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北海道発の3×3プロクラブ「FUz HOKKAIDO.EXE」──地域密着と世界挑戦を両立するバスケ集団の現在地

北海道唯一の3×3プロクラブ「FUz HOKKAIDO.EXE」とは


北海道岩見沢市で産声を上げ、現在は札幌市・北広島市など道内各地に活動の拠点を広げる「FUz HOKKAIDO.EXE」。3人制バスケットボール専門のプロクラブとして、北海道から全国、そして世界へ挑戦を続けているチームである。

クラブのモットーは「すべては、“ワクワク”する未来のために。」。競技の普及と地域の活性化を両立するビジョンのもと、FIBA公認の3×3リーグ「3×3.EXE PREMIER」へは2022年から参戦しており、北海道を代表する3×3クラブとして着実に存在感を高めている。

運営会社と地域とのつながり

クラブの運営母体は「合同会社FU(FU LLC.)」で、2021年4月8日に設立。代表は田尻洋輔氏、副代表に松重宏和氏が名を連ねる。所在地は札幌市北区であり、チームの活動は北海道全域に広がっている。クラブとしてのミッションは単なる競技成績の向上にとどまらず、地域の青少年育成、スポーツ文化の発信、地域密着型イベントの開催など、多角的な視点で展開されている。

注目の登録選手たち


FUz HOKKAIDO.EXEの強みの一つは、幅広い年齢層とバックグラウンドを持つ選手陣の構成である。2025シーズン登録メンバーの一部を紹介しよう。

  • #0 木村 優斗:196cm・94kgの長身フォワード。東海大札幌から白鷗大学を経て、現在はブロックショットを武器に守備の要として活躍。
  • #32 田口 凛:180cm・76kgのシューター。仙台出身で室蘭とも縁が深く、新潟アルビレックスや江別ワイルドボアーズなどの経験を持つ。
  • #14 福田 真生:192.5cm・89kgのベテランシューター。青山学院大卒でプロ複数クラブを経験し、2ポイントシュートに秀でたプレーが持ち味。
  • #91 田中 翼:190cm・80kgの若手プレーヤー。帯広三条高校、小樽商科大学と地元で経験を積み、ドライブでディフェンスを切り崩す。
  • #77 堂薗 響:176cm・79kgと小柄ながらスピードとドライブで違いを作れるガード。東海大学札幌キャンパスで研鑽を積んだ。

このように、経験豊富な選手から若手までバランスの取れたロスターが魅力であり、地元出身者の活躍は地域ファンからの支持にもつながっている。

クラブの戦績と成長の軌跡

2025シーズンにおけるFUz HOKKAIDO.EXEの注目ポイントは、ラウンド4(八戸開催)での初勝利にある。Pool CではTRYHOOP OKAYAMA.EXEを18–14で下し、シーズン初白星を記録。続くSHONAN SEASIDE.EXE戦では惜しくも延長戦で敗退したものの、戦術面とチームの結束が確実に強化されたことを示す大会となった。

また、ラウンド5(札幌開催)ではホームアドバンテージの中、男子12チーム・女子3チームが参戦する大規模イベントとして地域に根差した大会運営も行った。グループステージでは惜しくも敗退となったが、平均14.7得点という攻撃力や、1P成功率50%のYosuke Tajiriの活躍は、着実な進歩を物語っている。

地域に根ざした育成と2032年構想


FUz HOKKAIDO.EXEは、競技活動のみに留まらず、育成事業にも力を注いでいる。北海道教育大学岩見沢校との連携や、子どものためのスポーツ教育メソッド「バルシューレ」の導入など、3×3を通じた未来人材の発掘・育成に注力。目標は明確に「2032年オリンピックでの金メダル獲得」を掲げており、地域発の才能が世界を舞台に活躍するシナリオを本気で描いている。

また、クリニックやスクール事業、グッズ制作、スポーツイベント運営など、多角的に地域との接点を増やしており、単なるスポーツチームではなく「北海道の象徴」となることを目指すクラブ像が垣間見える。

メディア・SNS発信とファンとの関係構築

FUz HOKKAIDO.EXEは、情報発信力の高さでも注目されている。公式サイトを中心に、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS、さらにはPR TIMESなどのプレスリリースを活用し、クラブの動向や試合結果、選手の素顔などを積極的に発信。ファンとの距離を近づける施策も重視しており、今後のスタジアム集客やクラウドファンディング展開への布石ともなっている。

今後の展望と3×3界でのポジショニング

FUz HOKKAIDO.EXEの今後の焦点は、リーグ内での競技力向上と、FIBA 3×3 World Tourへの参入である。北海道でのWorld Tour開催を視野に入れた国際戦略は、地域にとっても経済効果やスポーツ文化振興という波及的メリットが期待される。

