ドリブルとは何か?バスケにおける基本中の基本
バスケットボールにおける「ドリブル」とは、ボールを保持しながらコートを移動するための手段です。プレイヤーがボールを掴んだまま歩いたり走ったりすることは禁止されているため、地面にボールを連続して弾ませることで移動します。
ドリブルは、ボールを片手でフロアに叩きつけ、跳ね返ってきたボールを再び手で制御するプレーです。多くの場合、ガードやスラッシャーの選手が使いこなすテクニックとして、試合の流れを左右する重要なスキルです。
ドリブルの定義と動作の流れ
- 開始:ボールをフロアに投げたり、タップした瞬間からドリブルが始まります(両手でも開始可能)。
- 継続:ボールが床に接触し跳ね返ってきたものを片手で押さえつけて繰り返す行為。
- 終了:ボールを両手で同時に触る/片手で掴む・持つ/ボールが床に触れる前に再び手を添える/ボールをファンブルするなど。
ドリブルの終了自体に反則性はありませんが、終了後に再びドリブルを行うと「ダブルドリブル」として違反になります。
ドリブル後の選択肢
ドリブルが終了した後のプレーには以下の選択肢があります:
- パス
- フィールドゴール(シュート)
- ピボットを含む許容ステップ
ドリブルに関する違反と罰則
- トラベリング:ドリブルなしで移動。ピボットフットが床を離れる前にボールを手放す必要があります。
- アウト・オブ・バウンズ:ドリブル中にボールや選手の身体がラインを踏む。
- ダブルドリブル:ドリブル終了後に再びドリブルを開始する。
- イリーガル・ドリブル:下からボールを支えたり、両手で同時にボールに触れること。
- 5秒ヴァイオレーション(NBA):バスケットに背を向けた状態でフリースローライン延長線とエンドラインの間で5秒以上キープする。
罰則:すべての違反は、発生地点に近いサイドラインから相手ボールのスローインで再開されます。
技術別|代表的なドリブルの種類
■ ボール軌道・方向による分類
- レッグスルー:股下を通すドリブル。
- ビハインド・ザ・バック:背後でドリブルを行う。
- ダックイン:低い姿勢で相手を抜く。
- プルバック:進行方向と逆に戻るドリブル。
■ 技法・目的別の分類
- クロスオーバー:左右の手を切り替えるドリブル。
- チェンジ・オブ・ペース:スピードを緩急で使い分ける。
- ターンムーブ(スピンムーブ):身体を回転させて相手をかわす。
- ロッカーモーション:前後に揺さぶってスペースを作る。
- パワードリブル:両手で強く叩きつけて開始するインサイド特化ドリブル。
ドリブルに必要なスキルと身体特性
ドリブルは姿勢の低さとバランス感覚が求められるため、比較的身長が低い選手のほうが有利と言われています。特にガード(PG/SG)はドリブル能力が必須。相手を抜いてゴールへ迫るプレーを「ドライブ」や「ペネトレイト」と呼び、それを得意とする選手は「スラッシャー」と称されます。
ドリブルはボールの高さをコントロールし、体と一体化するような操作感が重要です。高く突くほどボール奪取のリスクが上がるため、特にディフェンスが接近している場面では低く速いドリブルが求められます。
ドリブルの名手たち(NBA編)
NBAには歴代屈指のドリブルマスターが存在します。代表的なプレーヤーは以下の通り:
- カイリー・アービング(現役)
- アレン・アイバーソン
- マジック・ジョンソン
- ジョン・ストックトン
- レブロン・ジェームズ
- ジャマール・クロフォード
- マヌ・ジノビリ(ワンハンドクロスオーバー)
- ピート・マラビッチ
練習方法と上達のコツ
ドリブル上達のためには、基本的な「片手ドリブル」「レッグスルー」「2ボールドリブル」から始め、徐々に「スピードドリブル」「プルバック」「連続ムーブ」などを組み合わせるのが効果的です。
特にピート・マラビッチの「ドリブルドリル」は有名で、スピード・リズム・柔軟性を養う教材としておすすめです。
まとめ|ドリブルを極めることがゲームメイクの鍵
ドリブルはバスケットボールにおける最も基本的かつ奥深いスキルです。移動、突破、展開、得点といったあらゆる局面において重要な役割を担い、試合のテンポやリズムを左右します。
種類やルールを正確に理解したうえで、日々の練習によって確かな技術として身につけることが、優れたプレーヤーへの第一歩となります。