッズ販売**:Tシャツ、パーカー、トートバッグなどを展開。

これらは地方クラブとしては異例のデジタル発信力であり、ファンベースの拡大に成功している。

将来展望:オリンピック選手輩出へ

3×3は東京オリンピックから正式種目となり、世界的にも競技人口が増加している。MINAKAMI TOWN.EXEは「みなかみからオリンピック選手を輩出する」ことを目標の一つに掲げ、育成・国際挑戦を続けている。

2025年シーズンの好調を足掛かりに、プレーオフでの上位進出、さらにはWORLD TOURでの優勝を目指す姿勢は、今後の3×3界において注目すべき存在だ。

まとめ


MINAKAMI TOWN.EXEは、
– 過疎地域から誕生した唯一のプロ3×3クラブ
– 国内トップリーグで勝率8割超の強豪
– 地域リノベーションやアカデミー活動で社会的役割を果たす存在
– 早期から海外挑戦を続け、ベトナム進出も実現した国際派チーム

というユニークな特徴を持つ。
「みなかみから世界へ」というスローガンは単なる言葉ではなく、地域と世界をスポーツで結びつけるリアルなビジョンである。今後も3×3シーンにおける注目株として、国内外での飛躍が期待される。

【UTSUNOMIYA BREX.EXE】日本一3度・世界へ挑む宇都宮発3×3バスケットボールチームの魅力と2025最新情報

UTSUNOMIYA BREX.EXEとは?チームの概要と理念


UTSUNOMIYA BREX.EXE(ウツノミヤ ブレックス エグゼ)は、栃木県宇都宮市を本拠地とする3人制バスケットボールチームです。母体となるBリーグの宇都宮ブレックスの理念を引き継ぎ、3×3という新しい形態の競技で世界に挑戦しています。チームカラーは鮮やかなイエローで、スローガンは「Break Through ~既成概念を打破し、スポーツ界、バスケ界、栃木に風穴をあける~」。地域に根ざしながら、世界最高峰の舞台を目指す姿勢が強く表れています。

2015年の参入以来、3×3.EXE PREMIERを主戦場として戦い続け、国内トップクラスの勝率を誇ります。累計成績は254試合210勝44敗、勝率82.68%と驚異的な数字を残しています。特に「KO勝ち」と呼ばれる21点先取での試合終了は176回、KO率は83.81%を誇り、その圧倒的な強さはリーグの中でも群を抜いています。

国内での実績:日本一3度の栄光


BREX.EXEは3×3.EXE PREMIERの頂点を何度も経験してきました。2016年と2019年に続き、2021年の「3×3.EXE PREMIER JAPAN PLAYOFFS」で優勝。3度目の日本一を手にしました。2021年の決勝トーナメントでは、エースの齊藤洋介選手がPLAYOFFS MVPに輝き、ベテランの存在感を示しました。

2021年のプレーオフは無観客開催でしたが、国内トップ16チームが集い熾烈な戦いを繰り広げました。決勝ではTRYHOOP OKAYAMA.EXEを下し、日本一を奪還。これによりBREX.EXEは、国内3×3シーンにおける常勝軍団としての地位を確固たるものにしました。

世界への挑戦:FIBA 3×3 World Tourでの存在感

国内にとどまらず、BREX.EXEは世界最高峰の大会「FIBA 3×3 World Tour」にも積極的に参戦しています。2019年にはサウジアラビアで開催されたマスターズで、日本のチームとして初めてベスト4に進出する快挙を達成。世界の強豪を相手に堂々と渡り合い、日本バスケ界に新たな可能性を示しました。

さらに2024年には、日本史上初めて2年連続で予選突破・決勝トーナメント進出を果たしています。セルビアの世界王者UBに敗れたものの、22-11と健闘し、世界と互角に渡り合える力を証明しました。

そして2025年、FIBA 3×3 World Tourの開幕戦「Utsunomiya Opener 2025」への出場が決定。開催都市枠での出場ながら、FIBAランキング37位のBREX.EXEが、世界ランキングTOP10のチームに挑みます。ホーム宇都宮での開催という追い風を受け、どこまで食い下がれるか注目が集まります。

2025シーズン所属選手と意気込み

2025シーズンのBREX.EXEには多彩なバックグラウンドを持つ選手が集結しました。ベテランから若手、国内選手から海外出身選手まで幅広く揃え、厚みのあるロスターを形成しています。

– #3 ヨバン・ツセビャック(オーストラリア出身)
– #7 飯島康夫(SNS総フォロワー300万人超/2年ぶり復帰)
– #8 荒優大(泥臭いプレーでチームに貢献)
– #11 齊藤洋介(40歳ベテラン、2021MVP)
– #13 グリフィン・ビュワー(209cmのサイズでゴール下を支配)
– #17 森山ロバート隼太(青森出身の新戦力)
– #24 仲西佑起(日本代表としても活躍)
– #33 クーリバリ・ソロモン(移籍加入/フィジカルとスピードが武器)
– #49 草野颯斗(193cmの若手ビッグマン)
– #66 ヒューゴ・ショター(フランス出身211cmの大型選手)

選手たちはそれぞれコメントを発表し、チームへの意気込みを語っています。特に齊藤洋介選手は「40歳となり役割が大きく変わる年」と位置づけ、経験をチームに還元する姿勢を強調しました。一方、若手のグリフィンやソロモンはエネルギッシュなプレーで新風を吹き込んでいます。

2025シーズンの躍動:Round.8での初優勝

2025年8月31日に青森県八戸市で開催された「3×3.EXE PREMIER 2025 MEN’S JAPAN Round.8」で、BREX.EXEは今季初のROUND優勝を果たしました。新体制で試行錯誤を続けてきたチームが、ようやく形になった瞬間でした。

中心となったのは日本代表の仲西佑起選手。さらにMVPを獲得したクーリバリ・ソロモン、アグレッシブな荒優大、ゴール下を支えたグリフィンと、全員が噛み合う理想的なチームバスケットを展開しました。特にソロモンは移籍後初のタイトル獲得に喜びを爆発。観客を大いに沸かせました。

この勝利は単なる1ラウンド優勝ではなく、チームが進化の過程にあることを示す象徴的な成果となりました。

地域と共に歩むチーム

UTSUNOMIYA BREX.EXEは、単なるスポーツチームにとどまらず、地域活性化の一翼を担っています。宇都宮市内では「3×3のまち宇都宮推進委員会」が中心となり、大会やイベントが開催され、二荒山神社参道など歴史的な場所を舞台に試合が繰り広げられています。スポーツと地域文化を融合させる取り組みは、全国的にも珍しく、宇都宮の新しい魅力として注目を集めています。

また、YouTube公式チャンネルやSNSを通じて国内外のファンと積極的に交流。飯島康夫選手のSNS総フォロワー数は300万人を超え、デジタル発信力も大きな武器となっています。

