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Wリーグ初参戦のSMBC TOKYO SOLUAが描く挑戦の軌跡──仕事とバスケの両立でプレミア昇格を目指す

SMBC TOKYO SOLUA、Wリーグ初参戦で注目集まる“兼業アスリート”集団


2025–26シーズンからWリーグに初参戦するSMBC TOKYO SOLUA(エスエムビーシー・トーキョー・ソルア)。三井住友銀行グループを母体とし、女子バスケットボール界では異色ともいえる「仕事と競技の両立」をチームコンセプトに掲げています。

2024–25シーズンから2部制となったWリーグでは、SOLUAは『フューチャーリーグ』からのスタート。開幕戦は2025年10月18日を予定し、そこへ向けた準備と挑戦が始まっています。

本記事では、能登半島地震復興支援「Wリーグサマーキャンプ2025」への出場を通して見えたチームの課題と成長、そして独自のチームスタイルに迫ります。

Wリーグサマーキャンプで得た“経験値”と現実

SOLUAは、2025年7月19日から21日まで石川県金沢市で開催された「Wリーグサマーキャンプ in いしかわ」に参加。これはWリーグと社会人クラブが一堂に会し、プレシーズンのチーム強化を目的とした実戦型合宿イベントです。

SMBC TOKYO SOLUAの試合結果:

  • vs 新潟アルビレックスBBラビッツ(フューチャーリーグ)/67−78
  • vs ENEOSサンフラワーズ(プレミアリーグ)/51−55
  • vs ミツウロコ(社会人)/49−93

3連敗という結果に終わったものの、プレミアの雄・ENEOSに対しては第2Q以降で盛り返す粘りも見せ、試合内容は確実にチームに“気づき”を与えるものとなりました。

ヘッドコーチを務める今野駿氏は、「春から体づくりにフォーカスしてきた成果は少しずつ出てきた」と手応えを語りつつ、「実業団全国大会で当たり負けた経験が今回の強化につながっている」と、過去の敗戦を糧にした成長プロセスを評価しました。

仕事とバスケットの両立──“時間との戦い”を前向きに捉える

SMBC TOKYO SOLUAの最大の特徴は、「プレイヤー全員がSMBCまたはグループ会社の社員として働いている」という点にあります。つまり、フルタイムワーカーでありながら、トップリーグでプレーするアスリート集団なのです。

今野HCはこの点について「他チームに比べればバスケに割ける時間は限られているが、時間管理能力や集中力という別の武器を育てられる」と語っています。

さらに選手たちは、練習後の食事・ケア・移動時間などを“分刻み”で計画し、プロ顔負けのセルフマネジメントを徹底。サマーキャンプ中も、食事やリカバリーに関する意識の高さがスタッフからも称賛されていました。

島村きららが語る「Wリーグと仕事」のリアル


チームの中心として期待されるルーキー・島村きららは、「Wリーグは憧れだった舞台。そこに立てる喜びと、働きながら挑めることの意義の両方を感じている」と語ります。

「仕事もバスケットも手を抜かずにやる。それがこのチームのアイデンティティだと思っています」と話す島村は、自身の成長だけでなく、Wリーグ全体に“新しい選手像”を提示しようとする意識も強く感じられます。

彼女が特に感じた課題は「リバウンドとルーズボールの争い」。小柄な選手が多いSOLUAにおいて、球際の強さは生命線となります。島村は「身長で劣るからこそ、下のボールは全て取らなければいけない」と、課題克服への意欲を見せています。

ENEOSでの経験を武器に、指導陣も“Wリーグ1年目”に挑戦

SOLUAのベンチを支えるスタッフ陣も強力です。

ヘッドコーチの今野駿氏は、女子日本代表およびENEOSでアシスタントコーチを歴任。加えて、マネージャーの成井千夏氏はENEOSおよび代表チームでも経験を積み、トレーナー陣もトップレベルのノウハウを持つ精鋭たち。

「初年度ゆえに全てが試行錯誤」と語る今野HCですが、そうした熟練のスタッフ陣が的確にサポートする体制が、チームとしての“土台の強さ”を生んでいます。

GL3x3への示唆:社会人アスリートの新モデルケース

SMBC TOKYO SOLUAの挑戦は、GL3x3のような新興リーグにとっても大きなヒントを含んでいます。

  • 社会人選手の活用: 仕事と競技の両立モデルを支援する仕組み
  • 企業×スポーツの連携: チームが企業の価値発信にも寄与
  • セルフマネジメント能力: 時間の制限があるからこそ育まれる“プロ意識”

GL3x3においても、フルタイムで仕事をしながら高い競技力を維持する選手たちが活躍しており、SMBCの事例はそうした選手たちにとって大きなロールモデルとなりうる存在です。

目標は“最短昇格”──フューチャーからプレミアへ

SMBC TOKYO SOLUAが掲げるチームの目標は、「最速・最短でのプレミアリーグ昇格」。

そのためにはまず、今シーズンのフューチャーリーグで結果を残し、入れ替え戦へ進出する必要があります。指揮官の今野HCは「まだまだ課題は多いが、一つ一つ丁寧にクリアしていく」と冷静に現状を受け止めつつ、「選手とともに自分自身も指揮官として日々チャレンジしている」と語り、現場の“覚悟”を覗かせました。

まとめ:SMBC TOKYO SOLUAが描く“バスケ新時代”の可能性

SMBC TOKYO SOLUAの挑戦は、Wリーグという国内トップカテゴリーにおいて、まったく新しい価値観を提示しています。それは「時間が限られているからこそ、質で勝負する」という覚悟であり、「仕事も競技も、自分らしく全力で挑む」という信念です。

サマーキャンプで得た課題と成長の兆しを武器に、10月の開幕に向けて準備を進めるSOLUA。その姿勢とビジョンは、GL3x3を含むバスケットボール界にとっても、大きな可能性と未来像を示していると言えるでしょう。

