日本代表、韓国遠征初戦のロスター12名を発表
2025年7月11日、日本バスケットボール協会(JBA)は、同日夜に開催される韓国代表との強化試合〈GAME1〉に向けた男子日本代表の試合登録メンバー12名を公式に発表した。
今回の試合は、韓国・安養室内体育館にて開催され、FIBAランキング21位の日本が、同53位の韓国代表を相手に国際舞台での実戦強化を図る重要な一戦となる。
注目の選出メンバー:中村太地、ホーキンソン、テーブス兄弟らが名を連ねる
今回のロスターでは、7月6日に行われたオランダ代表とのGAME2で2桁得点をマークした中村太地(島根スサノオマジック)を筆頭に、安定感あるプレーメイキングを見せるテーブス海(アルバルク東京)と弟のテーブス流河(ボストン・カレッジ)、さらにはサンロッカーズ渋谷所属のビッグマン、ジョシュ・ホーキンソンと狩野富成も選出された。
中でも狩野は、オランダ戦で4ブロックを記録するなど、守備での存在感を高めており、ホーバスHCからの信頼も着実に高めていると見られる。
ロスター入りした選手一覧
- #4 ジェイコブス晶(SF/203cm/21歳/フォーダム大学)
- #7 テーブス海(PG/188cm/26歳/アルバルク東京)
- #13 金近廉(SF/196cm/22歳/千葉ジェッツ)
- #14 狩野富成(C/206cm/23歳/サンロッカーズ渋谷)
- #17 中村太地(PG/190cm/28歳/島根スサノオマジック)
- #19 西田優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
- #21 湧川颯斗(PG/194cm/21歳/三遠ネオフェニックス)
- #23 ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
- #24 ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/30歳/サンロッカーズ渋谷)
- #25 川島悠翔(PF/200cm/20歳/シアトル大学)
- #35 佐土原遼(SF/192cm/25歳/琉球ゴールデンキングス)
- #45 テーブス流河(PG/184cm/21歳/ボストン・カレッジ)
吉井裕鷹や川真田紘也らはロスターから外れる
一方で、7月8日時点で発表されていた韓国遠征の招集メンバー16名の中から、吉井裕鷹(アルバルク東京)、川真田紘也(滋賀レイクス)、渡邉伶音(日本大学)、山﨑一渉(筑波大学)の4名が今回の試合ではベンチ外となった。
吉井は、身体能力と3&Dのスキルを活かしたユーティリティプレイヤーとして評価されていたが、今回は起用見送りという形に。川真田はオランダ戦で代表デビューを果たしたものの、韓国戦初戦では出番が巡ってこなかった。
ロスター選考の背景と戦術的意図
今回の選出は、7月末のウィリアム・ジョーンズカップや、その後控えるアジアカップ予選に向けた布陣の確認という側面も強い。ホーバスジャパンとしては「走れて守れる」チームの構築を目指しており、若手や新戦力の積極起用も見逃せないポイントだ。
例えば、ジェイコブス晶は203cmながらウィングをこなせる俊敏性を持ち、ホーキンソンとの“高さと機動力”のバランスに寄与。さらに、川島悠翔や佐土原遼といった新進気鋭のウイング陣も加わり、選手層の底上げが図られている。
代表デビューの波と成長する若手
今年に入り、渡邉伶音(法政大→オーストラリア育成留学)や湧川颯斗(U22代表→A代表昇格)、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(筑波大→サンロッカーズ渋谷)らが続々と代表デビューを果たしている。若手の台頭が日本代表の新たなエネルギーとなりつつあり、韓国遠征はその成長を測る舞台でもある。
ホーバスHCのコメントと今後の展望
トム・ホーバスHCはこれまでにも「代表は変化していく」と繰り返し発言しており、東京五輪やW杯とは異なる視点からロスター構築を進めている。特にパリ五輪後を見据えた“世代交代”の一環として、20代前半の選手への期待は大きい。
また、ゲーム感覚の向上や国際舞台での経験値を積ませる目的で、テストマッチとしての意味合いも強いこのシリーズは、単なる勝敗以上にチームビルディングの機会と捉えられている。
試合は「バスケットLIVE」で独占配信
韓国戦GAME1は、2025年7月11日(金)19時ティップオフ予定。バスケットLIVEにて独占ライブ配信され、日本中のファンが注目する一戦となる。FIBAランキングでは日本が格上となるが、アウェイの韓国という環境、そして若手中心の編成でどのようなパフォーマンスを見せるのかに注目が集まる。
まとめ:競争激化の中で選手たちが挑む国際試合
ロスターに選ばれた選手たちにとって、今回の韓国戦は単なる親善試合ではなく、自らの立ち位置を確立するための“査定の場”とも言える。特に、ホーキンソンや中村、テーブス海といった主力組と共にプレーする若手たちの融合が進めば、日本代表はさらに厚みのあるチームへと進化することができる。
2戦目に向けてはベンチ外となったメンバーの再招集やターンオーバーも予想され、シリーズ全体を通しての戦術の変化や起用方針にも注目したい。