今後の展望と注目ポイント

2025シーズン、BREX.EXEには大きな注目が集まります。FIBAワールドツアーの開幕戦に出場し、世界のトップチームと対峙する姿は、日本の3×3ファンにとっても必見です。さらに国内リーグでもラウンド優勝を積み重ね、プレーオフでの4度目の日本一を目指しています。

ベテランと若手、国内外の多彩な選手が一体となり、勝利を目指す姿はまさに「Break Through」の精神そのもの。宇都宮から世界へ、BREX.EXEの挑戦はこれからも続きます。

まとめ

UTSUNOMIYA BREX.EXEは、国内外で結果を残してきた日本を代表する3×3バスケットボールチームです。3度の日本一、FIBAワールドツアーでの快挙、そして2025シーズンの新たな挑戦。すべてがこのチームの歴史と未来を形作っています。地域と共に歩み、世界に挑むBREX.EXEの戦いから、今後も目が離せません。

【EDEN.EXE】栃木から挑む新世代プロチーム。Z世代が仕掛ける3×3バスケ革命と未来展望


チーム名:EDEN.EXE
ヨミ:エデン エグゼ
本拠地:栃木県日光市・宇都宮市・小山市
チームカラー:黒

EDEN.EXEとは?Z世代が創設した新しいプロチーム


栃木県小山市を拠点に誕生した「EDEN.EXE(エデン・エグゼ)」は、2023年7月に発足した3人制プロバスケットボールチームです。国内最高峰リーグ「3×3.EXE PREMIER」に参入し、2000年代生まれの若き選手とオーナーが中心となって戦う姿勢が注目を集めています。チームカラーは黒、スローガンは「栃木と共に世界へ」。既存の強豪を打ち破り、日本一を目指す強い意志が込められています。

このチームの最大の特徴は、オーナー・選手ともにZ世代で構成されている点です。オーナーの春山歩夢氏(2000年生まれ/小山市出身)は建築士として大規模プロジェクトに関わった経歴を持ちながらも、安定したキャリアを捨て「夢を形にする」道を選びました。彼は「3年以内に日本一」を掲げ、同世代の仲間たちとともに新しい挑戦をスタートさせています。

選手紹介:若き精鋭ロスター

2025年度のEDEN.EXEの選手は以下の通りです。8名の平均年齢は20代前半。国体やインカレの舞台で実績を残した選手が揃っています。

– #61 鈴木雅之(栃木県出身/神奈川大学/インカレベスト16)
– #3 近藤虎ノ介(栃木県出身/大東文化大学/インカレ3位)
– #11 鴇田風真(東京都出身/日本大学/インカレベスト4)
– #17 若月遼(大阪府出身/明治大学/インカレベスト16)
– #13 菅野達海(東京都出身/青山学院大学/インカレベスト8)
– #35 アビブ・ジエン(セネガル出身/大東文化大学/インカレ3位)
– #59 山田真史(鳥取県出身/日本大学/インカレベスト4)
– #10 工藤魁(青森県出身/日本大学/インカレベスト4)

いずれもスピードやフィジカルに優れた世代で、5人制で培った力を3×3に適応させる挑戦を続けています。

リーグ成績と挑戦の歩み

2024年シーズンの成績は17試合で4勝12敗、勝率23.53%。総得点205に対して総失点は316と、初年度は苦戦を強いられました。しかし、シーズン序盤で初勝利を記録するなど、確かな一歩を踏み出しています。3×3.EXE PREMIERは全36チームが参加し、上位14チームのみがプレーオフに進出可能という厳しい環境。若いチームにとって経験の積み重ねが不可欠ですが、春山オーナーは「3年で頂点を目指す」と明言しています。

地域密着のスポンサー支援

EDEN.EXEの活動を支えるのは、地域企業との強力なパートナーシップです。特に2024年4月には、不動産事業「KAERU不動産」を展開する株式会社PLAYWORKとスポンサー契約を締結。地元コミュニティの一部としてチームを支援する姿勢が話題となりました。PLAYWORKの掛布篤行CEOは「若い選手たちが地域の子供に夢を与える活動に共感した」とコメント。スポーツを通じた地域活性化の象徴的な取り組みとなっています。

そのほかにも、エイジェック、TSUNAGU株式会社、星の杜中学校・高校、日光甚五郎煎餅など、地元栃木を中心とするスポンサーがバックアップ。若きチームに対する期待感が地域全体に広がっています。

アカデミーと育成事業

EDEN.EXEはトップチームだけでなく「EDEN.ACADEMY(U-12・15)」を運営。小学生から中学生を対象に、宇都宮・小山・日光でスクールを展開しています。プロ選手が直接コーチングを行い、基礎スキルだけでなく戦術理解やバスケIQを育成。1ヶ月無料体験やパーソナルレッスンの提供もあり、初心者から経験者まで幅広い層に対応しています。

さらに「EDEN Jr.」というバスケ塾も展開。試合に出られない選手やプロを目指す子供たちに機会を提供し、地域密着型の育成モデルを構築しています。これにより将来のスター選手輩出も期待されます。

ユニークな事業展開:スポーツとライフスタイルの融合


EDENはスポーツ事業に加え、宇都宮市内で脱毛・ホワイトニングサロンを運営。「選手も利用するサロン」としてSNSでも話題を集め、健康や見た目を含めたトータルケアを打ち出しています。これはスポーツとライフスタイルを結びつける新しい取り組みであり、Z世代チームならではの発想といえるでしょう。

オーナー春山歩夢の挑戦とビジョン

春山オーナーは建築士としてのキャリアを持ちながらも安定を捨て、未知の分野であるプロチーム運営に挑みました。宇都宮ライトレールの建設プロジェクトに参加した経験が彼の原動力となり、「自分の夢を叶えるだけでなく地域に還元したい」という信念でチームを創設。スポンサーやスクール事業での収益確保を通じて運営を安定化させています。

さらにAIを活用した戦略分析も導入。映像を解析し戦術を数値化することで、効率的にチーム強化を進めています。データドリブンなアプローチは、既存のチームとの差別化につながりつつあります。

メディアやファンの反応

地元紙「下野新聞」や3×3.EXE公式メディアもEDEN.EXEを取り上げ、若きチームの挑戦を「地域の希望」として紹介。特に「幼なじみで日本一を目指す」というストーリーは、多くのファンの心を掴みました。InstagramやTikTokでの情報発信も積極的で、Z世代らしいデジタル戦略がファン層拡大に寄与しています。

将来展望:3年以内に日本一を

EDEN.EXEはまだ若く、成績面では課題も多いですが、ポテンシャルは計り知れません。Z世代の挑戦心、地元企業の支援、最新テクノロジーの導入、そして地域に根ざした育成活動。これらが結びついたとき、EDEN.EXEは国内3×3シーンを変える存在となる可能性を秘めています。

「栃木と共に世界へ」というスローガンは単なる言葉ではなく、現実的な目標です。地域と共に成長し、3年後には日本一の称号を掴み取る――EDEN.EXEの未来から目が離せません。

