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バランチュナス、ナゲッツ加入直後にギリシャ移籍か?トレードと欧州行きの両可能性が浮上

バランチュナスの去就に異変|ナゲッツ入りから欧州移籍が急浮上

2025年夏のNBAフリーエージェント市場で注目を集めていたヨナス・バランチュナス(33歳、リトアニア代表)が、デンバー・ナゲッツ加入直後にもかかわらず、ギリシャの名門パナシナイコスへの移籍の可能性が報じられました。ナゲッツは、キャメロン・ジョンソンやブルース・ブラウン、ティム・ハーダウェイJr.といった即戦力を獲得し、ニコラ・ヨキッチを中心とした再建を進めている最中にこの情報が飛び込んできました。

トレードの背景|ナゲッツの補強とバランチュナスの立ち位置

7月1日(現地時間6月30日)、ナゲッツはブルックリン・ネッツとのトレードで、マイケル・ポーターJr.と2032年のドラフト1巡目指名権を放出し、スモールフォワードのキャメロン・ジョンソンを獲得。また、同日には2023年に優勝に貢献したブルース・ブラウンとも再契約、さらに翌2日にはFA市場でティム・ハーダウェイJr.と1年契約に合意。チームは着実にロスターを強化していました。

この補強の一環として、サクラメント・キングスとのトレードでダリオ・シャリッチを放出し、センターのバランチュナスをロスターに加える決断を下しました。バランチュナスは211cm、120kgという体格を活かしたインサイドプレーヤーで、ニコラ・ヨキッチのバックアップとして期待されていました。

ナゲッツの戦力構想に変化?

新戦力として期待されたバランチュナスですが、7月4日になって『BasketNews』やNBAインサイダーのマーク・スタインが報じたところによると、彼がギリシャの名門クラブ、パナシナイコスBCからのオファーを受諾する可能性が高まっているといいます。

パナシナイコスは近年ユーロリーグでの復権を目指して大型補強を進めており、バランチュナスには3年契約の安定性、チームの主力としての役割、そして欧州タイトルへの挑戦という魅力的な条件が提示されている模様です。

バランチュナスのNBAキャリアと契約状況

ヨナス・バランチュナスはこれまでNBAで13シーズンにわたり活躍。トロント・ラプターズ、メンフィス・グリズリーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズなどを渡り歩き、リバウンドとインサイドでの堅実なプレーに定評があります。

現在の契約では、2025-26シーズンに約1040万ドル(約14億9760万円)の年俸が設定されており、その翌シーズンはチームオプションとなっています。もしヨーロッパ移籍が現実となれば、NBAとの契約はバイアウト(契約買い取り)で解除される可能性が高いと見られています。

ナゲッツの計算外か?パナシナイコスの攻勢に揺れる去就

ナゲッツとしては、ヨキッチの控えとしての起用を想定していましたが、パナシナイコスの提示した条件の方がバランチュナスにとっては魅力的である可能性が浮上。特に長期契約と主軸としての起用が魅力となっており、NBAではベンチ出場が濃厚であったバランチュナスにとって、新天地でのリスタートは大きな挑戦となり得ます。

なお、ナゲッツとキングス間のトレードは、正式な契約解禁となる7月7日以降に確定する見込みであり、それまでにヨーロッパ移籍の発表があれば、NBA側の手続きにも影響を与える可能性があります。

リトアニア代表としてのキャリアも輝かしく

リトアニア代表としても長年プレーしてきたバランチュナスは、国際大会でも経験豊富なセンターとして知られています。FIBAワールドカップやユーロバスケットでも主力として活躍しており、ギリシャ移籍となれば、同代表にとっても追い風となる可能性があります。

また、ユーロリーグの舞台で活躍する姿は、日本を含むグローバルなファン層にとっても新たな見どころとなるでしょう。

まとめ|NBAからユーロリーグへのシフトに注目

NBAの強豪デンバー・ナゲッツへのトレード直後にして、ヨナス・バランチュナスのヨーロッパ移籍話が浮上したことで、今後の動向に一層注目が集まっています。もし移籍が実現すれば、NBAのトップレベルからユーロリーグへと舞台を移すこととなり、その変化がどのような影響をもたらすかは大きな関心事です。

バランチュナスが最終的にどのクラブでプレーするかは、今後数日の交渉次第。NBAの補強戦略、選手のキャリア設計、そしてヨーロッパクラブの競争力が交差するこの一件は、バスケットボールファンにとっても注視すべき重要な話題となるでしょう。

アルバルク東京が元NBAのブランドン・デイヴィスと契約締結|ユーロリーグ実績を引っ提げ初来日

アルバルク東京、元NBA選手ブランドン・デイヴィスと契約合意を発表

2025年6月27日、Bリーグ・B1所属のアルバルク東京は、元NBA選手でありユーロリーグでも活躍してきたブランドン・デイヴィスとの選手契約を締結したと発表しました。この契約により、デイヴィスは2025−26シーズンからBリーグ初挑戦を迎えることとなります。

