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FIBAアジアカップ2025開幕!日本・フィリピン・レバノン代表にBリーガー続々参戦

FIBAアジアカップ2025がサウジアラビアで開幕

アジアバスケットボールの頂点を決める「FIBAアジアカップ2025」が、8月5日にサウジアラビア・ジッダでついに開幕した。今大会は、2027年に予定されるFIBAワールドカップアジア予選への布石ともいえる重要な国際舞台であり、アジア各国の代表チームが激突する。その中で、Bリーグからの選出選手が多くの代表国に顔をそろえており、Bリーグの国際的プレゼンスの高まりが改めて注目されている。

日本代表を筆頭に、フィリピン、レバノン、韓国、グアムといった主要国でBリーグ所属選手が代表入りを果たしており、“Bリーガー対決”の構図も大会の見どころの一つとなっている。

日本代表:Bリーガー中心の構成、キーマンは富永・富樫・ホーキンソン


FIBAランキング21位の日本代表は、12名中10名がBリーグ所属という「純Bリーグ構成」に近い編成で今大会に挑む。以下は主要メンバーの構成と所属クラブだ:

  • 富樫勇樹(千葉ジェッツ)
  • 金近廉(千葉ジェッツ)
  • テーブス海(アルバルク東京)
  • ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(サンロッカーズ渋谷)
  • ジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)
  • 狩野富成(サンロッカーズ渋谷)
  • 西田優大(シーホース三河)
  • 吉井裕鷹(三遠ネオフェニックス)
  • 川真田紘也(長崎ヴェルカ)
  • 富永啓生(レバンガ北海道)

富永啓生は2025年7月にNBAサマーリーグに出場後、代表に合流。日本のアウトサイドシュート力を担うキーマンとして期待が高まっている。また、帰化選手としてインサイドを支えるジョシュ・ホーキンソンの安定感も見逃せない。

大学在籍のジェイコブス晶(フォーダム大)が唯一の“海外組”で、馬場雄大は当時チーム未所属のまま招集外となった。

フィリピン代表:Bリーガー3人がアジア制覇へ挑む

FIBAランキング34位のフィリピン代表にも、Bリーグで活躍する注目選手が多数エントリー。

  • ドワイト・ラモス(レバンガ北海道)
  • エージェー・エドゥ(群馬クレインサンダーズ)
  • ジェイミー・マロンゾ(京都ハンナリーズ)

ラモスはすでにフィリピン代表の常連。2025–26シーズンからBリーグに加入するマロンゾは今大会でその実力を国内ファンに示す好機だ。また、かつて琉球ゴールデンキングスでプレーしたカール・タマヨも選出され、フィリピン代表のBリーグ色がより一層強まっている。

レバノン代表:アジア特別枠選手が揃い踏み

FIBAランキング29位のレバノン代表からは、2025–26シーズンよりBリーグでプレーする3選手が代表入りを果たしている。

  • アリ・メザー(秋田ノーザンハピネッツ)
  • セルジオ・エル・ダーウィッチ(仙台89ERS)
  • オマール・ジャマレディン(川崎ブレイブサンダース)

Bリーグは近年、アジア特別枠を拡大し、中東・東南アジア諸国からのタレント獲得を強化。今回のレバノン代表のように、その流れが代表選考にも反映され始めている点は注目に値する。

韓国・グアム代表にも元Bリーガー/現役選手が参戦

長崎ヴェルカへ復帰することが決まったイヒョンジュンは、韓国代表として選出された。昨季大阪エヴェッサでプレーした彼は、持ち前のシュート力とインテリジェンスでチームの中心を担う存在だ。

さらに、ベルテックス静岡に所属するサイモン拓海はグアム代表(FIBAランキング88位)として代表入り。日本との対戦も予定されており、Bリーガー同士の“対決”にも注目が集まる。

オーストラリア代表はBリーグ経験者不在も元千葉J選手が選出

FIBAランキング7位の強豪オーストラリア代表からは、島根スサノオマジックのニック・ケイが選外。一方、過去に千葉ジェッツでプレーしたゼイビア・クックス(シドニー・キングス)が選出され、Bリーグ経験者としての存在感を発揮する。

クックスはフィジカルとスキルを兼ね備えたフォワードとして知られ、国際舞台でも活躍が期待される一人だ。

大会日程と日本代表の対戦カード

日本代表は以下のスケジュールでグループリーグを戦う:

  • 8月6日(水)20:10〜 vs シリア(FIBAランキング71位)
  • 8月8日(金)20:10〜 vs イラン(同28位)
  • 8月10日(日)20:10〜 vs グアム(同88位)

特に第3戦のグアム戦では、サイモン拓海と日本代表メンバーによる「Bリーガー対決」に注目が集まりそうだ。

Bリーグ×アジア代表戦の可能性と今後

FIBAアジアカップ2025は、各国の代表戦略のなかにBリーグがいかに食い込んでいるかを可視化する舞台でもある。かつては日本代表に限られていたBリーグ勢の国際的な影響力が、いまやフィリピン、レバノン、韓国、グアムといった各国に拡大している。

また、今後のBリーグ各クラブの国際戦略や、FIBAインターナショナルウィンドウへの対応力も問われる中で、3×3を含むバスケ文化の広がりにおいても重要な役割を果たすことになるだろう。

まとめ:Bリーガーの“アジア戦線”が始まる

FIBAアジアカップ2025は、Bリーガーたちにとって「国のために戦う」だけでなく、自らの価値を国際的に証明する絶好のチャンス。Bリーグの実力と魅力が、アジアの舞台でどれだけ通用するのか——その答えが、この夏に明かされる。

日本代表はもちろん、Bリーグの仲間たちが各国でどんな活躍を見せるのか。DAZNでの配信をチェックしながら、アジアの頂点を目指す戦いに注目していこう。

サイモン拓海がグアム代表としてアジアカップ出場へ!静岡所属SGが日本戦で注目対決

静岡から世界へ──サイモン拓海がグアム代表としてアジアカップに出場


2025年8月、Bリーグのベルテックス静岡に所属するサイモン拓海が、「FIBAアジアカップ2025」においてグアム代表に選出されたというニュースがバスケットボール界を駆け巡った。日本国籍とグアム系のルーツを持つ彼は、自身初となる国際大会での代表戦出場を通じて、新たなステージへと歩を進める。

特筆すべきは、グアム代表が今大会で日本代表と同じ「グループB」に属している点だ。8月10日には、日本vsグアムの直接対決が予定されており、日本バスケファンにとっても見逃せないカードとなっている。

サイモン拓海とは何者か?──プロフィールとキャリアの歩み


サイモン拓海は1999年生まれの25歳。190cm・81kgのサイズを誇るシューティングガード(SG)で、アウトサイドシュートとディフェンスを武器に、着実にキャリアを築いてきた。