“兼業アスリート”という選択肢が、新しいスタンダードになる日も近いかもしれません。

アイシンが米国出身の大型フォワード、アミラ・コリンズを獲得!Wリーグ規定変更後“第1号”外国籍選手に

アイシンウィングスがアミラ・ジャネイ・コリンズの加入を正式発表


女子バスケットボールWリーグに所属するアイシンウィングスが、2025年8月2日にアミラ・ジャネイ・コリンズとの選手契約締結を発表しました。この契約は、2025–26シーズンに向けた新体制の一環であり、注目を集めています。

今回の契約が話題となったのは、コリンズが「新たに改定された外国籍選手規定」に則った最初の登録選手であること。Wリーグは2025年1月、従来の「通算5年以上の在留歴」という条件を撤廃し、より多くの外国籍選手が参入しやすくなる制度改革を実施しました。その中でコリンズは、その“第1号”として日本の舞台に降り立つことになりました。

アミラ・ジャネイ・コリンズのプロフィールとキャリア


アミラ・ジャネイ・コリンズは、アメリカ合衆国出身の25歳。身長191cmという恵まれた体格を活かしたパワフルなプレーが持ち味のフォワードです。

学生時代には名門テネシー大学を経て、プロとしてのキャリアを本格的にスタート。以降、スペイン、スロバキア、アメリカ、そして直近ではメキシコの女子プロリーグ「LNBPF」のチーム、コレカミノス(Correcaminos)でプレーしていました。コリンズはここで主力選手として活躍し、インサイドでの得点力とリバウンドに加えて、速攻にも積極的に関わるオールラウンダーとしてチームに貢献してきました。

ヨーロッパでも活躍しており、2023–24シーズンにはユーロカップに出場。国際経験も豊富で、競技IQの高さも評価されています。

Wリーグの規定改定とは?より“開かれたリーグ”へ

今回の契約背景には、Wリーグが2025年1月に発表した「外国籍選手登録規定の緩和」があります。

それまでのWリーグでは、外国籍選手がリーグに登録されるためには「過去5年以上にわたって日本に在留していること」という条件がありました。この条件は、在留ビザの問題や制度上の制約が背景にあったものの、結果的に選手の流動性を妨げ、世界からの優秀な人材を受け入れる上でのハードルとなっていました。

今回の撤廃により、海外から直接日本に渡る選手たちも登録可能となり、Wリーグが“国際化”に舵を切った象徴的な出来事とも言えます。その先陣を切ったのが、アミラ・コリンズなのです。

本人コメントに見る“日本への期待”とコミットメント

コリンズは今回の契約について、アイシンウィングスの公式X(旧Twitter)を通じて以下のように語っています。

>「こんにちは! このチームの一員になれたことにとてもワクワクしています! 日本に来て、文化やコミュニティを学び、愛することは私の夢でした! 素晴らしい人々やファンの皆さんの前でプレーできる日が待ちきれません! すでに素晴らしいチームメイトに囲まれていて、彼女達をもう友達だと思っています! シーズンの開幕が本当に楽しみです! Go Wings!」

このメッセージからは、単に「プレーする場所」として日本を選んだのではなく、文化や人々と深く関わっていきたいという強い意志が感じられます。これは単なる助っ人外国人ではなく、チームと地域に根付く“戦力”としての覚悟と捉えることができるでしょう。

チーム全体の補強方針と戦力バランス

アイシンウィングスはここ数シーズン、上位進出を狙いつつもインサイドの選手層に課題を抱えていました。特に昨季はリバウンドやペイント内での得点力不足が響き、勝負所での苦戦が目立ちました。

そうした中、191cmというサイズとフィジカルを持つコリンズの加入は、まさに補強ポイントにぴたりと合致した人選です。彼女がインサイドで安定したパフォーマンスを発揮すれば、既存のガード陣や若手選手との連携で攻守に厚みが増すでしょう。

また、外国籍選手としての経験を活かして、若手選手へのメンター的な役割も期待されており、チーム全体の底上げにも貢献すると見られています。

同様のケースとWリーグの展望

Wリーグが制度変更に踏み切った背景には、アジア近隣諸国との競争激化、そしてパリ五輪以降の“国際化”を目指すJBA(日本バスケットボール協会)の方針があります。

男子Bリーグでは外国籍選手の活用が進んでおり、リーグ人気やレベルの向上に大きく寄与しています。Wリーグも今後、同様の動きを加速させていく見込みです。例えば、韓国のWKBLや台湾のWSBLでも外国籍選手が躍動しており、日本の女子リーグも同様の成功モデルに進もうとしているのは自然な流れと言えるでしょう。

今回のアミラ・コリンズの例を皮切りに、今後もアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、さらにはアフリカやアジア諸国からの才能が続々とWリーグに参入してくる可能性があります。

ファンやメディアの反応:「ようこそ、日本へ」

SNSではすでに多くのファンがコリンズの加入を歓迎。「頼もしすぎる補強!」「サイズと経験が違う」「Wリーグも変わってきた」といった声が多数寄せられており、メディアからも「象徴的契約」として注目を集めています。

また、彼女の明るくポジティブな発信スタイルがファンとの距離を縮めており、開幕前からすでに“チームの顔”として期待されている様子です。

まとめ:Wリーグの新時代を象徴する存在へ

アミラ・ジャネイ・コリンズの加入は、単なる補強にとどまらず、Wリーグが「開かれた国際リーグ」へと進化するターニングポイントを示すものでした。今後は彼女のパフォーマンスが、制度変更の正しさを証明する大きな鍵となっていくでしょう。

GL3x3の視点から見ても、こうした制度改革や国際的な選手の参入は、3×3バスケにも波及効果をもたらす可能性があります。将来的には、Wリーグと3×3を横断する選手や、合同キャンプ・イベントなどの実施も現実味を帯びてきます。