【SENDAI AIRJOKER.EXE】の歩みと現在地|東北初の3×3プロチームが挑む仙台から全国へ挑むクラブの物語


チーム名:SENDAI AIRJOKER.EXE
ヨミ:センダイ エアジョカー エグゼ
本拠地:宮城県仙台市
チームカラー:緑

仙台から誕生した東北初の3×3プロチーム


3人制バスケットボール「3×3」は、東京オリンピックで正式種目に採用されて以降、世界的にも注目を集めている競技だ。その国内最高峰リーグである「3×3.EXE PREMIER」に、2018年に東北地方から初参入したのが「SENDAI AIR JOKER.EXE(センダイ エアジョカー エグゼ)」である。

チームの拠点は宮城県仙台市。チームカラーは緑、スローガンは「再建」。創設期から単なるプロスポーツチームに留まらず、地域の人々や企業と連携し、仙台を拠点にしたスポーツエンターテインメントの象徴として活動を続けてきた。

2018年の始まり|発表イベントと地域密着の姿勢

参入初年度の2018年5月には「選手発表記者会見イベント」を開催。会場ではバスケットボールの記者会見だけでなく、チアリーディングやダンススクールの発表、スケートボード体験なども組み込まれ、地域住民が楽しめる複合的な催しとして実施された。入場は無料で、スポーツとカルチャーを融合させた“地域型エンタメ”の先駆けとなった。

この姿勢は現在まで続いており、チームはバスケットボールクリニックや地域イベントへの参加を通じて、子どもから大人まで幅広い世代と接点を持ち続けている。

歴代ロスターとチームの成長

SENDAI AIR JOKER.EXEは、これまで多くの選手が所属しチームを支えてきた。2018年のロスターには宮坂侑、渡部宏斗、佐々木瑛らが名を連ね、東北初の挑戦を牽引。翌2019年には阿部翔太や江田健人ら新戦力も加わり、体制を拡充していった。

その後もロスターは入れ替わりながら進化を続け、2020年代に入るとベテランと若手の融合が進む。特に1981年生まれの永田晃司は、経験豊富なリーダーとして存在感を発揮。さらに、2000年代生まれの高橋秀宇、加藤陽貴、今井弘己といったU24世代も台頭し、次世代を担う布陣を形成している。

2023年には仙台大学男子バスケットボール部の新保圭都がU24契約を締結。プロの舞台で初得点をマークするなど、大学バスケと3×3の架け橋となった。こうした若手の登用は、クラブが掲げる「再建」のビジョンに直結している。

高濱拓矢の加入と戦力補強

近年の話題としては、熊本県出身の高濱拓矢(背番号12)が加入したことが挙げられる。身長184cm、体重82kgのバランス型プレーヤーで、勝利にこだわる姿勢を示している。若手育成に加え、実績ある選手の獲得による即戦力補強も並行して進めることで、チームは成長曲線を描こうとしている。

ロゴ刷新と仙台らしさの強調

2023年にはチームロゴが刷新され、従来の「ジョーカー」モチーフから「伊達政宗をモチーフにしたバスケットボール顔」へと変更された。仙台を象徴する伊達政宗を取り入れることで、地域性とブランドアイデンティティをより強固なものにしている。これは単なるデザイン変更ではなく、クラブが「仙台の代表チーム」としての意識を鮮明に打ち出した出来事でもあった。

スポンサー・賛助会員制度の広がり

SENDAI AIR JOKER.EXEは、地域の企業や個人が参加できる賛助会員制度を設けている。10,000円から100,000円まで複数のコースが用意され、会員は公式サイトへのロゴ掲載や、チームロゴを利用した販促活動が可能だ。こうした取り組みは、クラブを「地域の仲間」として応援できる仕組みを整備するものであり、単なるスポンサー契約とは異なる草の根的な支援文化を生んでいる。

また、ポスター掲出協力企業をSNS上で募集するなど、ファンや地元企業と共にチームを作り上げていく姿勢が特徴的だ。

2025シーズンの挑戦と結果


2025シーズン、SENDAI AIR JOKER.EXEは昨年より高い目標を掲げてスタートした。選手たちは日々練習に励み、「全員で戦い、共に喜びを分かち合う」ことを目指した。

しかし、シーズンを通して予選突破には至らず、最終順位は20位に。Round.8ではMINAKAMI TOWN.EXEに11-21、IKEBUKURO DROPS.EXEに12-21で敗戦し、悔しい結果でシーズンを終えることになった。それでも、選手たちは「声援に支えられ、最後まで戦い抜けた」と感謝を表し、来季への再起を誓った。

今後の展望|「再建」から「飛躍」へ


結果だけを見れば苦しいシーズンではあったが、若手選手の成長、ベテランの経験、地域との連携といった要素は確実にチームの財産となっている。「再建」を掲げるスローガンは、単なる再スタートではなく、未来へ向けた積み重ねを意味する。

今後はU24枠のさらなる活用や、仙台開催イベントの充実、スポンサーシップ拡大などを通じて、クラブの存在感を高めていくことが期待される。3×3はスピード感と個人スキルが際立つ競技であり、AIR JOKER.EXEがどのようにその舞台で躍動するか、注目していきたい。

まとめ|仙台から全国へ挑むクラブの物語

SENDAI AIR JOKER.EXEは、2018年の東北初参入から現在に至るまで、地域と共に歩み続けてきた。参入イベントから始まり、ロゴ刷新、若手育成、スポンサー制度、そして2025シーズンの挑戦。歩んできた道のりには成功と苦難の両方があるが、それらを糧にしてクラブは進化を続けている。

「再建」の言葉の先にあるのは、必ずしも結果だけではない。地域の人々と共に戦い、未来の世代へとバトンを渡すことこそ、SENDAI AIR JOKER.EXEの使命である。仙台発のこのクラブが、今後どのように飛躍を遂げるか、これからの展開に大きな期待が寄せられる。

【HACHINOHE DIME.EXE】徹底解説|3×3プロバスケ青森初のプロスポーツチームが描く未来と戦績


チーム名:HACHINOHE DIME.EXE
ヨミ:ハチノヘ ダイム エグゼ
本拠地:青森県八戸市
チームカラー:青

八戸ダイムとは?青森発の3×3プロスポーツチーム


HACHINOHE DIME(八戸ダイム)は、青森県八戸市を拠点とする3人制バスケットボール「3×3(スリー・エックス・スリー)」のプロチームです。
スローガンは「八戸から世界へ!」。2019年の参入以来、地域初のプロスポーツチームとして注目を集めています。兄弟ブランドにはTOKYO DIMEやOSAKA DIMEがあり、全国的なDIMEグループの一翼を担います。

八戸ダイムは、3×3という新しいスポーツ文化を通じて、バスケットボールの普及・発展と地域の活性化を両立させることを目的としています。

チーム理念とビジョン

クラブの掲げる理念は以下の通りです。
– 世界一を目指し、常に勝利にこだわる
– 人と人をつなぎ、心を豊かにする存在に
– 3×3およびバスケットボール競技全体の発展に寄与する