Bリーグでのデビューは2022-23シーズン。信州ブレイブウォリアーズの一員としてプロの舞台を踏んだ。そこから地道に力をつけ、2024-25シーズンからベルテックス静岡に加入。昨シーズンはレギュラーシーズン54試合すべてに出場し、1試合平均6.6得点、2.6リバウンド、1.2アシストを記録するなど安定した貢献を見せた。

静岡ではロールプレイヤーながらも、勝負どころでの得点や堅実な守備で評価を高めており、今回のグアム代表選出も納得の結果と言える。

グアム代表の位置付けとアジアカップにおける挑戦


グアム代表はFIBAランキング88位(2025年8月時点)と、決して高くはない位置にいるが、過去にはFIBAアジアカップ予選で香港やタイといった中堅国に勝利するなど、アンダードッグとしての底力を見せてきた。

今大会のグループBには日本(21位)、イラン(28位)、シリア(71位)が同居しており、グアムにとっては非常にタフな組み合わせとなる。しかし、だからこそ注目されるのがサイモン拓海のような新戦力の存在だ。Bリーグで培った経験は、国際舞台でも通用する可能性が高く、グアム代表の中でも異色の存在となるだろう。

日本代表との対戦──“静岡のエース”が母国と相まみえる瞬間

グアムと日本の一戦は、2025年8月10日に予定されている。奇しくも、サイモンにとっては日本代表との初対決が“母国戦”という形で実現する。

日本代表は渡邊雄太や河村勇輝、富永啓生といった世界水準のタレントを擁するチームだが、3×3の経験も活かした切り替えの早い守備やスペーシングに長けたオフェンスは、グアムにとっても参考になる部分が多い。特に、SG同士のマッチアップに注目が集まる中で、サイモンがどこまで自らの持ち味を発揮できるかが試合の鍵を握る。

3×3視点で見るサイモン拓海のポテンシャル

3×3バスケにおいては、1on1スキルと判断力、守備での切り替え能力がより強く求められる。そうした観点から見ると、サイモンのバスケIQの高さや身体能力のバランス、そして外角シュート精度は、3×3フォーマットにも十分適応可能だ。

将来的には、グアム代表として3×3アジアカップやワールドツアーに出場する可能性もあり得るだろう。また、国内でも静岡のようなクラブが3×3部門を強化する場合には、彼のような“両刀型”のプレーヤーが鍵を握ることになる。

過去の類似事例──Bリーガーの“海外代表”入り

サイモンのように、日本のクラブチームに所属しながら海外代表としてプレーする事例は過去にも存在する。たとえば、フィリピン代表としてFIBAアジア杯に出場したキーファー・ラベナ(元滋賀レイクスターズ/現横浜BC)、チャド・アリソン(琉球→韓国代表)などが挙げられる。

こうした選手たちは、各国の代表規定や二重国籍の制度を活かしながら、国際舞台でもアピールの場を得てきた。サイモンも同様に、アジアを舞台に“ダブル・アイデンティティ”を体現する選手として注目を集めている。

静岡の今後と、サイモンのキャリア展望

ベルテックス静岡はB2昇格を目指すクラブとして、地域密着と育成強化を進めている。2024-25シーズンに向けたロスター整備も進んでおり、サイモンの国際舞台での経験は、チームにとっても大きな財産となるだろう。

また、本人にとっても、代表活動によって得たフィジカル強化・メンタル強化・戦術理解の向上は、静岡でのプレーに直結するはずだ。Bリーグにおいては、こうした“国際経験者”がチームの柱になる例が増えてきており、サイモンも今後の飛躍が期待される存在だ。

メディア・ファンの反応と注目度の上昇

SNSやバスケットボール専門メディアでは、「静岡から世界へ」「Bリーガー代表入り続々」といった声が上がっており、今回のグアム代表選出は非常にポジティブに受け止められている。

とくに、8月10日の“日本vsグアム”のカードにおいて、サイモンがどのようなプレーを見せるかは、今大会の一つの見どころとなっている。DAZNなどの配信でも個別にフォーカスされる可能性があり、露出機会が増えることで知名度や評価も高まっていくことが予想される。

まとめ:FIBAアジアカップが拓く新たなキャリアへの扉

サイモン拓海のグアム代表入りは、単なる国際大会出場にとどまらず、彼自身のキャリアを大きく広げる契機となるだろう。所属クラブのベルテックス静岡にとっても、国際舞台でプレーする選手が在籍することは大きな誇りであり、地域にとっても希望の星となる存在だ。

今後の活躍によっては、Bリーグでのさらなる飛躍、3×3とのクロスオーバー、そしてアジアを超えて世界への扉を開く可能性も秘めている。FIBAアジアカップ2025──その舞台が、サイモン拓海という選手の未来に光を灯す瞬間となるか、注目が集まる。

落合知也が歩んだ唯一無二のキャリア──モデル志望から3×3日本代表、そして球団社長へ

唯一無二のキャリアを歩む男、落合知也


3×3バスケットボール界において、落合知也という名は特別な意味を持つ。東京都出身、身長195cm、体重95kgというフィジカルを持ち、フォワード兼センターとして日本代表のユニフォームに袖を通してきた落合は、プレイヤーとしての実力だけでなく、異色のキャリアでも知られている。

大学卒業後、一度はプロバスケットボールから離れ、モデルを目指すという異例の選択をした落合。しかしストリートバスケ「UNDERDOG」に誘われたことがきっかけで再びコートへ戻り、その後は3×3を主戦場として日本のトップへと駆け上がった。

法政大学で準優勝、しかしプロ入りはせず「モデルの道」へ


高校は全国強豪の土浦日本大学高校に進学。その後、法政大学に進学し、2007年のインカレで準優勝。U-24日本代表候補にも選出される実力を持ちながらも、卒業後はプロではなくモデルを目指して活動。ウェイターや営業職を経験しながらも、夢を追い続けていたという異色の背景がある。

この経験は「唯一無二」という落合の座右の銘にも通じるものがあり、彼のメンタルや価値観に深く影響を与えた。

3×3との出会い、そして世界へ──UNDERDOGから代表へ

3×3との出会いは、ストリートボールチーム「UNDERDOG」への加入から始まる。2010年から2013年にかけては、『ALLDAY』『Somecity』といったストリート大会で数多くの優勝を重ね、QUAI54(パリ)、3×3 Pacific Open(ウラジオストク)、LIGHT CITY LEAGUE(上海)と、国際的な舞台にも参戦。

とりわけ印象的なのは、2013年の「FIBA 3×3ワールドツアーマスターズ東京大会」で2位を獲得し、FIBAオールスターに選出されたことである。ここから、彼の名は国内外の3×3界で知られるようになった。