「Wリーグの未来はここから動き出す」——そんな予感を感じさせるアミラ・コリンズの加入に、今後も注目が集まりそうです。

【女子バスケWリーグ】富士通レッドウェーブが描く進化の軌跡と未来展望|3度のリーグ優勝と地域密着の真実

富士通レッドウェーブとは|川崎を拠点とする女子バスケの名門クラブ


富士通レッドウェーブは、1985年に創部された富士通株式会社の女子バスケットボールチームであり、Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)のプレミアディビジョンに所属しています。本拠地は神奈川県川崎市で、チーム名の「レッドウェーブ」は情熱(Red)と勢い(Wave)を象徴し、地域とともに成長することを理念としています。

拠点は川崎市中原区のとどろきアリーナ。練習場は富士通川崎工場に設けられており、地元のスポーツ振興やバスケクリニック、トークショーなどの地域貢献活動にも力を入れています。

激動の昇降格を経て、Wリーグの主役へ

創部当初は関東実業団4部からのスタートでしたが、1989年に日本リーグ2部へ昇格。1995年には1部へと駆け上がるも、その後数年間は昇格と降格を繰り返す苦しい時期が続きました。

ターニングポイントは2001年。元韓国代表でシャンソン化粧品でも名を馳せた李玉慈(イ・オクチャ)をヘッドコーチに迎えると、W1リーグで優勝を果たし、2002年からWリーグに本格参戦。以降は安定した戦力と育成体制を背景に、リーグの中心的存在へと成長していきました。

黄金期の到来とタイトル獲得の歴史

レッドウェーブが本格的に日本女子バスケ界の頂点に立ったのは2006年。中川文一ヘッドコーチのもと、皇后杯(全日本総合バスケットボール選手権)で初優勝。その後2007年・2008年と3連覇を成し遂げ、「シャンソン」「JOMO」という2強時代に風穴を開けました。

さらに2008年にはWリーグでも初優勝を達成。皇后杯との二冠を達成したことは、チームの実力が真にリーグトップクラスであることを証明しました。

2023-24、2024-25シーズンには再びリーグを制覇し、Wリーグ優勝は通算3回。皇后杯も2024年の4度目の戴冠で、タイトル総数は計7冠に達しています。

指導陣と育成体制|BT・テーブス体制の安定感

現在チームを率いるのはBT・テーブス(Bryan Teves)ヘッドコーチ。2014年よりアソシエイトコーチとしてチームに参加し、その後ヘッドコーチに昇格。的確な戦術眼と、選手個々のポテンシャルを引き出すマネジメントが高く評価されています。

また、アシスタントコーチには日下光、後藤祥太が就任しており、細かな戦術対応からフィジカル指導まで、多角的な支援体制を整えています。

代表経験者も多数|町田瑠唯をはじめとしたスター選手たち

富士通レッドウェーブの強さの秘密のひとつは、日本代表レベルのタレントを複数擁している点にあります。特に注目されるのは、ポイントガードの町田瑠唯。抜群のゲームメイク力とアシスト能力で、日本代表やWNBAワシントン・ミスティックスでの活躍歴もある名プレーヤーです。

キャプテンを務める宮澤夕貴も、日本代表で長年活躍するフォワード。身長183cmのサイズを活かしたインサイドとアウトサイドの両面でのプレーに定評があります。その他、林咲希、赤木里帆、藤本愛妃らが主力としてチームを支えています。

2024-25シーズン総括|圧巻の強さで王者奪還


2024-25シーズン、富士通レッドウェーブは23勝5敗という圧倒的な成績でレギュラーシーズン1位を獲得。プレーオフでも激戦の末にファイナルで3勝2敗と勝ち切り、2年連続でWリーグ制覇。さらに皇后杯でも頂点に立ち、2007年以来の2冠達成を果たしました。

このシーズンの成功は、チーム戦術の深化とベテラン・若手の融合、そして安定した指導体制によるものと評価されています。

GL3x3視点での注目ポイント|3×3バスケとの親和性

GL3x3として注目すべき点は、富士通レッドウェーブの選手たちが3×3バスケにも適応可能なスキルセットを持っていることです。例えば町田瑠唯のピック&ロール処理、林咲希の外角シュート、宮澤夕貴のフィジカルな1on1など、すべてが3×3の戦術的トレンドにマッチしています。

今後、GL3x3とのコラボや代表候補としての選出も視野に入れられる選手層の厚さは、女子3×3バスケの未来を担う存在と言えるでしょう。

地域貢献とマスコット文化|「レッディ」とともに歩む未来


富士通レッドウェーブは、2004年より川崎市の「ホームタウンスポーツ推進パートナー」に認定され、地域密着型のクラブ活動を積極的に展開。ホームゲームへの市民招待やバスケットボールクリニックの開催など、スポーツによるまちづくりを実践しています。

また、マスコットキャラクター「レッディ」は海鷲をモチーフにしたチームの象徴で、「Red」と「Ready To Go」の2つの意味を兼ねています。地域との一体感を強調するこのスタイルは、他のクラブのロールモデルともなっています。

今後の展望|日本女子バスケの未来を担う存在へ

3×3が五輪正式種目となり、国内リーグや育成年代の動きも活発化する中、富士通レッドウェーブが果たす役割はさらに大きくなっていくと見られます。

選手層の厚さ、指導体制の安定、地域とのつながり──この3要素を軸に、Wリーグだけでなく、3×3や国際舞台でも注目される存在であり続けることは間違いありません。

今後もその動向から目が離せません。

イゾジェ・ウチェがNCAAシラキュース大へ進学|Wリーグ新人王が語ったWNBAへの夢と感謝

イゾジェ・ウチェがNCAAシラキュース大学へ進学|Wリーグ新人王が新たな挑戦へ


2025年7月7日、WリーグのシャンソンVマジックは、所属していたセンターのイゾジェ・ウチェの退団と、アメリカNCAAディビジョンⅠのシラキュース大学への進学を発表した。Wリーグを代表する若手スターが海を渡る決断を下した背景には、「自分をもっと成長させたい」「将来的にはWNBA選手になりたい」という強い意志がある。

