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エンビード復活へ――シクサーズが挑む再建の青写真と2025年ドラフト戦略

NBA再建へ踏み出すシクサーズ、未来を担う即戦力を指名

2025年6月25日、ブルックリンのバークレイズ・センターで行われた「NBAドラフト2025」の初日で、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは将来を見据えた重要な一手を打った。全体3位でベイラー大学のフレッシュマン、VJ・エッジコムを指名。ガードとして高い完成度を誇る彼は、身長194cm・体重88kgのフィジカルに加え、平均15.0得点、5.6リバウンド、3.2アシスト、2.1スティールという充実したスタッツを残しており、新シーズンのローテーション入りが有力視されている。

エッジコムは、タイリース・マクシー、ポール・ジョージ、そして看板選手ジョエル・エンビードとともにコアメンバーとして活躍が期待される。チームが再び頂点を目指すためには、彼の成長が欠かせない。

2024-25シーズンの苦い現実、プレーオフ連続出場に終止符

シクサーズにとって2024-25シーズンは試練の連続だった。主力の負傷が相次ぎ、戦績は24勝58敗に低迷。カンファレンス13位という結果に終わり、7年続いたプレーオフ出場記録が途絶えた。チーム全体に漂う閉塞感を打破するため、フロントは積極的な再構築へと舵を切っている。

オフシーズンの焦点はロスターの再編と健康管理

今オフ、シクサーズは複数の選手の契約に注目が集まっている。ケリー・ウーブレイJr.、アンドレ・ドラモンド、エリック・ゴードンはプレイヤーオプションを保持しており、去就が不透明だ。

また、クエンティン・グライムズは制限付きフリーエージェント(RFA)となり、他球団からオファーがあった場合でもマッチする権利を持つ。一方、カイル・ラウリーとガーション・ヤブセレは無制限フリーエージェント(UFA)として市場に出ている。

チームの再浮上には選手の健康状態が最重要課題となる。中でも、膝の故障によりわずか19試合の出場に終わったジョエル・エンビードの回復状況が、来季の成績を左右する最大のカギとなる。

復活に向けて――エンビードの最新リハビリ状況

バスケットボール運営部代表のダリル・モーリーは、ドラフト直前にエンビードと面談したことを明かしている。モーリーは次のように語った。

「彼はリハビリに全力で取り組んでいる。復帰に向けて着実にステップを踏んでいるし、医師とのミーティングも定期的にこなしている。現時点ではすべてが順調だ」

エンビードは2025年4月に左膝の関節鏡手術を受けたばかりだが、医療スタッフと密に連携しながら回復に努めており、チームとしても今後の進展に手応えを感じている様子だ。

数字が示すエンビードの重要性、健康であればリーグ屈指

2023-24シーズンまで、3年連続で平均30点以上を記録していたエンビードは、昨季は平均23.8得点、8.2リバウンド、4.5アシストにとどまった。出場試合数は19と限られたが、それでも彼の影響力の大きさは健在だ。

完全復活となれば、イースタン・カンファレンスのパワーバランスにも変化を与えることは確実。31歳のビッグマンが全盛期のパフォーマンスを取り戻せば、シクサーズは一気に優勝争いに食い込む可能性を秘めている。

2025-26シーズン開幕スケジュールとアブダビ遠征

NBAの新シーズンは、2025年10月22日に開幕が予定されている。フィラデルフィアは、これに先立ち10月3日と5日にプレシーズンマッチとして「NBAアブダビゲームズ2025」に参加し、ニューヨーク・ニックスとの2連戦を戦う。

この遠征に向けたトレーニングキャンプは9月に開始される予定で、フロントはエンビードがこの合宿に間に合う可能性を高く見積もっている。

クーパー・フラッグがNBAドラフト全体1位指名!マブス入りで「レブロン以来の最年少」記録も樹立

NBAドラフト2025でクーパー・フラッグが全体1位指名を獲得


2025年6月26日(現地時間25日)、ニューヨーク・ブルックリンのバークレイズ・センターで「NBAドラフト2025」1巡目の指名が行われ、デューク大学出身のフォワード、クーパー・フラッグがダラス・マーベリックスから全体1位で指名されました。