日本代表として、世界と戦う


2014年には3×3日本代表に初選出。翌年には3×3.EXE PREMIERで優勝&MVPを獲得し、2016年のFIBAワールドカップでは日本代表としてロシア、中国を破り、初の2勝を記録した。

2018年にはFIBAアジア3×3カップで日本男子初となる銅メダルを獲得。東京オリンピックでは日本代表として全試合に出場し、予選リーグ突破から準々決勝進出と、世界の舞台でもインパクトを残した。

5人制復帰と“二刀流”の挑戦

3×3に専念していた落合だが、プロ5人制のキャリアも見逃せない。2013年にNBDL(現B3)・大塚商会アルファーズでプロキャリアをスタート。2015-16シーズンにはリーグベスト5に選出されるなど、結果を残す。

その後、B1のリンク栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)へ移籍し、2016-17シーズンの優勝メンバーにも名を連ねた。越谷アルファーズでも長く在籍し、2023年までプレー。再び3×3専念を表明し、次なるステージへ進む。

しながわシティで新たな挑戦──選手兼球団社長

2024年、しながわシティバスケットボールクラブとSHINAGAWA CITY.EXEの設立に合わせ、落合は選手兼球団社長に就任。この動きは日本バスケットボール界においても非常に珍しく、選手がマネジメントと競技の両方に関わる新時代の象徴と言える。

2025年シーズンには、B3で51試合に出場し平均5.59得点、2.94リバウンド、3P成功率34.9%という安定した数字を記録。B3の日本人選手としてリバウンドランキング3位にも名を連ねている。

プレイスタイルと人間性

落合のプレイスタイルは、ミスマッチを活かすポストアップと、外国籍選手とのフィジカルなマッチアップを得意とする「3ビッグ」システムに適応する点に特徴がある。高身長に加え、フィジカル・判断力・リーダーシップに優れた万能型プレイヤーといえる。

また、目標とする人物にイチローを挙げるなど、独自の信念とストイックさを持ち合わせている。好きな音楽はHIPHOP、人生のモットーは「唯一無二」。彼が多くの若手選手から尊敬を集める理由は、こうした人間性にもある。

未来へ──GL3x3と落合知也の交差点

GL3x3が目指す「エンターテインメント×競技性」というコンセプトにおいて、落合知也はまさに象徴的な存在となり得る。モデル・プロ選手・球団社長と、あらゆる経験を積んだ彼が、GL3x3のような新興リーグにおいて担う役割は計り知れない。

実際、2025年のGL3x3イベントにおいて、しながわシティからの選手派遣やMC演出の協力など、様々な連携が予定されており、今後の展開が注目される。

まとめ|「唯一無二」の挑戦を続ける理由

落合知也のキャリアは、常識を覆し続けてきた軌跡そのものである。3×3という競技の可能性を切り開いた第一人者であり、今なお進化し続ける存在だ。

若手プレイヤーにとって彼の存在は「道しるべ」であり、GL3x3にとっても、彼の経験と哲学は欠かせない要素だ。バスケとエンタメの融合という新たな地平で、落合知也はこれからも唯一無二の存在として走り続けるだろう。

【女子バスケWリーグ】富士通レッドウェーブが描く進化の軌跡と未来展望|3度のリーグ優勝と地域密着の真実

富士通レッドウェーブとは|川崎を拠点とする女子バスケの名門クラブ


富士通レッドウェーブは、1985年に創部された富士通株式会社の女子バスケットボールチームであり、Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)のプレミアディビジョンに所属しています。本拠地は神奈川県川崎市で、チーム名の「レッドウェーブ」は情熱(Red)と勢い(Wave)を象徴し、地域とともに成長することを理念としています。

拠点は川崎市中原区のとどろきアリーナ。練習場は富士通川崎工場に設けられており、地元のスポーツ振興やバスケクリニック、トークショーなどの地域貢献活動にも力を入れています。

激動の昇降格を経て、Wリーグの主役へ

創部当初は関東実業団4部からのスタートでしたが、1989年に日本リーグ2部へ昇格。1995年には1部へと駆け上がるも、その後数年間は昇格と降格を繰り返す苦しい時期が続きました。

ターニングポイントは2001年。元韓国代表でシャンソン化粧品でも名を馳せた李玉慈(イ・オクチャ)をヘッドコーチに迎えると、W1リーグで優勝を果たし、2002年からWリーグに本格参戦。以降は安定した戦力と育成体制を背景に、リーグの中心的存在へと成長していきました。

黄金期の到来とタイトル獲得の歴史

レッドウェーブが本格的に日本女子バスケ界の頂点に立ったのは2006年。中川文一ヘッドコーチのもと、皇后杯(全日本総合バスケットボール選手権)で初優勝。その後2007年・2008年と3連覇を成し遂げ、「シャンソン」「JOMO」という2強時代に風穴を開けました。

さらに2008年にはWリーグでも初優勝を達成。皇后杯との二冠を達成したことは、チームの実力が真にリーグトップクラスであることを証明しました。

2023-24、2024-25シーズンには再びリーグを制覇し、Wリーグ優勝は通算3回。皇后杯も2024年の4度目の戴冠で、タイトル総数は計7冠に達しています。

指導陣と育成体制|BT・テーブス体制の安定感

現在チームを率いるのはBT・テーブス(Bryan Teves)ヘッドコーチ。2014年よりアソシエイトコーチとしてチームに参加し、その後ヘッドコーチに昇格。的確な戦術眼と、選手個々のポテンシャルを引き出すマネジメントが高く評価されています。

また、アシスタントコーチには日下光、後藤祥太が就任しており、細かな戦術対応からフィジカル指導まで、多角的な支援体制を整えています。

代表経験者も多数|町田瑠唯をはじめとしたスター選手たち

富士通レッドウェーブの強さの秘密のひとつは、日本代表レベルのタレントを複数擁している点にあります。特に注目されるのは、ポイントガードの町田瑠唯。抜群のゲームメイク力とアシスト能力で、日本代表やWNBAワシントン・ミスティックスでの活躍歴もある名プレーヤーです。

キャプテンを務める宮澤夕貴も、日本代表で長年活躍するフォワード。身長183cmのサイズを活かしたインサイドとアウトサイドの両面でのプレーに定評があります。その他、林咲希、赤木里帆、藤本愛妃らが主力としてチームを支えています。

2024-25シーズン総括|圧巻の強さで王者奪還


2024-25シーズン、富士通レッドウェーブは23勝5敗という圧倒的な成績でレギュラーシーズン1位を獲得。プレーオフでも激戦の末にファイナルで3勝2敗と勝ち切り、2年連続でWリーグ制覇。さらに皇后杯でも頂点に立ち、2007年以来の2冠達成を果たしました。

