インディアナ・ペイサーズ、24年ぶりのNBAファイナル進出
2024-25シーズンのインディアナ・ペイサーズは、「NBAプレーオフ2025」で数々の劇的な逆転劇を見せ、2000年以来24年ぶりのNBAファイナル進出を果たしました。タイリース・ハリバートンを筆頭に、パスカル・シアカム、アンドリュー・ネムハード、アーロン・ニスミスらが奮闘し、イースタン・カンファレンスを制覇。ファイナルではウェスタン王者のオクラホマシティ・サンダーと対戦し、最終第7戦までもつれる激戦を展開しました。
NBAファイナル第7戦、激闘の末に夢潰える
6月23日(現地時間22日)に敵地ペイコム・センターで行われたシリーズ最終第7戦、ペイサーズは惜しくも敗戦。フランチャイズ初の優勝はまたしてもお預けとなりました。今シリーズでは、各試合とも接戦が続き、ファイナルMVPに輝いたシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(サンダー)の活躍もあり、ペイサーズはあと一歩届きませんでした。
ハリバートンがアキレス腱断裂、長期離脱の見込み
さらに追い打ちをかけるように、ペイサーズの司令塔タイリース・ハリバートンが第7戦で右足のアキレス腱を断裂。途中退場を余儀なくされました。『ESPN』の記者シャムズ・シャラニア氏によると、6月下旬に負ったこの重傷により、ハリバートンは2025-26シーズンの開幕から長期離脱を強いられる見通しです。
ハリバートンは今季を通して攻守両面でチームを牽引し、プレーオフでは特にクラッチタイムでの支配力を発揮してきただけに、この離脱はチームにとって極めて大きな痛手となります。
来季契約下の主力選手たち|継続性は維持
ペイサーズは、ファイナル全試合に出場したシアカム、ネムハード、ニスミス、マサリン、TJ・マッコネル、オビ・トッピン、ベン・シェパードらが引き続き契約下にあります。これにより、ハリバートン復帰後を見据えたチームの土台は確保されています。
一方で、来季に向けた最大の課題が浮き彫りとなっているのがインサイドの補強です。
マイルズ・ターナーがFAに|再契約が最優先事項
長年にわたってペイサーズの守備の要を担ってきたセンター、マイルズ・ターナーは、今オフに制限なしフリーエージェント(FA)となります。ファイナルでは平均10.6得点・4.4リバウンド・1.4ブロックと一定の存在感を見せたものの、シュート成功率は低調(FG37.7%、3P21.4%)に終わりました。
しかし、レギュラーシーズンでは平均15.6得点・6.5リバウンド・2.0ブロックを記録。3ポイント成功率39.6%、平均成功数2.2本はキャリアハイと、ストレッチ5としての進化を証明しています。
6月25日、ラジオ番組『107.5 The Fan』に出演したリック・カーライルHCも「我々の最優先事項」と語り、ターナーとの再契約に強い意欲を示しました。彼の存在は、ペイサーズのディフェンススキームやフロアスペーシングにおいて欠かせないピースです。
インサイド陣の去就も焦点|補強の必要性増す
ターナーに加え、今季のバックアップセンターを務めたトーマス・ブライアントも制限なしFA。また、シーズン序盤にアキレス腱を負傷したアイザイア・ジャクソンは制限付きFAとなっており、契約オプションが残るトニー・ブラッドリーの動向も含め、チームはインサイド陣の再構築を迫られています。
ターナーを残留させた上で、ハリバートン不在期間を補う司令塔の一時的な補填、インサイドの即戦力補強が今夏のフロントの最重要課題となるでしょう。
ハリバートンの回復次第で優勝戦線復帰の可能性も
ペイサーズは、ハリバートンがシーズン途中に復帰できれば再びイースト上位争いに加わるポテンシャルを有しています。特に今季躍進したネムハードやマッコネルの成長、トッピンやマサリンといった若手選手たちの継続的な活躍が重要です。
また、パスカル・シアカムとの契約は来季までとなっているため、彼の去就もチームの長期構想に影響を与える可能性があります。
2025-26シーズン、ファイナル再進出なるか
2024-25シーズンの快進撃により、ペイサーズは一気にリーグ内での評価を高めました。しかし、ハリバートンの長期離脱とターナーの去就不透明という大きな懸念材料を抱える現状では、来季の再浮上には多くのピースが必要とされます。
FA市場での補強戦略、ドラフト指名、そして既存戦力のさらなる成長——これらがかみ合えば、再びNBAファイナルの舞台に戻る可能性は十分にあります。球団にとっては、“初優勝”を掴み取るための正念場のオフシーズンとなりそうです。