さらにビジョンとして「プレイヤーズファースト」「家族のようなヒーロー」「もっと気軽に楽しめるバスケ」「機動的で革新的なエンターテイメント性」「アシストの文化」を明確に打ち出しています。これにより、競技力強化と地域密着型のエンタメ展開を両立させています。

選手陣|キャプテンと主力メンバー

八戸ダイムを率いるのは、キャプテンの沢頭智弘(1990年生/178cm)。シュート、アシスト、ディフェンスに優れ、ゲームコントロール能力を武器にチームを支える精神的支柱です。

他の主要選手には、
寺嶋恭之介(1991年生/179cm):クイックシュートとスピード感あふれるプレーが持ち味

角田大志(1994年生/189cm):パワフルなプレーで存在感、2024年にはスーパープレミアベスト4進出に貢献
宮越康槙(1996年生/189cm):最古参プレイヤーとしてチームを牽引するムードメーカー
ビリシベ実会(1996年生/190cm):跳躍力とドライブを武器に攻撃力を提供
遠藤涼真(2000年生/191cm):堅実なディフェンスが強み

そして2025-26シーズンには、元NBA選手でナイジェリア出身のチュクゥディエベレ・マドゥアバム(206cm/119kg)を新規加入。インサイドの存在感と国際経験で大きな戦力強化となっています。

運営体制と経営陣

八戸ダイムは地元企業や実業家が中心となり運営されており、以下のメンバーがクラブを支えています。
杉山直也:代表取締役社長兼オーナー。法務・経営畑出身で、3×3を通じた地域活性化を推進。
八木学:代表取締役兼オーナー。「3×3で八戸市に恩返しをしたい」との思いから設立に尽力。
米林正明:共同オーナー。「日本一のチームに」と宣言。
田中健悦:取締役。地域に根差したイベント運営を強調。
立場輝栄:営業部長。スポンサー営業・地域連携の実務を担い、ファン層拡大を図る。

経営陣はIT・リサーチ業界の出身者が多く、データ活用やマーケティング戦略にも強みを持っています。

シーズン戦績と成長の軌跡

八戸ダイムは2019年の参入当初こそ苦戦しましたが、その後急成長。

– **2019年**:勝率72.4%、KO率100%と華々しいスタート
– **2020年**:コロナ禍の影響で試合数減、1勝4敗と低迷
– **2021年**:勝率54.5%に回復
– **2022年**:23勝8敗、勝率74.2%
– **2023年**:19勝7敗、勝率73.0%
– **2024年**:16勝8敗、勝率66.7%

累計成績は **126試合 86勝41敗 勝率68.3%、KO率89.5%**。
特にノックアウト勝利が多く、試合を決め切る力に定評があります。

2025年シーズンの戦績

– **3月**:世界大会「EXE SUPER PREMIER」に出場(予選6位→トーナメント進出)
– **6月14〜15日**:ホーム八戸ラウンド(第3ラウンド)開催。準々決勝で敗退も大盛況。
– **6月29日**:第4ラウンドで今季2度目の優勝。地元で大歓声を浴びる。
– **9月1日**:最終第8ラウンド決勝で宇都宮BREXに敗れ、準優勝。

地元「フラット八戸」での熱戦は、地域住民にとって誇りとなり、全国からも注目を集めました。

地域活動と育成

八戸ダイムは地域密着を重視し、バスケットボールスクールを運営。幼児から中学生まで幅広い世代を対象に、基礎スキルと人間力を育む指導を行っています。兄弟割引制度や無料体験も導入し、地域の子どもたちに開かれた活動を展開しています。

さらに「するスポ × HACHINOHE DIME」では、試合と連動した小学生向けイベントを実施。シュートチャレンジ、バスケ教室、サイン入りグッズ企画など、子どもたちがプロ選手と同じコートに立てる体験を提供し、地域全体のスポーツ文化を盛り上げています。

スポンサー制度とパートナーシップ

クラブではスポンサーを「アライアンス活動」と位置付け、単なる資金提供ではなく双方向での価値創造を重視。
– 法人向け:ユニフォームスポンサー、サポートカンパニー
– 個人向け:個人サポーター

地域企業や個人とともに成長する体制を整えています。

メディア出演と注目度

八戸ダイムはメディア露出も活発で、ボートレース公式YouTube「Dream Runner」に複数回登場。艇王・植木通彦との対談では、キャプテン沢頭智弘や角田大志、遠藤涼真が出演し、3×3の魅力や「八戸から世界へ!」の思いを発信しました。動画は数十万回再生され、地域を超えた注目を集めています。

SNSとファン層の拡大

Instagram(@hachinohe.dime3x3)ではフォロワー3,400人超。試合速報やイベント告知を発信し、ファンとの距離を縮めています。地域密着型クラブとして、SNSを通じて首都圏や海外のファン層拡大も狙っています。

まとめ|「八戸から世界へ!」の実現へ

八戸ダイムは、3×3競技の普及・発展と地域活性化を両立させる数少ない存在です。堅実な戦績、地域に根差した活動、メディア露出による認知拡大、そして外国籍選手の加入による戦力強化。すべてが「八戸から世界へ!」というスローガンを現実のものにしつつあります。

今後も八戸ダイムの挑戦は、3×3バスケットボールの未来、そして青森から世界へ羽ばたくスポーツ文化の象徴となるでしょう。
地元ファンはもちろん、全国のバスケットボールファンも目が離せないチームです。

【ZIGExN UPDATERS.EXE】京都発の3×3プロチームが描く“若者支援×地域貢献”の革新モデル


チーム名:ZIGEXN UPDATERS.EXE
ヨミ:ジゲン アップデーターズ エグゼ
本拠地:京都府京都市
チームカラー:濃藍

京都発・ZIGExN UPDATERS.EXEとは?


ZIGExN UPDATERS.EXE(じげんアップデーターズ)は、株式会社じげんが運営する京都府京都市を拠点とする3×3(3人制バスケットボール)プロチームだ。

2022年に設立され、FIBA承認・JBA公認のグローバルリーグ「3×3.EXE PREMIER」に参戦。国内外で活動するプロチームとして、競技面のみならず、若者支援や地域貢献に力を入れた“社会性あるスポーツクラブ”として注目を集めている。

スローガンは「UPDATE the YOUTH」 若者の挑戦を応援

チーム名「UPDATERS」には、“関わるすべての人の人生をアップデートする”という想いが込められており、スローガンは「UPDATE the YOUTH ― 若者の挑戦を応援 ―」。

競技の枠にとどまらず、次世代のキャリア支援、地域との共創、教育活動にも積極的に取り組む姿勢が、これまでのバスケクラブとは一線を画している。

2025シーズンの所属選手と背番号一覧

2025年4月に発表されたロスターには、継続選手5名、新加入4名の計9名が登録されている。以下は背番号とともに確認された主な選手だ。

  • #3 下田 忠至
  • #4 宇田 隆平
  • #8 相馬 信
  • #15 鷲本 将吾
  • #23 中元 聡師
  • #24 岩川 勇作
  • #39 船山 裕士
  • #44 小川 広夢

