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ポール・ジョージが左膝を手術…再評価はトレーニングキャンプ前、シクサーズ復活への鍵を握るか

ポール・ジョージが左膝の手術を報告──復活への一手か

2025年7月15日(現地14日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズはベテランフォワード、ポール・ジョージが左膝の関節鏡視下手術を受けたことを公式発表した。手術はすでに無事終了しており、トレーニングキャンプ開始前に再評価を行う方針であるという。

今回の手術は、ジョージが最近行っていたワークアウト中に負傷した左膝への処置として実施された。キャリア16年目を迎える今、再びコンディションを整え直すこの手術は、彼にとってキャリア後半戦を戦い抜くための“決断”ともいえる。

名門クラブに加わったベテランの苦闘と挑戦

ポール・ジョージは2010年にインディアナ・ペイサーズから全体10位で指名されNBA入り。その後、オールスター9回、オールNBAチーム選出、スティール王など、リーグ屈指のスウィングマンとして輝かしいキャリアを歩んできた。

2024年オフにロサンゼルス・クリッパーズを離れ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズと4年総額2億1200万ドル(約313億円)の大型契約を結び、新たな挑戦をスタート。しかし、移籍初年度となった2024–25シーズンは左膝と内転筋の故障に悩まされ、わずか41試合の出場にとどまった。

平均得点は16.2点と、キャリア2年目の2011–12シーズン(12.1得点)以来の低水準。コンディション不良が響き、本来のオールスター級の存在感を示すことはできなかった。

ファンの期待と“皮肉”が交錯する厳しい現実

ポッドキャスト番組を持つポール・ジョージだが、皮肉にも「今季はポッドキャストの配信回数のほうが試合出場数より多い」とSNSで揶揄される場面もあった。高額契約で加入したスター選手の不在に対して、シクサーズファンの不満は少なくなかった。

それでも、ジョージは巻き返しを誓っている。35歳となった今も「自分がチームを導く」という自覚を失っていない。この手術も単なる“処置”ではなく、「再スタート」の象徴であり、勝負のシーズンへ向けた布石だ。

シクサーズに立ちはだかる“負傷”という連鎖

フィラデルフィアは、ポール・ジョージだけでなくチーム全体がケガに苦しんだシーズンだった。チームの中心ジョエル・エンビードは左膝の負傷で19試合の出場にとどまり、ルーキーのジャレッド・マケイン、主力のタイリース・マクシーも相次いで離脱。

2024–25シーズンの最終成績は24勝58敗(勝率29.3%)という惨憺たるものに終わり、プレーオフ進出は叶わなかった。かつては“優勝候補”とまで言われたシクサーズだが、現状はその面影すら薄れている。

エンビードも4月に左膝の関節鏡視下手術を受けており、2人のエースが“同じ部位”を手術するという異例の展開に。トレーニングキャンプまでの回復状況が、そのままチームの今季の命運を握るといっても過言ではない。

ポール・ジョージの未来とベテランとしての価値

ジョージは攻守に優れた万能型スウィングマンとして、ペイサーズ、サンダー、クリッパーズでキャリアを築いてきた。2019年にはスティール王にも輝き、オールNBAファーストチームにも名を連ねた実力者だ。

その高いディフェンスIQとクラッチタイムの勝負強さは、健康な状態であれば今なおリーグ屈指。だからこそ、35歳を迎えた今でも高額契約が提示されたのだ。

復調すれば、マクシーやエンビードといった若手や中堅との相乗効果で、チーム全体のバランスも劇的に改善される可能性がある。

GL3x3が注目すべき“キャリア再構築”のモデル

GL3x3における選手キャリアもまた、“ケガとの戦い”がついて回る。ポール・ジョージのように、負傷を乗り越えてパフォーマンスを再構築する姿勢は、すべての競技者にとって学ぶべきモデルだ。

とくに30代半ばを迎えてからの“自己再構築”には、高い戦略性と自己管理が求められる。GL3x3でも、選手の年齢や負荷に応じた運用、リハビリ制度、パフォーマンス分析などの観点を強化する必要性が高まっている。

また、試合だけでなくSNSやメディア出演といった“プレー以外の価値”にも目を向けるべき時代だ。ジョージのように、自らを多角的に発信し続けるスタイルも、3×3プレーヤーの生存戦略の一部となるだろう。

今後の再評価と復帰スケジュール

現時点では、トレーニングキャンプ前にメディカルチェックと再評価を受ける予定。順調にいけば、2025年10月に開幕するNBAレギュラーシーズンには万全な状態で復帰する見通しだ。

シクサーズとしては、エンビードとジョージの2人が万全の状態で戻ってこなければ、プレーオフ進出は遠い。逆に、2人の健康が保証されれば、再びイースト上位に食い込む可能性もある。

まとめ:ベテランの“逆襲”は成るか──NBAとGL3x3の交差点に立つ挑戦

キャリア晩年に差し掛かるなか、再び脚光を浴びるためにポール・ジョージが選んだ“膝の手術”という選択。それは彼のプロ意識と、もう一度頂点を目指す情熱の現れでもある。

彼の復活劇は、GL3x3においても重要な示唆をもたらす。ケガと向き合いながらも、新たな価値を創出するスポーツキャリアとは何か──それを問う2025–26シーズンのスタートが、いままさに近づいている。