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「負けたくない」…21歳の湧川颯斗、日本代表デビュー戦は「空回り」も同世代から刺激

21歳の湧川颯斗、日本代表デビュー戦の思いと苦い経験

2025年7月5日、東京の有明アリーナで行われた「日本生命カップ2025(東京大会)」では、男子日本代表(FIBAランキング21位)がオランダ代表(同54位)と対戦しました。平均年齢24歳という若手主体の日本代表は、試合終盤にオランダに逆転を許し、最終的に70-78でタイムアップとなりました。

試合の経過と湧川のデビュー

この試合では、8月5日に開幕する「FIBAアジアカップ2025」に向けた活動が始まった日本代表の新戦力として、21歳の湧川颯斗(三遠ネオフェニックス)が初めて代表デビューを果たしました。湧川は第1クォーター残り3分42秒に登場し、その後も第3、第4クォーターに出場し、約10分間のプレータイムを得ました。

若い選手が多く揃った日本代表にとって、この試合は新たなスタートを切る機会でした。湧川の出場はその象徴的な瞬間でもありました。試合を通じて、彼の成長とともに、チーム全体の若返りが進んでいることを感じさせました。

湧川颯斗のデビュー戦の手応えと反省

試合後、湧川は「うーん、手応えというのはあまりないです」と苦笑いを浮かべながら、理想通りのプレーができなかったことを悔しがりました。デビュー戦では、持ち味である縦へのドライブからシュートを試みるも、体勢を崩してシュートを決めきれず、思うような結果を出すことができませんでした。

「緊張はあまりしなかったですけど、”やってやろう”という気持ちが強すぎて空回りしてしまいました」と、湧川は自己分析。彼はさらに「もっと強くいけば、いいフィニッシュができたのかもしれません。この経験を次につなげないといけません」と、次回への課題を口にしました。

試合終盤でのアピールチャンス

試合の終盤、湧川には最後のアピールのチャンスが訪れました。第4クォーター残り1分55秒、再びコートに戻った湧川は迷わず3ポイントシュートを放ちましたが、これは外れました。それでも、次の攻撃ではドライブでゴール下に切り込み、冷静にコーナーに待っていたジェイコブス晶(フォーダム大学)にアシストを決めました。さらに、試合終了間際にはエンドラインからのスローインで、テーブス流河のパスからゴール下でバスケットカウントを奪うことに成功しました。

最終クォーターで湧川は2得点と1アシストを記録しましたが、試合後には「よかったとは思いますけど、全体的に見ればあまり良くなかったと思っています。最後がよくても全体を通していい選手でなければいけないので、そこは課題です」と反省の言葉が続きました。

同世代の仲間とのライバル関係

湧川とともにプレーした同世代の選手たちは、彼にとって良きライバルでもあり、戦友でもあります。オランダ戦でともにプレーした川島悠翔(シアトル大学)とジェイコブス晶は、湧川と同じく「FIBA U19バスケットボールワールドカップ2023」で男子史上初のベスト8入りを果たしたメンバーであり、共に成長してきた仲間たちです。

湧川は、川島について「悠翔は中学生の頃から知っていて、高校で一緒にプレーしてきたなかで、A代表でも一緒にできることは本当にすごいことだと思っていますし、自分も負けていられない」と語ります。そしてジェイコブス晶については、「晶はパリオリンピックからずっと代表に残っているメンバーの1人ですし、ポジションは違うけど、同い年として負けたくない。晶に関してはライバルのような感じで見ています」と、ライバル心を滲ませました。

これからの課題と目標

今回の試合で得た経験を通じて、湧川は「次のステージに進むために、今日の経験をしっかりと活かさないといけません」と言います。アジアカップのメンバー入りを目指し、そして代表として定着するためには、一日一日が勝負となります。若き代表選手として、湧川にとって今後の努力と挑戦が続きます。

湧川は、他の選手と比較しても特にフィジカル的には恵まれた選手で、身長194センチという高さとともに、アスリートとしての運動能力も高いです。この試合での経験が、今後の成長を加速させる材料となるでしょう。次のアジアカップに向けて、さらなる進化が期待されています。

ホーバスHCの期待と未来への展望

ホーバスヘッドコーチは試合後、「若いメンバーにとって必要な経験になった。ウチの“旅”、始まったような感じです」と、今回の試合を次のフェーズへのスタートとして位置づけています。若いメンバーたちが多く活躍したこの試合は、日本代表にとって新たな始まりであり、湧川颯斗にとってもこれからの成長への大きな一歩となるでしょう。

今後、湧川はどのように成長していくのでしょうか。特に代表の中心となるためには、試合中にどう自分の特徴を活かし、相手に対して効果的にプレーするかが重要になります。得点力、プレーメイキング能力、ディフェンスと、バスケットボール選手として多面的な成長が求められます。

まとめ

湧川颯斗の日本代表デビュー戦は、結果としては苦いものでしたが、同世代のライバルたちと共に戦い、貴重な経験を積むことができたのは間違いありません。これからのアジアカップに向けて、彼の成長に期待が寄せられています。若い力が集結した日本代表にとって、この試合は未来への大きな礎となることでしょう。

