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富永啓生、NBAサマーリーグでデビュー戦!得点ならずも挑戦の第一歩…次戦は河村勇輝との“日本人対決”へ

富永啓生がNBAサマーリーグでデビュー──日本バスケ界期待の星が“アメリカの舞台”へ


2025年7月13日(現地時間12日)、ネバダ州ラスベガスで開催中の「NBA 2K26 サマーリーグ」にて、日本人シューティングガード・富永啓生がインディアナ・ペイサーズの一員として初出場を果たした。

富永は2024−25シーズンのネブラスカ大学卒業後、NBAドラフトでは指名漏れとなったが、シュート力を武器に複数チームのワークアウトに参加。その評価が実り、ペイサーズのサマーリーグロスター入りを果たしていた。日本バスケットボール界が誇る“和製カリー”が、ついにNBAの舞台で第一歩を刻んだ。

初出場は終盤の1分50秒──得点はならずも果敢に挑戦

ペイサーズ対サンダー戦で富永に出番が巡ってきたのは、第4クォーター残り1分50秒。観客の拍手に迎えられてコートインすると、右ウイングでボールを受けた直後、迷うことなく3ポイントを放った。だがシュートはリングに弾かれ、得点とはならず。記録上は「0得点1本のFG試投」となった。

試合はサンダーが序盤から優勢を保ち、104−85でペイサーズを圧倒。富永が出場した時間帯も、終始タフな守備とペースコントロールで主導権を握られていた。だが、富永自身は短い出場時間にも関わらず、フロアバランスの維持、オフボールでの動き、パス回しへの関与といった面で光る場面を見せた。

富永啓生の経歴と“シューター”としての評価

富永は愛知県出身。桜丘高校で全国区のスター選手となった後、アメリカへ留学。NJCAAのレンジャー・カレッジで活躍後、ネブラスカ大学に編入。NCAA1部で3シーズンにわたり主力としてプレーし、最終学年では平均13.1得点、3P成功率37.7%を記録。特に速攻からのトランジション3やコーナースリーの精度は、NBA関係者の間でも注目を集めた。

身体的には188cm・77kgとNBA基準ではやや小柄な部類に入るが、シュートセレクションとリリースの速さ、そしてスクリーナーを使うオフボールの動きにおいては非常に高い評価を得ている。NBAでの起用は“スペシャリスト枠”としての可能性が高いが、今後のアピール次第では契約獲得も夢ではない。

次戦は河村勇輝との“日本人対決”に注目


富永が所属するインディアナ・ペイサーズは、次戦でシカゴ・ブルズと対戦する予定だ。奇しくも、ブルズのサマーリーグロスターには日本代表PG・河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)が名を連ねており、“日本人ガード対決”が現実味を帯びてきた。

河村はシカゴでのトライアウト後に正式にブルズのSLチームへ合流。すでにトレーニングやメディア対応を行っており、出場の可能性は十分にある。仮に両者が同時にコートへ立つような場面が訪れれば、日本のバスケファンにとっては歴史的瞬間となるだろう。

ペイサーズの状況と富永のローテ入りの可能性

今回の試合では、ペイサーズはNBAファイナル2025と同じ対戦カード(vsサンダー)ということもあり、チーム内の競争は激しさを増していた。ペイサーズは主力若手を中心に起用し、元秋田ノーザンハピネッツのロバート・ベイカーがチーム最多の16得点。ダブルダブルを記録したエンリケ・フリーマンら、実力派の選手が揃っている。

その中で、富永が今後どこまで出場時間を確保し、評価を高められるかは未知数だが、サマーリーグはまさに“下剋上”が起こる舞台。1本の3Pで状況が大きく変わることもある。本人も試合後のSNSで「シュートは落ちたけど、次に向けて準備する」とコメントしており、前向きな姿勢を崩していない。