このシーズンの成功は、チーム戦術の深化とベテラン・若手の融合、そして安定した指導体制によるものと評価されています。

GL3x3視点での注目ポイント|3×3バスケとの親和性

GL3x3として注目すべき点は、富士通レッドウェーブの選手たちが3×3バスケにも適応可能なスキルセットを持っていることです。例えば町田瑠唯のピック&ロール処理、林咲希の外角シュート、宮澤夕貴のフィジカルな1on1など、すべてが3×3の戦術的トレンドにマッチしています。

今後、GL3x3とのコラボや代表候補としての選出も視野に入れられる選手層の厚さは、女子3×3バスケの未来を担う存在と言えるでしょう。

地域貢献とマスコット文化|「レッディ」とともに歩む未来


富士通レッドウェーブは、2004年より川崎市の「ホームタウンスポーツ推進パートナー」に認定され、地域密着型のクラブ活動を積極的に展開。ホームゲームへの市民招待やバスケットボールクリニックの開催など、スポーツによるまちづくりを実践しています。

また、マスコットキャラクター「レッディ」は海鷲をモチーフにしたチームの象徴で、「Red」と「Ready To Go」の2つの意味を兼ねています。地域との一体感を強調するこのスタイルは、他のクラブのロールモデルともなっています。

今後の展望|日本女子バスケの未来を担う存在へ

3×3が五輪正式種目となり、国内リーグや育成年代の動きも活発化する中、富士通レッドウェーブが果たす役割はさらに大きくなっていくと見られます。

選手層の厚さ、指導体制の安定、地域とのつながり──この3要素を軸に、Wリーグだけでなく、3×3や国際舞台でも注目される存在であり続けることは間違いありません。

今後もその動向から目が離せません。

篠山竜青×辻直人が語る日本代表の推し選手と課題|アジアカップ直前インタビューで見えた未来の鍵

ABEMA解説者・篠山竜青×辻直人が語る「代表の現在地と未来」

2025年8月に開幕を控える「FIBAアジアカップ2025」。日本代表の選考と強化が着実に進む中、新しい視点から注目を集めているのが「元日本代表コンビ」によるABEMA解説だ。

篠山竜青と辻直人。かつての日本代表の司令塔とシューターコンビが、解説席でも抜群のケミストリーを披露しながら、新生日本代表を鋭く、時にユーモラスに語る。このコンビが日本生命カップ2025・日本代表vsオランダ代表の直前に行ったインタビューでは、解説者としての視点から「日本代表の推し選手」「呼んでほしい未招集選手」「今必要な人材」まで、濃密な見解が飛び出した。

不安と期待が交差した初コンビ解説

篠山と辻が揃って解説に挑んだのは今回が初めて。オファー当初の心境について、辻は「大丈夫かな…と不安の方が大きかった」と振り返り、篠山も「自分たちへのハードルが勝手に上がっていた」と苦笑いしたという。

だが、互いの解説スタイルについてはお互いに称賛。辻は篠山について「聞いていて“そうそう”と納得できる分かりやすさ」、篠山は辻について「IQが高く、ふざけてるように見えて的確」と語り、信頼感がにじみ出る。

両者ともに「選手目線で寄り添う」「現役感覚を伝える」ことを意識しており、彼らならではの立場が、新しい解説スタイルを築いている。

アジアカップ日本代表への期待|“勢い”と“サイズ”が鍵

新生日本代表の選考について、両者は「若返り」「海外組の増加」「勢いのあるBリーガーの抜擢」といったキーワードを挙げる。特に注目されたのは、テーブス海の弟であるテーブス流河や、かつて明成高校で話題を集めた山﨑一渉などの新顔だ。

辻は「“こんな選手いたのか”と驚くほどバリエーション豊か」と称賛。篠山も「B2の中村太地選手のように、カテゴリー関係なく“勢い”で選ばれているのが面白い」と語った。

また、近年は日本代表の課題とされてきた「サイズ不足」についても改善が見られ、トム・ホーバスHCのバスケットを遂行できるメンバーが揃ってきていると評価する。

“未招集の逸材”たち|2人の解説者が本気で推す候補選手とは

──もし、今の代表に“呼んでほしい”と思う未招集選手は?
この質問に対し、両者からは以下の名前が挙がった。

  • 米須玲音(川崎)…「パスセンスは抜群。司令塔としての成長が楽しみ」(篠山)
  • 山内ジャヘル琉人(川崎)…「身体能力と1on1のディフェンス力が高く、外国籍選手にも対応できる」(篠山)
  • 脇真大(琉球)…「Bリーグファイナルでの爆発力。外角精度が高まれば代表向き」(辻)
  • 小川敦也(宇都宮)…「ドライブでペイントタッチを作れるクリエイター。国際舞台で見たい逸材」(辻)

なかでも小川は、篠山・辻の両者が「絶対に代表で試してほしい」と意見が一致。高さ、ドライブ力、プレーメイク能力のバランスにおいて、「日本代表に新しい風を吹かせる存在」として高評価を得ている。

今の代表に“必要な人材”とは?ハンドラー&ビッグマンが急務

ポジション的な課題について問われた際、両者の見解は一致した。「必要なのはハンドラーとビッグマン」ときっぱり。

篠山は「河村勇輝がメインハンドラーとして定着しつつあるが、逆サイドにももう1人起点を作れる選手が必要」と説明。また、ジョシュ・ホーキンソンが38分以上出場している現状を危惧し、「日本人ビッグマンの台頭が急務」と語る。

辻も同意しつつ、新たに代表に加わった狩野富成(長崎)のフィジカルに驚きを示す。「金髪にしたら川真田選手と間違えるくらい体格が似てる(笑)。そんな選手がいたことにもびっくり」と語り、今後の台頭に期待を寄せた。

アジアカップを“強化の場”と捉える2人のリアルな視点

アジアカップは、日本代表にとって「結果を求められる大会」であると同時に、「新戦力発掘の場」でもある。この点について、2人はともに「今後に向けた“トライアウト”的意味合いが強い」と分析する。

篠山は「代表入りを目指す若手たちが公式戦で経験を積む機会は大きい」とし、結果よりも成長と経験値を重視するスタンスを示した。辻も「新戦力の“試験的起用”の場として非常に貴重」とコメントし、結果と育成のバランスを重要視している。

まとめ|元代表だからこそ語れる、現代表へのリアルな“愛”と“希望”

今回のインタビューは、元代表選手という立場から、現日本代表の未来を真剣に見つめる“バスケ愛”にあふれた内容となった。篠山竜青と辻直人がABEMA解説者として担う役割は、単なるマイク越しの仕事ではなく、次世代への「継承」とも言えるだろう。

推し選手の紹介だけでなく、「なぜ今このタイプが必要なのか?」「この選手はどこでフィットするのか?」といった視点は、現役プレイヤー/OBだからこそ語れる貴重な知見だ。

アジアカップ2025、そしてその先のFIBAワールドカップやオリンピックに向けて──
「バスケ解説」が“バスケ文化”を育てる時代が、いま始まっている。

FIBA女子アジアカップ2025完全ガイド|日程・開催地・放送・組み合わせ・日本代表メンバーまで徹底解説

FIBA女子アジアカップ2025、ついに開幕!

