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【東京ユナイテッドバスケットボールクラブ】挑戦と進化:B3からONE参入を目指す江東区の新星

東京ユナイテッドバスケットボールクラブとは?

東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(Tokyo United Basketball Club、略称:東京U / TUBC)は、東京都江東区に本拠を構えるプロバスケットボールチームで、B3リーグに所属しています。創設は2021年と比較的新しいチームながら、その勢いと注目度は急上昇中。運営母体は株式会社東京ユナイテッドバスケットボールクラブで、クラブの理念「MAKE:UNITED」に基づき、地域密着型のクラブづくりを進めています。

クラブの理念とビジョン:MAKE:UNITED

東京ユナイテッドの象徴的なスローガンである「MAKE:UNITED」は、バスケットボールを通じて「つながり」を生み出すことを目指しています。チームポーズである「ユナイテッドポーズ」は親指を立てた拳を合わせて”U”を象り、ファンとチームの一体感を象徴します。クラブ名の「ユナイテッド」には、地域、ファン、選手、スタッフを一つに結ぶという意味が込められており、新しい都市型コミュニティづくりを実践中です。

急成長の軌跡:2022年からのプレーオフ常連

東京UはB3リーグ参入1年目からプレーオフ進出を果たし、続く2023-24、2024-25シーズンも連続して上位に食い込む実力を見せています。特に2024-25シーズンは、過去最高となる43勝9敗(勝率.827)を記録し、年間2位でフィニッシュ。チームは15連勝も達成するなど、攻守ともに安定したパフォーマンスでファンを魅了しました。

ホームアリーナは有明アリーナ:観客動員数も記録更新

東京ユナイテッドのホームゲームは、有明アリーナ(最大収容人数約15,000人)で開催されています。2023年のホーム開幕戦では1試合10,358人の観客を動員し、Bリーグクラブ主管試合における最多観客数を記録。これはB1クラブの記録すら超えるものであり、B3クラブとしては異例の快挙でした。

選手構成と注目プレーヤー

チームはベテランと若手のバランスが取れたロースターで構成され、キャプテンの川島蓮(30歳・SG)はスティール数リーグ2位という抜群の守備力で年間ベスト5にも選出されました。また、PFアンジェロ・チョル、Cローカス・ガスティス、PFリース・ヴァーグらの外国籍選手がゴール下を支え、2025年2月にはB1の千葉ジェッツからトビンマーカス海舟が期限付きで加入するなど補強も積極的です。

新体制とヘッドコーチ:橋爪純HCの手腕

2024-25シーズンからは、新たに橋爪純ヘッドコーチが就任。過去に東京Zでヘッドコーチを務めた経験を持つ同氏は、攻守のトランジションバスケを基軸に、スピーディーかつ戦術的なチームへと再構築を進めています。若手の育成にも注力し、練習生から昇格した宮田諭(47歳・PG)など、多様なバックグラウンドを持つ選手が在籍しています。

B2ライセンス取得とBリーグ再編への対応

クラブは2024年3月、B2クラブライセンスを初めて取得。さらに、同年12月には2026-27シーズンからスタートする「B.LEAGUE ONE」参入を目指す申請を開始しました。これはB1〜B3の枠組みを再編成する新たなBリーグ構造への対応であり、TUBCがいよいよ全国区のステージへと踏み出す第一歩となります。

地域連携とユース育成:江東区発の次世代戦略

TUBCは江東区を拠点にした地域密着型の取り組みを多数展開しています。バスケットボールスクールやダンスアカデミーは新木場・有明・豊洲・江戸川区へと拡大され、2022年にはU-15のユースチームも発足。また、小学生対象の3×3大会「TUBC MEMORIAL CUP」など、次世代プレーヤーの育成にも力を入れています。

ファンを巻き込むアリーナ演出とマスコット文化

チームのマスコットキャラクター「ユナイト」は月からやってきたウサギの姿をした存在で、2023-24シーズンの「マスコットオブザイヤー」でB3リーグ1位を獲得。さらに、アリーナMC竹本タクシー氏やチアダンスチーム「UNITEDANCERS」など、観客を巻き込むエンターテイメント演出にも定評があります。

今後の展望:B.LEAGUE ONE、そしてB1へ

B3リーグでの躍進に加え、ライセンス取得・観客動員・地域活動・ユース育成と、プロクラブとしての基盤を着実に整えつつある東京ユナイテッド。2026年以降のB.LEAGUE ONE参入が実現すれば、さらなるスポンサー獲得やB1昇格の道も視野に入ってくるでしょう。日本のバスケットボール界における「都市型クラブモデル」の最先端を走る存在として、今後も注目される存在です。

まとめ:都市と人をつなぐ新時代のバスケクラブ

東京ユナイテッドバスケットボールクラブは、「都市」と「人」と「スポーツ」をつなげる存在として、日本のバスケシーンに新しい価値を提供しています。ファンに支えられ、地域に根ざしながらも全国区を目指すその姿勢は、これからのクラブ運営のロールモデルともいえるでしょう。次なる飛躍に向けて、今後の動向から目が離せません。

【さいたまブロンコス】B3の歴史あるクラブが目指す未来|変遷・成績・注目選手まとめ

さいたまブロンコスとは?B3リーグ屈指の老舗クラブ

さいたまブロンコスは、埼玉県さいたま市と所沢市を拠点とするプロバスケットボールクラブで、現在はB.LEAGUEのB3リーグに所属しています。1996年の創設以来、実業団時代からbjリーグ、B.LEAGUEと激動の時代を歩んできた老舗クラブであり、日本のプロバスケ黎明期から活動している数少ない存在でもあります。

「ブロンコス(BRONCOS)」は英語で「暴れ馬」を意味し、その名の通り、起伏に富んだチームの歴史を象徴するかのように、数多の挑戦と再建を繰り返してきました。

創設からbjリーグ参戦までの道のり

前身は1982年に結成された実業団チーム「マツダオート東京」。その後「アンフィニ東京」となり、日本リーグ2部、1部を駆け上がる実力派集団でした。しかしバブル崩壊による企業スポーツ衰退の流れを受け、1996年にクラブチーム化。「ME所沢ブロンコス」として再出発し、1998年に「所沢ブロンコス」として日本リーグに復帰します。

2000年代初頭には日本リーグ(旧JBL)で2連覇を果たすなど輝かしい成績を残し、2005年にはプロリーグ「bjリーグ」の創設メンバーとして埼玉ブロンコスが誕生します。これは日本におけるバスケットボールのプロ化の大きな転機でした。

bjリーグ時代:苦戦と栄光が交錯した10年

bjリーグ初年度の2005-06シーズンでは苦戦を強いられ、19連敗というリーグワースト記録を記録。しかしその後はデービッド・ベンワーやチャールズ・ジョンソンといった実力者の活躍で徐々に上位争いに食い込むようになります。2007-08シーズンには過去最高の21勝を記録し、あと一歩でプレーオフ進出を逃すという惜しいシーズンとなりました。