経験豊富なプレーヤーから、新進気鋭の若手までバランスの取れた構成となっており、今季の台風の目となる可能性も高い。

京野菜をモチーフにした公式キャラクター「京野菜トリオ」

地域文化との連携を重視するZIGExN UPDATERS.EXEは、京都伝統の“京野菜”をモチーフにした公式キャラクターを展開中。子どもたちにも大人気の存在だ。

  • しょごたん(聖護院かぶ):背番号45。チーム最年少のスピード系ガード。
  • カモナス(賀茂なす):背番号74。のんびり屋だが高得点力を持つフォワード。
  • キンさん(金時にんじん):背番号22。2ポイントが武器のシュータータイプ。

これらのキャラを活用したグッズ・ノベルティ開発も進行しており、地域PRとの相乗効果が期待されている。

地域貢献活動「ENプロジェクト」

ZIGExN UPDATERS.EXEの地域連携を象徴するのが「EN(縁・円)プロジェクト」だ。2025年シーズンから本格始動し、企業や行政との連携を通じて“人と人のつながり”を支援する活動を展開している。

代表的な取り組み例:

  • 学生向け賃貸住宅企業と連携した若者支援
  • 地域団体と共に挑戦機会を創出
  • スポーツクラブ「ビバ」とのパートナーシップ契約(2025年7月)
  • 京都市山科・醍醐地域体育館でのジュニア教室
  • 年1回の「ジュニア交流会」開催、契約選手が参加

子どもたちにバスケを通じた体験機会を提供し、3×3バスケの普及にもつなげている。

3×3.EXE PREMIERへの参戦実績

設立以来、ZIGExN UPDATERS.EXEは毎年「3×3.EXE PREMIER」に参戦。2025年は5月17日のワテラス大会(東京)を皮切りに、全8ラウンドを戦う予定で、9月にはプレーオフ進出を目指している。

実績だけでなく、魅せるプレー、地域との融合を武器に3×3の新しい価値を体現している。

若手発掘へ:トライアウトも活発に実施


2024年12月には京都市内の「BACK DOOR BASE」にて、2025シーズンに向けたトライアウトを開催。学生や社会人、バスケ未経験者も含め、多様なバックグラウンドを持つ挑戦者が参加し、次世代アップデーターの発掘に力を入れた。

GL3x3とも親和性の高い選考スタイルで、将来的には両リーグをまたぐ人材流動も期待されている。

京都での大会主催実績

2025年1月12日には、国内最大級のクラブチーム大会「3×3.EXE TOURNAMENT 2024-25」を京都市・龍谷大学深草キャンパスにて開催。京都産業大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学などが参加し、観戦無料で盛り上がりを見せた。

地域に根ざした大会運営力もZIGExNの強みだ。

グッズ・ファンクラブ展開も活発

公式オンラインショップでは、選手モデルのユニフォームやタオル、ボール、京野菜キャラクターグッズまで多彩なアイテムを販売中。

ファンクラブ会員特典:

  • レギュラー:¥5,500
  • ゴールド:¥22,000(限定グッズあり)

3×3専用ボール(5号球)や応援グッズも揃っており、地域ファンや若年層を中心に支持を広げている。

まとめ:ZIGExN UPDATERS.EXEは“社会をアップデートする”3×3チーム

ZIGExN UPDATERS.EXEは、単なるスポーツチームではない。

「若者の挑戦」「地域文化との融合」「社会課題へのアプローチ」を掲げ、京都を拠点にしながら全国・そして世界を視野に活動する新時代型の3×3クラブだ。

GL3x3のようなエンタメ性と社会性の融合を重視するリーグとも高い親和性を持ち、今後のコラボや人材交流にも期待がかかる。

ZIGExNの挑戦は、今まさに始まったばかりだ。

【富士通レッドウェーブ】女子バスケWリーグでの進化の軌跡と未来展望|3度のリーグ優勝と地域密着の真実

富士通レッドウェーブとは|川崎を拠点とする女子バスケの名門クラブ


富士通レッドウェーブは、1985年に創部された富士通株式会社の女子バスケットボールチームであり、Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)のプレミアディビジョンに所属しています。本拠地は神奈川県川崎市で、チーム名の「レッドウェーブ」は情熱(Red)と勢い(Wave)を象徴し、地域とともに成長することを理念としています。

拠点は川崎市中原区のとどろきアリーナ。練習場は富士通川崎工場に設けられており、地元のスポーツ振興やバスケクリニック、トークショーなどの地域貢献活動にも力を入れています。

激動の昇降格を経て、Wリーグの主役へ

創部当初は関東実業団4部からのスタートでしたが、1989年に日本リーグ2部へ昇格。1995年には1部へと駆け上がるも、その後数年間は昇格と降格を繰り返す苦しい時期が続きました。

ターニングポイントは2001年。元韓国代表でシャンソン化粧品でも名を馳せた李玉慈(イ・オクチャ)をヘッドコーチに迎えると、W1リーグで優勝を果たし、2002年からWリーグに本格参戦。以降は安定した戦力と育成体制を背景に、リーグの中心的存在へと成長していきました。

黄金期の到来とタイトル獲得の歴史

レッドウェーブが本格的に日本女子バスケ界の頂点に立ったのは2006年。中川文一ヘッドコーチのもと、皇后杯(全日本総合バスケットボール選手権)で初優勝。その後2007年・2008年と3連覇を成し遂げ、「シャンソン」「JOMO」という2強時代に風穴を開けました。

さらに2008年にはWリーグでも初優勝を達成。皇后杯との二冠を達成したことは、チームの実力が真にリーグトップクラスであることを証明しました。

2023-24、2024-25シーズンには再びリーグを制覇し、Wリーグ優勝は通算3回。皇后杯も2024年の4度目の戴冠で、タイトル総数は計7冠に達しています。

指導陣と育成体制|BT・テーブス体制の安定感

現在チームを率いるのはBT・テーブス(Bryan Teves)ヘッドコーチ。2014年よりアソシエイトコーチとしてチームに参加し、その後ヘッドコーチに昇格。的確な戦術眼と、選手個々のポテンシャルを引き出すマネジメントが高く評価されています。

また、アシスタントコーチには日下光、後藤祥太が就任しており、細かな戦術対応からフィジカル指導まで、多角的な支援体制を整えています。

代表経験者も多数|町田瑠唯をはじめとしたスター選手たち

富士通レッドウェーブの強さの秘密のひとつは、日本代表レベルのタレントを複数擁している点にあります。特に注目されるのは、ポイントガードの町田瑠唯。抜群のゲームメイク力とアシスト能力で、日本代表やWNBAワシントン・ミスティックスでの活躍歴もある名プレーヤーです。

