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河村勇輝がサマーリーグで圧巻のダブルダブル!15得点10アシストで存在感を証明

河村勇輝、NBAサマーリーグで躍動!攻守にわたる存在感で全米にインパクト

2025年7月14日(米国時間)、ラスベガスで開催中の「NBA 2K26 SUMMER LEAGUE 2025」において、日本バスケ界の新星・河村勇輝が、またしても圧巻のパフォーマンスを披露した。シカゴ・ブルズの一員として出場した対インディアナ・ペイサーズ戦で、15得点・10アシスト・3スティールの“ダブルダブル”を記録し、チームの勝利に大きく貢献した。

第1戦から着実に出場時間と信頼を積み重ねてきた河村は、この試合で自身のNBAアピールを最大限に成功させた形となった。日本人選手がサマーリーグでこれほどの成績を残すのは極めて珍しく、アメリカメディアやスカウトの注目度も急上昇している。

前半からゲームメイクで魅せる|7アシストの立ち上がり

試合は第1クォーター残り4分34秒に河村がコートインすると、すぐさまアグレッシブなプレーでチームに勢いをもたらす。ノア・エセングの得点を巧みにアシストし、自身もジャンパーとバスケット・カウント付きのプレーで加点。特にドライブの緩急と視野の広さが光り、ペースの遅い序盤に流れを引き寄せる役割を果たした。

第2クォーターではディフェンスでも存在感を発揮。パスカットからのファストブレイクや、スティールからの速攻など、テンポを上げるプレーでチームを牽引。前半だけで9得点7アシストというハイペースな数字を記録し、ハーフタイム時点でブルズが57-53とリードを奪った。

後半も要所で輝く|ファウルトラブルを乗り越えた集中力

後半に入っても河村の勢いは衰えなかった。第3クォーター開始直後に2本のフリースローを確実に沈め、二桁得点へ突入。さらに第4クォーター序盤には5つ目のファウルで退場危機に見舞われたものの、直後のオフェンスで冷静に3ポイントを沈めて観客を驚かせた。

ジャボン・フリーマン・リバティへのアシストを含め、試合を通じて計10アシストをマーク。プレータイムは27分46秒と決して長くないながらも、ゲームの主導権を握る司令塔としての働きは群を抜いていた。

最終スタッツは、15得点・1リバウンド・10アシスト・3スティール。PGとして求められる要素をすべて兼ね備えた“フルセットの活躍”だった。

日本人ガードとしての快挙|過去の挑戦者との比較

これまでNBAサマーリーグに挑戦した日本人ガードは数えるほどしかおらず、2019年の渡邊雄太、2021年のテーブス海などが記憶に新しい。しかし、得点とアシストで“ダブルダブル”を記録した選手は河村が初とみられており、そのインパクトは特筆に値する。

・渡邊雄太(2019)…主にディフェンスで評価
・テーブス海(2021)…出場機会限られる
・河村勇輝(2025)…攻守でフル稼働+チーム勝利に直結

ガードとしてのサイズやフィジカル面で不利な要素を抱える中、判断力とゲームマネジメント力で打ち破る姿勢は、NBAでも高評価につながりやすい要素だ。

プロフィール:河村勇輝とは何者か?

・名前:河村勇輝(かわむら ゆうき)
・生年月日:2001年5月2日
・出身地:山口県
・身長/体重:172cm/72kg
・ポジション:ポイントガード(PG)
・所属:横浜ビー・コルセアーズ → シカゴ・ブルズ(サマーリーグ)

高校時代から全国屈指の司令塔として名を馳せ、東海大学時代にはインカレ優勝、アジア大会でも日本代表の主力として活躍。Bリーグでは2022–23シーズンに最優秀新人賞を獲得するなど、国内での実績は十分。

今回のサマーリーグ参戦は、日本人PGがNBAで通用する可能性を世界に示す重要なステップとなっている。

ペイサーズの富永啓生は出場機会なし|日米バスケの課題も浮き彫りに

この試合では、同じく日本代表の富永啓生(ペイサーズ所属)は出場機会がなかった。河村との“日本人対決”は実現しなかったものの、異なるタイプの選手がサマーリーグに挑戦している構図は、今後の日本バスケ界にとっても大きな財産だ。

富永はシューターとして評価されているが、ガードポジションは競争が激しく、アメリカ育ちの選手とも競い合うことになる。サイズ・守備・チーム戦術理解など多面的な対応力が求められる中、今後の出場に注目が集まる。

チーム成績と今後の日程

試合結果は以下のとおり:

■シカゴ・ブルズ 114-105 インディアナ・ペイサーズ
CHI|32|25|28|29|=114
IND|18|35|28|24|=105

ブルズは7月17日(米国時間)にミルウォーキー・バックスと対戦予定。一方のペイサーズは翌18日にニューヨーク・ニックスと対戦する。河村の次戦出場と富永の復帰が期待される。

まとめ|“数字以上”の輝きを放つ河村勇輝の挑戦

河村勇輝はこの試合で、数字以上の存在感を見せた。オフェンスの起点、リーダーシップ、守備での読み、そして試合をコントロールする落ち着き──これらすべてを兼ね備えたPGとして、NBAでも戦えることを証明しつつある。

今後、サマーリーグでの継続的な活躍が続けば、トレーニングキャンプへの招待、あるいは2WAY契約の可能性も十分に視野に入る。

“172cmの逆襲”が、世界最高峰の舞台でどこまで羽ばたくのか。河村の挑戦は、まだ始まったばかりだ。