一方で、外国籍選手の入れ替えや監督交代が頻発したこともあり、チームの安定には苦しみ続けました。2011-12シーズンにはbjリーグ史上初の女性ヘッドコーチ(ナタリー・ナカセ)を起用し、メディアから注目を集めたものの、成績は振るいませんでした。

B.LEAGUE発足と新たなチャレンジ

bjリーグとNBLの統合により2016年にB.LEAGUEが発足。さいたまブロンコスはB3リーグに所属し、下部リーグからの再スタートを切ります。成績は年々改善傾向にあり、2022-23シーズンには43勝9敗、勝率.827でリーグ2位という快挙を成し遂げました。プレーオフ準決勝では惜しくも敗退しB2昇格は逃しましたが、チーム力の大幅な向上を証明しました。

2024-25シーズン:巻き返しを狙う注目の布陣

4年目となる泉秀岳HC体制の下、新たな補強が注目を集めています。注目選手には、圧倒的なリバウンド力を誇るライアン・ワトキンス(2022-23で平均12.23本/試合)、Bリーグ経験豊富な松井啓十郎、アジア枠で加入したモーゼス・モーガンなどが名を連ねます。

チームは2024年シーズン前半戦で苦戦を強いられたものの、12月には怒涛の8連勝を記録し一時は7位まで浮上。しかしPG陣の相次ぐ故障や主力選手の離脱が影響し、最終順位は12位に終わりました。

地域密着と経営再建:クラブのもう一つの挑戦

運営会社「株式会社ブロンコス20」は、2020年に設立された新法人です。代表には福田剛紀氏が就任し、地域密着型クラブとしての基盤づくりを推進してきました。近年は文化放送との業務提携、ユースチーム設立、スポンサー拡大など、経営面でも安定化の兆しを見せています。

2024年8月には、株式会社エーシークリエイトが筆頭株主となり、新たなオーナー体制がスタート。チーム名やロゴも刷新され、「さいたま」を冠することで地域との結びつきを強調しています。

過去の名選手・指導者たち

  • チャールズ・ジョンソン(元MVP)
  • アイザック・ソジャナー(2連覇時の要)
  • ジョン・ハンフリー(bjリーグ得点王)
  • デービッド・ベンワー(初代エース)

さらに、2010年のヘッドコーチ・ボブ・ナッシュ(元ハワイ大HC)や、ナタリー・ナカセ(NBAアシスタント経験)など、多彩な指導者たちがブロンコスを率いてきました。

チームの将来展望:B2昇格へ向けた次の一手

B2昇格を逃した2年を経て、2024-25シーズンはチーム再建とプレーオフ復帰が課題です。ミルコ・ビエリツァ(元アルバルク東京)や志冨田温大らの経験値が鍵を握ると見られています。

新体制の下、経営の安定と観客動員の増加、そして育成と強化を同時並行で進めることが重要です。地元ファンの支持も厚く、SNSや地域イベントでの露出も積極的に行われており、地域とともに歩むクラブとしての姿勢が光っています。

まとめ:再起を期す暴れ馬、さいたまブロンコスに注目!

さいたまブロンコスは、単なるバスケットボールチームではなく、埼玉地域の誇りであり、再建と挑戦を繰り返す「暴れ馬」です。B3での経験を糧に、再びB2、さらにはB1の舞台を目指す道のりは続きます。

GL3x3としても、3×3の領域での地域貢献やクラブ連携の可能性があり、今後の取り組みにも注目が集まることでしょう。

本記事をきっかけに、ぜひ試合会場に足を運び、熱い声援を送りましょう。

【千葉ジェッツふなばし】Bリーグ王者の歩み・強さの秘密・未来戦略を徹底解説

千葉ジェッツふなばしとは?

千葉ジェッツふなばし(Chiba Jets Funabashi)は、千葉県船橋市を拠点とするBリーグ所属のプロバスケットボールクラブで、2011年の創設以来、着実に成長を遂げてきた日本屈指の強豪チームです。国内ではB1リーグ優勝(2020-21)、天皇杯優勝5回、東アジアスーパーリーグ優勝2回と輝かしい実績を持ち、2026年からはBリーグ・プレミア(Bプレミア)参入が決定しています。

チーム創設の背景と発展の軌跡

2010年、bjリーグ参入に向けた準備委員会が立ち上げられ、翌2011年に「千葉ジェッツ」として正式にbjリーグに参加。名称には成田空港やジェット機に由来するスピード感と挑戦心が込められています。2013年にはNBLへ転籍、2016年からはBリーグ創設とともにB1東地区へと参戦しました。

千葉県全体をホームとしつつも、2016年からは船橋市を正式なホームタウンとし、船橋アリーナを本拠地として本格稼働。その後、2024年には収容人数11,000人を誇る最新鋭の新アリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」へ移転し、観客動員数・経営面でもリーグを牽引する存在へと成長しました。

注目の選手たちとリーダーたち

エースでありキャプテンの富樫勇樹は、BリーグMVPやアシスト王など多くの個人賞を受賞し、通算7000得点・2000アシスト超の記録保持者です。また、2024-25シーズンには元NBA選手・渡邊雄太が加入。彼の加入はBリーグ史上最高額と報道され、日本バスケ界に衝撃を与えました。

その他にもジョン・ムーニー(2024リバウンド王)、原修太(ベストディフェンダー賞受賞)、クリストファー・スミス(ベスト6thマン賞2回)など、タレント豊富なロースターを擁しています。

タイトル獲得と成績の推移

千葉ジェッツはこれまでB1優勝1回(2020-21)、天皇杯5回(2017, 2018, 2019, 2023, 2024)、東アジアスーパーリーグ優勝2回(2017, 2024)を誇ります。特に2022-23シーズンはレギュラーシーズン最多勝53勝、勝率.883というリーグ新記録を樹立しました。

また、2024年には海外遠征中にもかかわらず東アジアスーパーリーグと天皇杯の“2冠”を達成。BリーグCHAMPIONSHIPではSEMI FINALSまで進出するなど、年間75試合を戦い抜いた激動のシーズンとなりました。

運営と経営基盤の強さ

運営法人「株式会社千葉ジェッツふなばし」は、2017年にミクシィと資本提携。これにより新アリーナ建設、グッズ展開、SNS戦略など経営資源が充実し、2024年にはBリーグクラブ史上初の売上30億円超えを記録。スポーツビジネスの成功例としても注目されています。