2025年7月13日、中国・深圳を舞台に『FIBA女子アジアカップ2025』が幕を開けた。バスケットボール女子日本代表は、アジアの強豪がひしめく中、再び頂点を狙う戦いへ挑む。
本記事では、大会の全体像から日本代表の試合日程、注目選手、テレビ放送・配信情報、さらには過去の戦績や展望までを網羅。バスケファン必見の決定版ガイドとなっている。

FIBA女子アジアカップとは?

FIBA女子アジアカップは、アジア・オセアニア地域における女子代表チームの最上位国際大会であり、FIBAランキングやオリンピック予選に直結する重要な位置づけを持つ。
2025年大会は「ディビジョンA」に8チームが参加し、グループステージ後にトーナメントが行われる。

大会スケジュールと会場

– 開催期間:2025年7月13日(日)~7月20日(日)
– 開催地:中国・深圳
– 会場:深圳スポーツセンター(Shenzhen Sports Center)

グループステージは13日から15日、決勝トーナメントは18日から20日に行われる。7位~優勝までが明確に決定されるシビアなレギュレーションだ。

出場チームと組み合わせ

【グループA】
– 中国(FIBAランク4位)
– ニュージーランド(26位)
– 韓国(14位)
– インドネシア(52位)

【グループB】
– 日本(9位)
– オーストラリア(2位)
– フィリピン(44位)
– レバノン(54位)

ランキング上位国が集まるグループBは激戦が予想される。特に日本とオーストラリアの直接対決は大会屈指の好カードだ。

日本代表の試合日程

– 7月13日(日)14:30〜 vs レバノン
– 7月14日(月)20:30〜 vs フィリピン
– 7月15日(火)17:30〜 vs オーストラリア
– 7月18日〜:決勝トーナメント(準決勝進出戦など)
– 7月20日(日):決勝/3位決定戦など

※決勝トーナメントの日程・対戦カードはグループ順位により変動

テレビ放送・ネット配信情報

試合は以下のメディアで放送/配信される:

– **DAZN**:全試合ライブ配信(日本語実況あり)
– **BSフジ**/**フジテレビNEXT**:日本代表戦を中心に放送
– **FOD**:地上波未放送分を含めて配信

注目の解説陣には、東京五輪銀メダリストの宮崎早織選手(ENEOS)が登場し、視聴者に戦術的な見どころも提供している。

女子日本代表の登録メンバー

ヘッドコーチ:コーリー・ゲインズ
代表経験豊富な髙田真希や渡嘉敷来夢を中心に、若手とベテランが融合する布陣となった。

– 髙田真希(PF/35歳/デンソー)
– 渡嘉敷来夢(C/34歳/アイシン)
– 宮澤夕貴(PF/32歳/富士通)
– 川井麻衣(PG/29歳/デンソー)
– 栗林未和(C/26歳/東京羽田)
– 馬瓜ステファニー(SF/26歳/サラゴサ)
– オコエ桃仁花(PF/26歳/ENEOS)
– 今野紀花(SG/25歳/デンソー)
– 星杏璃(SG/25歳/ENEOS)
– 東藤なな子(SG/24歳/トヨタ紡織)
– 薮未奈海(SF/20歳/デンソー)
– 田中こころ(PG/19歳/ENEOS)

注目選手ピックアップ

– **田中こころ(PG)**
19歳にして代表初選出。スピードとゲームメイク力が魅力の司令塔候補。

– **薮未奈海(SF)**
FIBA公式大会初出場ながら初戦で19得点を記録。アウトサイドシュートに注目。

– **馬瓜ステファニー(SF)**
海外リーグでも活躍中。アグレッシブなプレースタイルと得点力で日本をけん引。

過去の実績と今回の目標

日本代表は2015年から2019年まで3連覇を達成したが、2021年大会では中国に決勝で敗れて準優勝。
今回の2025年大会では、2大会ぶりのアジア制覇=「7度目の優勝」を目指している。

これまでの優勝回数:
– 日本:6回(1970、1993、1997、2013、2015、2017、2019)
– 中国:11回
– 韓国:12回

ライバルは依然として中国とオーストラリアだが、今大会はフィリピンや韓国の急成長も注目される。

バスケファン・メディアの期待

SNSでは「#AkatsukiFive」や「#女子日本代表」のハッシュタグで日々話題が更新されており、特に若手の台頭に多くのエールが寄せられている。
Wリーグ関係者やOB・OGの解説も連日発信されており、バスケ熱の高まりを感じさせる。

まとめ|今大会の行方は?

ベテランの経験と若手の勢いが融合する今回の日本代表は、“アジア制覇”のポテンシャルを十分に秘めている。
7月13日から始まった熱戦は、7月20日に王者が決まる。果たして日本は再び頂点に立つことができるのか――。
全試合のチェックはDAZNとフジ系放送で可能だ。
この夏、アカツキファイブ女子の快進撃から目を離すな!

キーファー・ラベナがジョーンズカップ2025フィリピン代表入り!横浜BCの司令塔が日本代表と激突へ

横浜ビー・コルセアーズのキーファー・ラベナ、ジョーンズカップ2025のフィリピン代表に選出


2025年7月13日、B1リーグの横浜ビー・コルセアーズは、所属するキーファー・ラベナが「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」に出場するフィリピン代表メンバーに選出されたことを正式に発表した。この発表は、フィリピンと日本、そしてアジア全体のバスケットボールファンにとって大きな注目を集めている。

キーファー・ラベナは、フィリピン国内では“最も知名度のあるガード”の一人として知られ、同国バスケット界の象徴的存在である。現在31歳となったラベナは、183cm・82kgのサイズながら、冷静な判断力と正確なシュート技術、そして試合を読む洞察力で国際舞台でも存在感を放ち続けている。

フィリピン代表の中核としての復帰──ワールドカップ経験者の重み

キーファー・ラベナの代表キャリアは長く、2009年のU16アジア選手権にて初めてフィリピン代表のユニフォームに袖を通した。その後、U18、U23、シニア代表へと順当にステップアップを果たし、近年では2023年に開催されたFIBAバスケットボールワールドカップでも代表メンバーとしてプレー。日本を含む強豪国を相手にタフな戦いを経験してきた。

ラベナのプレースタイルは、決して派手さを前面に出すものではないが、試合を通じて安定感のあるボール運びと高精度なパスを提供する“ゲームマネージャー”として重宝されている。ジョーンズカップ2025においても、若手主体のロスターを支えるベテランとして、フィリピン代表の屋台骨を支えることになるだろう。

