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【ユニバ女子日本代表がジョーンズカップ初制覇】樋口鈴乃&藤澤夢叶がベスト5選出、FISU世界大会へ好発進!

ユニバ女子日本代表、ジョーンズカップ制覇で“世界一”への第一歩


2025年7月6日、台湾・台北で開催されていた「第44回ウィリアム・ジョーンズカップ」女子の部で、ユニバーシアード(ユニバ)女子日本代表が優勝を果たした。今大会にはFIBAアジア圏の強豪を含む6カ国が参加し、総当たり形式で競われた中、4勝1敗という堂々たる成績で頂点に立った日本代表は、7月16日より開幕するFISUワールドユニバーシティゲームズ(以下、ユニバーシティゲームズ)に向けて大きな弾みをつけた。

レベルの高い国際大会で得た確かな自信

今大会に参加した国々は、タイ代表、韓国代表、フィリピン代表、チャイニーズ・タイペイ代表、ユニバチャイニーズ・タイペイ代表、そしてユニバ女子日本代表の計6チーム。それぞれがFIBA女子アジアカップ2025に向けて準備を進める中、日本代表は攻守に渡って高い完成度を示した。

試合結果は以下の通り。

– 日本 103-49 タイ
– 日本 75-69 韓国
– 日本 72-51 ユニバチャイニーズ・タイペイ
– 日本 94-74 フィリピン
– 日本 79-89 チャイニーズ・タイペイ

最終戦でチャイニーズ・タイペイに敗れたものの、それまでの4試合を制しており、得失点差などから総合順位で1位を獲得。アジア諸国がフル代表クラスの選手を揃える中での優勝は、日本の底力と将来性を改めて世界に示す結果となった。

樋口鈴乃&藤澤夢叶が大会ベスト5に選出


大会を通じてひときわ目立った活躍を見せたのが、日立ハイテククーガーズ所属の樋口鈴乃と、山梨学院大学の藤澤夢叶の2人だ。両名は大会のベスト5に選出されるとともに、樋口は1試合平均11.2得点を記録し、MVPにも輝いた。

樋口は受賞の喜びを次のように語っている。
「自分で良いのかなって思いました。このチームの強みは、誰が出ても同じように活躍して、みんなが得点を取れること。今回の受賞はたまたまの結果にすぎません。最後の試合に勝ちきれなかったのは、私たちの甘さ。ユニバーシティゲームズに向けて、しっかり改善していきたいです」

ベスト5選出はチーム全体の力を象徴するものであり、個の力だけでなく、チーム戦術と役割分担がしっかりと機能している証でもあった。

ヘッドコーチが語る“収穫”と“課題”

チームを率いた小笠原真人ヘッドコーチも、ジョーンズカップの意義を強調する。

「どの国もフル代表を送り込んできた大会で、非常にレベルの高い試合が続きました。フィリピンやチャイニーズ・タイペイには190cm台の選手がいて、サイズとスキルを兼ね備えた相手と戦えたことは、ユニバーシティゲームズ前の絶好の実戦経験になったと感じています」

特に指摘されたのは、最終戦の敗戦に表れたディフェンス面での課題。1対1の対応力やスクリーンへの対処など、まだ伸ばすべきポイントがあることを自覚した上で、次戦への準備に入るという。

前回の雪辱へ。キャプテン・三浦舞華が掲げる「最強のチーム」

前回のユニバーシティゲームズでは惜しくも優勝を逃したユニバ女子日本代表。今回はその悔しさを胸に、悲願の金メダルを目指す戦いとなる。キャプテンを務める三浦舞華(トヨタ自動車アンテロープス)は、次のように意気込みを語っている。

「本当に良い選手が揃っています。もっとお互いの良さを引き出し合いながら、最強のチームになって、今度こそ優勝したい」

チームの平均年齢は21歳前後と若く、フィジカルやスキル以上に「成長余地の大きさ」が最大の魅力。組織的なバスケットをベースにしつつ、各選手の個性と役割を最大限に活かすスタイルは、今後の世界戦でも通用することが証明された。

日本女子バスケの将来を担う新世代


今回のジョーンズカップ優勝を経て、ユニバ世代の選手たちは国内外から注目を浴びる存在となった。特に樋口や藤澤のような若手が国際舞台で評価されることは、Wリーグや3×3女子リーグの発展にもつながる。

また、今回の代表メンバーの多くは大学在学中または卒業直後の選手であり、「大学バスケ×国際経験」というキャリア形成モデルが現実味を帯びてきた。FISU大会は、プロ契約前の若手が世界基準で力を試す貴重な機会でもある。

日本バスケットボール協会(JBA)は、2024年からユニバ世代の強化を強く推進しており、2025年のジョーンズカップ優勝もその成果の一つといえる。複数年にわたる長期強化計画と、現場レベルでの細やかなコーチングの融合が、結果として表れている。

注目のユニバーシティゲームズ、次なる戦いは7月16日開幕

次に控えるのは、7月16日から開催される「FISUワールドユニバーシティゲームズ」。バスケットボール競技には世界各国の精鋭チームが参加し、よりハイレベルな争いが予想される。

日本代表は、ジョーンズカップで得た戦術・フィジカル・メンタルの全てを武器に、今度こそ世界一を狙う。その初戦には、再びチャイニーズ・タイペイや韓国といったアジアのライバルが待ち受けている可能性もあり、リベンジマッチの行方にも注目が集まる。

若き“ジャパンウィメン”たちは、いかにして世界を驚かせるのか。彼女たちの戦いは、すでに始まっている。