エンタメ性と地域密着の取り組み

チームは地域密着の姿勢を大切にしており、社会貢献活動「JETS ASSIST」が「HEROs AWARD 2021」を受賞するなど、バスケ以外でも存在感を発揮。また、STAR JETS(チアリーダーズ)によるパフォーマンスや、マスコットキャラクター「ジャンボくん」も人気で、マスコットオブザイヤー3連覇・殿堂入りを果たしました。

ホームアリーナと観客動員記録

2024年に竣工した「LaLa arena TOKYO-BAY」は、音響・映像・ホスピタリティを追求した1万人超収容の新拠点。開幕戦では満員御礼となり、2024-25シーズンの観客動員は前年比212%増・29万5416人を記録。Bリーグ史上最高のホーム動員数となりました。

未来展望|Bプレミア参入と世界基準へ

2026年から始動するBリーグの新カテゴリ「Bプレミア」へ、千葉ジェッツは参入が決定済み。アリーナ基準・経営基盤・競技成績すべてをクリアし、真の日本バスケの象徴クラブへと進化を続けています。今後はアジア・世界での躍進も視野に入れており、渡邊雄太の加入はその象徴的存在といえるでしょう。

ジェッツの強さを支える多層的な仕組み

千葉ジェッツの強さは、トップチームの選手力だけに留まりません。ユース育成にも注力しており、U15・U18をはじめとしたアカデミーでは、全国大会でも結果を残すレベルの選手たちを輩出。将来的には自前の育成組織からトップチームの中心選手が生まれる体制づくりが進行中です。

また、広報戦略にも抜群の強さがあります。YouTubeやSNSを活用した“選手ファースト”の情報発信が高く評価され、2024年には「スポーツPRアワード優秀賞」を受賞。単なる競技だけでなく、クラブのブランド力・ファンエンゲージメントも業界の模範的存在となっています。

まとめ|なぜ千葉ジェッツは強いのか?

千葉ジェッツの強さは、卓越した選手層と戦術の成熟、そして地域との絆と経営戦略に裏付けされた持続可能なクラブ運営にあります。富樫勇樹、渡邊雄太という日本代表クラスを擁しながらも、「地域・ファン・未来」に貢献する姿勢が、ファンを惹きつけてやまない理由です。

千葉ジェッツの今後の躍進からも目が離せません。Bプレミアの象徴、そして“アジアの覇者”として、再び頂点を極める日もそう遠くはないでしょう。

【アルティーリ千葉】B1昇格の快進撃と野心的戦略――創設5年で成し遂げた挑戦の軌跡

創設5年でB1昇格――アルティーリ千葉が描く“逆転劇”のシナリオ


2020年に産声を上げたアルティーリ千葉は、わずか5年で日本最高峰のB1リーグ入りを果たした新興勢力だ。運営母体はIT企業「アトラエ」の出身者が中心となって設立した株式会社アルティーリ。企業マインドとバスケットボールの融合を体現したこのクラブは、創設当初から「5年で日本一」を掲げて快進撃を続けてきた。

ホームタウンは千葉県千葉市。ホームアリーナは千葉ポートアリーナで、収容人数は7,512人。チームカラーはブラックネイビー。クラブ名の「Altiri」はエスペラント語で「惹きつける」を意味し、観客・ファン・地域を魅了する存在を目指す。

B3参入からの道のり――1年目でB2昇格を決めた衝撃


2021-22シーズンにB3リーグに初参入。初年度から37勝7敗と圧倒的な戦績で2位に輝き、昇格決定戦でトライフープ岡山を100-69で圧倒。たった1シーズンでB2への昇格を決めた。この時の指揮官は元オーストラリア代表HCのアンドレ・レマニスで、海外スタイルを積極的に取り入れた戦術が功を奏した。

この年にはJR千葉駅・千葉みなと駅、京成千葉中央駅などの公共交通機関にラッピング広告を展開し、都市文化賞を受賞するなど地域との連携も強化された。

“B2の暴君”となったアルティーリ千葉

2022-23シーズンからはB2東地区で戦い、3年連続で東地区優勝を果たした。特に2023-24、2024-25シーズンには圧倒的な戦績を記録。2024-25は57勝3敗(勝率.950)というB2史上最高成績を叩き出し、Bリーグ史上最多勝利・最高勝率を更新した。

それでも2023年・2024年はプレーオフで越谷や長崎に敗れ、B1昇格を逃す悔しい結果に。しかし、2025年のプレーオフでは、信州ブレイブウォリアーズを2連勝で下し、ついにB1昇格を勝ち取った。

停電による“史上初”の同時優勝

2025年のB2ファイナルでは、富山グラウジーズとの第3戦が千葉ポートアリーナの停電により中止。試合の再実施は行われず、史上初の「同時優勝」としてアルティーリ千葉と富山が並び称された。この騒動の中でも冷静さを保ったクラブの姿勢と対応は評価された。

また、このシーズンのプレーオフMVPには、東海大学から特別指定で加入した若き司令塔・黒川虎徹が選ばれ、ファンの心をつかんだ。

クラブを支えたレジェンドたちの存在


アルティーリ千葉の快進撃の背景には、クラブ黎明期からチームを支えたレジェンドの存在がある。初年度から活躍した岡田優介や大塚裕土は、そのリーダーシップとプレーで若手の模範となった。大塚は37歳にしてなおチームのキャプテンを務め、3P成功率No.1を獲得するなど、年齢を感じさせないパフォーマンスで“勝てるチーム”を体現した。

また、外国籍選手でもアシュリー、ポーター、パードンらがシーズンを通して安定感のあるインサイド支配を見せ、アルティーリの攻守に厚みを加えた。

先進的なSNS戦略とファンエンゲージメント

アルティーリ千葉はスポーツビジネスとしての見地でも極めて革新的だ。InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeに加えて、自社サイトでのストーリーテリング型コンテンツや限定会員向け情報など、IT起業出身の代表・新居佳英の経営感覚が如実に表れている。

ファンの呼称「A-xx(アックス)」は、クラブの一員として共に歩む意思を表すものであり、観客を「参加者」に変えるプロセスが徹底されている。単なる観戦ではなく、価値観の共有がチーム文化を深化させているのだ。

B.LEAGUE PREMIER参入への準備と意義

2026-27シーズンからスタートするB.LEAGUE PREMIER(通称:Bプレミア)には、すでに参入が決定済み。これに向け、2024年から千葉ポートアリーナの改修工事が行われており、Bプレミア基準を満たす施設整備も着々と進んでいる。

