鳥取城北がついに“日本一”へ|インターハイ決勝で強豪・八王子学園を撃破
2025年8月1日、岡山県・ジップアリーナ岡山にて「令和7年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)」男子バスケットボール競技の決勝戦が行われ、鳥取城北高校(鳥取)が八王子学園八王子高校(東京)を64−58で破り、県勢として史上初となる全国制覇を成し遂げた。
昨冬のウインターカップ準優勝に続く快進撃で“冬夏連続の決勝進出”を果たした鳥取城北。ついにその挑戦が実を結び、「初の日本一」という偉業が現実のものとなった。
試合序盤|新美鯉星の連続得点で主導権を奪う
ティップオフ直後から両者堅守のロースコアな立ち上がりとなったが、鳥取城北は新美鯉星の連続得点で流れを掴み、第1Qを19−15と4点リードで終える。
第2Qもリードを維持しつつ展開。ディフェンスのギアを上げながら、セカンドチャンスや速攻を確実に得点に結びつけた。ハーフタイム時点では29−26とわずか3点差ながら、ゲームを支配していたのは鳥取だった。
後半の攻防|アズカが攻守で躍動しリードを保つ
後半に入っても点差は拮抗。第3Qでは鳥取城北がややペースを取り戻し、17得点を重ねて46−41とリードを維持する。
この時間帯で躍動したのが、ハロルド・アズカ。3ポイントを沈めれば、守備ではブロックで相手の流れを止める。攻守両面で存在感を発揮し、決勝の舞台でリーダーシップを発揮した。
第4Qの逆転劇と勝負の分かれ目
第4Qに入ると、八王子学園八王子が反撃を開始。照井昇太朗の3Pで同点に追いつくと、花島大良のレイアップでついに52−50と逆転。
だが、そこから鳥取城北が真価を発揮。冷静にバスケットカウントを得て逆転すると、再びアズカのロングレンジからの3Pが炸裂。試合残り21秒、勝負を決定づける“値千金の一撃”で再びリードを広げ、最終スコア64−58で接戦を制した。
ヒーロー・アズカのポテンシャル|3×3への適性も
この試合最大のキーマンとなったアズカは、3P成功・ブロック・リバウンドと、現代型ビッグマンとしての高いスキルを証明。高校生離れしたサイズとシュート力は、GL3x3のようなスペース重視のゲームにも適応可能な素材であり、今後の進路やU19代表選出にも注目が集まる。
また、新美鯉星の1on1スキルやプレッシャー下での判断力、照井昇太朗のシュート力など、今大会の決勝に出場した複数選手が「3×3適性の高い素材」としてスカウト関係者の評価対象に挙がっている。
八王子学園の健闘と“東京の壁”を越えた鳥取
惜しくも敗れた八王子学園八王子高校は、準決勝で全国屈指の強豪・福岡大大濠を撃破し、2010年以来となる全国制覇を目指した。
花島や照井らの3P攻勢、地道なハードディフェンスなど、最後まで食らいつく姿勢は観客を魅了。終盤の逆転劇は見応えがあり、「東京代表の強さ」を見せつけた形だ。
一方で、鳥取城北は「東京の壁」を正面から打ち破り、地方校でも頂点を狙えるという希望を全国の高校に示す形となった。
県勢初の快挙|鳥取バスケの歴史を塗り替えた一戦
鳥取県勢としてインターハイ男子バスケ決勝進出自体が初。さらには、そのまま“優勝”を掴み取った今回の快挙は、県バスケ史に燦然と輝く金字塔といえる。
過去には地方校の躍進例として、佐賀北(2007年甲子園)、金足農業(2018年甲子園)などが知られているが、今大会の鳥取城北は「バスケ版・下剋上」の代表例となるかもしれない。
試合データ|八王子学園 vs 鳥取城北
| クォーター | 八王子学園八王子 | 鳥取城北 |
|————-|———————|————-|
| 第1Q | 15 | 19 |
| 第2Q | 11 | 10 |
| 第3Q | 15 | 17 |
| 第4Q | 17 | 18 |
| 合計 | 58 | 64 |
まとめ|“冬夏連続ファイナル”を制した鳥取城北の進化
昨年の冬にウインターカップ準優勝、そして今夏インターハイでの初優勝。鳥取城北の進化は“偶然”ではなく、“必然”であることを証明した。地方発でも、戦略的な育成・実戦で鍛え抜かれた選手たちが全国制覇を成し遂げられることを世に知らしめた。
GL3x3でも、このような“地方発の才能”が活躍する事例が増えており、今回のインターハイ決勝はその布石となる。
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