湧川にとって、今後はその成長をしっかりと確認しながら、一試合一試合を大事にし、次の挑戦に向けて力強く前進することが求められます。日本代表の未来は、湧川のような若い力にかかっていると言っても過言ではありません。

富樫勇樹(Bリーグの顔・キャリアと進化を徹底解説!日本代表PGの軌跡と未来)

富樫勇樹とは?—小さな体に秘めた日本バスケ界の司令塔

1993年7月30日、新潟県新発田市に生まれた富樫勇樹は、日本バスケットボール界を代表するポイントガード(PG)として、長年にわたりその名を轟かせてきました。身長167cmという小柄な体格ながら、精密なパス、抜群のスピード、そして高精度のアウトサイドシュートを武器に、国内外での実績を積み上げています。現在はBリーグ・千葉ジェッツふなばしに所属し、日本代表でも不動の主将としてチームを牽引しています。

幼少期から高校時代—アメリカで鍛えた“世界基準”のスキル

小学生時代からバスケに親しみ、中学では全国大会優勝の実績を持つ富樫は、15歳でアメリカ留学を決意。メリーランド州の名門「モントローズ・クリスチャン高校」に進学し、NBA選手を多数輩出する環境で技術を磨きました。高校卒業後は大学進学の道を選ばず、プロ選手としてのキャリアをスタートします。

秋田でのプロデビュー—bjリーグで開花した才能

2012-13シーズン、bjリーグの秋田ノーザンハピネッツに入団。デビュー戦でダブルダブルを達成するなど、即戦力として注目されました。2013-14シーズンにはアシスト王とベストファイブに選出。プレーオフ進出にも大きく貢献し、国内トップレベルのポイントガードとしての地位を確立しました。

アメリカ挑戦—NBAサマーリーグで沸かせた“小さな侍”

2014年にはダラス・マーベリックスのNBAサマーリーグに出場。11分間で12得点を挙げ、現地メディアにも取り上げられました。その後、NBA下部組織のテキサス・レジェンズに所属。25試合に出場しましたが、度重なるケガによりアメリカでのプレーは一時終了します。

千葉ジェッツ時代—国内最強PGとしての地位を不動に

2015年、NBLの千葉ジェッツ(現・Bリーグ)と契約。2016年のBリーグ発足後は、初代オールスターMVPやMVP(2019年)、アシスト王、月間MVPなど数多くのタイトルを獲得しました。2023-24シーズンには東アジアスーパーリーグで優勝し、自身もMVPを受賞しています。

日本代表としての活躍—東京五輪、そしてパリへ

富樫は2011年以降、継続的に日本代表に選出され、2021年の東京五輪では主将を務めました。2023年FIBAワールドカップでは、日本をアジア1位に導き、パリ五輪の出場権を獲得。精神的支柱としてもチームを支え続けています。

身長167cmの奇跡—技術と意志が生むプレースタイル

低身長というハンディキャップを克服するため、富樫はスピードと判断力を磨き抜きました。的確なピック&ロール、スクープショット、そして3ポイントシュートなど、多彩なスキルを駆使して攻撃を演出。守備でも屈強な外国人選手に対抗するための筋力強化を重ね、Bリーグでの最多3P成功数・アシスト数記録を更新し続けています。

これまでの栄光—記録と受賞歴の数々

  • BリーグMVP(2019)
  • Bリーグベストファイブ8回(2017〜2024)
  • Bリーグオールスター選出9回(2017〜2025)
  • 東アジアスーパーリーグMVP(2024)
  • 天皇杯MVP3回(第94、98、99回)
  • 日本人初のBリーグ1億円プレーヤー(2019)
  • 通算3P成功数・アシスト数でBリーグ最多記録保持

今後の展望—日本バスケをけん引する象徴

31歳を迎えた今もなお進化を続ける富樫勇樹。若手の台頭が続くBリーグにおいて、そのプレースタイルは次世代選手たちに大きな影響を与えています。彼のリーダーシップと経験は、国内外問わず日本バスケットボール界のさらなる飛躍に欠かせない存在です。今後の代表活動やクラブでの活躍に注目が集まっています。

河村勇輝がシカゴ・ブルズでサマーリーグ参戦!背番号は37、日本人対決にも期待

河村勇輝、シカゴ・ブルズで再挑戦!サマーリーグ参戦が決定

2025年7月4日(現地時間3日)、NBAのシカゴ・ブルズは「NBA 2K26 サマーリーグ」のロスターを発表し、日本代表ガードの河村勇輝が名を連ねたことが明らかとなった。背番号は「37」。日本人4人目のNBAプレーヤーとして注目を集める河村が、再びアメリカの舞台で躍動するチャンスを掴んだ。

グリズリーズでの経験、そして自由契約へ

河村は昨シーズン、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結び、NBA公式戦で22試合に出場。限られた出場時間ながら平均1.6得点、0.5リバウンド、0.9アシストを記録した。また、傘下のGリーグチーム「メンフィス・ハッスル」では31試合に出場し、平均12.7得点、3.0リバウンド、8.4アシスト、1.2スティールと好成績を残しており、アメリカのバスケファンからも高い評価を受けていた。