また、ヒューリック主導で2030年開業予定の2万人規模アリーナも、単なるホームアリーナを超えた「千葉の文化中核地」として機能することが想定されており、長期的な都市価値の向上にもつながる構想である。

“赤”との共存――千葉ジェッツとの共栄圏構想

同じ千葉県を拠点とする千葉ジェッツふなばしの存在は無視できない。ジェッツは2011年創設で全国区の人気を誇るが、アルティーリはわずか5年でその背中を捉える存在に成長。

今後は両クラブが“共栄圏”として千葉県全体のバスケットボール熱を高め、自治体との連携、地域の教育・健康促進、観光資源の開発など、社会的価値を創出する動きが期待されている。

下部組織と育成ビジョン――U15・U18・特別指定枠

アルティーリ千葉は2023年にU15・U18を立ち上げ、育成にも力を入れている。トップチームには特別指定選手として若手有望株が続々と合流。黒川虎徹や渡邉伶音のように、大学バスケ界から即戦力を引き入れるスカウティング体制も整っており、継続的なチーム強化を視野に入れている。

医療面では千葉大学医学部附属病院と提携し、怪我予防・リカバリー・フィジカル強化を医療的アプローチから支援している点も特筆すべきだ。

まとめ:惹きつけ、勝ち続ける“異端の旗手”

「惹きつける」という意味のクラブ名に相応しく、アルティーリ千葉はその実力と戦略で、Bリーグに旋風を巻き起こしている。B1昇格は通過点に過ぎず、2026年から始まるBプレミアでは、真の“頂点獲り”が始まる。

地方都市クラブの理想像として、そしてファンと地域が一体となるクラブ文化の模範として、アルティーリ千葉の挑戦はこれからも注目され続けるだろう。

【越谷アルファーズ】が描くBリーグの未来図|B1昇格までの歩みと地域密着型クラブの挑戦

越谷アルファーズとは──埼玉初のプロバスケットボールチーム

越谷アルファーズ(Koshigaya Alphas)は、埼玉県越谷市を本拠地とするBリーグ所属のプロバスケットボールチームである。1997年に「大塚商会アルファーズ」として誕生し、2024-25シーズンよりB1リーグへの参入を果たした。

チーム名の「アルファーズ」は、親会社である大塚商会の製品名や企業ブランドに多く見られる「α(アルファ)」から着想を得たもの。Bリーグへの参入以降は、地域との連携や組織運営に力を注ぎながら、急速に成長を遂げている。

創設からB1昇格までの歩み──25年の歴史

創設当初は関東実業団リーグの6部からスタートしたアルファーズは、徐々に実力を蓄え、2004-05シーズンには日本リーグへ「特別推薦枠」として参戦。栃木ブレックスへ一時移籍した経験を持ちながらも、その後は地道に昇格を重ねていった。

JBL2、NBDLを経て2016年にB3.LEAGUEへ参入。2018年に運営が「フープインザフッド」に譲渡されたことで独立色が強まり、翌2019年にはB2昇格を果たす。そして2024年、ついにクラブ初のB1昇格を達成した。

昇格の原動力となった3つの要素

B1昇格の背景には、戦略的な補強、組織の再編、そして地元越谷市との強固なパートナーシップの3要素があった。

  • 戦略的補強:アイザック・バッツやジャスティン・ハーパー、井上宗一郎らB1経験豊富な選手を次々と獲得。
  • コーチング体制の整備:安齋竜三HC体制が2年目に突入。元宇都宮ブレックスHCであり、戦術構築に長けた名将の手腕が光った。
  • 地域連携と施設拡充:越谷市を中心に春日部市など複数自治体と連携し、ホームアリーナの安定確保や練習拠点「ALPHAS.HOUSE」の整備を進行。

B2ファイナルで準優勝、悲願のB1昇格へ

2023-24シーズンの越谷アルファーズは、B2東地区で45勝15敗の好成績を残し、2位でプレーオフに進出。クォーターファイナルでは熊本に2連勝し、セミファイナルでもA千葉を撃破。B2ファイナルでは滋賀に敗れたものの、成績によりB1昇格が確定した。

この快挙はクラブ史上初の快挙であり、埼玉県勢としても異例の成功例である。

運営会社と体制強化──株式会社アルファーズへの再編

2023年8月、運営法人は社名を「株式会社フープインザフッド」から「株式会社アルファーズ」へと変更。代表には上原和人が就任し、経営体制の刷新を図った。これにより、チーム運営と地域経済の結節点としての役割も明確化された。

クラブロゴ・カラーの刷新とブランディング戦略

B1参入にあたり、2024年7月からは新たなクラブロゴの使用も開始。従来のバーガンディーカラーをベースにしつつ、より明るいトーンへとリデザイン。サブカラーにはゴールドとブラックを据え、現代的な印象を強めている。

地域との連携──“まちづくり”への挑戦

アルファーズは単なるプロクラブとしてではなく、地域振興の担い手としても機能している。越谷市や春日部市と連携し、小中高生向けのアカデミー運営、3×3チーム「ALPHAS.EXE」の設立、チアチーム「アルファヴィーナス」など多面的に活動。

2024年4月には「B.プレミア」参入に向けた新アリーナ建設構想も発表され、越谷サンシティ再開発との連動も注目されている。

マスコット・アルファマンとファン文化

2019年に誕生したマスコットキャラクター「アルファマン」は、元SBAのスーパーPGという設定を持つユニークな存在。ホームゲームでは「アルファメイト」と呼ばれるファンとともに会場を盛り上げ、地域密着型クラブの象徴となっている。

初のB1シーズンと今後の展望

2024-25シーズンはB1における初年度。開幕戦から連敗が続いたが、10月19日の島根戦でB1初勝利を挙げた。その後も苦戦を強いられたが、勝利を重ねる中でファン層の拡大と経験値の蓄積が進んだ。

成績は19勝41敗で東地区6位となり、プレーオフ進出は逃したが、来季以降の基盤は整いつつある。

退団選手と新陣容への期待

シーズン終了後には、井上宗一郎、ソアレス、LJ・ピークら主力選手が退団。また、ベテランのジェフ・ギブスは現役引退を発表した。町田洋介ACの仙台移籍など、コーチ陣の交代も相次いでいる。

一方で、新加入選手の補強も続いており、2025-26シーズンの新体制には大きな期待がかかる。

まとめ:B.プレミア参入へ向けての次なる挑戦

越谷アルファーズは2026年のB.プレミア参入には至らなかったものの、クラブの方針として2029-30シーズンでの参入を明言している。そのための鍵は「財務基盤の拡充」「アリーナ建設の具体化」「競技力の安定」だ。

