B3リーグの新星・立川ダイスとは?3×3から始まった挑戦と地域密着の成長戦略

立川からバスケ文化を発信──立川ダイスとは何者か

東京都立川市を拠点に活動するプロバスケットボールクラブ「立川ダイス」は、5人制(B3リーグ)と3人制(3×3.EXE PREMIER)の両リーグに参戦する、日本でも稀有なハイブリッド型クラブです。2021年に創設された5人制チームは、2022-23シーズンからB3リーグに正式参入し、3×3チームは2016年から日本トップレベルの大会で結果を残しています。

本記事では、立川ダイスの成り立ち、特徴、戦略、選手構成、そして将来的なビジョンまでを包括的に解説。地域密着型でありながら、全国区の注目を集める理由に迫ります。

運営母体は「多摩スポーツクラブ」──地域密着型クラブの本質

立川ダイスの運営を担うのは、一般社団法人多摩スポーツクラブ。地元の商工会議所や観光協会、青年会議所などが設立母体に名を連ね、まさに「立川発・市民発」のクラブとして活動を展開しています。

特筆すべきは、単なるトップチームの運営にとどまらず、3×3ユースリーグ、バスケットボールスクール、チアスクール「FairyDICE」など、次世代育成にも注力している点です。

3×3での躍進と全国制覇

立川ダイスのバスケットボール界での認知度を一気に高めたのが、3×3分野での実績。2018年には、男子チームが「3×3.EXE PREMIER」と「3×3日本選手権」でダブル優勝を果たし、全国タイトルを獲得しました。2016年創設という短期間での快挙は、関係者の想像を超えるものでした。

その後も3×3チームは好成績を残し続けており、2021年にはKANTOカンファレンス1位に輝き、トップ4入りを達成しています。

5人制チームの挑戦──B3リーグへの参入と戦績

2022-23シーズンからスタートした5人制チームのB3リーグ挑戦は、立川ダイスにとって大きなターニングポイントとなりました。

  • 2022-23:14勝38敗で14位
  • 2023-24:27勝25敗で勝率.519と躍進(9位)
  • 2024-25:17勝35敗で再び低迷(14位)

特に2023-24シーズンは、ホームでの勝率.654を記録し、地元ファンとの連携が功を奏した好例となりました。リーダーである間橋健生ヘッドコーチの手腕と、チームの結束力が反映された結果といえます。

主力選手と注目のロースター

2024-25シーズンの立川ダイスは、国内外からバランス良く編成されたロースターを揃えています。

  • ドンテ・ジョーダン・ブルーナー(PF/2.08m):アラバマ大学出身の大型外国人
  • 森黄州(SG/キャプテン):創設期から在籍する立川の象徴的存在
  • 福田晃平、町井丈太、森本泰雅:継続的に成長を続ける中堅層
  • アンドリュー・フィッツジェラルド(PF):オクラホマ大学出身のベテラン

いずれも3×3経験や他カテゴリでの実績を持ち、立川ダイスの多面的なチーム戦略を象徴しています。

3×3の未来と地域戦略

立川ダイスは、3×3と5人制の融合を図る数少ないクラブの一つ。独自大会「ダイスカップ」の開催や、ユースリーグ運営などを通じて、地元とのつながりをさらに強化しています。女子3×3チームも2018年に設立されましたが、現在は休止中。今後の再始動が期待されています。

2020年には法人再編を実施し、運営の一体化と体制強化を図っており、地域密着と競技力強化の両輪をバランスよく推進しています。

マスコット「たっちー」とファンとの絆

立川の豊かな自然の中で育った鎌鼬(かまいたち)の男の子「たっちー」は、明るく元気なマスコットとしてファンに親しまれています。特技は「つむじ風をおこすこと」と「誰とでも友達になれること」。

地域イベントやSNSでも活躍中で、子どもたちから大人まで幅広い層に愛される存在です。

スポンサー企業と地域連携

2024-25シーズンには、立飛ホールディングス、ミート・コンパニオン、コトブキヤ、多摩信用金庫など、多くの地元企業が立川ダイスを支援しています。

パンツスポンサーに至っては10社以上が並び、企業からの厚い支援と信頼を背景に、クラブの地元定着が伺えます。

立川ダイスの今後──B3昇格と3×3強化の両立へ

立川ダイスの強みは、単なる競技力ではなく「地域に根ざした一体感」。今後はB3上位進出を目指すと同時に、3×3でも再び全国タイトルを狙える布陣を整える必要があります。

また、ジュニア世代からトップチームまでの明確なキャリアパスを整備することで、バスケットボールの街・立川という新しいブランドを築きつつあります。

まとめ:立川ダイスは「未来のバスケ」を体現するクラブ

3×3と5人制を両輪に、育成から地域貢献まで多角的に展開する立川ダイス。クラブの挑戦は、東京・多摩地域から全国へと波及しつつあります。

バスケファンはもちろん、地域活性やジュニア育成に関心がある方にとっても注目の存在。今後の動向から目が離せません。