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3×3女子日本代表、W杯初戦で格上オランダを撃破|高橋芙由子がゲーム最多12得点

モンゴルで幕を開けた世界大会、初戦はランキング1位との対戦

2025年6月24日、モンゴルの首都ウランバートルにてFIBA 3×3ワールドカップ2025が開幕した。この国際大会は3人制バスケットボールの世界最高峰の舞台として知られ、各国のトップ選手たちがスピーディーで技巧的なプレーを競い合う。女子日本代表は予選プールBに配置され、初戦でいきなり世界ランキング1位のオランダ代表との対戦が組まれた。

代表メンバーにはWリーグの実力派が集結

今回の日本代表には、国内外で経験を積んだ選手たちが揃った。アジアカップで銀メダルを獲得し、FLOWLISH GUNMAでも活躍を見せる高橋芙由子を筆頭に、トヨタ紡織サンシャインラビッツ/ZOOS所属の桂葵、アイシンウィングスの高橋未来、そして富士通レッドウェーブで安定したパフォーマンスを続ける宮下希保が名を連ねている。

FIBAランキングでは16位の日本だが、国内リーグで日々高いレベルのプレーを経験しているメンバーの構成は、大会でも十分に戦える力を有していることを示していた。

試合は日本の鋭い立ち上がりでスタート

試合開始から主導権を握ったのは日本だった。桂葵がロングレンジから2ポイントを沈め、勢いをもたらすと、高橋芙由子と高橋未来の2人の“ダブル高橋”が得点を積み上げて7−2と先行。スピードと判断力を活かした日本のオフェンスがオランダの守備を切り裂き、序盤からリズムをつかんだ。

しかし、世界ランキング1位の実力を持つオランダもすぐに応戦。得点を返され、試合は一時逆転を許す展開へと変わった。長身選手を活かしたインサイドのプレッシャーと、フィジカルでの押し込みで日本を苦しめるが、それでも日本は冷静さを保った。

勝負どころでの集中力、ファウル誘発とフリースロー成功

接戦のまま終盤に突入したが、日本は重要な場面でしっかりとファウルを誘い、得点に繋げた。特に高橋芙由子は4本のフリースローを獲得し、すべてを成功させる冷静なシュート力を発揮。スコアを20−16とした場面で、勝利をグッと引き寄せる要因となった。

最後のワンプレーでは、宮下希保がトップから左ドライブで鋭く切り込み、ディフェンスをかわしてレイアップを沈めた。試合終了のブザーと同時に21点目が決まり、日本代表が21−16で大金星を収めた瞬間だった。

高橋芙由子がゲーム最多12得点、攻守で存在感

この試合で日本代表の勝利に最も大きく貢献したのは、やはり高橋芙由子だった。全体の約半数にあたる12得点をマークし、フリースロー成功率の高さ、積極的なペネトレイト、守備でも相手のエースを封じる動きなど、まさに攻守において“軸”となるプレーを披露した。

3×3においては、限られたプレー時間と選手数の中で、個々のパフォーマンスが試合結果を大きく左右する。その意味で高橋の安定したパフォーマンスは、今後の戦いにも直結する極めて重要な要素となる。

オランダ代表の実績と背景

今回対戦したオランダ代表は、2023年大会ではアメリカとの決勝で敗れたものの、堂々の準優勝を果たした実力国である。長身選手を中心としたインサイド支配と、フィジカルに優れた選手層は世界でもトップクラス。今回の敗戦は彼女たちにとって予想外だったかもしれないが、日本の粘り強い守備と正確な攻撃がその上をいった。

女子3×3日本代表の可能性と今後の注目ポイント

今回の勝利によって、女子日本代表はグループ突破に向けて大きな弾みをつけた。次戦以降の相手も油断できないチームばかりだが、オランダという“世界一”の肩書きを持つチームに勝利したことで、他国からのマークもより一層強くなるだろう。

今後の課題は、ペースを乱された際の対応やフィジカル勝負での押し返し、そして選手間のローテーションの安定化などが挙げられる。それでも、戦術遂行力と個々の技術力の高さは折り紙付きであり、上位進出は十分に現実的な目標だ。

次戦はいつ?日本代表の戦いはまだ始まったばかり

次戦は予選プールBの他国との対戦が控えており、試合日時はFIBA公式スケジュールで順次発表される予定。グループステージは総当たり形式で進行し、上位チームが決勝トーナメントへと進出する。

高橋芙由子を中心に、桂、高橋未来、宮下の4人がどれだけ安定してパフォーマンスを発揮できるかが鍵になる。戦術面ではドライブ&キックの精度や、オフボールの動きの質向上が求められる中で、どのような成長を見せるのか注目が集まる。