B1定着を目指すとともに、地域と共に進化し続けるクラブとして、これからの展開に注目が集まっている。

【群馬クレインサンダーズ】Bリーグ昇格からの快進撃、現在地とOTAアリーナを軸とした未来戦略

群馬クレインサンダーズとは:クラブ創設の背景と理念


群馬クレインサンダーズ(Gunma Crane Thunders)は、群馬県太田市を本拠地とするB.LEAGUE所属のプロバスケットボールクラブである。クラブの創設は2011年。前身はbjリーグ時代からの参入チームで、B.LEAGUE発足後も着実にステップアップを重ね、2021年にはB1昇格を果たした。クラブ名にある「クレイン(鶴)」は、群馬県の地形が鶴の姿に似ていること、「サンダー(雷)」は夏場の雷が多い県の特徴を表し、「スピード感」「エネルギッシュなプレー」の象徴として採用されている。

運営法人は「株式会社群馬プロバスケットボールコミッション」。太田市を拠点に、スポーツを通じた地域活性化、未来世代への投資、観光資源との連携を積極的に進めるなど、単なるクラブ運営にとどまらず、地域密着型の“共創ビジネス”モデルを打ち出している点が特徴的だ。

ホームタウン太田市への移転と「OTAアリーナ」完成の意味

2021-22シーズンから、クラブのホームタウンは群馬県前橋市から太田市へと移転された。この背景には、将来的な「Bリーグプレミア(B.PREMIER)」入りを見据えた戦略がある。新アリーナ建設の計画が進んでいた太田市には、リーグの施設基準(観客席数5000席以上)を満たす「オープンハウスアリーナ太田(旧称:OTA ARENA)」が2023年春に完成。親会社であるオープンハウスグループの地方創生支援制度を活用し、行政と民間のパートナーシップにより建設が実現した。

移転理由は単なる施設面の充足ではない。新アリーナを軸に、地元自治体と連携した“まちづくり”が本格化。郵便ポストのカラー変更やナンバープレートのコラボデザインなど、太田市内にはサンダーズ色が浸透しつつある。クラブ側も早期の移転を「新アリーナを満員にするための助走期間」と捉え、地域密着型活動を展開している。

B2からB1へ、そしてBプレミアを見据えた成長戦略

群馬クレインサンダーズは、2020-21シーズンのB2で圧巻の52勝5敗という成績を収め、東地区優勝およびプレーオフ制覇を達成。B1昇格を果たすと、初年度の2021-22シーズンではB1昇格組最多の25勝を挙げて健闘した。以降、クラブは着実に戦力補強と経営強化を続け、2023-24シーズンには31勝29敗とB1で初の勝ち越しを記録。これはチームにとって重要なマイルストーンであり、着実にプレミア基準の「成績」「観客動員」「収益」を追いかける姿勢がうかがえる。

Bプレミア参入には、「平均観客3000人以上」「売上9億円以上」「アリーナ基準クリア」などの厳格な審査があるが、群馬はすでに多くの条件をクリア済み。地域のバックアップと経営資本を武器に、Bリーグの新たな勢力図を塗り替える存在として注目されている。

2025-26シーズンのロスター構成と注目選手


2025-26シーズンの群馬ロースターは、実力派と将来有望な若手のバランスが取れた構成となっている。藤井祐眞(PG)、辻直人(SG)、八村阿蓮(SF/PF)、トレイ・ジョーンズ(SF)といった経験豊富な選手に加え、ケーレブ・ターズースキー(C)、ヨハネス・ティーマン(PF)といった高さと機動力を備えた外国籍選手が強みとなる。

注目は、43歳で今なお現役を続ける“鉄人”マイケル・パーカー。帰化選手としてインサイドを支えつつ、リーダーシップでも若手に好影響を与えている。また、コー・フリッピンや細川一輝らエネルギッシュなウィング陣がチームの推進力を担う存在として光る。

新指揮官には、前広島HCでBリーグ優勝経験を持つカイル・ミリングが就任。アシスタントコーチには横浜BC元HCの青木勇人が加わり、戦術面のバリエーションが広がった。

運営法人・経営指標から見るクラブの地力

クラブの運営を担う「株式会社群馬プロバスケットボールコミッション」は、2023年6月期において15.9億円の売上を計上。営業利益1.65億円、純利益は8512万円と堅調な黒字経営を維持している。資本金は9900万円で、親会社は東証プライム上場企業のオープンハウスグループ。経営母体が安定していることは、アリーナ投資や選手補強にも直結する強みだ。

今後は“自治体×民間×クラブ”の三位一体型経営が、さらに可視化されていくことが期待されている。

太田市との連携と“地域密着”の深まり

群馬クレインサンダーズの強みは、地域行政との連携力にある。2020年には太田市と包括連携協定を締結し、地域活性化の起爆剤としての役割を明確に位置づけた。これにより、アリーナ周辺のインフラ整備や商業施設との連携、観光コンテンツとのコラボなど、行政と一体となった施策が次々と進行中だ。

「街にチームがある」ではなく、「チームが街をつくる」というレベルに進化している稀有な存在であり、Bリーグ全体のモデルケースとしても注目されている。

今後の展望──Bプレミア入りとその先へ


2026年から始まるB.PREMIER構想において、群馬クレインサンダーズは有力な参入候補のひとつであることは間違いない。施設・成績・経営・地域連携の4点においてハイレベルな基準を満たしつつあり、残るは「ブランド価値」と「コンテンツ力」の強化だ。

今後は、試合以外のエンタメ要素、SNS施策、グッズ戦略、スクールやジュニア世代の育成強化などが鍵となる。クラブの歴史は浅いが、そのぶん柔軟性とスピードを備えており、“最も成長するクラブ”としてのポテンシャルは群を抜いている。

Bプレミア入り、そしてBリーグの未来を牽引するクラブとして、群馬クレインサンダーズの挑戦はこれからが本番だ。

【宇都宮ブレックス】Bリーグ最多優勝の名門が築いた歴史と強さの秘密

宇都宮ブレックスとは?Bリーグの象徴的存在へ

宇都宮ブレックスは、栃木県宇都宮市に本拠を構えるプロバスケットボールチームで、B.LEAGUEのB1東地区に所属しています。創設は2007年で、当初は「栃木ブレックス」として活動を開始。2019年から現在の「宇都宮ブレックス」に名称変更されました。

特徴的なのは、3度のB1リーグ優勝(2016-17、2021-22、2024-25)を誇り、2025年にはアジア最高峰のクラブ大会「BCLアジア」でも優勝を成し遂げた点です。クラブとしての完成度と勝負強さ、地域密着型の運営、そして「BREAK THROUGH」の理念が融合し、日本のバスケットボール界において最も成功したクラブの一つとされています。