2025年6月末で契約が満了となり、河村は完全フリーエージェントに。NBA全30チームと自由に交渉可能な立場となっていたが、今回ブルズからサマーリーグ参加のオファーを受け、再びNBAの舞台に挑むチャンスを得た。

NBAサマーリーグとは? 若手の登竜門

「NBA 2K26 サマーリーグ」は、7月11日から21日までラスベガスで開催される、NBA若手選手やドラフトルーキー、Gリーグからの昇格候補選手たちによる公式イベントだ。オフシーズンの目玉イベントの一つとして注目されており、ここでのパフォーマンスがNBA本契約獲得の大きな足がかりとなる。

ブルズのロスターには、昨季NBAデビューしたマタス・ブゼリスや、2025年ドラフトでチームが指名したフランス出身のノア・エセングといった注目株も含まれており、若手育成に力を入れるブルズの方針のもとで河村がどのようにプレーするかに注目が集まる。

富永啓生との日本人対決も実現か?

サマーリーグには、インディアナ・ペイサーズの一員として富永啓生、ニューヨーク・ニックスの一員として馬場雄大も参戦予定となっており、河村を含む日本人選手3人が同時に出場する形となった。特に、7月15日に予定されている「ブルズ vs ペイサーズ」の一戦では、河村と富永による注目の日本人対決が実現する可能性が高い。

富永は2025年NBAドラフトでは指名漏れとなったものの、サマーリーグロスター入りを果たし、その得点力とアウトサイドシュートでのアピールが期待されている。一方、河村はパスファーストの司令塔としての存在感を放っており、タイプの異なる二人の競演は日本国内のみならず海外メディアからも注目される一戦となりそうだ。

河村勇輝のこれまでの歩みと強み

河村は福岡第一高校から東海大学を経て、Bリーグ・横浜ビー・コルセアーズで頭角を現した選手。国内トップレベルのパスセンスと視野の広さ、クイックネスを武器に2023年に渡米。以降、NBA挑戦を続けてきた。

身長172cmとNBA選手の中では小柄な部類に入るが、そのハンデを補って余りあるほどのゲームコントロール能力と得点センスでチャンスを掴んできた。かつて田臥勇太が日本人初のNBA選手となって以来、日本バスケ界において河村は“次世代の旗手”として位置づけられている。

サマーリーグでのアピールポイント

今回のサマーリーグで河村が見せたいのは、Gリーグで培ったプレーメイク力と、限られた時間で結果を出せる効率性だ。ブルズはポイントガードの層が薄く、リザーブの競争が激化する中で、河村が安定した司令塔としてアピールできれば、開幕ロスター入りや2ウェイ契約の再獲得も夢ではない。

また、ブルズの若手選手たちとどのように連携を築けるかもポイント。ピック&ロール、ファストブレイク時の判断力、ディフェンスでのコミットメントが評価されれば、チーム内での信頼も高まり、ポジション獲得に近づく。

日本人NBAプレーヤーとしての意義

田臥勇太、渡邊雄太、八村塁に続き、河村勇輝は日本バスケ界における“4人目のNBA選手”として歴史に名を刻んだ。近年では日本代表のW杯出場やBリーグの発展とともに、海外での評価も高まっている。

その中で、河村の存在は「日本のポイントガードは通用する」という認識を世界に浸透させる重要な役割を担っている。今後、さらに若い世代がNBAを目指す中で、河村のような実例は大きな指針となるだろう。

今後の展望と期待

河村にとってこのサマーリーグは“再スタート”であり、“再挑戦”でもある。怪我などのトラブルがなく順調にプレーできれば、再びNBA本契約に近づく可能性もある。

ブルズ以外のチームからもスカウトが視察に訪れるサマーリーグの舞台。河村が再びその名を轟かせ、日本バスケ界の未来に光を灯す存在となるか。7月11日から始まる試合に注目が集まっている。

馬瓜ステファニーがMUFGアメリカとスポンサー契約締結|スペイン&ユーロリーグで2桁得点の活躍

馬瓜ステファニーがMUFGアメリカとスポンサー契約を締結


2025年7月2日、女子バスケットボール日本代表で活躍する馬瓜ステファニー(スペイン・カサデモント・サラゴサ所属)が、米国の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFGアメリカ)とスポンサー契約を締結したことが明らかになりました。

自身のInstagramで「MUFGアメリカとスポンサー契約を結ぶことになりました」と報告した馬瓜は、「コートの上でも外でも成長を続ける中で、コミュニティや未来への想いを共有できるグローバルブランドとパートナーになれたことをとても嬉しく思います」と喜びを綴り、今後の活動への意気込みを語りました。

国内トップから欧州へ、進化を続ける馬瓜ステファニー

馬瓜ステファニーは1998年生まれ、愛知県出身のフォワード。身長182cmの体格を活かした力強いプレーが持ち味で、桜花学園高校時代には全国3冠を達成。日本の高校バスケ界でトップ選手として知られる存在でした。