Bリーグでの実績──日本で磨かれたラベナの進化


2021−22シーズンからBリーグに参戦したキーファー・ラベナは、滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)でキャリアをスタート。日本独自のスピードと戦術的なバスケットボールに順応し、1年目から平均二桁得点を記録するなど順調なスタートを切った。

2023−24シーズンには横浜ビー・コルセアーズへ移籍し、B1リーグ戦では53試合に出場。平均9.8得点、1.9リバウンド、3.8アシストという数字を記録し、チームのプレーオフ進出争いに貢献。特にクラッチタイムでの冷静な判断やフリースロー成功率の高さなど、チームに安定感をもたらす存在としてファンの信頼を集めた。

Bリーグでの3年間を通じて、ラベナは日本のバスケットボール文化を学び、それを自らの武器として昇華してきた。日本人選手との連携能力や、フィジカルを生かした1on1の強さなど、母国時代には見られなかった“日本仕様のPG”としての成長が見て取れる。

ジョーンズカップで日本代表と激突──注目の一戦が間近に

キーファー・ラベナが出場するフィリピン代表は、7月13日にチャイニーズ・タイペイ代表との初戦を戦い、続く14日に日本代表と対戦する。フィリピンと日本は、ここ数年でライバル関係を強めており、各年代の国際大会でも頻繁に接戦を演じてきた。

ラベナ自身も、Bリーグでの経験から日本代表の戦術や主力選手の特徴を熟知しており、試合の中ではその知見を最大限に活かしてくるだろう。一方、日本代表側もBリーグでラベナと対戦してきた選手が多く、互いに「手の内を知る者同士」の戦いとなる。

この一戦は、ジョーンズカップという大会の枠を超えて、“アジアバスケの未来を占う試金石”ともいえる。勝敗はもちろんのこと、どのような戦術が繰り出され、誰が主導権を握るか。ラベナの存在は試合の鍵を握るキーファクターとなる。

3×3視点から見たラベナの価値──スキルフルな“戦術型ガード”の可能性

キーファー・ラベナのような、オールラウンドに試合をコントロールできるガードは、3×3の舞台でも高い価値を持つ。3×3では、限られたスペースと時間の中でいかに効率的に点を取るかが重要となる。その点、ラベナの“プレッシャー下での判断力”と“状況把握能力”は、3×3でもそのまま通用するスキルだ。

さらに、ラベナは1on1にも強く、ピック&ロールの精度も高いため、3×3特有の“即興性”のある攻撃でも持ち味を発揮できるだろう。年齢的にも円熟期に差しかかっており、将来的にはフィリピン3×3代表としての選出も視野に入る可能性がある。

まとめ:日比の架け橋となるキーファー・ラベナ、さらなる挑戦へ


Bリーグとフィリピン代表、二つの舞台を行き来しながらキャリアを重ねてきたキーファー・ラベナ。彼の存在は、単なるプレーヤーにとどまらず、日比バスケットボール界を結ぶ架け橋としての価値を持っている。

ジョーンズカップ2025での活躍次第では、アジアカップやOQT(五輪最終予選)といった大舞台への再選出も見えてくる。31歳を迎えても衰えを見せないその姿勢は、多くの若手選手にとってのロールモデルであり、3×3を含めた日本国内バスケットボールにも好影響を与える存在である。

GL3x3としても、キーファー・ラベナという“アジアの司令塔”が、日本とフィリピンのバスケをつなぐキーマンとして、これからどのように輝きを放つのか、今後も注視していきたい。

富永啓生、NBAサマーリーグでデビュー戦!得点ならずも挑戦の第一歩…次戦は河村勇輝との“日本人対決”へ

富永啓生がNBAサマーリーグでデビュー──日本バスケ界期待の星が“アメリカの舞台”へ


2025年7月13日(現地時間12日)、ネバダ州ラスベガスで開催中の「NBA 2K26 サマーリーグ」にて、日本人シューティングガード・富永啓生がインディアナ・ペイサーズの一員として初出場を果たした。

富永は2024−25シーズンのネブラスカ大学卒業後、NBAドラフトでは指名漏れとなったが、シュート力を武器に複数チームのワークアウトに参加。その評価が実り、ペイサーズのサマーリーグロスター入りを果たしていた。日本バスケットボール界が誇る“和製カリー”が、ついにNBAの舞台で第一歩を刻んだ。

初出場は終盤の1分50秒──得点はならずも果敢に挑戦

ペイサーズ対サンダー戦で富永に出番が巡ってきたのは、第4クォーター残り1分50秒。観客の拍手に迎えられてコートインすると、右ウイングでボールを受けた直後、迷うことなく3ポイントを放った。だがシュートはリングに弾かれ、得点とはならず。記録上は「0得点1本のFG試投」となった。

試合はサンダーが序盤から優勢を保ち、104−85でペイサーズを圧倒。富永が出場した時間帯も、終始タフな守備とペースコントロールで主導権を握られていた。だが、富永自身は短い出場時間にも関わらず、フロアバランスの維持、オフボールでの動き、パス回しへの関与といった面で光る場面を見せた。

富永啓生の経歴と“シューター”としての評価

富永は愛知県出身。桜丘高校で全国区のスター選手となった後、アメリカへ留学。NJCAAのレンジャー・カレッジで活躍後、ネブラスカ大学に編入。NCAA1部で3シーズンにわたり主力としてプレーし、最終学年では平均13.1得点、3P成功率37.7%を記録。特に速攻からのトランジション3やコーナースリーの精度は、NBA関係者の間でも注目を集めた。

身体的には188cm・77kgとNBA基準ではやや小柄な部類に入るが、シュートセレクションとリリースの速さ、そしてスクリーナーを使うオフボールの動きにおいては非常に高い評価を得ている。NBAでの起用は“スペシャリスト枠”としての可能性が高いが、今後のアピール次第では契約獲得も夢ではない。

次戦は河村勇輝との“日本人対決”に注目


富永が所属するインディアナ・ペイサーズは、次戦でシカゴ・ブルズと対戦する予定だ。奇しくも、ブルズのサマーリーグロスターには日本代表PG・河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)が名を連ねており、“日本人ガード対決”が現実味を帯びてきた。

河村はシカゴでのトライアウト後に正式にブルズのSLチームへ合流。すでにトレーニングやメディア対応を行っており、出場の可能性は十分にある。仮に両者が同時にコートへ立つような場面が訪れれば、日本のバスケファンにとっては歴史的瞬間となるだろう。

ペイサーズの状況と富永のローテ入りの可能性

今回の試合では、ペイサーズはNBAファイナル2025と同じ対戦カード(vsサンダー)ということもあり、チーム内の競争は激しさを増していた。ペイサーズは主力若手を中心に起用し、元秋田ノーザンハピネッツのロバート・ベイカーがチーム最多の16得点。ダブルダブルを記録したエンリケ・フリーマンら、実力派の選手が揃っている。