日本の育成機関を経て、トップリーグで名を上げたウチェの“逆輸入型キャリア”は、次世代アスリートの新たなモデルケースとも言える。

ウチェのプロフィールと成長の軌跡

イゾジェ・ウチェはナイジェリア出身、2004年生まれの20歳。身長188cm、体重75kgの体格を持ち、ポジションはセンター。中学から日本の京都精華学園に留学し、中学・高校時代を通して全国大会で頭角を現した。

2022年にはアーリーエントリーという形でWリーグのシャンソン化粧品シャンソンVマジックに加入。フィジカルと高さを活かしたリムプロテクションとインサイドスコアリングで即座に存在感を示し、1年目からスターターの座をつかんだ。

Wリーグでの2年間|新人王からベスト5へ


ウチェはシャンソン在籍の2年間で着実に進化を遂げ、2023-24シーズンには以下の成績を記録:

– 出場試合数:28試合
– 平均得点:14.6点
– 平均リバウンド:9.9本
– 平均ブロック:1.8本
– フィールドゴール成功率:リーダーズ1位
– ブロックショット:リーダーズ1位(2年連続)

これらの活躍により、シーズンベスト5に選出されるとともに、2022-23シーズンに続いて2年連続のリーダーズ受賞も達成。新人王を経て、Wリーグトップレベルのセンターとして名実ともに認められる存在となった。

また、2023年のユナイテッドカップではシャンソンを優勝に導き、個人としても大会を通じて印象的な活躍を披露。チームの柱としての立場を完全に確立していた。

シラキュース大学とは|NCAAディビジョンⅠ屈指の名門

ウチェが進学するシラキュース大学(Syracuse University)は、アメリカ・ニューヨーク州に本拠を置く伝統ある私立大学。バスケットボール部(オレンジ)はNCAAディビジョンⅠに所属し、男子はジム・ベーハイムHCのもとで全米制覇経験を持つなど、名門として知られている。

女子チームもACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)に属し、WNBA選手を多数輩出してきた。近年ではアジア系やアフリカ系の選手の受け入れにも積極的で、多様なプレースタイルに対応できる環境が整っている。

ウチェはこの舞台で、これまでのセンター主体のプレーから、よりオールラウンドなスキルセットの習得を目指すと見られる。

公式コメントに込められた想いと決意

退団と進学の発表にあたり、ウチェは公式HPを通じて長文のメッセージをファンに届けた。

「葛藤はありましたが、自分の成長のために前向きな決断をさせていただきました。Wリーグでの経験は、私にとってかけがえのないものでした。特にアーリーエントリーの時のプレーオフ、三菱電機戦での24点差からの逆転勝利は一生忘れない思い出です」

「これからは、アメリカで新しい環境に飛び込んで、プレースタイルもポジションも新たに挑戦していきたいと思います。最終的にはWNBAという夢に向かって努力を重ねたいです」

これまでとは異なるスキルセット、異なる文化、異なる言語の中での挑戦。ウチェの言葉には不安とともに、それを上回る希望と覚悟が詰まっていた。

WNBAを見据える理由|国際化が進む女子バスケ

現在、WNBAではアメリカ国外出身選手の活躍が目立っており、ナイジェリア、ベルギー、韓国など多様なバックグラウンドを持つ選手が台頭している。

ウチェもその流れに乗る形で、NCAA→WNBAというキャリアを視野に入れている。NCAAディビジョンⅠでの活躍がスカウトの目に留まれば、ドラフト候補として名前が挙がる可能性もある。

特にフィジカルとリム守備に長けた選手はWNBAでも需要が高く、同ポジションのアジア選手としては史上でも数少ない挑戦者となる。

シャンソンとファンへの想い|“またいつか戻りたい”

ウチェのコメントで特に注目されたのは、「またいつかシャンソンでプレーしたい」という一節。異国の地で成長しながらも、自らを育ててくれたチームへの感謝と愛情を忘れないその姿勢は、多くのファンの胸を打った。

SNSでは「寂しいけど応援する」「WNBAで待ってる」「またシャンソンに戻ってきて!」といった声が相次ぎ、ウチェの門出にエールが送られている。

チーム関係者も「彼女の挑戦はチームにとっても誇り。どこに行ってもウチェらしく輝いてほしい」とコメント。まさにクラブと選手の関係が理想的に結実した旅立ちとなった。

まとめ:ウチェの挑戦は“グローバル時代”の象徴


Wリーグという日本国内トップリーグから、NCAAディビジョンⅠ、そしてWNBAを目指す——イゾジェ・ウチェのキャリアは、まさにバスケットボールのグローバル化と選手の多様化を象徴するものだ。

高校から日本で学び、プロでの実績を積み、今後はアメリカの舞台へ。国籍や文化の枠を越えてバスケを続けるウチェの姿は、次世代の選手たちにとっても希望となるだろう。

「覚えていてくれたら嬉しい」——その願いに応えるように、彼女の挑戦を見守る日本のファンのまなざしは、これからも変わらない。

U19女子ワールドカップ日本代表メンバー発表|堀内桜花・白石弥桜らが参戦、注目はチェコ戦

U19女子日本代表が正式発表、注目はWリーグ勢の選出

2025年7月4日、日本バスケットボール協会は「FIBA U19女子ワールドカップ2025」に出場する女子U19日本代表の最終メンバーを発表しました。今大会はチェコ・ブルノで開催され、12日より開幕。国内外から注目が集まる中、選出された12名の中には、Wリーグ所属の堀内桜花(シャンソン化粧品)と白石弥桜(デンソーアイリス)の2名が含まれています。