卒業後はWリーグのトヨタ自動車アンテロープスに加入し、国内トップレベルの舞台で主力として活躍。2023年には新たな挑戦としてスペインリーグへの移籍を果たし、欧州屈指のクラブ・カサデモント・サラゴサの一員として戦っています。

欧州リーグで示した確かな実力

2024−25シーズンにおける馬瓜のパフォーマンスは高く評価されています。スペインリーグでは平均11.5得点を記録し、攻撃の中心として存在感を発揮。また、国際大会であるユーロリーグでも1試合平均11.1得点を挙げ、チーム最多得点という成績を残しています。

さらに同シーズン中には、世界最高峰の女子プロリーグWNBAのニューヨーク・リバティのキャンプにも参加。アメリカとヨーロッパの両舞台で高い評価を受ける実力者として、今後のキャリアに大きな注目が集まっています。

グローバルブランドとの契約の意義

今回のスポンサー契約は、馬瓜にとって単なる企業との提携にとどまりません。自身のSNSでは「この旅はバスケットボールだけでなく、次世代へのインスピレーションと文化をつなぐ架け橋でもあります」と語り、バスケットボールを通じて社会貢献や多様性の推進にも意欲を示しています。

MUFGアメリカは、グローバルな金融グループとして社会貢献活動にも注力しており、馬瓜の掲げる価値観と親和性の高いパートナーシップと言えるでしょう。スポーツとビジネスが交差する新たなステージに、馬瓜ステファニーは歩を進めています。

日本代表でも変わらぬ存在感

馬瓜は女子日本代表としても長年活躍しており、パリ五輪に向けた強化合宿や国際大会に継続的に参加中です。7月3日と4日にはデンマーク代表との国際強化試合が予定されており、両日ともに19時ティップオフで開催されます。試合はBSフジおよびバスケットLIVEで生中継される予定です。

馬瓜は今回の強化試合にも選出されており、欧州での成長をそのまま代表活動に反映させることが期待されています。新たなスポンサー契約を追い風に、さらなる活躍が注目されます。

まとめ:次世代に光を届ける国際派アスリート

馬瓜ステファニーは、プレイヤーとしての技術だけでなく、社会とのつながりやメッセージ性においても強い影響力を持つ存在となっています。欧州や米国でのチャレンジを経て、グローバルアスリートとしての存在感をますます高めています。

MUFGアメリカとのスポンサー契約は、彼女の活動をさらなる次元へと引き上げる後押しとなるでしょう。日本代表、スペインリーグ、WNBAと活躍の場を広げながら、彼女が目指す「次世代の架け橋」としての役割にも期待が集まります。

田中こころ、FIBA女子アジアカップへ決意表明「アウェーがお葬式みたいになるのが好き」

中国との強化試合での敗戦から得た手応え


2025年6月28日、「FIBA女子アジアカップ2025」に向けた第4次強化合宿中の女子日本代表(FIBAランキング9位)のメディア対応が行われ、注目の若手・田中こころ(ENEOSサンフラワーズ)が登壇。6月上旬に開催された強化試合での手応えや今後の意気込みを語った。

田中は「三井不動産カップ2025(愛知大会)」でA代表初招集ながらスタメンポイントガードとしてチームをけん引し、大会MVPを獲得。続く中国遠征では2連敗を喫したが、「課題は多かったけど、スピードやシュート力は出せた」と成長への自信を見せた。

“高さ”だけではない現在の中国代表に驚き

田中はU18日本代表時代にも中国と対戦経験があり、「当時は長身選手にボールを入れて得点するだけだった」と語る。しかし今回の中国代表は「ガードも技術が高く、個々のスキルもまったく違う」と印象を新たにした。

それでも、日本代表らしく「速いバスケット」を展開すべく、ポイントガードとしての自覚を強調。「ボールプッシュを意識して、攻撃の起点として責任を持ちたい」と意気込んだ。

「アジアNo.1ガード」への期待と進化する意識

高校時代はシューティングガードとして活躍した田中。しかし、現ヘッドコーチのコーリー・ゲインズ氏からは「アジアで一番のガードになれる」と高く評価されており、田中自身も「その期待に応えたい」と強い決意を表明。

当初は新ポジションへの不安もあったが、「何でもしていいポジションだとコーリーに教わってからは、考え方が変わった」と語り、今では攻守に渡る司令塔としての自覚が芽生えている。

完全アウェーも歓迎「シーンとなるのが好き」

田中は観衆1万人超の有明アリーナでも「緊張は少しあるけど、思いきってやるだけ」と語る。中国遠征では観客全員が相手チームを応援する完全アウェーの雰囲気だったが、「逆に好き」とメンタルの強さを見せた。

「誰も私を見ていない感じがする中で、活躍するとベンチ側が黙って、シーンとなるのがすごい好き。アウェーが急にお葬式みたいになるのがいい」と独特の表現で強心臓ぶりをのぞかせた。

アジアカップは通過点、さらなる進化へ

田中は「アジアカップは通過点」と語りつつ、今大会でも全力でアピールする意向を示した。「シュート力はもちろん、パスやアグレッシブなディフェンスなど、新しい一面も見せたい」と語り、ポイントガードとしての新たな引き出しを増やしつつある。

