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テイタムが盟友ホリデーとポルジンギスへ感謝の言葉|セルティックス再編の裏側とは

2024−25シーズン、セルティックスの挑戦は終焉を迎える

ボストン・セルティックスは、2025年のNBAプレーオフ イースタン・カンファレンス・セミファイナルでニューヨーク・ニックスに2勝4敗で敗戦。2連覇を目指して戦ったシーズンだったが、惜しくも夢は潰え、2024−25シーズンはここで幕を閉じた。昨年王者としてのプレッシャー、激戦区イーストでの連戦、そしてアクシデントが重なった中での敗退だった。

主将テイタムの離脱が決定打に

このシリーズ中盤、セルティックスに大きな痛手が訪れる。チームのエースであり、リーダーでもあるジェイソン・テイタムが第4戦でアキレス腱断裂の大怪我を負ったのだ。この負傷により、セルティックスはシリーズ後半をテイタム不在で戦うことになり、得点源を欠いたまま終戦を迎えた。

年俸整理と戦力再構築に向けた動き

シーズン終了後、フロント陣はすぐに動いた。エース不在で迎える新シーズンに備えるため、球団はロスターの再編成と年俸バランスの調整に着手。中心選手を含む大型トレードが続けざまに発表された。6月24日(現地時間)、守備の要であるドリュー・ホリデーをポートランド・トレイルブレイザーズへトレードし、代わりにスコアラーのアンファニー・サイモンズとドラフト2巡目指名権2本を獲得。翌25日には、3チーム間トレードによりクリスタプス・ポルジンギスをアトランタ・ホークスへ放出し、ジョージ・ニアンと指名権を手に入れた。

スターター2人の放出、その意味するもの

ホリデーとポルジンギスは、いずれもセルティックスにとって不可欠な存在だった。ホリデーは守備の司令塔としてチームのディフェンス力を支え、経験と冷静さでクラッチタイムを引き締めた。ポルジンギスは218センチという高さと外角シュート力を兼ね備えたモダンビッグマンとして、攻守に貢献。2023年に加入し、在籍2シーズンながら、2024年のリーグ制覇に大きな役割を果たした2人である。

その2人を立て続けに手放すという選択は、フロントにとっても決して軽い決断ではなかった。しかし、獲得した選手はいずれも来季終了で契約が切れる見通しで、将来的なキャップスペースの柔軟性を残す意図がある。また、追加で獲得した指名権により、ドラフトでの選択肢も広がる。すなわち今回のトレードは、単なる戦力整理ではなく、「テイタム復帰後の本格再始動」に向けた準備でもある。

テイタムがInstagramで綴った別れの言葉

盟友2人の移籍が正式発表された直後、ジェイソン・テイタムは自身のInstagramストーリーズを更新。ホリデーとポルジンギスに対して、それぞれ心からのメッセージを投稿した。ホリデーには、「2つの金メダル、そしてチャンピオンシップ。君と共にプレーできたことを一生感謝する。選手としても人としても、本当に尊敬している。これからもずっと友達だ」と綴った。

さらに、ポルジンギスに対しては「この街、そしてこのチームで君が果たした貢献は誰もが知っている。君の存在に心から感謝している。ずっと忘れない、チャンプ!」とコメント。SNS上には多くのファンが「涙が出た」「最高のバスケ仲間」と反応し、別れを惜しむ声が相次いだ。

別れの先にある未来、再び同じコートで

ホリデーとポルジンギスは、それぞれ新天地で新たなキャリアをスタートさせることになる。しかし、彼らがセルティックスにもたらした影響は色褪せることはない。2024年のリーグ制覇を支えたメンバーであり、その事実は永遠に変わらない。

今後、彼らが敵としてセルティックスの前に立ちはだかる場面が訪れるだろう。だが、試合終了後に交わされる笑顔や握手、抱擁の中には、かつての戦友としての絆が生き続けていることを多くのファンは感じるはずだ。

セルティックスの次なる一歩へ

今回の大型トレードは、「今を捨てて未来を取る」戦略と捉えることもできる。主力を放出し、キャップの柔軟性を得て、指名権を確保。これは再建期というよりも、テイタムを中心とした“第2章”の始まりだ。指名権を活用したルーキーの育成、新戦力の台頭、そしてテイタムの完全復帰。新シーズン、セルティックスは大きく姿を変えながらも、再び頂点を目指す戦いに挑む。