代表チームは発表直後から国内合宿を開始。7月12日深夜(日本時間)には開催国チェコとの開幕戦を迎えます。

Wリーグからの期待の2選手、堀内と白石

今大会において特に注目されるのが、Wリーグから唯一の参戦となった堀内桜花と白石弥桜の存在です。ガードポジションでスピードと判断力に優れる堀内は、昨年のU18女子アジアカップでも好パフォーマンスを披露。一方、センターの白石は184センチの高さとフィジカルを兼ね備えたプレーヤーであり、ゴール下での存在感が光ります。

この2名はすでにトップリーグでの経験を積んでおり、若い世代の代表チームにおいてもリーダーシップが期待されます。

大学生主体のメンバー構成|各ポジションにバランス

今回選出された残り10名はすべて大学生で構成され、東小姫(白鷗大学)、鈴木花音(筑波大学)、松本莉緒奈(関西外国語大学)らが名を連ねています。ポジション別にはガード3名、フォワード6名、センター3名とバランスの取れた布陣で、どの局面でも安定したプレーが可能なメンバー構成となっています。

以下は、発表された12名の詳細なロスターです。

FIBA U19女子ワールドカップ2025 日本代表メンバー

  • #6 後藤音羽(F/178cm/東京医療保健大学1年)
  • #7 東小姫(F/177cm/白鷗大学2年)
  • #9 伊藤知里(F/170cm/白鷗大学1年)
  • #10 鈴木花音(F/174cm/筑波大学2年)
  • #11 堀内桜花(G/167cm/シャンソン化粧品)
  • #22 清藤優衣(F/174cm/白鷗大学1年)
  • #27 曽根妃芽香(G/159cm/拓殖大学2年)
  • #28 松本莉緒奈(F/175cm/関西外国語大学2年)
  • #30 白石弥桜(C/184cm/デンソーアイリス)
  • #34 メンディーシアラ(C/182cm/東京医療保健大学1年)
  • #57 阿部心愛(F/175cm/早稲田大学1年)
  • #61 深津唯生(C/179cm/東京医療保健大学1年)

大会の概要と日本のスケジュール

FIBA U19女子ワールドカップ2025は、7月12日から20日にかけてチェコ・ブルノで開催されます。出場16カ国が4つのグループに分かれて予選を戦い、その後トーナメント方式で順位を争います。

日本はグループDに所属。FIBAガールズランキング2位のスペイン、開催国チェコ(同16位)、アルゼンチン(同31位)と同組となっており、初戦からハードな戦いが予想されます。

グループD:日本の対戦予定

  • 7月12日(土)24:30 vs チェコ
  • 7月13日(日)24:00 vs スペイン
  • 7月15日(火)24:30 vs アルゼンチン

日本は現在世界ランキング6位であり、過去最高成績は2017年大会の4位。直近の大会では6位に終わりましたが、今大会では新戦力とWリーグ経験者の融合により、上位進出が期待されます。

注目は堀内と白石の連携とリーダーシップ

代表経験豊富な堀内のゲームコントロール力と、白石のインサイド支配力は、大会を通じて大きな鍵となるでしょう。特に守備の局面でのリバウンドとトランジションへの移行、そしてターンオーバーからの速攻展開において、この2人のプレーが勝敗に直結すると見られます。

加えて、大学生たちがどれだけ実戦経験を積めるかも重要です。タフなグループリーグを通じてチーム力が一段と高まれば、決勝ラウンドでの躍進も夢ではありません。

最後に|目指すはベスト4以上の快挙

過去大会を上回る成績を狙うU19女子日本代表。初戦のチェコ戦で勢いをつけ、続く強豪スペインとの試合で善戦することができれば、決勝トーナメント進出に向けて弾みがつきます。

日本の若き力と経験の融合が、世界の舞台でどのような結果を生むのか。Wリーグの堀内・白石を中心とした今大会の挑戦から目が離せません。

馬瓜エブリンがENEOSへ電撃移籍|宮崎早織のSNSで早速笑顔を披露

馬瓜エブリンがENEOSへ電撃移籍、宮崎早織がSNSで歓迎

2025年7月1日、女子バスケットボール界で話題の移籍が実現しました。東京オリンピック銀メダリストの馬瓜エブリン(30歳)が、Wリーグの強豪ENEOSサンフラワーズへの加入を正式発表。6月30日に前所属のデンソーアイリス退団を明かしたばかりで、電撃的な移籍として大きな注目を集めています。

SNSで見せた“明るい笑顔”、宮崎早織が即リアクション

同日、同じく日本代表で活躍する宮崎早織(29歳/ENEOS所属)は、自身のInstagramストーリーズを更新。食事中の馬瓜の様子を「みんなお待ちかね」とのメッセージとともに公開しました。動画にはエフェクトが施され、馬瓜がカメラを指さしながら笑顔を見せる姿が収められています。2人は1995年生まれの同学年で、公私ともに親交が深いことで知られています。

葛藤を乗り越えた決断、馬瓜の心境は

前日、馬瓜は自身のSNSで「正直な感想をお伝えすると、困惑しました。いったいこの2年間はなんだったんだろう」と、デンソー退団に関する率直な感情を吐露。苦悩の中での決断だったことがうかがえます。それでも翌日にはENEOS移籍を表明し、チームを通じて「Wリーグ、皇后杯優勝に向かってしっかりと戦って参ります。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします」とコメントを発表しました。

ENEOS加入の意義|優勝を狙う強豪チームへ

ENEOSサンフラワーズは女子バスケットボール界でもトップクラスの実績を誇るクラブ。2025−26シーズンの皇后杯やWリーグ制覇を視野に入れるチームにとって、馬瓜の加入は非常に心強いものとなります。インサイドからアウトサイドまでこなすオールラウンドなスキルと、経験豊富なリーダーシップは大きな戦力強化となるでしょう。