クラブの理念とチーム名の由来:「BREX」に込められた想い

チーム名「BREX」は、“BREAK THROUGH”と“REX(ラテン語で王)”を組み合わせた造語です。これは「現状を打破し、バスケ界の王者を目指す」という強い意志を象徴しています。またチームカラーであるネイビーとイエローは、インディアナ・ペイサーズをリスペクトして選ばれており、NBAに学びながら日本のバスケに革新をもたらす姿勢が感じられます。

B.LEAGUE最多優勝クラブへの軌跡

2007年にJBL2へ参入したブレックスは、初年度で早くも優勝。翌年にはJBL昇格を果たし、2009-10シーズンには当時のJBLで初優勝を成し遂げました。その後もリーグ再編を経て、2016年にB.LEAGUEが発足すると、トーマス・ウィスマンHCのもと初代チャンピオンに。2021-22、2024-25にも栄冠を手にし、B1優勝回数でトップに立っています。

2024-25シーズンは、レギュラーシーズンで48勝12敗の堂々たる成績を残し、悲劇的なブラスウェルHCの急逝を乗り越えてチャンピオンに返り咲きました。

主力選手と注目の戦力構成(2025年現在)

2025年現在の宇都宮ブレックスは、ベテランから若手までバランスの取れたロスターを構築しています。MVPを2年連続受賞したD・J・ニュービルは攻守で絶対的なエースであり、日本代表経験もある比江島慎、司令塔・田臥勇太、堅実なガード鵤誠司らがチームの中核を成しています。

また、帰化選手として活躍するギャビン・エドワーズ、3ポイントシュートに定評のある村岸航、若手有望株の石川裕大や星川開聖といった将来性のある選手も揃っています。

地域密着と育成の強化:U15・U18・バスケ普及活動

宇都宮ブレックスの特徴は競技成績だけでなく、地域との関わりや育成面にもあります。U15・U18チームを設立し、地元選手の育成に注力。「BREX SMILE ACTION」や「キッズモチベーション・プロジェクト」などを通じて、小学校訪問やバスケ教室なども積極的に展開しています。

ブレックスアリーナ宇都宮では試合以外にも地域イベントが多く開催され、地元に根差した活動がクラブへの厚い支持を支えています。

3×3チーム「UTSUNOMIYA BREX.EXE」の存在

宇都宮ブレックスは5人制だけでなく、3×3バスケットボールにも参入。「UTSUNOMIYA BREX.EXE」として2015-16シーズンから活動を開始し、3×3.EXE PREMIERにも参戦しています。Bリーグの人気とノウハウを生かしたこの3×3チームは、GL3x3とも関連が深く、若手育成の場としても注目されています。

クラブを支える運営体制と収支の安定性

運営会社「株式会社栃木ブレックス」は、バスケットボール専門の経営体制を整えており、2021年度の売上は12億円を超える規模に成長。地域企業との連携も深く、ユニフォームスポンサーには栃木銀行やニチガスなどが名を連ねています。

この安定した経営基盤は、選手獲得、施設整備、地域活動のすべてを支える重要な土台となっています。

ブラスウェル前HCの遺志と新体制への展望

2024-25シーズン途中で急逝したケビン・ブラスウェルHCの後を受け、ジーコ・コロネルACがHC代行として指揮を執り、チームは逆境を乗り越えて優勝を果たしました。彼の采配とチームの団結力は多くのファンに感動を与えました。

今後はコロネル体制の下、さらなる戦力補強や若手起用が進むと予想され、BリーグとBCLアジアの二冠を超える“三冠”も視野に入るシーズンとなりそうです。

ファンとの絆とメディア露出

宇都宮ブレックスは地元テレビ局「とちぎテレビ」や「バスケットLIVE」を通じたメディア露出も多く、試合の放送・配信によってファン層を着実に拡大しています。また、チームマスコット「ブレッキー」や「ベリーちゃん」、公式チア「BREXY」など、エンタメ性を重視したファンイベントも人気です。

まとめ:宇都宮ブレックスの今後に注目!

B.LEAGUEを代表するクラブとして、その実績と地域貢献、育成への情熱を兼ね備えた宇都宮ブレックス。今後のBプレミア構想やアジア展開の中でも、その存在感はますます大きくなるでしょう。

「BREAK THROUGH」の理念のもと、次なるブレイクスルーに向けて走り続ける宇都宮ブレックスの戦いから、今後も目が離せません。

【茨城ロボッツ】Bリーグ昇格の軌跡と今後の展望を徹底解説

茨城ロボッツの誕生とチーム名の由来

茨城ロボッツは、2013年に創設されたプロバスケットボールチームで、現在はBリーグB1東地区に所属しています。本拠地は茨城県水戸市。チーム名「ロボッツ(Robots)」は、科学技術の拠点として知られるつくば市が「ロボットの街」と呼ばれていることに由来しています。

創設当初は「つくばロボッツ」としてスタート。その後スポンサー企業の関係で名称変更を重ね、「サイバーダイン茨城ロボッツ」などを経て、2019年からは「茨城ロボッツ」の名称で活動しています。

運営体制とホームタウン戦略

チームの運営は株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメントが担っており、オーナーは実業家の堀義人氏。資本金は5000万円、主要株主はグロービス株式会社です。ホームタウンは水戸市、マザータウンには那珂市・つくば市・日立市、フレンドリータウンとして神栖市・牛久市を設定し、地域密着型のクラブ運営を行っています。

ホームアリーナである「アダストリアみとアリーナ」は収容人数5000人を誇り、B1ライセンスの基準を満たしています。

Bリーグ参入前後の軌跡

2013-14シーズンにナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)へ参戦し、以後、度重なる運営会社変更や財政難にも直面しながら、茨城ロボッツは一歩ずつ成長してきました。

2016年、NBLとbjリーグの統合によって発足したBリーグではB2東地区に所属。初年度から成績を着実に伸ばし、2020-21シーズンにプレーオフを勝ち抜いて、悲願のB1昇格を果たしました。

B1での挑戦と苦戦

B1初年度となった2021-22シーズンは苦戦が続き、最終成績は16勝38敗で東地区10位。ただし、地元アリーナでの熱烈な応援や、B1経験豊富な選手の獲得により、クラブは戦う姿勢を崩しませんでした。

2022-23シーズンは前年度よりも7勝多い23勝を挙げて6位に浮上。2023-24シーズンは苦難の連続であったものの、2月以降の巻き返しにより12勝をあげ、B1残留を決定。2024-25シーズンも15勝を記録し、クラブの粘り強さが光るシーズンとなりました。