その中で、富永が今後どこまで出場時間を確保し、評価を高められるかは未知数だが、サマーリーグはまさに“下剋上”が起こる舞台。1本の3Pで状況が大きく変わることもある。本人も試合後のSNSで「シュートは落ちたけど、次に向けて準備する」とコメントしており、前向きな姿勢を崩していない。

3×3バスケとの親和性──富永の可能性をGL3x3視点で考察

富永のようにアウトサイドシュートを高確率で沈め、クイックに判断できる選手は、3×3バスケにおいても理想的な存在といえる。3×3ではゲームスピードが早く、1プレーの決断力と成功率が勝敗を分ける。その中で富永が持つ「一撃で流れを変える力」は非常に貴重だ。

もし今後、5人制でのNBA定着が難しい場合、3×3日本代表への転向も一つの選択肢となり得る。すでにFIBA3x3では多くの国で“元NCAA選手”や“NBA経験者”が台頭しており、富永も十分その領域で輝けるポテンシャルを秘めている。

まとめ:世界を見据える挑戦は始まったばかり


富永啓生のNBAサマーリーグデビュー戦は、得点という結果こそ残せなかったものの、世界最高峰の舞台に立ったという事実だけで大きな意味を持つ。チームへの適応、アピールチャンスの創出、そして河村勇輝との共演。次なる一戦に向けた注目は高まる一方だ。

GL3x3としても、富永のような“世界を目指す選手”が日本バスケ界の新たな潮流を作っていくことに期待してやまない。次世代のリーダーとなるであろう富永が、どのようにこの夏を駆け抜けていくのか。今後も一挙手一投足を追い続けたい。

日本代表が韓国に2連敗、ホーバスHC「成熟度に差」若手台頭と今後の課題に言及

韓国遠征での2連敗、日本代表が直面した“現実”とホーバスHCの冷静な分析


2025年7月13日、韓国・ソウルにて行われた男子日本代表の国際強化試合で、日本は韓国代表に69-84と完敗。前戦に続いて連敗を喫し、ホーバスHCは試合後、「非常に理想的なチームを見た」と韓国代表を称えるコメントを残した。ランキング上はFIBA世界21位の日本に対し、韓国は53位という位置付けながら、試合内容ではむしろ逆の結果となった。

本記事では、敗因の分析だけでなく、日本代表の現在地や若手の台頭、今後の展望に至るまで、詳細にリポートしていく。

2試合連続の黒星、主導権を握れなかった日本

第1戦(77-91)に続く第2戦は、序盤から韓国に主導権を握られる展開となった。日本は3ポイントシュートが不調で、成功率はわずか25.0%(10/40)。ターンオーバーも12本と多く、攻撃のリズムを構築できないまま点差を広げられた。

第4クォーターではジェイコブス晶が気を吐き、1人で14得点を挙げるなど反撃を試みたが、大差を覆すには至らなかった。

ホーバスHCは「第4Qのような戦い方が本来の我々。しかしそこまで持っていけなかったのは、我々の未熟さと韓国の守備の素晴らしさが要因」と語り、相手の組織力を高く評価した。

ホーバスHCが語る韓国代表の“理想形”

試合後の記者会見でホーバスHCは、「韓国は非常に成熟している」と語り、ボールムーブメントや全員得点のシステムを「現代バスケットにおける理想的な形」と評した。FIBAランキングでは測れない実力差を強調し、「実際に戦えば、その真価がわかる」との見解を示した。

韓国は近年、国内リーグKBLの強化を背景に代表強化も着実に進んでおり、現時点での完成度は日本を上回っていたといえる。

若手選手の奮闘と新戦力の発掘

苦しい展開の中でも、希望の光はあった。ジャン・ローレンス・ハーパージュニアは攻守で積極的なプレーを見せ、指揮官から名指しで評価された。また、1本の3ポイント成功にとどまった山﨑一渉についても、「伸びしろがある」と前向きな評価がなされた。

ホーバスHCは「今はプロセスの途中。新しい選手がステップアップする時間が必要」とし、アジアカップ本番に向けての成長段階であることを強調した。

不在の主力選手たち――河村、富永、富樫、比江島

今回の韓国遠征には、いわゆる“主力不在”の状態で臨んでいた。中でも注目されるのが、NBAサマーリーグ参戦中の馬場雄大(無所属)、富永啓生(ネブラスカ大学出身)、河村勇輝(シカゴ・ブルズ)の3名だ。

ホーバスHCは「彼らがどう評価されるか次第だが、本人たちはアジアカップへの強い意欲を持っている」と述べ、今後のスケジュールやチーム構成に柔軟に対応する考えを示した。

富樫勇樹(千葉ジェッツ)については「出場意志を確認している。帰国後に話し合う」とした上で、調整段階であることを明言。

一方で、代表引退を示唆していた比江島慎(宇都宮ブレックス)については「アジア選手権まで戦い続けていたが、今回は不参加」と断言した。

アジアカップへ向けたラストチャンスはデンマーク戦


現在、日本代表に残された強化試合は、7月19日・20日にLaLa arena TOKYO-BAYで予定されているデンマーク代表(FIBAランキング59位)との連戦のみ。

この2試合が、2025年8月に予定される「FIBAアジアカップ2025」本大会前の“ラストテスト”となる。

ここでのパフォーマンス次第では、メンバー選考に大きな影響を与える可能性も高く、新旧交代を見据えた人選にも注目が集まる。

代表の“今”と“これから”――変革期にいるチーム

ホーバスHCが着任して以来、日本代表はNBAスタイルを取り入れたハイスペースバスケットを志向し、スピーディーで自由度の高い戦術を磨いてきた。しかしその一方で、安定感や成熟度という面ではまだ発展途上にある。

韓国戦での敗北は、その“未完成さ”を明るみにしたとも言えるが、それはまた大きな成長のきっかけにもなり得る。

ホーバスHCの「これはプロセスの一部。焦らず次に進む」という言葉には、長期的なチーム強化に向けた確固たる意志が感じられた。

課題の明確化と今後の強化方針――日本代表の“成長ロードマップ”

今回の韓国遠征は、日本代表にとって多くの課題を浮き彫りにした試合だった。3ポイントの精度、ターンオーバーの数、ディフェンス時のローテーション、そして試合の入り方の甘さ。これらの要素は、すべて今後の強化ポイントとしてチームが取り組むべきテーマとなる。

特にペリメーターの守備力は、アジア勢との戦いにおいて生命線とも言える分野だ。韓国戦ではスイッチの遅れから外角を容易に打たれ、そこを起点にインサイドを攻め込まれるケースが目立った。これに対し、ホーバスHCは「個々の1on1ディフェンスの強化だけでなく、ヘルプの連携を高めることが重要」と語り、組織的な守備意識の底上げを課題として挙げている。

