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ドラフト1位クーパー・フラッグがサマーリーグ残り試合を全休へ|マブス期待の19歳が見せた“別格の才能”

サマーリーグ序盤で衝撃を与えたクーパー・フラッグが早くも全休へ

2025年7月13日(現地時間)、NBAサマーリーグで最も注目を集めていた若手選手の一人、クーパー・フラッグが、ダラス・マーベリックスの判断によりサマーリーグ残り試合を全休することが決まった。これはNBAインサイダーのマーク・スタイン氏が報じたもので、チーム側が彼のコンディションを守る意図で、早期に起用を打ち切る方針を固めたと見られている。

“ドラフト全体1位”という期待に応えた2試合の圧倒的パフォーマンス

クーパー・フラッグは2025年NBAドラフトにおいて、全体1位でダラス・マーベリックスに指名された逸材。203cm・93kgというサイズながら、スキル・運動能力・バスケットIQのすべてがトップレベルで、すでに“NBA向きの身体”を備えていると言われている。

そんな彼が出場したのは、サマーリーグ初戦となった7月11日のロサンゼルス・レイカーズ戦、続く13日のサンアントニオ・スパーズ戦の2試合だ。

初戦のレイカーズ戦ではFG成功率23.8%(5/21)とシュート精度に苦しみながらも、10得点・6リバウンド・4アシスト・3スティール・1ブロックという多彩なスタッツを記録。特に終盤にはクラッチタイムでブロック→速攻の起点→アシストという流れを生み出し、チームを牽引するプレーを見せた。

そして2戦目のスパーズ戦では、わずか2日後とは思えないほどの修正力を発揮。31得点・4リバウンド・1アシストをマークし、FG47.6%(10/21)、FT8/13と数字の面でも支配的な活躍を見せた。

マブスが下した判断とその背景にある戦略的意図

この2試合を終えた段階で、マブスはフラッグのサマーリーグ出場を終了とする決定を下した。この背景にはいくつかの要因があるとされている。

1つ目は、十分な実力証明ができたこと。2試合で合計41得点を挙げ、守備でも万能性を示したフラッグは、ルーキーとして異例の完成度を持っていると評価されている。

2つ目は、リスク管理。サマーリーグはあくまでプレシーズンの一環であり、ここで怪我をするリスクを避けるために、チームはフラッグの健康を最優先に考えたのだ。

3つ目は、開幕ローテーション入りを見据えた準備。フラッグはすでにマブスの来季主力として計算されており、キャンプ期間をフル活用するためにも、この時点で一度負荷を落とす意図があったと考えられる。

フラッグのキャリア背景:高校から注目された超エリート

クーパー・フラッグはメイン州出身のフォワードで、高校時代から「ジェネレーショナル・タレント」と呼ばれてきた選手だ。高校2年時にはFIBA U17ワールドカップでアメリカ代表として出場し、全試合二桁得点・平均3.0ブロックを記録し、大会MVP級のインパクトを残した。

また、フラッグは大学進学を回避し、Gリーグ・イグナイトやオーストラリアNBL経由ではなく、直接NBAドラフトへエントリーした最初の“特例ルート選手”としても注目されている。アマチュア時代からプロのフレームで戦い、2025年ドラフトではその実力通り全体1位指名を受けた。

マブスにおける今後の役割と展望

ダラス・マーベリックスは現在、ルカ・ドンチッチとカイリー・アービングという2枚看板を擁する強豪チーム。しかし彼らの脇を固める若手が手薄な状況にあり、フラッグには即戦力としての役割が期待されている。

具体的には、3番〜4番ポジションでのユーティリティ起用が想定されており、スモールラインナップ時にはセンターの役割を担う可能性もある。マブスのフロント陣は、ディフェンスの強化とセカンドユニットの安定を課題と捉えており、フラッグの守備力と機動力は大きな武器になるだろう。

ファンやメディアからの評価と反応

SNSやバスケットボールメディアでは、フラッグの早期離脱に驚きの声が上がった一方で、「すでにやることはやった」「これは正しい判断」という擁護論も多数見られた。米メディア『The Athletic』は「彼はすでにベン・シモンズのルーキーイヤーよりも完成度が高い」と評価し、早くも新人王争いの本命候補に名前を挙げている。

一方、日本のファン層からは、「日本代表といつか国際舞台で戦ってほしい」「Bリーグで見てみたかった」という声もあり、国際的な注目度も高まっている。

3×3バスケへの波及と可能性

フラッグのように万能なスキルセットを持つ選手は、3×3バスケットボールの世界でも注目の存在だ。身体能力とシュート力、スイッチ可能な守備力を兼ね備える彼は、3人制のフォーマットにおいてもゲームチェンジャーになり得るポテンシャルを持つ。

将来的には、オリンピックや世界大会で3×3に挑戦する“NBA選手の流入”が現実味を帯びる中、フラッグのような選手がその代表格となる可能性も否定できない。

まとめ:次世代スターとしての第一歩は鮮烈だった

たった2試合の出場でその名をサマーリーグに刻み、早くも“お役御免”となったクーパー・フラッグ。これは、彼が単なるルーキーではなく、すでにマブスの未来を担う存在として認識されている証だ。

今後のNBAレギュラーシーズンで彼がどれだけインパクトを残すのか。さらには3×3バスケ界にどんな影響を与えていくのか。世界中のバスケットボールファンが注目する若きスターの進化から、目が離せない。