まとめ|“新時代の司令塔”として世界へ

中国戦での敗戦にも前向きに向き合い、自らの成長と責任を実感している田中こころ。速い展開と強気な姿勢を武器に、アジアの頂点を目指すチームをけん引していく姿に、今後ますます注目が集まるだろう。

大胆かつ繊細なプレースタイルに加え、観客を黙らせるほどのメンタル。田中こころは、“次世代の司令塔”として、FIBA女子アジアカップの舞台で一躍ヒロインとなる可能性を秘めている。

髙田真希「アジア女王の座を日本に」女子日本代表キャプテンが語るアジアカップへの覚悟

髙田真希が語る、アジアカップ奪還への決意


2025年6月28日、「FIBA女子アジアカップ2025」に向けた第4次強化合宿中の女子日本代表(FIBAランキング9位)のメディアデーが行われた。代表キャプテンとして長年チームを牽引してきた髙田真希(デンソーアイリス)が、チームの現状と自身の役割、そしてアジアカップへの決意を語った。

「アジア女王の座をもう一度日本に持ち帰る」。髙田はその言葉に強い覚悟を込める。

強化合宿のテーマは「ディフェンスと声」


2025年5月22日から始まった強化合宿も第4次に突入。約1ヶ月の強化期間を経て、髙田は「最初はオフェンス練習が多かったんですが、今はディフェンスに重点を置いています」とチームの変化を語る。

また、「とにかく声を出して、コミュニケーションを大事にする雰囲気ができている」とコメント。合宿中に中国遠征なども挟みながら、チームの結束が深まっていることを実感している。

「みんなの大会に対する意識が上がっている」と話す一方で、「日に日にステップアップは感じているけれど、まだ全然足りていない」と、冷静な自己評価も忘れない。

目指すバスケットの完成には「時間が必要」

指揮を執るのは、元WNBAの名将・コーリー・ゲインズHC。そのバスケットスタイルについて髙田は、「半年で全部できるかというと正直難しい」と語る。「ただし、長期的に見据えていることは伝わってくる」とコーチ陣の意図を理解しつつ、チームとして目指す形を追い求めている。

その中で髙田自身が果たすべき役割も明確だ。特に若手に対しては、「コーチの指示通りに動こうとしすぎて、持ち味を出しきれていない選手もいる」と指摘。だからこそ、「自分がプレーで裏をかく動きを見せることで、『自由にやってもいいんだ』という空気を作っていきたい」と語る。

中国との再戦を見据えて


女子アジアカップにおいて、日本最大のライバルとなるのが中国代表。髙田は、自身が出場しなかった中国との強化試合を映像で確認し、「高さもあり、走るバスケットも展開している。とても脅威」と警戒心をあらわにする。

特に中国代表には226cm級の高さを誇る選手もおり、インサイドでの駆け引きが重要になると想定される。しかし髙田は、「体の当て方やタイミングを試してみたい」と意気込みを見せており、フィジカル面での工夫に強い自信を持っている様子だった。

「女王の座を奪還する」髙田真希の覚悟

髙田はかつて日本がアジアを連覇していた時代を支えた中心選手だ。その彼女にとって、現在の「アジア女王の座を失った」状態は看過できない。

「連覇も経験したからこそ、今はその座が途切れていることが悔しい。だからこそ、もう一度自分たちの手で奪い返すことが大事だと思います」と力強く語る。

「自分たちのバスケットをやりきること。それが一番の目標であり、優勝するために必要なことだと信じている」。

アジアカップ前哨戦「三井不動産カップ」で最終調整

女子代表は、第4次合宿(6月26日〜7月2日)を終えた直後、7月3日・4日に「三井不動産カップ2025(東京大会)」を戦う。

この2連戦の相手はFIBAランキング55位のデンマーク代表。アジアカップ前の最後の強化試合となるこのシリーズは、代表最終ロスター決定前の重要なテストマッチとなる見込みだ。

まとめ:再びアジアの頂点へ

アジアカップに懸ける女子日本代表の戦いは、まさに今が佳境。キャプテン・髙田真希の存在は、チームの精神的支柱であり、戦術的な鍵でもある。

日本のバスケットを世界に見せる」。その強い意志と経験が、再びアジアの頂点へと導く力となるだろう。

7月13日のアジアカップ開幕に向けて、女子日本代表の進化から目が離せない。

ユニバ女子日本代表がウィリアム・ジョーンズカップへ出場|絈野夏海や佐藤多伽子ら12名が選出

女子ユニバ日本代表が発表、若手精鋭12名が国際大会へ

2025年6月30日、日本バスケットボール協会(JBA)は、「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」に臨む女子ユニバーシアード日本代表の最終メンバー12名を発表しました。チームは台北市で行われる本大会に続き、「FISUワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)」にも参戦予定です。

平均年齢22.2歳、若手中心の編成に

小笠原真人ヘッドコーチの指揮のもと、今大会に臨む女子代表チームは、平均年齢22.2歳、平均身長174.3cmという構成。学生世代の注目株と、Wリーグで台頭する若手がバランスよく選出され、次世代の日本代表を担う人材が揃いました。