主力選手と注目のロースター

2025-26シーズンのロースターには、キャプテンの平尾充庸、長谷川暢らベテランPG陣の他、アメリカ出身のロバート・フランクス

注目は新戦力のタイラー・クック(元NBA経験あり)や、若手成長株の陳岡流羽。彼らがシーズンを通じてどのように融合するやエリック・ジェイコブセンといった外国籍選手も名を連ねます。

かが、今季の鍵を握るでしょう。

コーチング体制の変遷と現在

近年のコーチング体制には大きな変動がありました。2023-24シーズン途中にはクリス・ホルムがHCに昇格し、翌シーズンも続投。経験豊富な井堀真緒や東島奨らとともに、堅実な育成・戦術面での改革が進められています。

また、前社長の西村大介氏がGMを兼務していた時期を経て、2025年には川﨑篤之氏が新社長として就任し、新体制のもとでクラブ運営の再構築を進行中です。

地域との連携とブランディング戦略

茨城ロボッツは単なるバスケットボールチームにとどまらず、地域活性化の中核的存在を目指しています。「いばらきブルー」と「つくばオレンジ」というシンボリックなチームカラーを軸に、地域企業とのコラボ、地元学校や行政との連携イベントなどを積極的に展開。

マスコットキャラクター「ロボスケ」は、ロボットと水戸黄門の「助さん」を組み合わせたユニークな存在。チアダンスチーム「RDT」も観客を魅了し、ホームゲームの盛り上げ役となっています。

ファン・メディアの反応と将来の展望

昇格後の数シーズンで苦しみながらも着実にステップを踏み、ロボッツはB1での地位を確実に築きつつあります。SNSやYouTubeチャンネル「ROBOTS TV」も活用し、ファンとの距離感を縮めるデジタル戦略が奏功。

2025年の段階では平均観客動員こそ伸び悩むものの、若年層ファンや家族連れをターゲットにしたマーケティング展開が進行中。アダストリアみとアリーナを中核とした地域振興とバスケ文化の根付きを期待する声も高まっています。

まとめ:挑戦を続ける地方クラブの希望

茨城ロボッツの歩みは、苦境を力に変え、地域とともに成長する地方クラブの可能性を象徴しています。B1定着に向けた戦力補強と育成、ファンとの接点強化によって、今後さらに魅力あるクラブへと進化していくことでしょう。

これからも「ロボッツ旋風」が茨城から全国へ、そして世界へと広がっていく未来に注目です。

【秋田ノーザンハピネッツ】Bリーグ屈指の熱狂を誇るクラブの魅力と歴史を徹底解説!

秋田ノーザンハピネッツとは?—東北の誇る熱狂のバスケクラブ


秋田ノーザンハピネッツ(Akita Northern Happinets)は、秋田県秋田市を拠点とするB.LEAGUE(Bリーグ)所属のプロバスケットボールクラブであり、B1東地区に名を連ねています。2009年に創設された同クラブは、bjリーグ時代からの伝統と、地域に根差した運営スタイル、そして“ブースター”と呼ばれる熱狂的なファン文化で知られています。

この記事では、秋田ノーザンハピネッツの創設背景、チームカラーや象徴、本拠地アリーナ、成績、注目選手、そして未来展望まで、全方位的に解説していきます。

創設の背景とbjリーグからBリーグへの歩み

秋田ノーザンハピネッツは、2009年にbjリーグ参入を目的として発足。東北地方初のプロバスケットボールクラブとして注目を集め、当初から地元経済界・行政との連携を重視した運営体制が敷かれてきました。

bjリーグでは、参入初年度から観客動員数が全国トップクラスを記録。熱狂的なブースター文化を土台に、クラブとしての一体感と存在感を高めていきます。2016年、B.LEAGUE発足とともにB2からのスタートとなった秋田は、2017-18シーズンにB2チャンピオンとなり、翌2018-19シーズンからはB1昇格を果たしました。

チームカラーとクラブの象徴

秋田ノーザンハピネッツのチームカラーは鮮やかな“ハピネッツピンク”。他クラブでは見られない独自性と視認性を兼ね備え、ホームゲーム会場では観客の多くがピンクのTシャツを着用し、アリーナが“ピンク色の海”に包まれる光景は秋田の風物詩とも言えます。

また、クラブ名の「ハピネッツ」は“幸福(happiness)”から派生した造語であり、「北の幸せを届ける存在になりたい」という願いが込められています。

ホームアリーナ:CNAアリーナ★あきた(秋田市立体育館)

ホームアリーナは「CNAアリーナ★あきた(旧・秋田市立体育館)」。最大収容人数は5,000人規模で、地域最大級の屋内スポーツ施設として知られています。

秋田ノーザンハピネッツの試合時には、照明・音響・演出が組み合わさり、Bリーグでも屈指の“圧”を感じるアリーナ空間が生まれます。試合前には地元の太鼓チームが演奏を行うなど、地域色豊かな演出も多く、遠征ファンからも「一度は行ってみたいアリーナ」として高評価を得ています。

運営法人とクラブの体制:地域密着経営のロールモデル

運営法人は株式会社ノーザンハピネッツ。クラブ代表の水野勇気氏を中心に、行政や地域企業との連携を強めながら、安定した経営と地域貢献を両立させています。

地域密着型クラブとして、年間を通じて学校訪問・バスケットボール教室・チャリティイベントなどを多数開催。また、地方創生や観光との連動企画も積極的に行っており、スポーツを起点にした地域活性の成功例として他地域からも注目されています。

前田顕蔵HC体制と戦術的アプローチ


2025年現在のヘッドコーチは前田顕蔵氏。2017年からチームの指揮を執っており、ディフェンス重視・堅実な試合運びを信条とした指導スタイルで知られています。特に守備戦術においてはリーグ屈指の完成度を誇り、「秋田のディフェンスは別格」と評されることも。

外国籍選手の獲得と育成にも実績があり、過去にはシャキール・モリスやジャスティン・キーナンといったインパクトある助っ人を活用し、クラブのアイデンティティ形成に貢献しています。

成績とプレーオフ実績:常に“台風の目”であり続ける

秋田ノーザンハピネッツは、B2時代を含めた通算成績において高い勝率を維持しています。2023-24シーズンではレギュラーシーズンを好成績で終え、ワイルドカード枠でチャンピオンシップに進出。強豪シーホース三河を破ってのアップセットは、全国的な話題となりました。

