しながわシティが3人制プロチーム「SHINAGAWA CITY.EXE」を立ち上げ
B3リーグに所属するしながわシティバスケットボールクラブは、2024年1月31日に新たなチーム設立を発表した。その名も「SHINAGAWA CITY.EXE」。このチームは国際バスケットボール連盟(FIBA)が公認する3×3バスケットボールの世界的リーグ「3×3.EXE PREMIER」への参入がすでに決定しており、2025年4月1日から正式に活動を開始する。
母体となるのは「東京プロバスケットボールクラブ株式会社」で、活動拠点は東京都品川区。プロ3×3クラブとして、国内リーグのみならず国際大会での戦いも視野に入れており、「品川から世界へ」というコンセプトのもと、競技普及と地域貢献を両立させるクラブ運営を目指している。
落合知也が選手兼社長に就任、競技と経営の両立に挑戦
新チームの顔として注目されるのが、3×3日本代表のエースとして長年活躍してきた落合知也の存在だ。落合はこの新チーム「しながわシティ3×3バスケットボールクラブ」において、選手兼球団社長という二足の草鞋を履くことが発表された。
落合は東京都出身の37歳。195cm、95kgという恵まれた体格と、高い身体能力を活かしたオールラウンドなプレースタイルが特徴のフォワードだ。2013年に大塚商会アルファーズ(現・越谷アルファーズ)でプロキャリアをスタートし、翌2014年からは3×3日本代表として本格的な活動を開始。以来、国内外の大会で数々の実績を残してきた。
アジアカップ銅メダル、東京五輪出場など輝かしい実績
落合のキャリアを語る上で欠かせないのが、2018年に開催された「FIBA 3×3アジアカップ」での銅メダル獲得と、2021年の東京オリンピック出場だ。特に東京五輪では3×3種目が初採用され、日本代表のエースとして世界の強豪国と渡り合い、最終的に6位入賞という結果を残した。
それだけにとどまらず、越谷時代にも選手兼代表取締役という異例の役職を務めていた経験があり、今回の「選手兼社長」という役割は彼にとっても再チャレンジの場となる。プレイヤーとしての実力はもちろんのこと、経営者としてのビジョンにも注目が集まっている。
3×3.EXE PREMIERとは?世界とつながるプロリーグ
SHINAGAWA CITY.EXEが参戦する「3×3.EXE PREMIER」は、FIBAが公式に承認した3人制バスケットボールの国際リーグ。アジア、オセアニア、ヨーロッパなど複数の地域をまたいで開催されており、FIBAランキングポイントを獲得できる数少ない大会の一つだ。
プロ化された3×3チームが世界中から参加し、グローバルな競技力の向上と3×3文化の発展を目的としている。日本からも複数の強豪クラブが参戦しており、しながわシティの参入はこのリーグ全体にも新たな風を吹き込む可能性がある。
落合社長が語るチームへの想いと地域への誓い
今回の発表にあたり、落合はクラブ公式サイトを通じて次のようなコメントを発表している。
このたび東京プロバスケットボールクラブ株式会社を母体とし、しながわシティ3×3バスケットボールクラブを立ち上げ、2025年4月1日からチーム始動のお知らせ申し上げます。本チームは、品川区を拠点とし海外へ挑戦しながら、国内リーグや様々な大会にも挑戦していきます。活動を通して、地域の活性化や夢に向かって走る子供たちを応援し、日本の3×3界の発展や競技レベル向上に貢献出来ることを願っております。しながわシティから世界へ、日本を代表する選手の輩出に向けて、チーム一同誠心誠意努力する所存です。
このコメントからは、単なるプロチーム設立という枠を超え、地域との共生、若年層の育成、日本代表輩出といった多角的な目標が読み取れる。競技者であり、地域のリーダーでもある落合がどのようなビジョンを実現していくのか、注目が集まる。
活動開始は2025年4月から、今後の動向にも注目
SHINAGAWA CITY.EXEは、2025年4月1日から正式に活動を開始する予定。今後、ロスター発表、スポンサー契約、地域イベントなどの情報も随時公開されていく見通しだ。選手としての落合知也のパフォーマンスに加え、組織運営者としての手腕にも期待が集まる。
プロバスケットボールクラブが新たに3×3部門を立ち上げるケースは徐々に増えており、今回のしながわシティの取り組みはその最前線と言える。地域密着とグローバル志向を融合させたこのクラブが、どのようにしてファンの心をつかみ、国際的な舞台で存在感を発揮していくのか、今後の展開から目が離せない。