注目の選手:絈野夏海と佐藤多伽子

今回のメンバーで最年少となるのは、20歳の絈野夏海(東京医療保健大学2年)。173cmのシューティングガードであり、大学バスケ界でも高いスキルと実績を誇ります。

また、Wリーグのプレステージ・インターナショナルアランマーレにアーリーエントリーした佐藤多伽子も選出。176cmのサイズと得点力を備えたSGとして注目を集めています。大学とプロの経験が融合された彼女の活躍に期待が高まります。

Wリーグと大学バスケの融合が加速

この代表チームには、トヨタ自動車アンテロープスや日立ハイテククーガーズなどWリーグの強豪クラブに所属する選手が名を連ねています。学生バスケからプロステージへとステップアップした選手たちが融合し、競技力の底上げを図る構成です。

Wリーグの実戦経験を積んだ選手と、大学リーグのエースたちが共にプレーすることで、個人のスキルだけでなく戦術理解の深化も期待されます。

ジョーンズカップでの戦い、そしてドイツへ

ユニバ女子代表は、7月2日から台湾・台北市で開催されるジョーンズカップに出場。その後は、7月16日からドイツで開催されるFISUワールドユニバーシティゲームズにも連続して出場する予定です。

連戦となる国際大会で、若手選手たちはハイレベルな試合経験を積み、日本女子バスケット界の未来を担う存在へと成長していくことでしょう。

代表メンバー一覧(2025年6月30日発表)

  • #0 山田葵(PG/167cm/富士通レッドウェーブ)
  • #4 絈野夏海(SG/173cm/東京医療保健大学2年)
  • #5 藤澤夢叶(G/162cm/山梨学院大学4年)
  • #11 岡本美優(PF/179cm/トヨタ自動車アンテロープス)
  • #14 朝比奈あずさ(C/185cm/筑波大学4年)
  • #19 舘山萌菜(SF/177cm/日立ハイテククーガーズ)
  • #25 佐藤多伽子(SG/176cm/プレステージ・インターナショナルアランマーレ)
  • #30 三浦舞華(SG/170cm/トヨタ自動車アンテロープス)
  • #42 田中平和(PF/180cm/トヨタ自動車アンテロープス)
  • #45 粟谷真帆(PF/182cm/日立ハイテククーガーズ)
  • #74 樋口鈴乃(PG/163cm/日立ハイテククーガーズ)
  • #91 大脇晴(PF/178cm/東京医療保健大学4年)

今後の視聴方法と応援のポイント

試合の模様はJBAやFIBA関連の公式サイト、動画配信プラットフォームを通じて配信される可能性があります。日本の未来を担う若き才能たちが国際舞台でどのような戦いを見せるのか、バスケットボールファンにとっては見逃せない2大会となるでしょう。

将来の日本代表の中核を担うであろう12名の選手たちの成長と挑戦に、ぜひ注目してください。

【7月6日放送】日本生命カップ2025|男子日本代表vsオランダ代表の放送・配信・メンバー情報まとめ

日本生命カップ2025 東京大会が7月6日に開催!

2025年7月6日(日)、東京・有明アリーナで男子バスケットボール日本代表と男子オランダ代表による国際強化試合が開催される。この試合は『日本生命カップ2025 東京大会』の第2戦(GAME2)にあたり、FIBAアジアカップ2025に向けた重要なステップとなる。

男子日本代表のFIBAランキングは現在21位。対戦相手であるオランダ代表は同54位と格下ながらも、国際経験の豊富なチームであり、油断はできない相手だ。試合は日本テレビ系列で全国生中継され、バスケットLIVEおよびTVerでもライブ配信が予定されている。

試合概要|日本代表 vs オランダ代表

  • 大会名:日本生命カップ2025(東京大会)
  • 日程:2025年7月6日(日)
  • 会場:有明アリーナ(東京都江東区)
  • ティップオフ:15:00
  • 中継:日本テレビ系列にて全国生中継
  • 配信:バスケットLIVE、TVerにて同時配信

強化試合の位置付けと代表の現状

本試合は、8月にサウジアラビアで開催される『FIBAアジアカップ2025』を見据えた強化試合。日本代表にとってはBリーグ2024-25シーズン終了後、初めての対外試合シリーズであり、選手選考や戦術確認の重要な機会となっている。

アジアカップ予選を4連勝で突破した日本代表は、2025年2月に行われた予選後半2試合で若手主体の構成となり、主力の佐々木隆成(三遠)がアキレス腱断裂により離脱。そのため、今回の強化試合は新戦力発掘の場としても注目されている。

男子日本代表の招集メンバー(6月21日発表)

日本バスケットボール協会は、6月21日に日本生命カップ2025に向けた直前合宿メンバー18名を発表。6月11日公表のFIBAアジアカップ候補42名から精査された布陣である。