 

ブランドン・デイヴィスとは?NBA出身のベテランセンター


ブランドン・デイヴィスは、1991年7月28日生まれの33歳。アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア出身で、208cm・109kgのセンターとしてゴール下での支配力に定評があります。大学はブリガムヤング大学(BYU)でプレーし、2013年にNBAドラフト外からプロの世界に飛び込みました。

NBAではフィラデルフィア・セブンティシクサーズでキャリアをスタート。その後、トレードによりブルックリン・ネッツへと移籍しました。2シーズン合計で78試合に出場し、1試合平均3.7得点、2.5リバウンドを記録。NBAでの経験は短期間ながらも、インサイドでのタフなプレーと献身的な姿勢が評価されていました。

ヨーロッパでの飛躍|オールユーロリーグ2度選出の実績


NBA退団後、デイヴィスはその後のキャリアをヨーロッパに移し、フランス・モナコ、スペイン・バルセロナ、リトアニア・ジャルギリス、イタリア・ミラノなど、欧州トップクラブを渡り歩いてきました。

特にユーロリーグでの実績は際立っており、2018年と2019年にはオールユーロリーグ・セカンドチームに2年連続で選出。ヨーロッパ最高峰の舞台で、安定したスコアリングとリバウンド、ディフェンスを武器に中心選手として活躍してきました。彼のプレーは、身体能力だけでなく、戦術理解とポジショニングの正確さも評価されています。

アルバルク東京がデイヴィスに託す期待と役割

アルバルク東京は、Bリーグ発足当初からの強豪クラブとして知られており、近年は安定した成績を維持しているものの、Bリーグチャンピオンシップ(CS)でのタイトル獲得には届いていません。そうした中で迎える2025−26シーズン、デイヴィスの加入はインサイドの強化、そしてリーダーシップの補完という2つの面で極めて重要な補強といえるでしょう。

高さとパワーを兼ね備えたデイヴィスは、Bリーグのセンター陣の中でも屈指の存在となるポテンシャルを持っており、リムプロテクション(リング守備)だけでなく、ピック&ロールの完成度でもチームの攻撃力を引き上げてくれるはずです。また、ユーロリーグというハイレベルな環境で培った勝負強さと経験は、若手選手の成長にも良い影響を与えることが期待されます。

本人コメント「東京での新しい挑戦に感謝」

契約発表に際し、ブランドン・デイヴィスはクラブ公式サイトを通じて、次のようにコメントを発表しました。

「アルバルク東京の一員としてプレーする機会を与えていただき、大変光栄に思います。そして新しい文化のもとで新たな挑戦をスタートできることに感謝いたします。チームを代表する選手に成長していけるよう意識してコート上でハードに戦い、新しいチームメートとともに勝利に貢献したいと思います。ファンの皆さまに会える日を楽しみにしています。応援よろしくお願いします」

このコメントからも、新天地・日本でのプレーに対する真摯な姿勢と意気込みが感じられます。長年ヨーロッパで戦ってきたデイヴィスにとって、Bリーグでのキャリアは新たな挑戦ですが、その経験と意欲があればスムーズな適応が期待できるでしょう。

まとめ|デイヴィスの加入でB1タイトル獲得へ現実味


アルバルク東京にとって、ブランドン・デイヴィスの加入はチームの内外に大きなインパクトをもたらすでしょう。世界最高峰のリーグで培った技術と経験、そしてプロフェッショナリズムを備えたデイヴィスは、若手選手の手本となるとともに、チームの中核を担う存在として注目されます。

2025−26シーズン、アルバルク東京が悲願のBリーグ王者奪還を果たすための“鍵”となるかもしれないブランドン・デイヴィス。彼のプレーが日本のバスケットボール界にもたらす影響に注目です。

【引退速報】ユーロリーグの歴代最多スコアラー、ヴァシリス・スパノウリスが現役生活に幕

スパノウリス引退:ヨーロッパが讃える伝説の背番号

2021年6月、ギリシャ出身のバスケットボール界の巨星、ヴァシリス・スパノウリスが現役生活にピリオドを打った。欧州バスケファンの間では「Kill Bill」の異名で親しまれ、その名はユーロリーグを筆頭に国際舞台で語り継がれている。彼の引退発表はギリシャ国内のみならず、欧州全体を大きく揺るがすニュースとなった。

21年間のプロキャリアを締めくくった彼は、戦術眼、リーダーシップ、そして卓越したスキルで数々のクラブと代表チームを牽引してきた。その象徴的な活躍ぶりから「フロア上の監督」とも称されており、後進のロールモデルとしても強い影響力を誇っている。