宮崎早織は今季限りで現役引退を表明

一方、宮崎早織は2025年5月に2025−26シーズン限りでの現役引退を表明しています。2人にとってはラストシーズンとなる可能性もあり、この1年が特別なものになることは間違いありません。長年の友情と連携がコート上でどう発揮されるのか、大きな注目が集まります。

まとめ|日本代表コンビがENEOSで再共演

馬瓜エブリンのENEOS加入は、Wリーグ全体にインパクトを与えるビッグニュース。宮崎早織との“日本代表コンビ”が再び同じユニフォームを着て戦う姿は、多くのファンにとって胸熱な展開です。

これからのシーズン、ENEOSの戦いぶりに注目が集まることは必至。Wリーグ優勝、皇后杯制覇という2つの目標に向けて、馬瓜の存在がどう輝くのか。2025−26シーズンの女子バスケを象徴するキープレーヤーとなることでしょう。

馬瓜ステファニーがMUFGアメリカとスポンサー契約締結|スペイン&ユーロリーグで2桁得点の活躍

馬瓜ステファニーがMUFGアメリカとスポンサー契約を締結


2025年7月2日、女子バスケットボール日本代表で活躍する馬瓜ステファニー(スペイン・カサデモント・サラゴサ所属)が、米国の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFGアメリカ)とスポンサー契約を締結したことが明らかになりました。

自身のInstagramで「MUFGアメリカとスポンサー契約を結ぶことになりました」と報告した馬瓜は、「コートの上でも外でも成長を続ける中で、コミュニティや未来への想いを共有できるグローバルブランドとパートナーになれたことをとても嬉しく思います」と喜びを綴り、今後の活動への意気込みを語りました。

国内トップから欧州へ、進化を続ける馬瓜ステファニー

馬瓜ステファニーは1998年生まれ、愛知県出身のフォワード。身長182cmの体格を活かした力強いプレーが持ち味で、桜花学園高校時代には全国3冠を達成。日本の高校バスケ界でトップ選手として知られる存在でした。

卒業後はWリーグのトヨタ自動車アンテロープスに加入し、国内トップレベルの舞台で主力として活躍。2023年には新たな挑戦としてスペインリーグへの移籍を果たし、欧州屈指のクラブ・カサデモント・サラゴサの一員として戦っています。

欧州リーグで示した確かな実力

2024−25シーズンにおける馬瓜のパフォーマンスは高く評価されています。スペインリーグでは平均11.5得点を記録し、攻撃の中心として存在感を発揮。また、国際大会であるユーロリーグでも1試合平均11.1得点を挙げ、チーム最多得点という成績を残しています。

さらに同シーズン中には、世界最高峰の女子プロリーグWNBAのニューヨーク・リバティのキャンプにも参加。アメリカとヨーロッパの両舞台で高い評価を受ける実力者として、今後のキャリアに大きな注目が集まっています。

グローバルブランドとの契約の意義

今回のスポンサー契約は、馬瓜にとって単なる企業との提携にとどまりません。自身のSNSでは「この旅はバスケットボールだけでなく、次世代へのインスピレーションと文化をつなぐ架け橋でもあります」と語り、バスケットボールを通じて社会貢献や多様性の推進にも意欲を示しています。

MUFGアメリカは、グローバルな金融グループとして社会貢献活動にも注力しており、馬瓜の掲げる価値観と親和性の高いパートナーシップと言えるでしょう。スポーツとビジネスが交差する新たなステージに、馬瓜ステファニーは歩を進めています。

日本代表でも変わらぬ存在感

馬瓜は女子日本代表としても長年活躍しており、パリ五輪に向けた強化合宿や国際大会に継続的に参加中です。7月3日と4日にはデンマーク代表との国際強化試合が予定されており、両日ともに19時ティップオフで開催されます。試合はBSフジおよびバスケットLIVEで生中継される予定です。

馬瓜は今回の強化試合にも選出されており、欧州での成長をそのまま代表活動に反映させることが期待されています。新たなスポンサー契約を追い風に、さらなる活躍が注目されます。

まとめ:次世代に光を届ける国際派アスリート

馬瓜ステファニーは、プレイヤーとしての技術だけでなく、社会とのつながりやメッセージ性においても強い影響力を持つ存在となっています。欧州や米国でのチャレンジを経て、グローバルアスリートとしての存在感をますます高めています。

MUFGアメリカとのスポンサー契約は、彼女の活動をさらなる次元へと引き上げる後押しとなるでしょう。日本代表、スペインリーグ、WNBAと活躍の場を広げながら、彼女が目指す「次世代の架け橋」としての役割にも期待が集まります。

髙田真希「アジア女王の座を日本に」女子日本代表キャプテンが語るアジアカップへの覚悟

髙田真希が語る、アジアカップ奪還への決意


2025年6月28日、「FIBA女子アジアカップ2025」に向けた第4次強化合宿中の女子日本代表(FIBAランキング9位)のメディアデーが行われた。代表キャプテンとして長年チームを牽引してきた髙田真希(デンソーアイリス)が、チームの現状と自身の役割、そしてアジアカップへの決意を語った。

「アジア女王の座をもう一度日本に持ち帰る」。髙田はその言葉に強い覚悟を込める。

強化合宿のテーマは「ディフェンスと声」


2025年5月22日から始まった強化合宿も第4次に突入。約1ヶ月の強化期間を経て、髙田は「最初はオフェンス練習が多かったんですが、今はディフェンスに重点を置いています」とチームの変化を語る。

また、「とにかく声を出して、コミュニケーションを大事にする雰囲気ができている」とコメント。合宿中に中国遠征なども挟みながら、チームの結束が深まっていることを実感している。