  • ジョシュ・ホーキンソン(208cm/サンロッカーズ渋谷)
  • 馬場雄大(196cm/長崎ヴェルカ)
  • 中村太地(190cm/島根スサノオマジック)
  • 吉井裕鷹(196cm/三遠ネオフェニックス)
  • 川真田紘也(204cm/長崎ヴェルカ)
  • テーブス海(188cm/アルバルク東京)
  • 西田優大(190cm/シーホース三河)
  • 佐土原遼(192cm/名古屋)
  • 狩野富成(206cm/渋谷)
  • ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(181cm/渋谷)
  • 金近廉(196cm/千葉ジェッツ)
  • 山ノ内勇登(211cm/オーラル・ロバーツ大)
  • 山崎一渉(200cm/ノーザン・コロラド大)
  • ジェイコブス晶(203cm/フォーダム大)
  • 湧川颯斗(194cm/三遠)
  • テーブス流河(184cm/ボストン・カレッジ)
  • 川島悠翔(200cm/シアトル大)
  • 渡邉伶音(206cm/東海大学)

主力の離脱と若手の台頭

比江島慎(宇都宮)や富樫勇樹(千葉)は今回の強化試合を欠場。ホーバスHCは「コンディション調整のため休養を与えた」としており、若手主体の起用方針が鮮明となっている。特に大学所属の山ノ内勇登やジェイコブス晶といった将来性豊かな選手の抜擢は、次世代の日本代表を担う顔ぶれとなりそうだ。

テレビ放送・ネット配信情報

7月6日の試合は日本テレビ系列で全国ネットによる生中継が実施されるほか、オンライン配信としてバスケットLIVEおよびTVerでも視聴可能。スマートフォンやタブレットでも試合を楽しむことができる。

  • 地上波:日本テレビ系列(生中継)
  • ネット配信:バスケットLIVE、TVer(同時配信)

FIBAアジアカップ2025へ向けた第一歩

日本代表にとってこの試合は、アジア王者を目指すうえでの重要な一戦であると同時に、選手層の底上げとチーム力の向上を図るテストマッチでもある。国内外で注目度が高まる男子バスケットボールの勢いを、ぜひ生中継や配信で目撃してほしい。

小澤崚が得点王レース首位!3×3男子日本代表がプレーイン進出【FIBA 3×3ワールドカップ2025】

日本代表が2大会連続のベスト8進出を狙う!


2025年6月23日〜29日、モンゴル・ウランバートルにて開催中の「FIBA 3×3ワールドカップ2025」。男子日本代表は予選プールBで2勝2敗の成績を収め3位通過となり、6月27日(金)に開催されるプレーイントーナメント進出を決めた。

この大会で注目を集めているのが、日本のエース・小澤崚の圧倒的な得点力。予選4試合で合計46得点(平均11.5点)をマークし、得点ランキングで暫定トップに立っている。

予選プールB:強豪ひしめく中で粘りの2勝

日本はアメリカ、ラトビア、モンテネグロ、モンゴルと同組となった予選プールBで奮闘。以下が各試合の結果である。

  • 第1戦:日本 14 – 21 アメリカ(敗戦)
  • 第2戦:日本 21 – 15 モンテネグロ(勝利)
  • 第3戦:日本 14 – 21 ラトビア(敗戦)
  • 第4戦:日本 21 – 20 モンゴル(勝利)

開幕戦のアメリカ戦では小澤の2ポイントシュートが冴えたが、終盤のファウルトラブルが響き敗戦。しかしモンテネグロ戦では堅実なフリースローで初勝利を掴み取った。

ラトビア戦では高さで劣る中、最後まで粘ったが力及ばず。それでも最終戦のモンゴル戦では、小澤のフリースローが決勝点となり2勝目を奪取。合計2勝2敗で3位通過を果たした。

小澤崚が得点王レースを牽引!

今大会で最も輝きを放っているのが、日本の背番号1・小澤崚。4試合で合計46点、平均11.5点という驚異的な得点力を見せ、得点ランキングで暫定1位となっている。

彼のプレースタイルは、身体の強さとスピードに加え、2ポイントシュートの精度と、フリースローでの冷静さが際立っており、FIBAの公式SNSでもその活躍が紹介されている。

プレーイントーナメントは6月27日(金)

男子日本代表は、次戦のプレーイントーナメントに進出。ここで勝利すれば、2023年大会に続いて2大会連続のベスト8進出が決まる。

対戦相手はプールCの2位チームとなるが、現時点でのプールCは激戦模様。中国が首位を走る中、カナダ・プエルトリコ・オーストリアが1勝1敗で並び、フランスが未勝利ながら強豪として控えている。

どの国が対戦相手となっても厳しい戦いが予想されるが、小澤を中心にした現在の日本代表には大きな期待が寄せられている。

女子代表も好調なスタートを切る

一方で女子日本代表も好調なスタートを見せている。世界ランク1位のオランダを21-16で撃破し、続くチリ戦ではKO勝利と2連勝をマークした。

ただし、アメリカ戦では8-21の大差で敗戦。現在は最終戦・チェコ戦の結果次第でプールBの2位進出が決まる展開となっている。

悪天候により開始が遅れているが、勝利すれば男子と同様にプレーイントーナメントへ進出可能な状況だ。

FIBA 3×3ワールドカップ2025 概要と今後のスケジュール

  • 開催期間:2025年6月23日(日)~29日(土)
  • 開催地:モンゴル・ウランバートル
  • 6月27日:プレーイントーナメント(各プール2位 vs 3位)
  • 6月28日:準々決勝(各プール1位 vs 勝者)
  • 6月29日:準決勝、3位決定戦、決勝

