映画『With the 8th Pick…』始動!コービー・ブライアントを指名しなかったNBAチームの“もしも”の物語

コービー・ブライアントの“ドラフト裏側”が映画に!『With the 8th Pick…』製作決定

NBA史上屈指のスーパースター、コービー・ブライアント。彼がロサンゼルス・レイカーズのユニフォームに袖を通すまでのドラマは、これまで何度も語られてきた。しかし今回、アメリカの大手映画会社ワーナー・ブラザースが製作を始めた新作映画『With the 8th Pick…』は、これまでとは全く異なる視点からコービーの運命を描こうとしている。

本作は、1996年のNBAドラフトで“コービーを指名しなかったチーム”、すなわちニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)と当時のGMジョン・ナッシュの決断に焦点を当てた、まさに「もう一つの運命」の物語だ。

タイトルの意味:「With the 8th Pick…」に込められた皮肉

本作のタイトル「With the 8th Pick…」は、NBAドラフトの場面でコミッショナーが発する指名発表のフレーズを引用したもの。1996年のNBAドラフトでは、1位にアレン・アイバーソン(シクサーズ)、5位にレイ・アレン(バックス)など、後のスター選手たちが名を連ねた中で、8位指名を持っていたのがネッツだった。

彼らが選んだのは、ビラノバ大学出身のケリー・キトルズ。そしてその5つ後、13位でシャーロット・ホーネッツに指名されたのが、当時17歳の高校生──コービー・ブライアントだった。

キトルズのキャリアは決して悪くなかったが、結果的に“8位でコービーを指名しなかった選択”は、ネッツの歴史に残る大きな分岐点となった。

焦点はGMジョン・ナッシュ──“指名寸前”の葛藤

映画『With the 8th Pick…』は、コービーの栄光を描くのではなく、「なぜあのとき彼を指名しなかったのか?」というチームフロントの葛藤を主軸に構成されている。脚本を手がけたのはアレックス・ソーンとギャビン・ヨハンセンのコンビ。

舞台となるのは、1996年のドラフト当日。ネッツのGMだったジョン・ナッシュは、エージェントやスカウト、オーナーと意見をぶつけながら、指名直前までコービーを指名するか否かで揺れていたと言われている。

この作品は、そうした「裏側の選択とプレッシャー」「未来を変えた一瞬」をスリリングに描くものとなるだろう。

“マネーボール”や“AIR”の系譜──スポーツ映画の進化系

関係者によれば、『With the 8th Pick…』は、野球界の分析革命を描いたブラッド・ピット主演の映画『マネーボール』や、ナイキとマイケル・ジョーダンの契約誕生を描いた『AIR/エア』のような、“スポーツの裏側”に焦点を当てた知的な作品になるという。

観客は単なる試合映像やスーパープレイではなく、「人間ドラマ」「選択の重み」「後悔と希望」といった深いテーマを通じて、NBAの世界を新たな視点で体感することができる。

このアプローチは、近年のスポーツ映画トレンドでもあり、GL3x3のようなバスケリーグにとっても、自身の物語性をどう魅せるかというヒントになる。

1996年NBAドラフト:歴史を変えたスターたち

1996年のNBAドラフトは、「史上最も豊作な年」の一つとして知られている。以下はその上位指名選手たちの一部だ。

  • 1位:アレン・アイバーソン(シクサーズ)
  • 4位:ステフォン・マーブリー(バックス→ウルブズ)
  • 5位:レイ・アレン(ウルブズ→バックス)
  • 13位:コービー・ブライアント(ホーネッツ→レイカーズ)
  • 15位:スティーブ・ナッシュ(サンズ)
  • 17位:ジェーメイン・オニール

この年はのちの殿堂入り選手が多数誕生しており、なかでも高校生でNBAに飛び込んだコービーの存在は特異でした。ネッツがもし彼を指名していたら──そんな仮定をもとに描かれる物語は、バスケファンにとって非常に興味深いものとなるでしょう。

GL3x3視点:意思決定とスカウティングの物語性

GL3x3でも、プレイヤーの選考やドラフト、チームビルディングが進む中で、「誰を選ぶか」「なぜ選ばなかったか」という判断が未来を左右する場面が増えています。

この映画が描く“指名しなかった決断”は、3×3バスケにおいても「隠れた才能」や「見逃された逸材」に光を当てる視点を提供してくれるでしょう。

選手獲得が感覚やコネだけではなく、戦略と未来構想に基づいて行われる時代に突入するなか、GL3x3でも“意思決定のドラマ”は重要な物語として活用できるのです。

まとめ:コービーという伝説を生んだ“選ばなかった”側のドラマ

コービー・ブライアントのNBA入りは、13位指名とレイカーズへのトレードという“偶然と戦略”の産物でした。その裏で8位指名を持っていたネッツとGMジョン・ナッシュの決断は、もう一つのNBA史をつくる分岐点となりました。

映画『With the 8th Pick…』は、その「選ばなかった側」の視点から、バスケットボールの奥深さと人生の“もしも”を描き出す作品になると期待されます。

GL3x3を含めたすべてのバスケ関係者・ファンにとって、この映画がもたらす視点は、選手を見る目、チームをつくる力、そして物語をつむぐ意義を問い直すきっかけとなるかもしれません。

公開日などの詳細は未定ですが、続報に注目したい作品です。