この結果により、フラッグは2025−26シーズンからNBAの舞台に立つことが決定。数多くの逸材が揃った今ドラフトの中でも、フラッグはそのポテンシャルと即戦力性を兼ね備えた「今最も完成されたプロスペクト」として注目を集めていました。

206cmの万能フォワード、デューク大で記録的なスタッツ


クーパー・フラッグは身長206cm、体重92kgのフォワード。シュート力、ハンドリング、パス、ディフェンスすべてにおいて高い能力を持ち、ポジションレスな現代バスケに完全にフィットする選手とされています。

2024−25シーズン、デューク大学では1年生ながら主力として37試合に出場。平均19.2得点・7.5リバウンド・4.2アシスト・1.4スティール・1.4ブロックという多彩なスタッツを記録し、チームの中心選手として活躍しました。フィールドゴール成功率は48.1%、3ポイント成功率は38.5%(1試合平均1.4本成功)、フリースロー成功率も84.0%と非常にバランスの取れたスキルセットを披露。

スカウト陣からは「プレーメイクもできる大型フォワード」「ディフェンスのIQが異常に高い」と高く評価されており、単なるスコアラーではなく、チーム全体のレベルを引き上げられる選手として注目されています。

レブロンに次ぐ「最年少1位指名」記録を更新

米メディア『ESPN』によると、クーパー・フラッグは2003年にクリーブランド・キャバリアーズから全体1位指名を受けたレブロン・ジェームズに次ぎ、NBA史上2番目に若い年齢での全体1位指名となりました。

2006年12月生まれで現在18歳のフラッグは、2025年6月の時点でドラフトエントリー資格を満たしたばかり。大学バスケットボールで1年のみのプレー経験ながら、若さを感じさせない落ち着きと勝負強さで注目を集めていました。

この若さでNBAのトップ指名を勝ち取ることは、それだけで歴史的快挙であり、今後のキャリアに対する期待値の高さを示しています。

マーベリックスでの役割は?即戦力として期待高まる


指名元となったダラス・マーベリックスは、今季NBAファイナル出場を果たすなど、既に優勝を狙える戦力を有する強豪チーム。ロスターにはカイリー・アービング、アンソニー・デイビス、クレイ・トンプソンといった経験豊富なベテラン陣が揃っており、フラッグはこの中で「即戦力」としての役割を期待されています。

特にスモールフォワードのポジションでの先発起用が有力視されており、シーズン開幕前の7月11日〜21日にかけて開催される「ラスベガス・サマーリーグ」での実戦デビューが予告されています。ここでのパフォーマンス次第では、開幕ロスター入りと先発定着も十分に現実的といえるでしょう。

“新時代の象徴”として、フラッグが背負うもの

クーパー・フラッグは、アメリカの高校時代から「ネクスト・レブロン」「ネクストKD(ケビン・デュラント)」などと形容される存在でした。スキルセットに加え、バスケットボールIQ、リーダーシップ、競争心といった要素も非常に高く、単なる“身体能力のある若者”とは一線を画す評価を得ています。

一方で、NBAの舞台で成功するには身体のフィジカル強度、試合のペース、連戦による対応力など、大学とはまったく異なる適応力が求められます。マーベリックスの環境下でどれだけ早く順応できるかが、今後の成長曲線を大きく左右することになります。

「レブロン以来の逸材」がNBAの景色を変えるか

2025年のドラフトは、レブロン・ジェームズの全体1位指名から22年を経て、再び“特別な存在”の登場を世界に印象づけました。レブロン以来の最年少で全体1位に選ばれたフラッグには、プレッシャーも注目度も集中しますが、それに応えるだけの才能とメンタリティを備えていることは、すでに大学時代に証明済みです。

ルーキーイヤーからどこまで通用するのか、どのようにチームと融合していくのか——2025−26シーズンのNBAは、クーパー・フラッグを中心に大きな注目を集めることになるでしょう。