まとめ:小澤崚とともに、世界の舞台で躍動する日本

FIBA 3×3ワールドカップ2025は、個人の能力が試される短時間勝負の戦い。そんな中、小澤崚の得点力と日本チームの粘り強さが光る大会となっている。

プレーインでの勝利が決まれば、世界ベスト8入りという快挙が待っている。3×3ファン、そしてバスケットボールファンにとって、目が離せない大会となりそうだ。

GL3x3でも、小澤崚のようなスーパースコアラーの登場を期待したい。

京都精華学園が109-15の圧勝で準決勝進出!NBAライジングスターズ・インビテーショナルで快進撃続く

京都精華学園がヒンファ高校に大勝、開幕2連勝で準決勝進出決定


2025年6月26日、シンガポールで開催中の高校バスケットボール大会『NBAライジングスターズ・インビテーショナル』にて、日本代表として参加している京都精華学園高校(女子)が、グループステージ第2戦でヒンファ高校(マレーシア)109-15と圧倒的なスコアで勝利を収めました。

これにより京都精華学園は、開幕から2連勝を飾り、グループ首位で準決勝進出を決めています。

ロケットスタートから圧巻の試合運び、100点ゲームで格の違いを示す


この試合では、前日の初戦と同様に吉田ひかり、金谷悠加、ンガルラムクナリヤ、石渡セリーナ、坂口美果の5人がスターティングメンバーとして起用されました。

試合開始からエンジン全開の京都精華学園は、ンガルラムクナリヤ(通称:リヤ)のレイアップで先制すると、続けて満生小珀(みつおこはく)や坂口の3ポイントシュートが決まり、開始4分で16-0と大きくリード。第1クォーターは36-6と大差をつけました。

第2クォーターも30-7と一方的に試合を支配し、前半終了時点で66-13。後半はさらに圧巻で、第3クォーターはなんと21-0の完封劇。そして第4クォーターも22-2と試合の主導権を最後まで渡すことなく、今大会初の100点超えを達成しました。

6名が二桁得点、リヤが最多20得点の活躍


個人スタッツの速報値では、チームの得点源として躍動したンガルラムクナリヤ(リヤ)がこの試合で20得点を記録。続いて谷彩南が13得点、吉田ひかりが12得点、フェリックスチヂマクララ石綿文も12得点と、合計6名が二桁得点をマークしました。

さらに、オディアカウェルリッツ12得点・10リバウンドのダブルダブルを達成するなど、攻守両面で安定したチーム力を見せつけました。

このように全員が役割を果たし、戦力の底上げができている点は、トーナメント後半に向けても大きな強みと言えるでしょう。

日本勢の快進撃、男子の福大大濠とともに準決勝進出

NBAライジングスターズ・インビテーショナル』は2025年に初開催された新設大会で、アジア太平洋地域の11カ国の高校代表チームが集結し、国際経験を積む場として注目されています。

日本からは福岡大学附属大濠高校(男子)京都精華学園高校(女子)がそれぞれ代表として参戦中。どちらのチームも開幕2連勝でグループ首位を決め、準決勝進出という好成績を収めています。

世界に通用するプレーヤー育成のための舞台で、着実にその存在感を示している日本勢。その中でも京都精華学園は、国内でもトップレベルの実績を持ち、今回の国際大会でもその名を世界に広げつつあります。

京都精華学園の強さの秘密は「全員バスケ」

今回の試合を通して再確認されたのは、京都精華学園の“全員バスケ”の完成度です。スタメンのみならずベンチメンバーも試合に積極的に関与し、誰が出ても得点・ディフェンス・リバウンドで結果を残しています。

また、早いパス回しと判断力のあるプレー、そして何よりもディフェンスへの集中力が際立っており、ヒンファ高校を第3クォーター無得点に抑えた守備力は、今大会のどのチームと対戦しても大きな武器になるでしょう。

チームとしての完成度が高く、エースに依存しない点も評価されており、準決勝以降も高いレベルのパフォーマンスが期待されます。

今後の展望|決勝進出、そして初代王者へ

京都精華学園は次戦、準決勝で他グループの上位チームと対戦します。対戦相手の詳細は未定ですが、ここまでのパフォーマンスを見れば、優勝候補の筆頭と言っても過言ではありません。

この大会を通じて、選手たちは国内大会とは異なる環境・文化の中で新たな刺激を受け、次のウインターカップや将来の日本代表としての飛躍にもつながる貴重な経験となるはずです。

果たして京都精華学園はこの勢いのまま初代王者の座に輝けるのか──女子高校バスケット界の名門が、いま世界に向けて大きな挑戦を続けています。

試合結果まとめ

■試合スコア(予選グループC 第2戦)
京都精華学園高校(日本) 109-15 ヒンファ高校(マレーシア)
JPN|36|30|21|22|=109
MYS| 6| 7| 0| 2|=15