過去10年間でプレーオフ進出経験も豊富で、「一発勝負に強いクラブ」として、他クラブからの警戒心も強い存在です。

ファン文化:日本一熱い“ブースター”たち

秋田といえば、何よりもファン文化。試合中に繰り広げられるコール、スタンディング応援、試合後の拍手の持続時間など、全てにおいて“熱量”が異常とも言われるほどです。

特にブースターの礼儀正しさと情熱のバランスは、他チームからも絶賛されるポイントであり、アウェーチームの選手がSNSで称賛することも少なくありません。

将来展望:東北を超えて“全国区クラブ”へ


秋田ノーザンハピネッツは、今後Bリーグの再編や「Bプレミア」構想をにらみつつ、クラブとしてのブランディングと強化を同時に進めています。

アリーナ施設の刷新や増設計画、ジュニアアカデミーの拡大、地域連携プロジェクトの深化など、全方位的な戦略で“次のフェーズ”へと向かっています。今後10年で、Bリーグを代表するクラブとしての立ち位置を築く可能性は極めて高いといえるでしょう。

まとめ:秋田ノーザンハピネッツは“地域と共に育つ”成功モデル

秋田ノーザンハピネッツは、単なるプロバスケクラブではなく、「地域文化・市民意識・エンターテインメント」が融合した希有な存在です。その成功は、地域密着経営のモデルケースとして全国的に注目されており、他のスポーツ団体からも学ぶべき要素が多くあります。

「日本一の応援」「Bリーグ随一の熱狂」「東北の希望」——。それが、秋田ノーザンハピネッツです。

【仙台89ERS】Bリーグ東地区を熱くするクラブの魅力と成長の軌跡を徹底解説

仙台89ERSとは?東北の誇りを背負うプロバスケットボールクラブ

仙台89ERS(読み:せんだいエイティナイナーズ)は、宮城県仙台市を本拠地とするプロバスケットボールチームで、BリーグのB1東地区に所属しています。チーム名「89ERS」は、仙台市が政令指定都市に昇格した年である1989年にちなんで名付けられました。地域の誇りを背負い、常に熱いプレーでファンを魅了し続けるこのクラブは、2005年の創設以来、地道に歴史と実績を積み重ねてきました。

運営・組織体制と拠点情報

仙台89ERSは、株式会社仙台89ERSが運営母体を務めています。代表者は元選手でもある志村雄彦氏で、選手・GM・代表という多様な役割を経験したリーダーのもと、クラブは一丸となって地域と共に成長を目指しています。

ホームアリーナは「ゼビオアリーナ仙台」。この施設は仙台市太白区あすと長町に位置し、収容人数は約4,660人。モダンで快適な観戦環境を備えており、Bリーグの中でもトップクラスの設備を誇ります。

チームカラーとロゴに込められた思い

仙台89ERSのチームカラーは「ナイナーズイエロー」。この鮮やかなイエローは、クラブの情熱と仙台の輝きを象徴する色として、ファンにも深く愛されています。ロゴには、バスケットボールと“89”の数字を巧みに組み合わせ、スピード感と力強さを表現しています。

歴代の歩みとBリーグでの戦績

2005年の創設後、仙台89ERSはbjリーグ(旧プロバスケットボールリーグ)に参入。2016年のBリーグ開幕とともに、新たな時代へと突入します。目立った戦績としては、2019-20シーズンにB2東地区を制覇。この年はコロナ禍によりシーズンが途中で終了したものの、チームは高い勝率を誇り、B1昇格を果たしました。

その後、B1の壁に直面しながらも、チームは戦力補強や育成強化を継続。現在ではB1東地区に定着し、上位争いにも名を連ねるようになっています。

ヘッドコーチ:ダン・タシュニーの戦術的ビジョン

現ヘッドコーチはアメリカ出身のダン・タシュニー氏。戦術眼に優れ、ディフェンス重視のスタイルでチームを再構築。若手とベテランの融合を図りながら、勝てる集団づくりに注力しています。彼のリーダーシップは、チームの粘り強いプレースタイルと試合終盤の勝負強さにも表れています。

注目選手と成長するロスター

仙台89ERSは、国内外から有望な選手を獲得し続けています。日本人選手では、堅実なガード陣が司令塔として機能し、外国籍選手は得点力とリムプロテクションを担う存在としてインサイドを支えています。特に若手の台頭が目覚ましく、育成型クラブとしての評判も高まりつつあります。

永久欠番「89」に込められたメッセージ

仙台89ERSには、クラブの象徴として「89」が永久欠番として登録されています。これはチーム名に由来する数字であり、クラブの原点と誇りを象徴するものです。選手個人の背番号ではなく、クラブ全体を象徴する数字が欠番になっている点は、他クラブに見られない独自の文化を示しています。

地域との連携と社会貢献活動

仙台89ERSは地域密着型クラブとして、地元仙台市や宮城県全体と密接に連携しています。小中学校でのバスケットボール教室や地域イベントへの積極参加、震災復興支援など、スポーツを通じた社会貢献活動を展開。ファンとの絆を深めるこうした取り組みが、地域からの信頼を厚くしています。

ゼビオアリーナの臨場感と観戦文化

ゼビオアリーナ仙台は、その音響・照明・視界設計が優れており、観戦体験に定評があります。チームカラーのナイナーズイエローに身を包んだブースターたちは、熱い応援で試合会場を一体感に包み込みます。Bリーグ随一のホームアリーナ体験を提供する場として、他クラブファンからも注目されています。

B1定着と未来への展望

仙台89ERSは今、B1定着期に入り、新たな挑戦に突入しています。中長期的にはプレーオフ進出、さらにはBリーグチャンピオンを目指す段階へと移行。育成型クラブとしての基盤を活かしながら、実力ある選手獲得や育成による戦力強化が鍵を握ります。

また、地域経済や行政と連携した「スポーツ×まちづくり」への貢献も見逃せません。東北の玄関口・仙台から全国に発信する“ナイナーズカルチャー”の醸成が、今後の成長に大きな影響を与えると期待されています。

ファンと共に歩むクラブとして

仙台89ERSの最大の魅力は、ファンとともに築く一体感です。勝利だけでなく、共に闘い、共に喜び、地域に愛されるクラブであり続けるという姿勢が、多くの支持を集めています。今後のシーズンも「GO!ナイナーズ!」の掛け声とともに、熱く熱く、Bリーグを盛り上げてくれることでしょう。

まとめ:仙台89ERSの現在地とこれから

東北・仙台を拠点にBリーグを沸かせる仙台89ERS。地域に根ざした活動、熱量のあるブースター、そしてチーム一丸の戦いぶりが、このクラブの強みです。これからもB1の舞台で輝き続け、さらなる飛躍が期待されます。

ゼビオアリーナでの一戦一戦が、地域の希望となり、ファンの記憶に刻まれる——そんなクラブの“今”を、ぜひ体感してみてください。