スリーポイントフィールドゴールとは?
スリーポイントフィールドゴール(3PFG)とは、バスケットボールのスリーポイントラインの外側から放たれたシュートがゴールに入ることで、3点が加算される得点方法です。2点の通常のフィールドゴールに比べ、より高い価値を持ち、現代バスケットボールでは欠かせない要素となっています。
このシュートは「スリーポイントショット」「スリー」「3ポイント」などとも呼ばれ、NBAの実況中継では「フロム・ダウンタウン(遠くから)」と表現されることもあります。
スリーポイントのルールと成立条件
スリーポイントが認められるためには、以下の条件を満たす必要があります:
- シュート時に両足がスリーポイントラインの外側に完全に位置していること
- ジャンプシュートの場合は、ボールリリース時にラインを踏んでいなければOK。着地時に踏んでいても得点は3点として認められる
また、スリーポイントシュート中にファウルを受けた場合:
- ショット成功時:3点+フリースロー1本 → フォーポイントプレー
- ショット失敗時:フリースロー3本
通常の「アンドワン(2点+フリースロー1本)」とは明確に区別されます。
スリーポイントの距離と国際ルールの違い
スリーポイントラインの距離は、リーグやレベルによって異なります。主なルール体系の距離は以下の通りです:
- NBA: アーチ半径7.24m(23フィート9インチ)、サイドラインから0.91m離れた直線
- FIBA: アーチ半径6.75m(22.1フィート)、サイドラインから0.9m
- WNBA: アーチ半径6.25m、サイドラインから1.37m
- NCAA男子: アーチ半径6.32m(20フィート9インチ)
このように、NBAのスリーポイントラインが最も遠く、より高難度のショットが要求されます。
スリーポイントの歴史と導入
スリーポイントの概念は1930年代のアメリカ・オハイオ州で検討されていましたが、本格的に採用されたのは1967-68シーズンのABA(NBAの競合リーグ)です。これが後にNBAに受け継がれ、1979-80シーズンから正式導入されました。
FIBAではその後に導入され、今では世界中のバスケットボールにおいて標準ルールとなっています。NBAでは1994~97年の3シーズンのみ、距離を一時的に短縮(6.70m)したものの、1997年から現在の7.24mに戻しています。
NBAの3ポイントシュートデータの進化
以下の表は、NBAで1試合平均の3ポイント試投数(3PA)と成功数(3PM)、成功率(3P%)の推移を示したものです。
シーズン | 3PM | 3PA | 成功率(3P%) |
---|---|---|---|
2020-21 | 12.7 | 34.6 | 36.7% |
2015-16 | 8.5 | 24.1 | 35.4% |
1994-95 | 5.5 | 15.3 | 35.9% |
1979-80 | 0.8 | 2.8 | 28.0% |
このように、近年は1試合で30本以上のスリーポイントを試投することが当たり前になり、バスケットボールの戦術構造にも大きな影響を与えています。
3ポイントを成功させるための技術
3ポイントシュートは距離が長く、ディフェンスも厳しいため、正確なテクニックが求められます。主なスキルには以下があります:
- クイックリリース: パスを受けてから素早くシュート動作に入る技術
- ステップバック: ドリブルでディフェンダーを引き離して距離を作る技術
- クロスオーバー: フェイクでディフェンスを揺さぶり、スペースを作る技術
また、チーム戦術としては「キックアウトパス」「コーナーでのワイドオープン」など、3Pを高確率で打つためのフォーメーションも鍵を握ります。
スリーポイントの記録と名選手
NBAでは数多くの3ポイント記録が生まれています。主な記録を紹介します:
- 1試合最多成功数(個人): クレイ・トンプソン – 14本(2018年)
- プレーオフ最多成功数(個人): デイミアン・リラード – 12本(2021年)
- 通算最多成功数(シーズン): ステフィン・カリー – 402本(2015-16年)
- 通算最多成功率(シーズン): カイル・コーバー – 53.6%(2009-10年)
まとめ:3ポイントがゲームを変える
スリーポイントフィールドゴールは、バスケットボールの戦略やゲーム展開を一変させる武器です。距離、ルール、技術、戦術が複雑に絡み合うこのショットを極めることは、現代バスケにおいて勝利を手繰り寄せる鍵となります。
今後も3ポイントの進化は続き、よりスピーディでダイナミックなゲーム展開が求められる中、プレイヤーにも観客にも目が離せない要素であり続けるでしょう。