キャプテンを務める宮澤夕貴も、日本代表で長年活躍するフォワード。身長183cmのサイズを活かしたインサイドとアウトサイドの両面でのプレーに定評があります。その他、林咲希、赤木里帆、藤本愛妃らが主力としてチームを支えています。

2024-25シーズン総括|圧巻の強さで王者奪還


2024-25シーズン、富士通レッドウェーブは23勝5敗という圧倒的な成績でレギュラーシーズン1位を獲得。プレーオフでも激戦の末にファイナルで3勝2敗と勝ち切り、2年連続でWリーグ制覇。さらに皇后杯でも頂点に立ち、2007年以来の2冠達成を果たしました。

このシーズンの成功は、チーム戦術の深化とベテラン・若手の融合、そして安定した指導体制によるものと評価されています。

GL3x3視点での注目ポイント|3×3バスケとの親和性

GL3x3として注目すべき点は、富士通レッドウェーブの選手たちが3×3バスケにも適応可能なスキルセットを持っていることです。例えば町田瑠唯のピック&ロール処理、林咲希の外角シュート、宮澤夕貴のフィジカルな1on1など、すべてが3×3の戦術的トレンドにマッチしています。

今後、GL3x3とのコラボや代表候補としての選出も視野に入れられる選手層の厚さは、女子3×3バスケの未来を担う存在と言えるでしょう。

地域貢献とマスコット文化|「レッディ」とともに歩む未来


富士通レッドウェーブは、2004年より川崎市の「ホームタウンスポーツ推進パートナー」に認定され、地域密着型のクラブ活動を積極的に展開。ホームゲームへの市民招待やバスケットボールクリニックの開催など、スポーツによるまちづくりを実践しています。

また、マスコットキャラクター「レッディ」は海鷲をモチーフにしたチームの象徴で、「Red」と「Ready To Go」の2つの意味を兼ねています。地域との一体感を強調するこのスタイルは、他のクラブのロールモデルともなっています。

今後の展望|日本女子バスケの未来を担う存在へ

3×3が五輪正式種目となり、国内リーグや育成年代の動きも活発化する中、富士通レッドウェーブが果たす役割はさらに大きくなっていくと見られます。

選手層の厚さ、指導体制の安定、地域とのつながり──この3要素を軸に、Wリーグだけでなく、3×3や国際舞台でも注目される存在であり続けることは間違いありません。

今後もその動向から目が離せません。

「FUz HOKKAIDO.EXE」北海道発の3×3プロクラブ──地域密着と世界挑戦を両立するバスケ集団の現在地


チーム名:FUZ HOKKAIDO.EXE
ヨミ:フーズ ホッカイドウ エグゼ
本拠地:岩見沢市・札幌市・北広島市をはじめとする北海道全域
チームカラー:黒

北海道唯一の3×3プロクラブ「FUz HOKKAIDO.EXE」とは


北海道岩見沢市で産声を上げ、現在は札幌市・北広島市など道内各地に活動の拠点を広げる「FUz HOKKAIDO.EXE」。3人制バスケットボール専門のプロクラブとして、北海道から全国、そして世界へ挑戦を続けているチームである。

クラブのモットーは「すべては、“ワクワク”する未来のために。」。競技の普及と地域の活性化を両立するビジョンのもと、FIBA公認の3×3リーグ「3×3.EXE PREMIER」へは2022年から参戦しており、北海道を代表する3×3クラブとして着実に存在感を高めている。

運営会社と地域とのつながり

クラブの運営母体は「合同会社FU(FU LLC.)」で、2021年4月8日に設立。代表は田尻洋輔氏、副代表に松重宏和氏が名を連ねる。所在地は札幌市北区であり、チームの活動は北海道全域に広がっている。クラブとしてのミッションは単なる競技成績の向上にとどまらず、地域の青少年育成、スポーツ文化の発信、地域密着型イベントの開催など、多角的な視点で展開されている。

注目の登録選手たち


FUz HOKKAIDO.EXEの強みの一つは、幅広い年齢層とバックグラウンドを持つ選手陣の構成である。2025シーズン登録メンバーの一部を紹介しよう。

  • #0 木村 優斗:196cm・94kgの長身フォワード。東海大札幌から白鷗大学を経て、現在はブロックショットを武器に守備の要として活躍。
  • #32 田口 凛:180cm・76kgのシューター。仙台出身で室蘭とも縁が深く、新潟アルビレックスや江別ワイルドボアーズなどの経験を持つ。
  • #14 福田 真生:192.5cm・89kgのベテランシューター。青山学院大卒でプロ複数クラブを経験し、2ポイントシュートに秀でたプレーが持ち味。
  • #91 田中 翼:190cm・80kgの若手プレーヤー。帯広三条高校、小樽商科大学と地元で経験を積み、ドライブでディフェンスを切り崩す。
  • #77 堂薗 響:176cm・79kgと小柄ながらスピードとドライブで違いを作れるガード。東海大学札幌キャンパスで研鑽を積んだ。

このように、経験豊富な選手から若手までバランスの取れたロスターが魅力であり、地元出身者の活躍は地域ファンからの支持にもつながっている。

クラブの戦績と成長の軌跡

2025シーズンにおけるFUz HOKKAIDO.EXEの注目ポイントは、ラウンド4(八戸開催)での初勝利にある。Pool CではTRYHOOP OKAYAMA.EXEを18–14で下し、シーズン初白星を記録。続くSHONAN SEASIDE.EXE戦では惜しくも延長戦で敗退したものの、戦術面とチームの結束が確実に強化されたことを示す大会となった。

また、ラウンド5(札幌開催)ではホームアドバンテージの中、男子12チーム・女子3チームが参戦する大規模イベントとして地域に根差した大会運営も行った。グループステージでは惜しくも敗退となったが、平均14.7得点という攻撃力や、1P成功率50%のYosuke Tajiriの活躍は、着実な進歩を物語っている。

地域に根ざした育成と2032年構想


FUz HOKKAIDO.EXEは、競技活動のみに留まらず、育成事業にも力を注いでいる。北海道教育大学岩見沢校との連携や、子どものためのスポーツ教育メソッド「バルシューレ」の導入など、3×3を通じた未来人材の発掘・育成に注力。目標は明確に「2032年オリンピックでの金メダル獲得」を掲げており、地域発の才能が世界を舞台に活躍するシナリオを本気で描いている。

また、クリニックやスクール事業、グッズ制作、スポーツイベント運営など、多角的に地域との接点を増やしており、単なるスポーツチームではなく「北海道の象徴」となることを目指すクラブ像が垣間見える。

メディア・SNS発信とファンとの関係構築

FUz HOKKAIDO.EXEは、情報発信力の高さでも注目されている。公式サイトを中心に、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS、さらにはPR TIMESなどのプレスリリースを活用し、クラブの動向や試合結果、選手の素顔などを積極的に発信。ファンとの距離を近づける施策も重視しており、今後のスタジアム集客やクラウドファンディング展開への布石ともなっている。