ラリサの少年が掴んだ欧州最高峰の舞台

1982年にギリシャ・ラリサで生まれたスパノウリスは、地元クラブであるラーリサBCでキャリアをスタートさせた。10代半ばから非凡なセンスを発揮し、ギリシャ国内の注目株として急成長。やがて2001年にはアマリリオスBC、そしてギリシャの名門パナシナイコスへとステップアップし、その才能を本格的に開花させていく。

当時のギリシャリーグは、ユーロリーグ上位を争うクラブが多数所属する“欧州バスケの心臓部”。そこでスパノウリスは着実にスキルを磨き、ゲームメイク能力と冷静な判断力を武器に存在感を増していった。

NBAでの挑戦と“未完の武者修行”

2006年、ヨーロッパでの評価を確立していたスパノウリスは、ヒューストン・ロケッツとの契約によりNBAへ進出。彼の年俸は当時としては異例の200万ドル。だが、アメリカのバスケットは決して彼にとって“楽園”ではなかった。

NBA特有のフィジカル重視のスタイル、短いプレータイム、言語や文化の壁——。彼のNBAでの平均スタッツは2.7得点・0.9アシストにとどまり、思うような結果は残せなかった。しかし本人は後に、「あの経験が自分をより強くした」と語っており、バスケット観の幅を広げた重要な経験であったことは間違いない。

帰還後の躍進:オリンピアコスで築いた黄金時代

2007年、ヨーロッパに戻ったスパノウリスはパナシナイコスでユーロリーグ優勝を経験したのち、2010年に最大の転機を迎える。ライバルチームであるオリンピアコスBCへ移籍。ここから彼の“第二章”が始まった。

2012年・2013年・2017年のユーロリーグ制覇、ギリシャリーグ複数回制覇、ユーロリーグファイナル4 MVPに3度輝くなど、まさにクラブ史に残る伝説的な活躍を見せた。特に2012年のユーロリーグ決勝におけるCSKAモスクワ戦は、バスケットボール史に残る逆転劇として語り継がれている。

ユーロリーグでの輝かしい実績

スパノウリスのキャリアは、数字でも鮮やかにその偉大さを物語っている。彼のユーロリーグにおける主な記録は以下の通り:

  • 通算得点:4,445点(歴代1位)
  • 通算アシスト:1,607本(歴代1位)
  • 出場試合数:358試合(歴代2位)
  • 3ポイント成功数:518本(歴代2位)

これらの記録は、長年にわたって安定したパフォーマンスを維持し続けた証左であり、攻撃の核かつ組み立て役として両立できたスパノウリスのバスケットIQの高さを如実に示している。

国際舞台でも輝いたギリシャ代表

クラブだけでなく、スパノウリスはギリシャ代表としても黄金時代を築いた。2005年のユーロバスケットではギリシャを金メダルに導き、2006年のFIBAワールドカップではアメリカ代表を破る大金星の立役者として準優勝を飾った。

世界のトップ選手を相手にした試合でも、彼のクレバーなゲーム運びは健在。攻撃のリズムを司り、状況判断に優れたプレーで世界中のファンを魅了した。

SNSで語られた“引退の言葉”

彼は引退発表時、自身のInstagramを通じて次のようなメッセージを発信した。

バスケットボールは私にすべてを与えてくれた。これまで共に歩んできた仲間、コーチ、ファン、そして何より家族に感謝したい。オリンピアコスは私にとって人生最大の贈り物。これ以上の幸運はなかった。

この投稿は瞬く間に世界中で拡散され、彼の人間性と感謝の気持ちが多くの共感を呼んだ。

ファンと選手からの惜別の声

引退発表後、SNSでは「ギリシャの至宝」「ユーロの象徴」といった称賛のコメントがあふれ、NBAのスター選手ルカ・ドンチッチも「スパノウリスは僕のヒーロー」と発言。特にバルカン半島出身の選手たちは、彼から多くの影響を受けていたことを公言している。

彼のキャリアは、プレーだけでなく、人間性、継続力、献身性といった多面的な魅力で彩られていた。

コーチとしての“新たな挑戦”

引退からわずか1年後の2022年、スパノウリスはギリシャのペリステリBCでヘッドコーチに就任。初年度からチームに新風を吹き込み、若手選手の育成にも熱心に取り組んでいる。

現場での戦術眼とリーダーシップはそのままに、新たな立場からバスケットボール界を支える存在として再び注目を集めている。

まとめ:スパノウリスの“神話”は終わらない

ヴァシリス・スパノウリスが歩んだキャリアは、勝利と記録だけでは語り尽くせない。彼は一つのクラブを愛し抜き、一つの国の象徴となり、一つの世代を鼓舞し続けてきた。

彼が築いた軌跡は“神話”として語られ、そのスピリットはこれからもユーロリーグ、そして世界中のバスケ界に脈々と受け継がれていくだろう。