一方で、オフェンスにおいても課題は山積している。ドリブルからの展開が単調になり、相手の守備網に捕まる場面が目立った。ホーバス体制では常に「スペースとボールムーブメント」が重要視されてきたが、現時点では戦術が若手選手に十分に浸透していないようにも見受けられる。

そのため、デンマーク戦を含めた残りの強化試合では、いかに戦術の再確認と浸透を図れるかが焦点となる。選手同士の連携を高めるためには、試合の中で“失敗してもチャレンジする”というメンタリティの醸成も重要だ。

ファンが支える“成長の物語”とアジアカップへの期待

日本代表は現在、世代交代と再構築の真っただ中にある。絶対的エースや経験豊富な主力が不在という状況の中で、若手選手たちは貴重な実戦経験を積みながら、着実にステップアップしている。

SNSなどでは、今回の連敗を悲観する声と同時に、「若手が経験を積む良い機会」「ホーバスのチャレンジを支持する」といった前向きな意見も数多く見られる。これは、日本のバスケファンがチームの“プロセス”を共有し、長期的な視野で応援を続けている証でもある。

2025年8月のFIBAアジアカップは、そんなプロセスのひとつの“答え合わせ”となる場だ。ライバル韓国、中国、フィリピンなど強豪がひ

【柏木真介 引退セレモニー】“バスケ人生の集大成”が詰まった一日、8月30日にアイシン体育館で開催

柏木真介、引退セレモニーを8月30日に開催


日本バスケットボール界を20年以上にわたりけん引してきたレジェンド、柏木真介氏の引退セレモニーが、2025年8月30日(土)に開催されることが決定した。会場は、彼のキャリアの象徴とも言えるアイシン体育館。開場は13時、開演は14時からおよそ90分間にわたって行われる予定で、チケットは8月1日より有料販売開始。記念グッズも付属する。

柏木氏は2025年5月、43歳で現役引退を発表。プロとしてのキャリアは実に21年におよび、数々の栄光と苦悩、挑戦と成長の軌跡を刻んできた。

北海道出身のバスケット少年が歩んだ道

柏木真介は1981年、北海道に生まれた。小学3年生からバスケットボールを始め、東海大学付属第四高校(現:東海大学付属札幌高校)で頭角を現すと、中央大学に進学。インカレでは1学年上の五十嵐圭(現・新潟アルビレックスBB)と共に準優勝を果たすなど、大学バスケ界でも屈指の実力者として名を馳せた。

2004年に日立サンロッカーズ(現:サンロッカーズ渋谷)でプロデビューを果たすと、わずか2年で名門・アイシンシーホース(現:シーホース三河)へ移籍。ここから、柏木氏の“真骨頂”とも言えるキャリアが始まる。

名将・佐古賢一と築いた黄金期

柏木氏が最も輝いた時期の一つが、2006年からのアイシン時代だ。加入初年度にチャレンジカップ優勝を果たすと、翌年にはJBL(旧日本リーグ)制覇を経験。以降、2008年の天皇杯からは“Mr.バスケットボール”こと佐古賢一氏とともに4年連続で日本一に輝き、日本代表としてもアジア大会やFIBA世界選手権に出場するなど、日本の顔とも言える存在となっていった。

個人としても、2007年にはレギュラーシーズンMVPとプレーオフMVPのダブル受賞を果たすほか、ベスト5賞、フリースロー成功率賞、スティール賞など多彩なタイトルを獲得。シーホース三河のキャプテンとして、チームを精神的にも牽引した。

チームを渡り歩き、なお輝き続けた後半キャリア


2017年、36歳を迎えた柏木氏は名古屋ダイヤモンドドルフィンズに移籍。衰え知らずの勝負強さと冷静な判断力で、若いチームに経験値と落ち着きをもたらした。その後は新潟アルビレックスBBでのプレーを経て、2020年に古巣・シーホース三河へ復帰。ベテランとしてロッカールームの空気を引き締め、2020年にはチャンピオンシップ進出を果たすなど、再びチームに勝利をもたらした。

2024年には三遠ネオフェニックスへの期限付き移籍を経験。43歳という年齢にもかかわらず、試合終盤でのディフェンス、クラッチシュート、若手への指導力といった「柏木節」は健在だった。

21年のプロキャリアに込められたメッセージ

柏木氏の引退発表は2025年5月。コメントでは、家族や仲間、支援してくれたファンへの深い感謝の気持ちと、バスケットボールという競技への敬意がにじむ。

「バスケットボールが私を育ててくれました。支えてくれました。そして、成長させてくれました。」

柏木氏はこう綴り、どんな時もバスケットに対して“嘘をつかず、妥協せず”向き合ってきた誇りと共に、静かに現役生活を締めくくった。

彼の姿勢は、華やかな数字やタイトル以上に、多くのファンや若い選手にとって「何がプロであるか」を教えてくれる存在であった。

引退セレモニーは「恩返しの場」

8月30日に開催される引退セレモニーは、柏木氏にとって単なる「引退の儀式」ではない。21年間の歩みにおいて出会ったすべての人々に対する「感謝の時間」であり、応援し続けてくれたファンへの“恩返しの場”でもある。

シーホース三河時代の盟友たちや、ライバルだった選手の出席も期待され、当日は映像やトークイベント、ミニゲームなど多彩なプログラムが用意される予定だ。ファンにとっては、レジェンドと共に過ごす“かけがえのない一日”となるだろう。

Bリーグが育んだ「柏木世代」の象徴

Bリーグ創設前から活躍し、その後もB1リーグでのハードな戦いに身を投じ続けた柏木氏は、日本の男子バスケットボールにおける「過渡期」を支えた象徴的存在だった。

競技の商業化と国際化が進む中で、地道に努力を重ね、技術と人間性の両面で信頼を得てきた。その背中を見て育った若手は数知れず、彼の引退は一つの時代の終わりを告げる。

未来への影響:ポスト柏木の担い手たち

柏木氏の引退は、ただの“退場”ではない。彼が残してきた文化や精神は、これからの世代に引き継がれていく。特に日本代表やBリーグにおいて、リーダーシップと勤勉さを兼ね備えたガードのモデルケースとして、柏木氏のキャリアは語り継がれるはずだ。

今後は指導者やフロントとしての活動も期待される中、彼がどう日本バスケットの成長に貢献していくかにも注目が集まる。

まとめ:すべての「ありがとう」を込めて


21年間、プロとして一線で走り続けた柏木真介。彼のキャリアは、バスケットボールというスポーツの奥深さと、人間としての成長の物語を同時に見せてくれた。

8月30日、思い出の詰まったアイシン体育館にて——。

「これ以上ない幸せなバスケ人生だった」と語るレジェンドの軌跡を、私たちは共に見届けたい。