今後の展望と3×3界でのポジショニング

FUz HOKKAIDO.EXEの今後の焦点は、リーグ内での競技力向上と、FIBA 3×3 World Tourへの参入である。北海道でのWorld Tour開催を視野に入れた国際戦略は、地域にとっても経済効果やスポーツ文化振興という波及的メリットが期待される。

また、チーム強化においては、若手選手の成長を促しつつ、競技者としてのスキル向上に加え、観客を魅了するプレースタイルの確立も鍵を握る。

まとめ:北海道から世界へ──FUz HOKKAIDO.EXEの挑戦

FUz HOKKAIDO.EXEは、北海道という広大な土地を背景に、3×3バスケットボールの普及・強化・地域活性化を軸に据えた戦略的なクラブ運営を実践している。地域密着型の育成、透明な情報発信、多様なバックグラウンドの選手構成など、多くの要素が絡み合いながら「世界で戦う北海道発のクラブ」への道を着実に歩んでいる。

その挑戦は、北海道の子どもたちに夢を与えるだけでなく、日本の3×3シーン全体を活性化する存在として、今後さらに注目されていくに違いない。

【金沢武士団】B3リーグの激動を生き抜くクラブの現在地と未来像を徹底解説

金沢武士団とは──石川県に根ざす“武士道”クラブの象徴


金沢武士団(かなざわサムライズ)は、石川県金沢市をホームタウンとするB.LEAGUEのB3リーグ所属クラブです。運営は「北陸スポーツ振興協議会株式会社」。創設は2015年と比較的新しく、クラブ名は「金沢」「武士」「団」とすべて漢字で構成される珍しいネーミングが話題を呼びました。

このネーミングは、加賀藩の歴史的背景と地元文化を重視したものであり、「武士道」や「サムライ精神」をスポーツに落とし込むというメッセージが込められています。

チームカラーは「サムライズイエロー」と「サムライズブラック」。マスコットキャラクターは前田利家にちなんだ“黒い柴犬”の「ライゾウ」。金沢らしい武士文化の融合は、Bリーグの中でも特に際立った存在感を放っています。

クラブ設立の背景とB2昇格までの急成長

金沢武士団は、bjリーグ最後のエクスパンション(2015–16)で参入し、初年度から27勝を挙げてプレーオフ進出に成功。B.LEAGUE統合後はB3リーグに参加し、2016-17シーズンにはレギュラーシーズンで圧倒的な29勝3敗を記録して初代王者となります。

この活躍が評価され、2017-18シーズンからはB2リーグへの昇格が正式に決定。当初は観客動員やグッズ販売も好調で、石川県内外から多くの注目を集めました。

経営難によるB3降格──ライセンス失効の現実

順風満帆に見えた金沢武士団ですが、2018-19シーズンには経営赤字が深刻化。3期連続赤字というB.LEAGUEのライセンス基準に抵触し、成績にかかわらずB2ライセンスが不交付となりました。

この影響でクラブはB3リーグに降格。選手・スタッフの大量退団や、年俸総額を2500万円に抑えるコストカット策が実施され、苦難の再出発を余儀なくされました。B2時代の年俸は1億円規模だったため、実に4分の1以下まで縮小されたことになります。

地域密着型へと舵を切った“七尾シフト”

2022年、クラブは戦略転換を図り、本拠を金沢市から石川県七尾市へと事実上移行。七尾市との「サポートタウン協定」を結ぶとともに、練習施設や事務所も段階的に移転しました。

この背景には、金沢市内での練習拠点確保が困難になったこと、また地域密着型クラブとしての生き残りを模索する姿勢があります。七尾市は地元住民の支援も厚く、ホームゲームの盛り上がりに貢献しています。

国際支援のモデルケース──ウクライナ選手の受け入れ


2022年8月、金沢武士団はウクライナからの避難民3選手(アンティボ、ボヤルキム、ティトブ)を受け入れ、話題を呼びました。この取り組みは日本財団および七尾市の協力のもと実現。

特にPGイホール・ボヤルキムは、後にB1・アルバルク東京でも短期プレーし、B1レベルでも十分通用する実力を示しました。クラブにとっても社会貢献と戦力強化を両立する大きな成功事例となっています。

令和6年能登半島地震──クラブを襲った最大の危機

2024年1月1日、石川県を襲った能登半島地震は、金沢武士団に深刻な影響を与えました。拠点である七尾市の田鶴浜体育館は避難所となり、選手寮も被災。クラブは一時活動休止を余儀なくされ、1月に予定されていた試合はすべて中止。

しかし、クラブは地域と連携しながら再起を図り、2月にはアウェー戦から復帰。岐阜スゥープスとの一戦では「Wホームゲーム」と銘打ち、岐阜側の支援を得て金沢の応援スタイルで演出されました。

さらに、豊田合成スコーピオンズとの協力により、愛知県でチャリティマッチを開催。3月には代々木第二体育館で「金沢武士団in東京」イベントも行い、逆境を力に変えるクラブの姿勢が全国のファンに感動を与えました。

2024-25ロスターと注目選手


新たに松藤貴秋HCを迎えた2024-25シーズン。ロスターは以下のようにバランス良く構成されています:

田中翔大(SG):クラブの精神的支柱で主将。
花田唯翔(PG):若きフロアリーダー。ドライブ力が魅力。
ペトロフ(C):2m超のウクライナ出身センター。インサイドの要。
スティーブン・グリーン(SF):攻守に万能型のベテラン。
ソンスーヤオ(C):台湾出身のアジア特別枠選手。

選手構成は、若手主体ながら国際色豊かで、B3内でも際立った個性を持っています。戦術面では、スモールラインナップとスイッチディフェンスの導入が注目されます。

B3全体の動向と金沢の立ち位置

B3リーグは現在、全国から20チーム前後が参加し、地域密着型のクラブが多数を占めています。中でも金沢武士団は、支援型興行や災害復興マッチの開催など、単なる勝敗だけにとどまらない価値を提供しています。

また、観客動員やスポンサー集めにも苦戦する地方クラブが多い中で、金沢はユニフォームスポンサー13社、地元企業とのタイアップ施策など、堅実な運営姿勢も評価されています。

GL3x3や今後の展望──3人制バスケとの親和性

今後注目したいのは、3×3や「GL3x3」との連携です。金沢武士団はロスターの選手層が厚く、短期契約選手も多いため、3人制バスケとの親和性が高いクラブといえます。

– 夏季休暇を利用した3×3トライアルマッチの実施
– 七尾市内での3×3ユースイベントの共催
– 地元商店街や観光地と連携したストリートバスケイベントの展開

など、GL3x3側からのアプローチに対しても積極的な姿勢を見せれば、B3クラブの新たなビジネスモデルとなる可能性があります。

まとめ:逆境を“力”に変えるクラブの未来に期待

金沢武士団は、華々しい成績こそないものの、創設からわずか10年で「地域密着」「国際支援」「復興活動」と多くのストーリーを生み出してきました。

能登地震を乗り越えた2025年以降、クラブは真の意味で“武士道”を体現する存在へと変貌を遂げつつあります。GL3x3をはじめとした新たなリーグ・コミュニティとの連携も視野に、地域の希望となる存在として走り続ける金沢武士団に、今後も目が離せません。