3×3バスケとの親和性──富永の可能性をGL3x3視点で考察

富永のようにアウトサイドシュートを高確率で沈め、クイックに判断できる選手は、3×3バスケにおいても理想的な存在といえる。3×3ではゲームスピードが早く、1プレーの決断力と成功率が勝敗を分ける。その中で富永が持つ「一撃で流れを変える力」は非常に貴重だ。

もし今後、5人制でのNBA定着が難しい場合、3×3日本代表への転向も一つの選択肢となり得る。すでにFIBA3x3では多くの国で“元NCAA選手”や“NBA経験者”が台頭しており、富永も十分その領域で輝けるポテンシャルを秘めている。

まとめ:世界を見据える挑戦は始まったばかり


富永啓生のNBAサマーリーグデビュー戦は、得点という結果こそ残せなかったものの、世界最高峰の舞台に立ったという事実だけで大きな意味を持つ。チームへの適応、アピールチャンスの創出、そして河村勇輝との共演。次なる一戦に向けた注目は高まる一方だ。

GL3x3としても、富永のような“世界を目指す選手”が日本バスケ界の新たな潮流を作っていくことに期待してやまない。次世代のリーダーとなるであろう富永が、どのようにこの夏を駆け抜けていくのか。今後も一挙手一投足を追い続けたい。

【NBA最新情報】タイリース・ハリバートンが右アキレス腱断裂で2025-26シーズン全休へ…ペイサーズに大打撃

2025年7月8日(現地時間7日)、インディアナ・ペイサーズの球団幹部ケビン・プリチャードがメディア対応の場で、フランチャイズのエースであるタイリース・ハリバートンが2025-26シーズンを全休することを明らかにした。理由は、NBAファイナル2025第7戦で負った右アキレス腱の断裂であり、すでに修復手術は成功しているという。

歴史に残る激戦の果てに…ファイナル第7戦での悲劇

インディアナ・ペイサーズは、2024-25シーズンをイースタン・カンファレンス4位の好成績(50勝32敗)で終え、「NBAプレーオフ2025」を勝ち上がって球団史上初となるNBAファイナルへと駒を進めた。対戦相手は西の強豪オクラホマシティ・サンダー。シリーズは最終第7戦にもつれ込み、まさに歴史的なシリーズとなった。

だが、その頂上決戦で起きたのがハリバートンの悲劇だった。2025年6月23日に行われた第7戦、ペイサーズの司令塔は試合中に右足を痛めて途中退場。その後、右アキレス腱断裂と診断され、即時に手術を受けることとなった。

プリチャード球団代表の発言:「来季の出場はない」

ペイサーズのバスケットボール運営部代表であるケビン・プリチャードは、現地メディアとの会見でハリバートンの今後についてこう語った。

「手術はうまくいきました。ただし、彼は来年プレーしません。我々は、(無理に復帰させて)危険にさらすことはありません。ですので、彼が復帰すると期待しないでください。私は彼がこれまでよりも良くなって戻ってくると確信しています」

この発言により、2025-26シーズンのハリバートンの全休が正式に決定。若き司令塔を欠くシーズンが、チームにとっていかに過酷なものになるかは想像に難くない。

ハリバートンとは何者か:若くしてリーグ屈指のPGへ

タイリース・ハリバートンは2000年2月29日生まれ、アイオワ州出身。2020年のNBAドラフトでサクラメント・キングスから全体12位指名を受け、ルーキーイヤーから高いバスケIQとプレーメイキング能力で注目を集めた。

その後、2022年にペイサーズにトレードで加入。以降は不動のポイントガードとして君臨し、2023-24シーズンから2年連続でNBAオールスターに選出。2024-25シーズンは平均20.8得点、10.5アシストを記録し、アシスト王争いでも上位に食い込むなど、リーグ屈指の司令塔として地位を確立していた。

復帰までのスケジュールとアキレス腱断裂の重さ

アキレス腱断裂はバスケットボール選手にとって最も重いケガの一つとされており、復帰には通常12ヶ月以上を要する。完全復活に向けたリハビリは長期戦となり、プレースタイルに大きな影響を与えることも少なくない。

過去にも、コービー・ブライアント、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソンといったスター選手たちがアキレス腱断裂から復帰しているが、いずれも長期離脱と慎重なリカバリーが求められていた。

ハリバートン不在のペイサーズ、どう戦う?

