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スパーズがケリー・オリニクをトレードで獲得!ウェンバンヤマの“最適な相棒”となるか?

スパーズが大型補強に動く、ターゲットは熟練の“万能ビッグマン”ケリー・オリニク


サンアントニオ・スパーズが、ワシントン・ウィザーズとのトレードでカナダ出身のベテランビッグマン、ケリー・オリニクを獲得することで合意した。2025-26シーズンに向けてチームのコアを再構築する中、ビクター・ウェンバンヤマの成長を支える“相棒”としてオリニクの加入は極めて重要な意味を持つ。

このトレードでは、スパーズが若手のマラカイ・ブランナムとブレイク・ウェスリー、2026年のドラフト2巡目指名権を手放す見返りに、オリニクを獲得。ESPNが現地時間7月8日に第一報を伝えた。

スパーズの補強意図:ウェンバンヤマを中心とした“勝てるチーム”づくり

スパーズは2023年のNBAドラフト全体1位指名でウェンバンヤマを獲得したことで再建フェーズを本格的に進行中。リーグ屈指のサイズとユニークなスキルセットを備えるウェンバンヤマは、フランチャイズの未来そのものだが、昨季は疲労とフィジカルの負担から一部欠場も経験。そんな中、インサイドでの安定したセカンドユニットの存在が求められていた。

オリニクはその“ギャップ”を埋める理想的な存在である。経験豊富で、ストレッチ能力に長けたビッグマンは、ウェンバンヤマのプレータイムを戦術的に管理しつつ、同時起用によってスペーシングと戦術の幅を大きく広げる存在となる。

ケリー・オリニクとは何者か?キャリアと実績を振り返る


ケリー・オリニク(211cm・108kg)は、2013年NBAドラフトでダラス・マーベリックスに1巡目13位で指名され、その後ボストン・セルティックスに交渉権が移り、NBAキャリアをスタート。以降、マイアミ・ヒート、ヒューストン・ロケッツ、デトロイト・ピストンズ、ユタ・ジャズ、トロント・ラプターズ、ニューオーリンズ・ペリカンズといった複数のチームでプレーした。

12シーズンのキャリアを通じ、オリニクは1試合平均9.4得点4.9リバウンド2.0アシストを記録。昨季(2024-25)はラプターズとペリカンズで計44試合に出場し、20.3分間のプレータイムで平均8.7得点4.7リバウンド2.9アシスト、フィールドゴール成功率50.0%、3ポイント成功率41.8%という安定したスタッツを残している。

これらの数字が示す通り、オリニクは“必要なときに仕事ができる”プロフェッショナルなロールプレイヤーとして高く評価されており、勝負どころでのスペーシングやパッシング能力は特に高い。

スパーズとの相性と今後の起用法は?

今回のトレード成立により、オリニクはスパーズで新加入のルーク・コーネットとともに、インサイドのローテーションを担うことになる見通し。ウェンバンヤマと同時起用される場面では、オリニクのアウトサイドシュート能力が極めて重要なファクターとなる。

ウェンバンヤマがペイントでのブロックやリムプロテクトを担い、オリニクがハイポストやウィングから展開する形は、現代NBAの「ツインタワー戦術」の進化系とも言える。ディフェンス面での課題は残るが、攻撃時のフロアバランス改善と戦術的多様性という意味では極めて効果的なコンビになりうる。

放出された若手選手たちの行方と評価

一方、スパーズからウィザーズへ移籍するブランナムとウェスリーの2名は、ともにキャリア3年目を迎えた若手ガード。昨季の出場時間は限定的だったが、ポテンシャルは評価されており、再建中のウィザーズにとっては“伸びしろ”のある戦力補強と位置付けられる。

特にブランナムはスコアリング能力、ウェスリーはディフェンスとアグレッシブなドライブが武器であり、若手中心の育成路線を取るウィザーズにフィットしやすいと見られている。

ベテランビッグマンとしてのリーダーシップにも期待

オリニクの加入は単なるプレーヤーとしての戦力補強にとどまらない。スパーズは若手中心の構成であるため、ロッカールームでのリーダーシップやメンタル面でのサポートも必要不可欠。12年のキャリアを持ち、プレーオフでの経験も豊富なオリニクは、ウェンバンヤマを筆頭とする若手たちにとって“生きた教材”となる存在だ。

特にスパーズのヘッドコーチであるグレッグ・ポポビッチが求めるのは、「戦術理解と自己犠牲」を実行できる選手。オリニクはまさにその条件に適う人物であり、今後のチームケミストリーの鍵を握る存在になっていくだろう。

まとめ:オリニク加入でスパーズの未来はより現実的な“勝利”へ

今回のトレードは、スパーズが目指す中長期的ビジョンと即戦力強化のバランスを見事に体現したものである。ウェンバンヤマという未曾有の才能を最大限に引き出すためには、プレータイム管理と戦術の柔軟性が必要不可欠。その意味で、オリニクは理想的な“支え役”となり得る。

また、スパーズにとって来季は単なる成長フェーズではなく、勝利も求められるフェーズ。オリニクのような“勝ち方”を知る選手の存在が、ウェンバンヤマにとっても、チーム全体にとっても大きな推進力となるはずだ。

トレードをきっかけに、再びプレーオフの舞台に戻るスパーズの姿を期待したい。