「みんなの大会に対する意識が上がっている」と話す一方で、「日に日にステップアップは感じているけれど、まだ全然足りていない」と、冷静な自己評価も忘れない。

目指すバスケットの完成には「時間が必要」

指揮を執るのは、元WNBAの名将・コーリー・ゲインズHC。そのバスケットスタイルについて髙田は、「半年で全部できるかというと正直難しい」と語る。「ただし、長期的に見据えていることは伝わってくる」とコーチ陣の意図を理解しつつ、チームとして目指す形を追い求めている。

その中で髙田自身が果たすべき役割も明確だ。特に若手に対しては、「コーチの指示通りに動こうとしすぎて、持ち味を出しきれていない選手もいる」と指摘。だからこそ、「自分がプレーで裏をかく動きを見せることで、『自由にやってもいいんだ』という空気を作っていきたい」と語る。

中国との再戦を見据えて


女子アジアカップにおいて、日本最大のライバルとなるのが中国代表。髙田は、自身が出場しなかった中国との強化試合を映像で確認し、「高さもあり、走るバスケットも展開している。とても脅威」と警戒心をあらわにする。

特に中国代表には226cm級の高さを誇る選手もおり、インサイドでの駆け引きが重要になると想定される。しかし髙田は、「体の当て方やタイミングを試してみたい」と意気込みを見せており、フィジカル面での工夫に強い自信を持っている様子だった。

「女王の座を奪還する」髙田真希の覚悟

髙田はかつて日本がアジアを連覇していた時代を支えた中心選手だ。その彼女にとって、現在の「アジア女王の座を失った」状態は看過できない。

「連覇も経験したからこそ、今はその座が途切れていることが悔しい。だからこそ、もう一度自分たちの手で奪い返すことが大事だと思います」と力強く語る。

「自分たちのバスケットをやりきること。それが一番の目標であり、優勝するために必要なことだと信じている」。

アジアカップ前哨戦「三井不動産カップ」で最終調整

女子代表は、第4次合宿(6月26日〜7月2日)を終えた直後、7月3日・4日に「三井不動産カップ2025(東京大会)」を戦う。

この2連戦の相手はFIBAランキング55位のデンマーク代表。アジアカップ前の最後の強化試合となるこのシリーズは、代表最終ロスター決定前の重要なテストマッチとなる見込みだ。

まとめ:再びアジアの頂点へ

アジアカップに懸ける女子日本代表の戦いは、まさに今が佳境。キャプテン・髙田真希の存在は、チームの精神的支柱であり、戦術的な鍵でもある。

日本のバスケットを世界に見せる」。その強い意志と経験が、再びアジアの頂点へと導く力となるだろう。

7月13日のアジアカップ開幕に向けて、女子日本代表の進化から目が離せない。

ユニバ女子日本代表がウィリアム・ジョーンズカップへ出場|絈野夏海や佐藤多伽子ら12名が選出

女子ユニバ日本代表が発表、若手精鋭12名が国際大会へ

2025年6月30日、日本バスケットボール協会(JBA)は、「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」に臨む女子ユニバーシアード日本代表の最終メンバー12名を発表しました。チームは台北市で行われる本大会に続き、「FISUワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)」にも参戦予定です。

平均年齢22.2歳、若手中心の編成に

小笠原真人ヘッドコーチの指揮のもと、今大会に臨む女子代表チームは、平均年齢22.2歳、平均身長174.3cmという構成。学生世代の注目株と、Wリーグで台頭する若手がバランスよく選出され、次世代の日本代表を担う人材が揃いました。

注目の選手:絈野夏海と佐藤多伽子

今回のメンバーで最年少となるのは、20歳の絈野夏海(東京医療保健大学2年)。173cmのシューティングガードであり、大学バスケ界でも高いスキルと実績を誇ります。

また、Wリーグのプレステージ・インターナショナルアランマーレにアーリーエントリーした佐藤多伽子も選出。176cmのサイズと得点力を備えたSGとして注目を集めています。大学とプロの経験が融合された彼女の活躍に期待が高まります。

Wリーグと大学バスケの融合が加速

この代表チームには、トヨタ自動車アンテロープスや日立ハイテククーガーズなどWリーグの強豪クラブに所属する選手が名を連ねています。学生バスケからプロステージへとステップアップした選手たちが融合し、競技力の底上げを図る構成です。

Wリーグの実戦経験を積んだ選手と、大学リーグのエースたちが共にプレーすることで、個人のスキルだけでなく戦術理解の深化も期待されます。

ジョーンズカップでの戦い、そしてドイツへ

ユニバ女子代表は、7月2日から台湾・台北市で開催されるジョーンズカップに出場。その後は、7月16日からドイツで開催されるFISUワールドユニバーシティゲームズにも連続して出場する予定です。

連戦となる国際大会で、若手選手たちはハイレベルな試合経験を積み、日本女子バスケット界の未来を担う存在へと成長していくことでしょう。

代表メンバー一覧(2025年6月30日発表)

  • #0 山田葵(PG/167cm/富士通レッドウェーブ)
  • #4 絈野夏海(SG/173cm/東京医療保健大学2年)
  • #5 藤澤夢叶(G/162cm/山梨学院大学4年)
  • #11 岡本美優(PF/179cm/トヨタ自動車アンテロープス)
  • #14 朝比奈あずさ(C/185cm/筑波大学4年)
  • #19 舘山萌菜(SF/177cm/日立ハイテククーガーズ)
  • #25 佐藤多伽子(SG/176cm/プレステージ・インターナショナルアランマーレ)
  • #30 三浦舞華(SG/170cm/トヨタ自動車アンテロープス)
  • #42 田中平和(PF/180cm/トヨタ自動車アンテロープス)
  • #45 粟谷真帆(PF/182cm/日立ハイテククーガーズ)
  • #74 樋口鈴乃(PG/163cm/日立ハイテククーガーズ)
  • #91 大脇晴(PF/178cm/東京医療保健大学4年)