【新潟アルビレックスBB】地方密着型クラブの歴史と現在地を徹底解説

新潟アルビレックスBBとは?|地方発プロクラブの先駆者


新潟アルビレックスBBは、2000年に誕生した新潟県を本拠とするプロバスケットボールクラブであり、Bリーグに所属するチームの中でも、地域密着を強く掲げてきた先駆的存在だ。通称「アルビBB」。2025年現在はB3リーグに籍を置くが、かつてはbjリーグの強豪として名を馳せた歴史を持つ。

長岡市の「アオーレ長岡」を本拠地とする点も象徴的で、行政施設とスポーツアリーナが一体となった施設は全国的にも珍しく、地域連携の成功例とされている。クラブカラーはオレンジ。地域に根差した活動と、「地域共生型クラブモデル」の確立を志向してきた。

創設からの歩み|JBLからbjリーグへ転換

クラブは当初「新潟アルビレオBB」の名称で活動を開始し、ジャパン・バスケットボールリーグ(JBL)に参戦。2000年代初頭の日本バスケットボール界において、プロ化の波に先んじて動いたクラブの一つである。

2005年、bjリーグ創設に伴って新リーグへと転籍。このとき、「新潟アルビレックスBB」として再スタートを切った。bjリーグ開幕戦では、まさに新潟がその第一試合の舞台を務め、日本のプロバスケの夜明けを飾った。

なお、初年度である2005-06シーズンにはプレーオフに進出。決勝まで勝ち進んだが、大阪エヴェッサに敗れ**準優勝**に終わった。それでも、地方都市のチームが全国を相手にファイナルへ駒を進めた意義は大きく、「地方でも戦える」という前例を作る存在となった。

bjリーグ時代の黄金期|勝利と動員を両立

bjリーグ初期の新潟アルビレックスBBは、勝率の高いシーズンを重ねるとともに、平均観客動員数でも常に上位に位置していた。特にホームのアオーレ長岡では、熱狂的なブースターの声援がチームの推進力となり、地方都市でありながら首都圏クラブに引けを取らない人気を維持した。

柏木真介(のちにシーホース三河などで活躍)、池田雄一(チーム最長在籍記録保持者)、外国籍選手ジェフ・ニュートンやマット・ギャリソンなど、多彩なタレントが名を連ねていた時代であり、戦力とスタイルのバランスも整っていた。

さらに、韓国や中国のチームとの国際親善試合も積極的に実施し、海外との接点を持つことで地域のバスケットボール熱を広げていた点も高く評価された。

Bリーグ移行と苦難の時代|B3への降格

2016年にbjリーグとNBLが統合されて誕生した「Bリーグ」では、新潟はB1クラブとして参加。初年度から中位の成績を残し、プレーオフ出場も果たしたが、2020年代に入ると急激なチーム力の低下と経営面の不安が表面化する。

2022-23シーズンには成績が伸び悩み、B2へと降格。さらに2023-24シーズンではB3リーグへと転落し、かつての強豪チームは再建のフェーズへと突入した。B1・B2での戦いから一転、B3の舞台では「勝利以上に地元と共に成長する姿勢」が求められる。

アオーレ長岡の存在|クラブと地域の象徴


長岡市の中心部に位置するアオーレ長岡は、市役所と一体型の複合施設であり、新潟アルビレックスBBのホームコートとしても知られる。観客席が選手との距離感を近く保つ設計になっており、臨場感の高い試合空間を演出。

B3所属となった今でも、アオーレ長岡での試合には多くのブースターが駆けつける。Bリーグ随一の「市民とともにあるホームアリーナ」として、アリーナモデルのロールモデル的存在とされる。

下部組織と女子チーム新潟アルビレックスBBラビッツ|育成と多様性の両立


新潟アルビレックスBBは、アンダーカテゴリーの育成にも力を入れている。U12、U15、U18の各ユースチームに加え、スクール事業も展開。県内各地でバスケットボールクリニックや学校訪問を実施しており、地元の子どもたちに夢を与える存在でもある。

また、女子チーム「新潟アルビレックスBBラビッツ」も存在。Wリーグに所属し、トップリーグで奮闘中。男子チームとは異なるスタイルで、県内の女子バスケットボールの発展を牽引している。

3×3展開とGL3x3との接点|エンタメ型の可能性

5人制だけでなく、近年注目を集める3×3バスケットボールにおいても、アルビレックスBBは着実な動きを見せている。地方クラブならではのフットワークの軽さを活かし、3×3大会への参加や地域イベントでのデモンストレーションも積極的に行っている。

GL3x3のようなエンターテインメント要素の強いリーグと組むことで、ブランド価値の再構築や若年層との接点拡大が可能になる。プロクラブとして、時代に合わせた新たな挑戦が期待される領域だ。

現在の注目選手とスタイル変革

2025年シーズンにおいては、若手選手の抜擢と新たな戦術トレンドが注目されている。育成型契約選手を中心としたロースター構成は、クラブにとってのリスクと可能性の両面を持つ。

特に近年は、ボールシェアリングとトランジションを重視するスタイルに舵を切っており、古き良き「オーソドックスなハーフコート中心の攻撃」からの脱却が見える。アンダーサイズながら俊敏なガード陣や、ユーティリティ型のフォワード選手が台頭中だ。

ファン・メディア・地域との関係性

SNSの活用も進化しており、X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどを通じてチームの裏側や選手の素顔を伝えるコンテンツが増えている。B1在籍時代に比べて露出が減った現在でも、ファンとのつながりを維持・強化する姿勢が評価されている。

また、地域メディアや学校との連携、長岡市との共同プロジェクトも定期的に実施されており、単なるプロスポーツクラブにとどまらない「地域社会の担い手」としての役割を果たしている。

将来展望と再興への道筋

B1返り咲きのためには、まずB2昇格が当面の目標となる。競技成績の向上はもちろんだが、それ以上に、運営基盤の強化、観客動員の回復、スポンサーシップの再構築といった「持続可能な運営モデルの確立」が求められている。

また、3×3部門の事業化、アカデミー強化、SNSマーケティングの深化といった多面的な戦略も重要となる。地方都市であっても、戦略と発信力次第で全国区のクラブへ再浮上することは可能だ。

まとめ|再びオレンジ旋風を巻き起こすために

かつてbjリーグの象徴的クラブだった新潟アルビレックスBB。現在は苦境に立たされているが、その歴史と経験は再建の強力な土台でもある。地方発クラブとして、どれだけ地域と共鳴し、バスケ文化を育んでいけるかが鍵を握る。

ブースターの声援、地域の支援、そしてチームの覚悟。それらが一体となったとき、再び「オレンジ旋風」が日本のバスケットボール界に吹き荒れる日がやってくるだろう。