元ドラフト全体1位、エイトンがFA市場に登場
2024年6月30日(現地時間29日)、ディアンドレ・エイトンが所属していたポートランド・トレイルブレイザーズとの契約をバイアウト(買い取り)で合意し、完全FA(フリーエージェント)として市場に出ることが『ESPN』によって報じられた。
この動きにより、来月27歳の誕生日を迎えるエイトンは、新たな所属先を自由に選択できる立場となる。
2018年NBAドラフト全体1位指名の実力者
エイトンは213cm・113kgのサイズを誇るセンターで、2018年のNBAドラフトにおいてフェニックス・サンズから全体1位で指名された実績を持つビッグマン。パワーとスキルのバランスに優れ、NBA入り当初から即戦力として評価されていた。
サンズでは主力としてプレーし続け、NBAファイナル進出にも大きく貢献。その後、2023年にブレイザーズへと移籍し、若手主体の再建チームの中でリーダーとしての役割を担っていた。
2024シーズンは故障に泣くも安定の成績
今シーズンのエイトンは、左ふくらはぎの肉離れによって2月中旬から長期離脱を余儀なくされ、レギュラーシーズン40試合の出場にとどまった。しかし、その40試合すべてで先発出場を果たし、以下の安定したスタッツを記録している:
- 平均出場時間:30.2分
- 平均得点:14.4点
- 平均リバウンド:10.2本
- 平均アシスト:1.6本
- 平均ブロック:1.0本
- FG成功率:56.6%
特筆すべきは、NBAデビューから7年連続で「平均ダブルダブル」を達成している点で、これはドワイト・ハワード以来の快挙。出場数の制限がある中でも、高いパフォーマンスを維持したことはFA市場でも高く評価されるだろう。
バイアウトにより高額契約解除、年俸約51億円
エイトンは現在、残り1年・約3555万ドル(約51億円)の契約をブレイザーズと結んでいた。しかし今回、両者合意のもとバイアウトが成立。これによりサラリーキャップの柔軟性を獲得したブレイザーズは若手中心の育成路線へと舵を切った形となる。
エイトンにとっても、プレータイムや役割、優勝争いに関与できる環境を求めてのFA入りと見られている。
ブレイザーズのセンター陣と世代交代
エイトン退団後、ポートランドには以下のビッグマンたちが控えている:
- ドノバン・クリンガン:ルーキーながら先発へ昇格
- ロバート・ウィリアムズ3世:リムプロテクターとして高評価
- デュオップ・リース:インサイドのバックアップ
- ヤン・ハンセン:中国出身のビッグマン、メンフィスからトレード加入
このラインナップからも明らかなように、ブレイザーズは世代交代を進めつつある。若手を中心とした新体制の中で、ベテランのエイトンが退団するのは自然な流れと言える。
注目のFA市場、新天地はどこに?
FA市場に名を連ねたエイトンには、即戦力センターを求める複数チームが関心を示すと予想される。特にリバウンドやペイント内での得点力、スクリーンプレーにおいて貢献度が高い彼は、優勝候補チームにとって貴重なピースとなる可能性がある。
現時点では去就先の情報は明らかになっていないが、プレーオフ常連チームやインサイドに不安を抱えるチームにとっては魅力的な補強ターゲットになることは間違いない。
2018年のドラフト全体1位として期待を背負い続けてきたディアンドレ・エイトン。次なる舞台で、彼がどのような存在感を示すのか注目が集まる。