また、チーム強化においては、若手選手の成長を促しつつ、競技者としてのスキル向上に加え、観客を魅了するプレースタイルの確立も鍵を握る。

まとめ:北海道から世界へ──FUz HOKKAIDO.EXEの挑戦

FUz HOKKAIDO.EXEは、北海道という広大な土地を背景に、3×3バスケットボールの普及・強化・地域活性化を軸に据えた戦略的なクラブ運営を実践している。地域密着型の育成、透明な情報発信、多様なバックグラウンドの選手構成など、多くの要素が絡み合いながら「世界で戦う北海道発のクラブ」への道を着実に歩んでいる。

その挑戦は、北海道の子どもたちに夢を与えるだけでなく、日本の3×3シーン全体を活性化する存在として、今後さらに注目されていくに違いない。

小澤崚が得点王レース首位!3×3男子日本代表がプレーイン進出【FIBA 3×3ワールドカップ2025】

日本代表が2大会連続のベスト8進出を狙う!


2025年6月23日〜29日、モンゴル・ウランバートルにて開催中の「FIBA 3×3ワールドカップ2025」。男子日本代表は予選プールBで2勝2敗の成績を収め3位通過となり、6月27日(金)に開催されるプレーイントーナメント進出を決めた。

この大会で注目を集めているのが、日本のエース・小澤崚の圧倒的な得点力。予選4試合で合計46得点(平均11.5点)をマークし、得点ランキングで暫定トップに立っている。

予選プールB:強豪ひしめく中で粘りの2勝

日本はアメリカ、ラトビア、モンテネグロ、モンゴルと同組となった予選プールBで奮闘。以下が各試合の結果である。

  • 第1戦:日本 14 – 21 アメリカ(敗戦)
  • 第2戦:日本 21 – 15 モンテネグロ(勝利)
  • 第3戦:日本 14 – 21 ラトビア(敗戦)
  • 第4戦:日本 21 – 20 モンゴル(勝利)

開幕戦のアメリカ戦では小澤の2ポイントシュートが冴えたが、終盤のファウルトラブルが響き敗戦。しかしモンテネグロ戦では堅実なフリースローで初勝利を掴み取った。

ラトビア戦では高さで劣る中、最後まで粘ったが力及ばず。それでも最終戦のモンゴル戦では、小澤のフリースローが決勝点となり2勝目を奪取。合計2勝2敗で3位通過を果たした。

小澤崚が得点王レースを牽引!

今大会で最も輝きを放っているのが、日本の背番号1・小澤崚。4試合で合計46点、平均11.5点という驚異的な得点力を見せ、得点ランキングで暫定1位となっている。

彼のプレースタイルは、身体の強さとスピードに加え、2ポイントシュートの精度と、フリースローでの冷静さが際立っており、FIBAの公式SNSでもその活躍が紹介されている。

プレーイントーナメントは6月27日(金)

男子日本代表は、次戦のプレーイントーナメントに進出。ここで勝利すれば、2023年大会に続いて2大会連続のベスト8進出が決まる。

対戦相手はプールCの2位チームとなるが、現時点でのプールCは激戦模様。中国が首位を走る中、カナダ・プエルトリコ・オーストリアが1勝1敗で並び、フランスが未勝利ながら強豪として控えている。

どの国が対戦相手となっても厳しい戦いが予想されるが、小澤を中心にした現在の日本代表には大きな期待が寄せられている。

女子代表も好調なスタートを切る

一方で女子日本代表も好調なスタートを見せている。世界ランク1位のオランダを21-16で撃破し、続くチリ戦ではKO勝利と2連勝をマークした。

ただし、アメリカ戦では8-21の大差で敗戦。現在は最終戦・チェコ戦の結果次第でプールBの2位進出が決まる展開となっている。

悪天候により開始が遅れているが、勝利すれば男子と同様にプレーイントーナメントへ進出可能な状況だ。

FIBA 3×3ワールドカップ2025 概要と今後のスケジュール

  • 開催期間:2025年6月23日(日)~29日(土)
  • 開催地:モンゴル・ウランバートル
  • 6月27日:プレーイントーナメント(各プール2位 vs 3位)
  • 6月28日:準々決勝(各プール1位 vs 勝者)
  • 6月29日:準決勝、3位決定戦、決勝

まとめ:小澤崚とともに、世界の舞台で躍動する日本

FIBA 3×3ワールドカップ2025は、個人の能力が試される短時間勝負の戦い。そんな中、小澤崚の得点力と日本チームの粘り強さが光る大会となっている。

プレーインでの勝利が決まれば、世界ベスト8入りという快挙が待っている。3×3ファン、そしてバスケットボールファンにとって、目が離せない大会となりそうだ。

GL3x3でも、小澤崚のようなスーパースコアラーの登場を期待したい。