司令塔を欠く2025-26シーズン、ペイサーズはアンドリュー・ネムハードやTJ・マッコネルを軸としたガードローテーションで戦うことになる。加えて、スコアリング面ではベネディクト・マサリンやオビ・トッピン、パスカル・シアカムといった実力者たちがどこまで貢献できるかが鍵となる。

また、プリチャード球団代表は、センターのマイルズ・ターナーがバックスへ移籍したことを受け、メンフィス・グリズリーズからジェイ・ハフを獲得。さらに、トロント・ラプターズからジェームズ・ワイズマンの再契約にも動いていると発言しており、ロスター全体の再構築が進行している。

フランチャイズの未来とハリバートンの存在感

インディアナ・ペイサーズにとって、ハリバートンは単なる司令塔ではなく、「チームの未来そのもの」といえる存在だった。彼のパスでチームが機能し、彼の決断で試合が動く。その中心選手を失うという事実は、戦力面はもちろん、精神面でも大きなダメージをもたらす。

それでも、球団としては「健康な状態で戻す」ことを最優先とし、長期的視点で復帰を支える姿勢を打ち出している。この姿勢は、近年のNBAにおいて一般的になりつつある「選手の健康第一」の潮流とも一致している。

ファンとリーグの反応:「早く元気な姿を見たい」

SNS上では、NBAファンから「ゆっくり治して戻ってきてほしい」「ハリバートンのないペイサーズは考えられない」といった温かいコメントが多数投稿されている。オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス=アレクサンダーも「彼の早い復帰を祈っている」とメッセージを寄せた。

リーグ内でも、若手ポイントガードとして最も完成度の高い選手と評価されていたハリバートンの離脱は衝撃であり、その復帰時期と状態はリーグ全体にとっても大きな関心事となっている。

まとめ:待たれる復活と、試されるペイサーズの底力

2025-26シーズン、ペイサーズはエース不在という難局に立ち向かう。だが、チームは若く、昨季ファイナル進出という成功体験もある。ここからもう一度地に足をつけ、チームとして成熟することが求められている。

そして何より、タイリース・ハリバートンが再びNBAのコートに戻る日を、多くのファンが心から願っている。彼が完全復活し、再びペイサーズの舵を握る日は、必ずや訪れる。

オクラホマシティ・サンダーが46年ぶりNBA制覇!シェイがMVP2冠、若き王者の新時代

オクラホマシティ・サンダーが栄光の頂点へ──46年の歳月を超えたNBA制覇

2025年6月22日(米国時間)、NBAファイナル第7戦がオクラホマシティのペイコム・センターで開催され、ウェスタン・カンファレンス1位のオクラホマシティ・サンダーが、イースタン4位のインディアナ・ペイサーズを103対91で下し、シリーズ4勝3敗で頂点に立った。1979年以来となる通算2度目の優勝であり、オクラホマシティ移転後では初のタイトル獲得という歴史的快挙である。

開始直後から均衡、主導権はペイサーズかと思われたが…

試合は序盤から両チームが激しく攻防を繰り広げ、1点を争う緊迫した展開となった。第1クォーター残り5分、ペイサーズの司令塔タイリース・ハリバートンが右足を負傷して戦列を離れるという不運に見舞われた。それでもインディアナはハードディフェンスと確かなボールムーブメントで応戦し、前半終了時点では47対48と1点差に詰め寄っていた。