今後の視聴方法と応援のポイント

試合の模様はJBAやFIBA関連の公式サイト、動画配信プラットフォームを通じて配信される可能性があります。日本の未来を担う若き才能たちが国際舞台でどのような戦いを見せるのか、バスケットボールファンにとっては見逃せない2大会となるでしょう。

将来の日本代表の中核を担うであろう12名の選手たちの成長と挑戦に、ぜひ注目してください。

Wリーグ2025-26シーズン開幕カード決定|富士通vsデンソーの再戦で幕開け

Wリーグ新シーズンの日程が決定、10月18日に開幕戦を迎える

2025年6月13日、Wリーグ(日本女子バスケットボールリーグ)は、「大樹生命Wリーグ2025-26シーズン」の公式スケジュールを発表しました。10月18日(土)と19日(日)の第1週を皮切りに、新たな戦いの幕が開けます。

昨季より導入された「Wリーグプレミア」と「Wリーグフューチャー」の2ディビジョン制は今季で2年目。前シーズンの実績をもとに再編された各ディビジョンで、計14週にわたり総当たり戦が繰り広げられる予定です。

開幕戦でファイナルカード再現、富士通vsデンソーに注目

プレミアディビジョンでは、昨季ファイナル「京王電鉄 presents Wリーグプレーオフ2024-25」で対戦した富士通レッドウェーブとデンソーアイリスが、いきなり開幕戦で顔を合わせます。場所は神奈川県の小田原アリーナ。昨季の激闘の再現に、多くのファンが注目すること間違いなしです。

プレミアディビジョンの開幕カード一覧

Wリーグプレミアでは、以下の4カードが第1週に実施されます。

  • 富士通レッドウェーブ vs デンソーアイリス(@小田原アリーナ)
  • ENEOSサンフラワーズ vs シャンソン化粧品シャンソンVマジック(@岸和田市総合体育館)
  • トヨタ自動車アンテロープス vs トヨタ紡織サンシャインラビッツ(@調整中)
  • 東京羽田ヴィッキーズ vs アイシンウィングス(@大田区総合体育館)

フューチャーディビジョンも熱戦必至、新潟は第2週から登場

Wリーグフューチャーでは、成長著しいクラブが集まり、こちらも見応えある試合が続くことが予想されます。第1週には以下のカードが予定されています。

  • 三菱電機コアラーズ vs SMBC TOKYO SOLUA(@名古屋市体育館)
  • 日立ハイテククーガーズ vs 姫路イーグレッツ(@岸和田市総合体育館)
  • 山梨クィーンビーズ vs プレステージ・インターナショナル アランマーレ(@富士北麓公園体育館)

なお、新潟アルビレックスBBラビッツは第2週から登場し、10月24日に日立ハイテククーガーズとの初戦に挑みます。

シーズンフォーマットと今後の展開

両ディビジョンともに4回戦制の総当たり方式を採用し、全14週でリーグ戦を展開。シーズン最終週は2026年2月6日から8日にかけて実施される予定です。詳細な試合時間や会場などは後日、リーグから発表されます。

各チームはこの長丁場の中で、プレーオフ進出をかけた熾烈な争いを繰り広げることとなります。選手層や新戦力の台頭、昨季のリベンジを果たすチームの動向にも注目が集まります。

注目選手の動向や戦力分析にも期待

開幕を目前に控え、各チームのロスター編成も進んでいます。若手の台頭、海外経験者の加入、Wリーグドラフトを経た新戦力など、多様な要素がシーズン序盤の戦いを左右する要素となるでしょう。中でも、富士通とデンソーの対決は昨季MVPやベスト5選手のパフォーマンスを含め、大きな見どころとなります。

Wリーグ2025-26の見どころと展望

2年目となるディビジョン制が、いかに選手の成長とリーグ全体の底上げに繋がっていくのか注目されるシーズン。新たなファン層の獲得や地域密着型クラブの発信力強化にもつながる戦いが期待されます。

2025-26シーズンのWリーグは、女子バスケの更なる発展に向けた鍵を握る1年。ファイナル再現の開幕カードを皮切りに、熱いシーズンがいよいよ始まります。

女子バスケを取り巻く環境変化とファン層拡大への期待

ここ数年で、Wリーグは観客動員数やメディア露出の面で着実な成長を遂げてきた。SNSの普及により、選手たちの素顔や日常がファンと直接つながる大きな要素となっており、特に若年層を中心とした新たなファン層の獲得が加速している。2025-26シーズンにおいても、試合以外のコンテンツ展開や選手個人の発信が鍵を握るだろう。

さらに、国際舞台での日本代表選手の活躍が、国内リーグ全体の注目度向上につながっている。パリ五輪を経たトップ選手たちが国内に戻り、Wリーグでその実力を発揮する姿に期待がかかる。競技レベルの高さとエンターテインメント性が融合すれば、Wリーグはより多くの人々に愛される存在となるだろう。

リーグ運営面でも、地域と連携したイベントやバスケットボール教室の実施が予定されており、スポーツの力で地域活性化を図る取り組みも進んでいる。ファン参加型の施策が実現されれば、クラブと地域、そしてファンとの絆は一層深まるはずだ。

今季のWリーグは、単なる勝敗を超えた「物語」が多くの場面で生まれるだろう。世代交代の象徴となるルーキーの活躍、復活を期すベテランの奮闘、そしてクラブの垣根を超えたライバル対決。それぞれの瞬間が、観る者の心を熱くする。また、Wリーグの各クラブが独自の取り組みを加速させており、地域との連携や選手育成に注力する姿勢が今後の発展に直結すると考えられる。