後半に入ると展開が一変、サンダーの攻勢が加速

後半に入ると流れは完全にサンダーへ。第3クォーター、相手のターンオーバーを効果的に得点へと結びつけ、一気にリズムを掴んだ。とりわけ速攻の切り替えが鋭く、ディフェンスからオフェンスへの転換が功を奏した。スコアは第3クォーター終了時点でサンダーが大きくリードを広げ、最終クォーター序盤には点差が最大22点に達した。

観客の大声援「OKC」チャントがアリーナに鳴り響くなか、サンダーは集中力を保ち続け、最後までリードを守り抜いて勝利を掴んだ。

シェイ・ギルジャス=アレクサンダーが2冠の輝き

この試合で最も注目されたのは、今季のレギュラーシーズンMVPであるシェイ・ギルジャス=アレクサンダー。彼はこの最終戦でも29得点12アシストを記録し、ファイナルMVPにも選出された。高いバスケIQと冷静なゲームコントロールにより、チームを勝利へと導いた彼の存在はまさに王者の柱だった。

さらに、ルーキーながら18得点5ブロックの活躍を見せたチェット・ホルムグレンも大きな貢献を果たし、チーム全体では5人が2桁得点をマークするバランスの良いオフェンスが光った。

ペイサーズの粘りと可能性、マサリンが意地を見せる

敗れはしたものの、ペイサーズも見事な戦いぶりを見せた。中でもベネディクト・マサリンは24得点13リバウンドのダブルダブルを記録し、チームの得点源として躍動。攻守両面でエネルギッシュなプレーを披露した。

また、ハリバートンの離脱後はパスカル・シアカムがリーダーシップを発揮し、16得点を記録するなど、チームとして崩れることなく最後まで競り合いを演じた。

NBAファイナル2025 第7戦のスコア内訳

チーム 第1Q 第2Q 第3Q 第4Q 合計
インディアナ・ペイサーズ 22 26 20 23 91
オクラホマシティ・サンダー 25 22 34 22 103

再建から栄光へ──サンダーが歩んだ改革の軌跡

ここ数年、サンダーはドラフト指名と育成方針に重きを置き、若手選手の成長に賭けてきた。その結果として、今季の王者として名を連ねることとなった。ギルジャス=アレクサンダー、ホルムグレン、ギディーといった若き才能が集結し、チームの核として機能したことが今回の成功の大きな要因である。

特にディフェンス面での進化は顕著で、ブロック数やスティール数でリーグ上位を維持。フィジカルだけでなく、戦術理解力の高さが、勝負どころでの強さに結びついている。

インディアナの挑戦、再評価される東カンファレンスの存在感

一方で、ペイサーズの快進撃もNBAファンに新たなインパクトを与えた。カンファレンス4位からファイナル進出を果たしたその過程には、多くの接戦と逆転劇があった。マサリンのブレイク、ハリバートンのゲームメイク、シアカムの経験値が融合したことで、成長途上にあるチームに大きな可能性を感じさせた。

この敗戦は痛手であると同時に、チームにとっては確かな自信と糧となるはずだ。来季以降も注目を集める存在になることは間違いない。

NBAの勢力図に変化、サンダーが新たな時代の扉を開く

今回の優勝により、サンダーは単なるシンデレラストーリーではなく、現代NBAにおける新たなスタンダードを提示したとも言える。スター選手の獲得ではなく、自前の選手育成と戦術的アプローチによって築いた王者像は、多くのチームにとって参考となるモデルとなるだろう。

そして、シェイ・ギルジャス=アレクサンダーは今後のNBAを象徴する存在として、世界中のバスケットボールファンに名を刻むこととなった。

まとめ:46年の歴史を超えた栄冠、オクラホマシティの歓喜

2025年のNBAファイナル第7戦は、サンダーにとって、そしてNBA全体にとっても記念碑的な試合となった。46年という長い時間を経てのタイトル奪還は、選手たちだけでなく、フロント、スタッフ、そしてファンにとっての集大成だった。

新たな時代の幕開けを告げるこの勝利が、次のシーズンへどのような影響を与えるのか。NBAの未来は、再びサンダーの手の中にある。